食事性因子

植物性化合物

植物性化学物質は、厳密には植物によって生成される化学物質と定義される。しかしこの用語は、必須栄養素ではないものの健康に影響するかもしれない植物由来の化学物質を表すことに一般的に使用されている。果物、野菜、豆類、全粒穀物、およびナッツの豊富な食事の健康への有益さを裏付ける豊富なエビデンス(科学的根拠)があるが、これらの効果が特定の栄養素や植物性化学物質によるものだとするエビデンスは限られている。植物性食品は生理活性化合物の複雑な混合物であるので、個々の植物性化学物質の潜在的健康効果の情報は、それらの植物性化学物質を含む食物の健康効果の情報にリンクしている。

詳細情報については、リストから植物性化学物質を選択のこと。

ライナス・ポーリング研究所の微量栄養素情報センター発信の食事性の植物性化学物質に関する情報は、「An Evidence-based Approach to Phytochemicals and Other Dietary Factors(植物性化学物質およびその他の食事性要因へのエビデンスに基づくアプローチ)」と題する本によって現在利用可能である。この本は ライナス・ポーリング研究所 または Thieme Medical Publishersから購入可能である。

カロテノイド

English

α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン

要約

  • カロテノイド類(以下、カロテノイド)は植物によって合成される黄色、オレンジ、および赤の色素である。北米の食事で最も一般的なカロテノイドは、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、およびリコピンである。
  • α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチンはビタミンA前駆体カロテノイドで、体内でレチノール(ビタミンA)に変換されうる。ルテイン、ゼアキサンチン、およびリコピンはビタミンA活性がない。(詳細はこちら)
  • 現在では、ヒトでのカロテノイドの生物学的効果が、その抗酸化作用またはその他の非抗酸化作用に関連しているのかどうか不明である。(詳細はこちら)
  • カロテノイドの豊富な果物や野菜が多い食事が心血管疾患やある種のがんのリスクの減少と関連しているという疫学的研究の結果があるが、大規模な無作為化対照試験では、心血管疾患やがんのリスクがβ-カロテンの高用量サプリメントによって減ることはなかった (詳細はこちら)
  • 2例の無作為化対照試験で、高用量β-カロテンサプリメントの摂取が多いと、喫煙者およびアスベスト作業経験者の肺がんリスクが増加したことがわかった。(詳細はこちら)
  • トマトやトマト製品からのリコピンの摂取が多かった男性は摂取の少ない男性よりも前立腺がんを発症しにくいという疫学的研究がいくつかあるが、リコピンのサプリメントが前立腺がんの発症や重症度を軽減するのかは不明である。(詳細はこちら)
  • 目の網膜と水晶体にあるカロテノイドは、ルテインとゼアキサンチンだけである。ルテインとゼアキサンチンの豊富な食事が加齢性黄斑変性や白内障の進行を遅らせる可能性があるという疫学的研究があるが、ルテインとゼアキサンチンのサプリメントがこれらの加齢性疾患の進行を遅らせるのかどうかは不明である。(詳細はこちら)
  • カロテノイドは食事に含まれる脂肪といっしょに摂取すると、一番良く吸収される。カロテノイドを含む野菜を刻んだりピューレにしたり油といっしょに加熱したりすると、それらが含むカロテノイドの生物活性が一般的に高まる。(詳細はこちら)

序説

カロテノイドは植物、藻類、および光合成バクテリアによって合成される600種以上の自然界に存在する色素類である。これらの色彩豊かな分子が多くの植物の黄色、オレンジ、そして赤い色の元となっている(1)。ヒトの食事では、カロテノイドの大部分が果物と野菜によるものである。α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、リコピン、およびゼアキサンチンが食事に含まれる最も一般的なカロテノイドである。α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチンはビタミンA前駆体で、体内でレチノールに変換されうる(図1参照)。ルテイン、 リコピン、およびゼアキサンチンはレチノールに変換されないので、ビタミンA活性がない(図2参照)。カロテノイドは、カロテン類(α-カロテン、β-カロテン、およびリコピン)と、キサントフィル類(β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチン)という2つの種類に大きく分けられる。

Carotenoids Figure 1. Vitamin A (Retinol) and Provitamin A Carotenoids

Carotenoids Figure 2. Carotenoids With No Vitamin A Activity

代謝と生物学的利用度

食事からのカロテノイドが小腸で吸収されるには、それらが食品マトリックス(食品組織を構成する細胞間質など)から遊離して混合ミセル(胆汁酸塩と数種類の脂質の混合物)に組み込まれなければならない(2)。したがって、カロテノイドの吸収には食事に脂肪が含まれていることが必要である。食事にわずか3~5gでも脂肪があれば、カロテノイドの吸収を確実にするのに十分である(3,4)。植物食品のマトリックスから遊離される必要がないので、サプリメント中の(油分に含まれた)カロテノイドは、食品のカロテノイドよりも効率的に吸収される(4)。小腸を作りあげている細胞(腸細胞)の中で、カロテノイドは中性脂肪の豊富なカイロミクロンと呼ばれるリポ蛋白質に組み込まれ、血液中に放出される(2)。中性脂肪はリポ蛋白質リパーゼと呼ばれる酵素によって血液中のカイロミクロンから取り除かれ、カイロミクロンレムナントが生成される。カイロミクロンレムナントは肝臓に取り込まれ、そこでカロテノイドはリポ蛋白質に取り込まれて血液中に戻される。腸や肝臓では、ビタミンA前駆体であるカロテノイドは開裂して、ビタミンAの一種であるレチノールを生成するかも知れない。ビタミンA前駆体カロテノイドからビタミンAへの変換は、個人のビタミンAの栄養状態によって影響を受ける(5)。ヒトでの調節機構は未だにはっきりしないが、ビタミンAが豊富に体内に貯蔵されていると、ビタミンA前駆体カロテノイドの開裂が抑制されるようである。

生物活性

ビタミンA活性

ビタミンAは正常な成長や発達、免疫機能、および視覚に欠かせない。現在では、ヒトで認知されているカロテノイドの唯一不可欠の機能は、ビタミンAの供給源となるビタミンA前駆体カロテノイド(α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチン)としての機能である(6)。食品に含まれるβ-カロテンのビタミンAとしての活性はレチノール(既成ビタミンA)の12分の1であり、α-カロテンやβ-クリプトキサンチンのそれはいずれもレチノールの24分の1である(6)

抗酸化活性

植物では、光合成で発生するオキシダント(酸化剤)である一重項酸素を抑える(不活性化する)という重要な抗酸化機能をカロテノイドが担っている(7)。試験管内での研究結果からは、リコピンが最も一重項酸素の抑制作用が高いカロテノイドの一つであることが示されている(8)。植物では重要なことではあるが、一重項酸素の抑制とヒトの健康との関連性は、植物ほど明らかではない。試験管での研究では、カロテノイドがある条件下で脂肪の酸化(脂質過酸化反応)も抑制することが示されているが、ヒトにおけるそれらの作用はもっと複雑なようだ(9)。現在では、ヒトでのカロテノイドの生物学的効果がその抗酸化活性の結果なのかその他の非抗酸化メカニズムによるものなのかはっきりしていない。

光のフィルタリング

すべてのカロテノイドに共通な二重結合と単結合が交互につながった長い構造によって、カロテノイドは可視光を吸収することができる(7)。この特徴は眼にとって特に関係があり、眼ではルテインとゼアキサンチンが青の光を効率よく吸収する。眼の視覚構造に重要な箇所に到達する青い光を減らすことは、光によって引き起こされる酸化ダメージから眼を守っている可能性がある(10)

細胞間情報伝達

カロテノイドはコネキシンという蛋白質の合成を助長して、近接する培養細胞間の情報伝達を促進している(11)。コネキシンは細胞膜の間の細孔(ギャップ結合)を形成し、小分子の交換による細胞間の情報伝達を可能にする。この種の細胞間情報伝達は細胞が分化状態を保つのに重要であり、がんの細胞では失われていることも多い。カロテノイドはコネキシン蛋白質の情報をコード化する遺伝子の発現を促進して、細胞間情報伝達を促す。これは様々なカロテノイドが有しているビタミンA活性や抗酸化活性とは無関係な作用のようである(12)

免疫系の活性

ビタミンAは免疫系の機能の正常な作用に不可欠であるので、ビタミンA前駆体カロテノイドの効能がカロテノイドのビタミンA活性に関連するのか、それともその他の活性に関連するのかを見極めることは困難である。β-カロテンの補給によって免疫の機能を示すいくつかのバイオマーカーの値が向上したという臨床試験もある(13-15)が、ビタミンA活性のないカロテノイドであるリコピンやルテインの摂取を増加させても、ヒトの免疫機能に関するバイオマーカーの値が同様に向上することはなかった(16-18)

欠乏症

ビタミンA前駆体カロテノイド(α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチン)を摂取すれば、ビタミンA欠乏症を防ぐことができる。しかし、適切な量のビタミンAを摂取すれば、カロテノイドの量が少ない食事をしても明白な欠乏症は見られない(6)。2000年に、それまでに発表された科学的研究を再調査した結果、カロテノイド摂取の推奨量(RDA)や目安量(AI)を設定するには現在のエビデンスでは不十分と米国医学研究所の食品栄養委員会は判断した。そこで委員会はビタミンAについての推奨量を設定した。米国国立がん研究所、米国がん協会、および米国心臓協会による多様な果物や野菜の摂取の推奨は、カロテノイドの摂取増加を部分的に意図している。

疾病予防

肺がん

食事からのカロテノイド

β-カロテンは食品やヒトの血液で初めて測定されたカロテノイドである。初期の観察研究の結果から肺がんリスクとβ-カロテン摂取との間に逆相関があることが示唆され、それはβ-カロテンの血中濃度の測定で評価されることが多かった(19,20)。より最近になって食品中のその他のカロテノイドのデータベースが開発されてくると、カロテノイド全体および個々のカロテノイドの食事からの摂取がより正確に推定できるようになった。初期の後ろ向き研究と対照的に、最近の前向きコホート研究では、β-カロテンの摂取と肺がんリスクとの間の一貫した逆相関は見られてはいない。食事からのカロテノイドの摂取と肺がんリスクに関して12万人以上の男女を少なくとも10年間追跡した米国での2つの大規模前向きコホート研究の分析では、食事からのβ-カロテンの摂取と肺がんリスクとの間に有意な相関(関係)は見つからなかった(21)。しかしながら、全カロテノイド、α-カロテン、およびリコピンの摂取が最も多かった男女は、摂取が最少であった男女よりも有意に肺がんリスクが低かった。27,000人以上の男性喫煙者を14年間調べたフィンランドでの研究では、β-カロテンを除いて全カロテノイド、リコピン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンの食事からの摂取が肺がんリスクを有意に減らしていた(22)。一方で、58,000人以上のオランダ人男性を対象にした6年間の研究では、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンの食事からの摂取だけが肺がんリスクと逆相関があった(23)。北米およびヨーロッパにおける6つの前向きコホート研究を統合した結果でも、食事からのβ-カロテン摂取と肺がんリスクとの関連は見られなかったが、β-クリプトキサンチン摂取が最も多い者は摂取が最少である者に比べて24%肺がんリスクが低かった(24)。肺がんには喫煙が最も大きなリスク要因であるが、食事からのカロテノイド摂取を正確に推定する最近の前向き研究の結果は、β-カロテンだけでなく多種のカロテノイドの豊富な食事が肺がんリスクの低減と関連している可能性を示している。しかしながら、最近の前向きコホート研究のシステマティック・レビューでは、肺がんの発症に対する食事からのカロテノイドの予防的効果は小さく、統計的に有意ではないと結論づけられている(25)

β-カロテンのサプリメント

肺がんの発症に対するβ-カロテンの補給の効果は、3つの大規模な無作為化プラセボ対照試験で調べられている。フィンランドでは、α-トコフェロール・β-カロテンがん予防試験(ATBC)で29,000人以上の男性喫煙者に20mg/日のβ-カロテンおよび/または50mg/日のα-トコフェロールを与えた効果を調べた(26)。米国ではβ-カロテンおよびレチノール有効性試験(CARET)で、30mg/日のβ-カロテンと25,000IU/日のレチノール(ビタミンA)の組み合わせを、喫煙者、以前に喫煙していた者、または職業的にアスベストに接していた18,000人以上の男女に与えた効果を調べた(27)。意外なことに、β-カロテンのサプリメントを摂っていたグループの肺がんリスクが、ATBCの参加者で6年後に16%増加し、CARETの参加者でも4年後に28%増加した。米国で22,000人以上の男性医師を対象にした医師健康調査では、がんリスクに対するβ-カロテン補給(50mgを1日おき)の効果を調べたが、喫煙者はそのうちのわずか11%であった(28)。そのようにリスクが低い集団では、12年以上のβ-カロテン補給は肺がんリスクの上昇とは無関連であった。肺がんリスクの増加の理由は明らかでないが、いくつかのメカニズムが提唱されている(29)。多くの専門家は、特に喫煙者やその他のハイリスク集団においては、高用量β-カロテン補給の危険性の方ががん予防効果を凌ぐのではないかと考えている(30,31)。β-カロテンは、単体でサプリメントとして売られているだけでなく、 目の健康を促すとして売られているサプリメントにも含まれている(32)

前立腺がん

食事からのリコピン

いくつかの前向きコホート研究の結果から、リコピンが豊富な食事は、前立腺がん、中でも特に悪性の前立腺がんのリスク低減と関連があることが示唆された(33)。47,000人以上の医療関係者を8年間追跡した前向き研究で、リコピンの摂取が最大の者は最少の者に比べて21%前立腺がんのリスクが低かった(34)。(リコピン摂取全体の82%を占める)トマトやトマト製品の摂取が最大の者は、最少の者に比べて前立腺がんのリスクが35%低く、悪性の前立腺がんのリスクも53%低かった。同様に、セブンスデー・アドベンチスト協会の男性を対象にした前向き研究では、トマトの摂取が最大の者は前立腺がんのリスクが有意に低いことがわかった(35)。また、米国の医師を対象にした前向き研究でも、血漿中のリコピン濃度が最も高い者は、悪性の前立腺がんの発症リスクが有意に低かった(36)。しかしながら、58,000人以上のオランダ人男性を対象にした前向き研究では、食事からのリコピンの摂取は前立腺がんのリスクと関連がなかった(37)。11例の症例対照研究と10例の前向き研究の結果をまとめてメタ解析したところ、食事からのリコピンまたはトマトの摂取が最大の男性は、前立腺がんリスクが11~19%と控えめながら低かった(38)。より最近では、29,361人の男性を4.2年間追跡した前向きコホート研究で、食事からのリコピンの摂取と前立腺がんのリスクには関連が見られなかった(39)。加えて、最近の大規模前向き研究では、血漿中のリコピン濃度または血漿中の全カロテノイド濃度と、前立腺がん全体のリスクとの関連は見られなかった(40)。リコピンが前立腺がんの予防に役立つ可能性への科学的関心は相当あるものの、いくつかの疫学的研究で見られた前立腺がんリスクの低減がリコピン自体に関連するものなのか、トマトに含まれるその他の化合物によるものなのか、リコピンの豊富な食事に関連したその他の要因によるものなのかは不明である。現在までのところ、前立腺がんの患者にリコピンを使った短期食事介入研究の結果は有望である(41)。しかし、前立腺がんの予防や治療のためにリコピンのサプリメントを長期間使用することの安全性や効能は不明である(41)。この問題を扱うには、大規模な対照臨床試験が必要であろう。

心血管系疾患

食事からのカロテノイド

脂肪にとても溶けやすいが水には非常に溶けにくいため、カロテノイドはコレステロールやその他の脂肪とともにリポ蛋白質に含まれて血液中を循環する。低密度リポ蛋白質(LDL)の酸化がアテローム性動脈硬化症の発症に関わっているというエビデンスから、心血管疾患の予防におけるカロテノイドなどの抗酸化化合物の役割が調べられた(42)。頸動脈の内層の厚さは、超音波技術を用いて非侵襲的に測定可能である。この頸動脈内中膜複合体厚の測定値は、アテローム性動脈硬化症の信頼し得るマーカーとされている(43)。いくつかの症例対照研究および横断的研究で、血中のカロテノイド濃度の高値と頸動脈内中膜複合体厚の低値との有意な相関がわかった(44-49)。ベースライン時(研究開始時)の血漿カロテノイド濃度が高いと心血管疾患のリスクが有意に低いという前向き研究もある(50-54)が、その関連が見られなかった研究もある(55-58)。数例の前向き研究の結果で、カロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取が多い者は心血管疾患のリスクが低いということが示唆された(58-61)が、この効果がカロテノイドによるものなのか、カロテノイドの豊富な果物や野菜の多い食事に関連するその他の要因によるものなのかは不明である。

β-カロテンのサプリメント

カロテノイドの豊富な果物や野菜を食事から多く摂取すると、心血管疾患のリスクが減る可能性があることを示唆する疫学的研究とは対照的に、4つの無作為化対照試験で20~50mg/日のβ-カロテンのサプリメントを摂取しても心血管疾患の予防に効果があるというエビデンスは見られなかった(26,28,62,63)。これらの無作為化対照試験の結果に基づいて、β-カロテンのサプリメントは中年および老年の成人の心血管疾患の予防に有効ではないとする十分なエビデンスがあると米国予防医学専門委員会は結論づけた(31,64)。したがって、観察研究ではβ-カロテンの豊富な食事が一般的に心血管疾患リスクの低減と関連があるとしているものの、β-カロテンの補給が心血管疾患を減らすというエビデンスはない(65)

加齢黄斑変性

西洋諸国では、目の網膜の中心にある黄斑の変性が年配の成人における失明の主因となっている。異常のある水晶体を入れ替えられる白内障と異なり、加齢黄斑変性には治療法がない。したがって、この病気の予防や進行の遅延が試みられている。

食事からのルテインとゼアキサンチン

網膜に存在するカロテノイドはルテインとゼアキサンチンだけである。ルテインとゼアキサンチンは黄斑に高濃度で存在し、青い光を効率的に吸収する。目から入る青い光がその下にある視覚に関わる構造に大量に到達するのを防ぐことで、加齢黄斑変性を引き起こす原因であると思われる光による酸化ダメージからルテインとゼアキサンチンが目を守っている可能性がある(10)。証明はされていないが、ルテインとゼアキサンチンは網膜でできる酸化剤を直接中和しているということも考えられる。疫学的研究では、ルテインとゼアキサンチンの高摂取と加齢黄斑変性のリスク低下が関連しているというエビデンスもある(66)。しかしながら、この関係は決して明快ではない。横断研究および後ろ向き症例対照研究で、食事中(67-69)、血液中(70,71)、および網膜(72,73)でのルテインとゼアキサンチンの濃度が高いと加齢黄斑変性の発症が少ないという関連があったが、いくつかの前向きコホート研究では、ベースライン時のルテインおよびゼアキサンチンの食事からの摂取または血清濃度と加齢黄斑変性を経年的に発症するリスクとの間に何の関係もなかった(74-77)。ルテインおよびゼアキサンチンの摂取を増やすことで加齢黄斑変性のリスクを減らせる可能性には非常に関心が高いものの、さらなる無作為化対照試験のデータがなければこれらのサプリメントを推奨することは時期尚早である(78)。加齢性眼疾患研究2(AREDS2)という臨床試験では、症状が進んだ加齢黄斑変性の進行に対する、ルテイン(10mg/日)およびゼアキサンチン(2mg/日)に加えてβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅を組み合わせたサプリメント(’AREDS’サプリメント)の補給は、何ら抑制効果を示さなかった(79)。今日までに利用可能な科学的エビデンスから、果物や野菜から少なくとも6mg/日のルテインおよびゼアキサンチンを摂取すると、加齢黄斑変性のリスクを減らせる可能性がある(67-69)

ルテインのサプリメント

萎縮性加齢黄斑変性の患者の無作為化対照試験では、10mg/日のルテインの補給によって1年後に視力がプラセボに比べて少し向上した(80)。しかし、何人かの研究者は萎縮性加齢黄斑変性の患者に対する長期間のルテイン補給の効果を評価するには、さらなる研究が必要であると結論づけている。AREDS2ではルテイン(10mg/日)とゼアキサンチン(2mg/日)に加えてβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅を組み合わせたサプリメント(’AREDS’サプリメント)は重度の加齢黄斑変性への進行を遅らせなかったが、サブグループ分析ではルテインとゼアキサンチンの摂取量が最も低い人々には有益であることが明らかになった(79)

β-カロテンのサプリメント

加齢黄斑変性に対するカロテノイド補給の効果を調べる最初の無作為化対照試験(AREDS1)では、β-カロテンをビタミンC、ビタミンE、および亜鉛といっしょに使った。それというのは、試験の始まった当時ではルテインとゼアキサンチンはサプリメントとして市販されていなかったからである(81)。抗酸化物質と亜鉛のこの組み合わせは、少なくとも片方の眼に中度から重篤な黄斑変性の徴候がある個人の黄斑変性が進行するリスクを下げたが、β-カロテンは網膜に存在しないので、この有益性はβ-カロテンに関連していないであろう。フィンランドで男性喫煙者に20mg/日のβ-カロテンを6年間補給しても、プラセボに比べて加齢黄斑変性のリスクが低くなることはなかった(82)。22,071人の健康な米国人男性のコホートにおけるプラセボ対照試験では、β-カロテンを補給(1日おきに50mg)しても加齢黄斑変性の初期段階である加齢黄斑症の発症に効果はなかった(83)。無作為化対照試験に関する最近のシステマティック・レビューでは、β-カロテンの補給が加齢黄斑変性の発症を予防または遅延するというエビデンスはないと結論づけている(84,85)

白内障

紫外線や酸化剤は眼の水晶体の蛋白質を傷つけ、白内障として知られる混濁に至る構造的変化をひきおこすことがある。人々が老いるにつれて、水晶体の蛋白質に積み重なったダメージが視覚に影響するほど大きな白内障になることもしばしばある(7)

食事からのルテインとゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンだけがヒトの水晶体に見られるカロテノイドであるという観察結果から、ルテインとゼアキサンチンの摂取を増やすと白内障の進行の予防や遅延ができるのではないかという関心が高まった(10)。4つの大規模前向き研究で、ルテインやゼアキサンチンが豊富な食品、特にホウレンソウ、ケール、およびブロッコリーの摂取が最も多い男女は、白内障の摘出(86,87)や発症(88-90)の可能性が18~50%低かった。これらの発見がルテインおよびゼアキサンチンの摂取に特異的に関係しているのか、またはカロテノイドの豊富な食事に関連したその他の要素に関係しているのかを見極めるさらなる研究が必要である(66)

β-カロテンの補給

カロテノイドを豊富に食事から摂取したりカロテノイドの血中濃度が高い人々には白内障が少ないという疫学的研究のエビデンスから、抗酸化物質に関するいくつかの大規模な無作為化対照試験にβ-カロテンのサプリメントも含まれることになった。これらの試験の結果はやや不一致が見られる。6年間以上β-カロテンを補給(20mg/日)しても、フィンランドの男性喫煙者では白内障の罹患率や白内障の手術の頻度に影響はなかった(82)。対照的に、米国の医師を対象に12年間調べた研究では、β-カロテンの補給(50mgを1日おき)が喫煙者の白内障リスクを低減したが、非喫煙者ではそうでなかった(91)。ここで、β-カロテンの補給は喫煙者の肺がんリスクを増大させることが示されたことを思い出してもらいたい(「肺がん」の項参照)。β-カロテン、ビタミンC,ビタミンEを含む抗酸化物質の白内障の進行に対する効果が3つの無作為化対照試験で調べられた。2つの試験では5年間(92)または6年以上(93)補給しても何の効果もなかったが、1つの試験では3年間の補給で白内障の進行に少しの減少が見られた(94)。全体的に無作為化対照試験の結果では、加齢による白内障の進行を遅らせるのにβ-カロテンを補給する有益性がそれによるリスクの可能性よりも大きいとは示されていない。

摂取源

食品の摂取源

北米での食事で最もよく見られるカロテノイドはα-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、およびゼアキサンチンである(6)。食品に含まれるカロテノイドは主にオールトランス型(1および図2参照)で、加熱によってその他の異性体もできる可能性がある。ほとんどの食品からのカロテノイドの生物学的利用度がサプリメントに比べて比較的低いのは、それらが植物体マトリックス中の蛋白質に弱く結合しているという事実に一部起因する(2)。刻んだり均質化したり加熱したりすると植物体マトリックスが壊れ、カロテノイドの生物学的利用度が高くなる(4)。トマトからのリコピンの生物学的利用度は、トマトを油中で加熱することで著しく向上する(95,96)

α-カロテンとβ-カロテン

α-カロテンとβ-カロテンはビタミンA前駆体カロテノイドで、体内でビタミンAに変換され得る。食品中のβ-カロテンのビタミンA活性は、レチノール(既成ビタミンA)の12分の1である。したがって、1μg(0.001mg)のレチノールを摂るには、食品からのβ-カロテンは12μg必要である。食品中のα-カロテンのビタミンA活性は、レチノールの24分の1である。したがって、1μg(0.001mg)のレチノールを摂るには、食品からのα-カロテンは24μg必要である。にんじんや冬かぼちゃのようなオレンジや黄色の野菜は、α-カロテンやβ-カロテンの豊富な食品である。ホウレンソウもβ-カロテンの豊富な摂取源であるが、葉に含まれる葉緑素が黄色がかったオレンジ色の色素を隠してしまっている。α-カロテンやβ-カロテンのよい摂取源となる食品のリストを表1と2に示す(97)

表1 食品中のα-カロテン含有量
食品 サービング α-カロテン(mg)
カボチャ(缶詰) 1カップ 11.7
ニンジンジュース(缶詰) 1カップ 10.2
ニンジン(加熱調理) 1カップ 5.9
ニンジン(生) 中1本 2.1
ミックス野菜(加熱・冷凍) 1カップ 1.8
カボチャ(焼いた物) 1カップ 1.4
プランタン〔バナナ〕(生) 中1本 0.8
コラード(加熱・冷凍) 1カップ 0.2
トマト(生) 中1個 0.1
タンジェリン〔みかん〕(生) 中1個 0.09
スナップエンドウ(加熱・冷凍) 1カップ 0.09
表2 食品中のβ-カロテン含有量
食品 サービング β-カロテン(mg)
ニンジンジュース(缶詰) 1カップ 22.0
カボチャ(缶詰) 1カップ 17.0
ホウレンソウ(加熱・冷凍) 1カップ 13.8
サツマイモ(焼いた物) 1中1本 13.1
ニンジン(加熱調理) 11カップ 13.0
コラード(加熱・冷凍) 11カップ 11.6
ケール(加熱・冷凍) 11カップ 11.5
カブ菜(加熱・冷凍) 11カップ 10.6
カボチャのパイ 1切れ 7.4
冬カボチャ(加熱調理) 1カップ 5.7
ニンジン(生) 中1本 5.1
タンポポの若葉(加熱調理) 1カップ 4.1
カンタロープメロン(生) 1カップ 3.2
β-クリプトキサンチン

α-カロテンやβ-カロテンと同様に、β-クリプトキサンチンはビタミンA前駆体カロテノイドである。食品からのβ-クリプトキサンチンのビタミンA活性は、レチノールの24分の1である。したがって、1μg(0.001mg)のレチノールを摂るには、食品からのβ-クリプトキサンチンが24μg必要である。赤いとうがらしやオレンジなどの赤や橙色の野菜や果物は、β-クリプトキサンチンが特に豊富な食品である。β-クリプトキサンチンのよい摂取源となる食品のリストを表3に示す(97)

表3 食品中のβ-クリプトキサンチンの含有量
食品 サービング β-クリプトキサンチン(mg)
カボチャ(加熱) 1カップ 3.6
パパイヤ(生) 1中1個 2.3
トウガラシ(加熱) 1カップ 0.6
トウガラシ(生) 中1個 0.6
オレンジジュース(生) 1カップ 0.4
タンジェリン〔みかん〕(生) 中1個 0.4
ニンジン(加熱・冷凍) 1カップ 0.3
コーン(加熱・冷凍) 1カップ 0.2
スイカ(生) 1切れ(長さ約38cm,直径約19cmのスイカの16分の1) 0.2
パプリカ(乾燥粉末) 小さじ1杯 0.2
オレンジ(生) 中1個 0.2
ネクタリン(生) 中1個 0.1
リコピン

リコピンはトマト、ピンクグレープフルーツ、スイカ、およびグアバの赤い色の元となっている。米国の食事のリコピンの80%は、トマトや、トマトソース、トマトペースト、およびケチャップなどのトマト製品によるものであると推定されている(98)。リコピンはビタミンA前駆体カロテノイドではないので、体内でビタミンAに変わることができない。リコピンの豊富な食品のリストを下の表4に示す(97)

表4 食品中のリコピン含有量
食品 サービング リコピン(mg)
トマトペースト(缶詰) 1カップ 75.4
トマトピューレ(缶詰) 1カップ 54.4
トマトスープ(濃縮・缶詰) 1カップ 26.4
野菜ジュース(缶詰) 1カップ 23.3
トマトジュース(缶詰) 1カップ 22.0
スイカ(生) 1切れ(長さ約38cm,直径約19cmのスイカの16分の1) 13.0
トマト(生) 1カップ 4.6
ケチャップ 大さじ1杯 2.5
ピンクグレープフルーツ(生) 半個 1.7
ベイクドビーンズ(缶詰) 1カップ 1.3
ルテインとゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンは異なる化合物であるが、ともにキサントフィルとして知られるカロテノイドに属する。これらはビタミンA前駆体カロテノイドではない。食品中のルテインとゼアキサンチンの量を測る方法ではこれらを分けないものもあるので、ルテインおよびゼアキサンチン、またはルテイン+ゼアキサンチンと表されることが一般的である。ルテインとゼアキサンチンは、様々な果物や野菜に含まれている。ホウレンソウやケールのような濃い緑色の葉物野菜は、ルテインとゼアキサンチンが特に豊富な食品である。ルテイン強化卵(ルテインの豊富なえさを食べさせた鶏の卵)のルテインの生物学的利用性は、ホウレンソウやルテインのサプリメントよりもはるかに高かったという研究がある(99)。ルテインとゼアキサンチンのよい摂取源となる食品のリストを表5に示す(97)

表5 食品中のルテイン+ゼアキサンチン含有量
食品 サービング ルテイン+ゼアキサンチン(mg)
ホウレンソウ(加熱・冷凍) 1カップ 29.8
ケール(加熱・冷凍) 1カップ 25.6
カブ菜(加熱・冷凍) 1カップ 19.5
コラード(加熱・冷凍) 1カップ 18.5
タンポポの葉(加熱) 1カップ 9.6
カラシナ(加熱) 1カップ 8.3
ペポカボチャ(加熱) 1カップ 4.0
エンドウマメ(加熱・冷凍) 1カップ 3.8
冬カボチャ(焼いた物) 1カップ 2.9
カボチャ(加熱) 1カップ 2.5
芽キャベツ(加熱・冷凍) 1カップ 2.4
ブロッコリー(加熱・冷凍) 1カップ 2.0
スイートコーン〔黄色〕(茹でた) 1カップ 1.5

食品中のカロテノイド含有量についての詳細は、米国農務省の国民栄養データベースを参照のこと。

サプリメント

精製されたカロテノイドやカロテノイドの組み合わせを含む栄養補助食品は、米国では処方箋なしで市販されている。カロテノイドは脂肪を含む食事といっしょに摂取すると、一番よく吸収される。

β-カロテン

ビタミンA活性を持つので、β-カロテンはマルチビタミンサプリメントに含まれるビタミンAの全部または一部として使用されることもある。サプリメントからのβ-カロテンのビタミンA活性は、食事からのそれよりもずっと高い。サプリメントからのわずか2μg(0.002mg)のβ-カロテンが、1μgのレチノール(既に形成されたビタミンA)に相当する。サプリメント中のβ-カロテンの含有量は、マイクログラム(μg)ではなく国際単位(IU)で表記されることも多く、3,000μg(3mg)のβ-カロテンが5,000IUのビタミンAに相当する。市販のサプリメントの大部分は、5,000~25,000IUのβ-カロテンを含む(100)

リコピン

リコピンにはビタミンA活性がない。合成されたリコピンや、トマトを主とする天然食品由来のリコピンは、栄養補助食品として入手可能である。多くの市販のサプリメントは、5~20mgのリコピンを含む(100)

ルテインとゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンはビタミンA活性がない。ルテインとゼアキサンチンのサプリメントは、遊離のカロテノイドまたはそれらのエステル(脂肪酸にエステル結合したもの)として売られている。ある研究ではルテインとルテインのエステルは生物学的利用性が同じであるとしている(99)が、他の研究ではルテインのエステルの方がルテインよりも生物学的利用性が高かった(101)。市販のルテインとゼアキサンチンのサプリメントの多くは、ルテインがゼアキサンチンよりもずっと多く含まれている(102)。そのようなサプリメントは4~20mgのルテインと0.2~1mgのゼアキサンチンを含むことが典型的であるが、その他の含量のものもある(100)。ルテインのみ、またはゼアキサンチンのみを含むサプリメントも売られている。

安全性

毒性

β-カロテン

β-カロテンはビタミンAに変換されうるが、体内にビタミンAが十分に蓄えられている際には、β-カロテンからビタミンAへの変換は少なくなる。これがβ-カロテンを高用量で服用してもビタミンA毒性を引き起こさない理由であるかもしれない(103)。高用量β-カロテン(180mg/日まで)は、光過敏症である骨髄性プロトポルフィリン症の治療に有害な副作用なしで用いられてきた(6)

リコピン、ルテイン、およびゼアキサンチン

有害性の報告はない(104)

悪影響

β-カロテン

肺がんリスクの増加:喫煙者およびアスベスト作業・従事経験者を対象にした2つの無作為化対照試験で、20~30mg/日のβ-カロテンを4~6年間補給すると、プラセボに比べて16~28%という有意な肺がんリスク増加が見られた(「肺がん」の項参照)。この原因は明らかではないが、喫煙者やその他のハイリスク集団では、特に、高用量のβ-カロテンの服用リスクが慢性疾患の予防の可能性よりも大きいと多くの専門家は感じている(30,31)

柑皮症:高用量(30mg/日以上)のβ-カロテンサプリメントやカロテンの豊富な食品の大量摂取は、柑皮症という皮膚の黄変に至る。柑皮症は健康上の問題はなく、β-カロテンのサプリメント摂取をやめたり、食事からのカロテンの摂取を減らしたりすれば問題は無くなる。

リコピン

リコピンによる柑皮症:リコピンの豊富な食品やサプリメントの高摂取は、リコピンによる柑皮症である濃いオレンジ色の皮膚の変色をもたらす。リコピンはカロテンよりももっと色が鮮烈なので、カロテンの柑皮症よりも少ない摂取量でも起こる可能性がある(6)

ルテインおよびゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンによる悪影響は報告されていない(102)

妊娠期および授乳期の安全性

β-カロテン

ビタミンAとはちがって、妊娠中の女性が高用量のβ-カロテンを服用しても、先天性異常のリスクの増加との関連は無い(6)。しかしながら、妊娠期や授乳期の高用量β-カロテンサプリメントの安全性は、あまりよく研究されて来ていない。食事からのβ-カロテン摂取を制限すべき理由はないが、医師からの処方がないのであれば、妊娠中または授乳中の女性は3mg/日(5,000IU/日)より多くのβ-カロテンをサプリメントから摂取するのは避けるべきである(102,103)

その他のカロテノイド

妊娠期および授乳期におけるβ-カロテン以外のカロテノイドのサプリメントの安全性は確立されていないので、妊娠中および授乳中の女性はサプリメントではなく食品からカロテノイドを摂取すべきである。妊娠中にカロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取を制限する根拠はない(102,105)

薬物との相互作用

コレステロール低下剤であるコレスチラミン(クエストラン)やコレスチポール(コレスチド)は、鉱物油や肥満治療薬のオルリスタット(ゼニカル)と同様に、脂溶性のビタミンやカロテノイドの吸収を低減させる可能性がある(102)。痛風の治療に使われるコルヒチンは腸管吸収障害を起こす可能性がある。しかしながら、1~2mg/日のコルヒチンを長期間服用しても、ある研究では血清β-カロテン濃度に影響はなかった(106)。オメプラゾール(プリロセック、ロセック)、ランソプラゾール(プレバシッド)、ラベプラゾール(パリエット)、およびパントプラゾール(プロトニックス、パントロック)のようなプロトンポンプ阻害薬を使って胃のpHを上げると、β-カロテンサプリメントを単回投与した際に吸収が低下したが、食事からのカロテノイドの吸収が影響を受けるのかどうかは不明である(107)

抗酸化物質のサプリメントとHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)

間違い無く冠動脈性心疾患を有し、且つ、血清高密度リポ蛋白質(HDL)濃度の低い160人の患者を対象にした3年間の無作為化対照試験で、シンバスタチン(ゾコール)とナイアシンの組み合わせは、HDL2濃度を上昇させ、冠動脈狭窄の進行を抑制し、心筋梗塞や脳卒中を含む心血管疾患の頻度を減らした(108)。驚いたことに、抗酸化物質の組み合わせ(毎日1,000mgのビタミンC、800IUのα-トコフェロール、100mcgのセレン、および25mgのβ-カロテン)をシンバスタチンとナイアシンの組み合わせといっしょに摂取すると、これらの保護的効果はなくなった。この治験では抗酸化物質が同時に摂取されているので、β-カロテン単体での役割は決定できない。対照的に、冠動脈疾患や糖尿病の20,000人以上の男女を対象にしたシンバスタチンと抗酸化物質(毎日600mgのビタミンE、250mgのビタミンC、および20mgのβ-カロテン)の組み合わせによるもっと大規模な無作為化対照試験では、抗酸化物質の組み合わせはシンバスタチンによる治療の心臓保護効果を5年間にわたって消滅させることはなかった(109)。このことは、先の試験では抗酸化物質の組み合わせがナイアシンの持つHDL濃度上昇効果を阻害した可能性を示唆している。抗酸化物質のサプリメントと、ナイアシンやHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)といったコレステロール低下剤との相互作用の可能性を解明するには、さらなる研究が必要である。

食品との相互作用

オレストラTM

対照摂食試験で、脂肪代替品のオレストラTM(ショ糖ポリエステル)を18g/日摂取すると、3週間で血清カロテノイド濃度が27%減った(110)。オレストラを含むスナックが市場に出る前と後で人々を調べた研究では、オレストラを少なくとも2g/日摂取していた人々の血清総カロテノイド濃度が15%減った(111)。成人を対象にしたある研究では、オレストラを週に4.4gより多く摂取する人は、オレストラを摂取しない人に比べて血清総カロテノイド濃度が9.7%減った(112)

植物ステロールまたはスタノールを含む食品

植物ステロールを含むスプレッド(パンに塗るもの)を定常的に摂取していると、いくつかのカロテノイド、特にα-カロテン、β-カロテン、およびリコピンの血漿濃度が10~20%程度、控えめに減少したとする研究がいくつかある(「植物ステロール」の項参照)(113,114)。しかし、植物ステロールまたはスタノールを含むマーガリンを食べる者に、カロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取量を毎日少し余分に摂るように指導すると、血漿カロテノイド濃度の減少が予防できた(115,116)

アルコール

アルコールの摂取とカロテノイドの代謝の関係はよくわかっていない。定常的にアルコールを摂取していると、β-カロテンからレチノールへの変換が阻害されるというエビデンスがある(117)。2例の無作為化対照試験における高用量のβ-カロテン補給に関連する肺がんリスクの上昇は、アルコールの摂取がより多い者に顕著であった(27,118)

カロテノイド同士の相互作用

高用量のβ-カロテンは、ルテインやリコピンと同時に摂取するとそれらの吸収が競合することが代謝の研究から示唆されている(119-121)。しかし、長期間の臨床試験では、高用量のβ-カロテンサプリメントの摂取は血清カロテノイド濃度に悪影響を及ぼさなかった(122-125)


Authors and Reviewers

Originally written in 2004 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute

Updated in December 2005 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in May 2009 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in July 2016 by:
Barbara Delage, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in August 2016 by:
Elizabeth J. Johnson, Ph.D., Research Scientist
Antioxidants Research Laboratory
Jean Mayer USDA Human Nutrition Research Center on Aging
Assistant Professor, Friedman School of Nutrition Science
Tufts University

Copyright 2004-2020  Linus Pauling Institute


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クルクミン

English

要約

  • ターメリックはショウガ科に属するウコンの地下茎から作られる香辛料である。クルクミノイドはターメリックの黄色の元となるポリフェノール化合物で、クルクミンはターメリックに含まれるクルクミノイドの主要成分である。
  • 結直腸がん(大腸がん)患者を対象とした第I相臨床試験の結果、生物活性を呈する濃度のクルクミンがクルクミンの経口補給後に消化管に到達することがわかった。そのような試験は、消化管のがんのリスクのある人々に対するさらなる臨床評価の裏付けとなっている。(詳細はこちら)
  • 嚢胞性線維症の個人におけるクルクミンの安全性と有効性が臨床試験で評価されるまで、嚢胞性線維症の療法としてのクルクミンの使用を嚢胞性線維症財団は推奨しない。(詳細はこちら)
  • クルクミンはヒトで抗炎症作用があることを示唆する予備的な試験がいくつかあるが、炎症性疾患の治療にクルクミンの経口補給が有効であるかを決定するには、大規模無作為化対照試験が必要である。(詳細はこちら)
  • アルツハイマー病の動物モデルで有望な発見があったため、初期のアルツハイマー病の患者に対するクルクミン補給の臨床試験が進行中である。(詳細はこちら)

序説

ターメリックは、ショウガ科に属するウコンの地下茎から作られる香辛料である。地下茎は地下に伸びる水平な茎で、そこからシュート(苗条)や根が出る。ターメリックの鮮やかな黄色は、クルクミノイドとして知られる脂溶性のポリフェノール色素に主に由来する(図1)。ターメリックの主要なクルクミノイドであるクルクミンは、その中で最も活性のある成分であると一般的に考えられている(1)。ターメリックに含まれるその他のクルクミノイドには、デメトキシクルクミンやビスデメトキシクルクミンなどがある。香辛料や顔料としての使い方の他に、ターメリックはインドで数世紀にわたって薬用に使われてきた。最近では、クルクミンに抗炎症作用や抗がん作用があるかもしれないというエビデンス(科学的根拠)によって、病気の予防や治療にクルクミンを使用する可能性に改めて科学的関心が寄せられている。

Curcumin Figure 1. Chemical Structures of Curcuminoids

代謝と生物学的利用性

ヒトでの臨床試験では、経口投与されたクルクミンの全身的な生物学的利用性は比較的低く(1-3)、経口摂取の後ではクルクミンそのものではなく、大半はクルクミンの代謝物が血漿や血清に検出される(4,5)。腸や肝臓では、クルクミンはすぐにクルクミンのグルクロン酸抱合体や硫酸抱合体を形成するか、ヘキサヒドロクルクミンに還元される(図2)(6)。クルクミンの代謝物は、元の化合物と同じ生物活性を持っていない可能性がある。ある研究では、クルクミンが変化したり還元されたりした代謝物は、ヒトの培養大腸細胞で炎症を起こす酵素の発現を効果的に抑制することがクルクミンそのものよりもできなかった(7)。台湾で行われた臨床試験では、血清クルクミン濃度は経口投与後1~2時間でピークとなり、投与量が4、6、8gでピークの濃度がそれぞれ0.5、0.6、1.8マイクロモル/リットルであった(8)。クルクミンは、4g/日より低い投与量では血清中で検出できないのかもしれない。最近では、英国で行われた臨床試験で、3.6gのクルクミンの経口投与後1時間で、クルクミン、クルクミンの硫酸抱合体、およびクルクミンのグルクロン酸抱合体の血漿濃度は、10ナノモル/リットル(0.01マイクロモル/リットル)のオーダーであった(9)。クルクミンとその代謝物は、3.6g/日よりも少ない用量では血漿で検出されない可能性がある。クルクミンとそのグルクロン酸抱合体および硫酸抱合体は、3.6g/日の用量で投与された後に尿でも検出されている。経口投与されたクルクミンは、消化管の組織に蓄積するというエビデンスがある。たとえば、結直腸がんの患者が手術の前に3.6g/日のクルクミンを7日間経口摂取したところ、クルクミンはがんの結直腸組織でも正常な結直腸組織でも検出された(10)。対照的に、結直腸がんが肝臓に転移した患者の肝臓組織では、同量のクルクミンの経口摂取後にクルクミンは検出されなかった(11)。このことから、クルクミンの経口投与では消化管以外の組織にクルクミンを効果的に届けることができなかったということが示唆される。

Curcumin Figure 2. Chemical Structures of Curcumin Metabolites

生物活性

抗酸化活性

クルクミンは、試験管内(ガラス容器内)では活性酸素種や活性窒素種の効果的な捕捉剤である(12,13)。しかしながら、クルクミンが生体内で抗酸化物質として直接働くのかどうかは不明である。ヒトでの経口投与による生物学的利用性が限られている(「代謝と生物学的利用性」の項参照)ため、血漿および組織でのクルクミン濃度は、αトコフェロール(ビタミンE)などのその他の脂溶性抗酸化物質に比べてずっと低いであろう。しかし、クルクミンを7日間経口補給(3.6g/日)すると結直腸の悪性組織における酸化DNA付加体が減るという発見は、経口摂取されたクルクミンがDNAの酸化ダメージを抑制するほど十分な濃度で消化管に届くということを示唆している可能性がある(11)。直接的な抗酸化活性だけでなく、クルクミンは炎症を起こす酵素の活性を抑制したり、重要な細胞内抗酸化物質であるグルタチオンの合成を強化したりして、間接的に抗酸化物質として機能しているのかもしれない。

抗炎症活性

細胞膜におけるアラキドン酸の代謝は、エイコサノイドとして知られる強力な化学伝達物質を生成することで、炎症反応に重要な役割を果たしている(14)。膜リン脂質はホスホリパーゼA2(PLA2)によって加水分解され、アラキドン酸を放出する。これはシクロオキシゲナーゼ(COX)によって代謝されてプロスタグランジンとトロンボキサンを生成するか、リポキシゲナーゼ(LOX)によって代謝されてロイコトリエンを生成するのかもしれない。クルクミンは、培養細胞中ではPLA2,COX-2,および5-LOXの活性を抑制することがわかっている(15)。クルクミンは5-LOXの触媒活性を直接抑制していたが、PLA2のリン酸化反応を防いでその活性を抑制し、またCOX-2の転写を主に抑制することでその活性も抑制していた。核内因子κB(NF-κB)はDNAを結合させ、COX-2遺伝子や、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)などのその他の炎症誘発性遺伝子の転写を促進する。マクロファージなどの炎症細胞の中では、iNOSは一酸化窒素の合成に触媒作用をし、その一酸化窒素がスーパーオキシド(超酸化物)と反応して、蛋白質やDNAを損傷する可能性のある活性窒素種であるペルオキシナイトライト(過酸化亜硝酸)を生成する可能性がある。クルクミンは、NF-κBに依存する遺伝子の転写(16)や、培養細胞や動物試験におけるCOX-2やiNOSの誘発(17,18)を抑制することがわかっている。

グルタチオンの合成

グルタチオンは、細胞のストレス適応に重大な役割を果たす重要な細胞内抗酸化物質である(19)。ストレスに関連して細胞のグルタチオン濃度が上昇するのは、グルタチオン合成の律速酵素であるグルタミン酸システインリガーゼ(GCL)の発現が増大する結果である。培養細胞の研究では、GCLをコード化する遺伝子の転写を増進することでクルクミンが細胞のグルタチオン濃度を上げる可能性があることが示唆されている(20,21)

発がん性物質の代謝に関連する生体内変換酵素への影響

生体内変換酵素は、薬物や発がん性物質を含む様々な生物活性化合物の代謝や除去に重要な役割を果している。一般に、シトクロムP450(CYP)ファミリーを含む第I相生体内変換酵素は、疎水性(脂溶性)化合物の反応性を上げるような触媒作用をし、第II相生体内変換酵素が触媒となる反応の準備をする。第II相酵素が触媒作用をする反応は、一般的に水溶性を上げてこれらの化合物の除去を促進する(22)。生体内変換酵素の活性を上げると発がんの可能性のある物質の除去を強化するかもしれないが、発がん物質の前駆体(前発がん物質)の中には、第I相酵素によって活動的な発がん物質に代謝されてしまうものもある(23)。CYP1A1は、いくつかの化学発がん性物質の代謝活性化に関係している。培養細胞や動物実験では、クルクミンは前発がん物質の生体内活性化またはCYP1A1活性の測定値を抑制することがわかっている(24-27)。第II相生体内変換酵素の活性を高めることは、一般的に発がんの可能性のある物質の除去を強化すると考えられている。いくつかの動物実験で、グルタチオンS転移酵素(GST)などの第II相酵素の活性が食事からのクルクミンによって高まったことがわかった(26,28,29)。しかしながら、0.45~3.6g/日のクルクミンを最長4ヶ月摂取しても、ヒトでの白血球のGST活性は上がらなかった(9)

細胞周期停止とアポトーシスの誘発

細胞分裂後には、細胞周期としてまとめられる一連の段階を経てから細胞が再び分裂する。DNAの損傷の後では細胞周期は過渡的に停止し、DNAの修復をするか、損傷が修復できないものである場合には細胞死(アポトーシス)に至る経路を活性化する(30)。細胞周期の調整が不良であると、がんの発症に寄与する突然変異の伝播に至る可能性がある。クルクミンは様々な培養がん細胞株で、細胞周期の停止やアポトーシスを誘発することがわかっている(1,31-35)。クルクミンがアポトーシスを誘発するメカニズムはいろいろであるが、いくつかの細胞シグナル伝達経路に対する抑制効果を含むのかもしれない。しかし、クルクミンによるがん細胞のアポトーシスの誘発がすべての研究で見られたわけではない。クルクミンは、腫瘍抑制蛋白質p53によって誘発されるアポトーシスをヒトの培養大腸がん細胞で抑制した(36,37)。また、ある一つの研究では、培養乳がん細胞内でいくつかの化学療法薬によって誘発されるアポトーシスを、1~10マイクロモル/リットルの濃度のクルクミンが抑制したことがわかった(38)

腫瘍浸潤および血管新生の抑制

がん細胞は、マトリックスメタロプロテイナーゼ(細胞外基質分解酵素)と呼ばれる酵素の助けを借りて正常な組織に侵入していく。培養細胞の研究では、クルクミンはいくつかのマトリックスメタロプロテイナーゼの活性を抑制することがわかっている(39-43)。浸潤性の腫瘍は急速な成長を促進するため、血管新生として知られるプロセスによって新しい血管も形成しなければならない。培養された血管内皮細胞(44,45)および動物モデル(46)において、クルクミンは血管新生を抑制したことがわかった。

注記:上記の生物活性の多くは、クルクミンを経口摂取したヒトの細胞で見られるであろうより高い濃度でクルクミンを与えた培養細胞で観察されたものであることを心に留めておくことが大切である。(「代謝と生物学的利用性」の項参照)。

疾病予防

がん

クルクミンがいくつかの異なるメカニズムで培養がん細胞でアポトーシスを誘発するという効力から、クルクミンをある種のがんの予防に使う可能性について科学的関心が喚起された(1)。口腔がん(47,48)、胃がん(49,50)、肝臓がん(51)、および大腸がん(52-54)の動物モデルでは、化学的に誘発されるがんの発症がクルクミンの経口投与で抑制されることがわかっている。APC Min/+マウスは、多数の結腸直腸腺腫(大腸腺腫)というポリープを作ることと結直腸がんのリスクが高いことが特徴の遺伝性疾患であるヒトの家族性大腸腺腫症に似たApc(大腸腺腫症)遺伝子に変異がある。クルクミンの経口投与は、APC Min/+マウスの腸腺腫の発症を抑制することがわかった(55,56)。対照的に、動物モデルでは乳がんの発症がクルクミンの経口投与で一貫して抑制されたわけではなかった(52,57,58)

 動物実験の結果は有望であり、結直腸がんで特に有望であるが、クルクミンやターメリックの高摂取がヒトのがんリスクの低下と関連があるというエビデンスは現在ほとんどない。台湾での第I相臨床試験では、口(口腔白板症)、子宮頸部(高悪性度の子宮頸部上皮内腫瘍)、皮膚(扁平上皮がん)、または胃(腸上皮化生)の前癌性病変の患者が最大8g/日のクルクミンを3ヶ月間経口摂取した効果を調べた(8)。口腔白板症の7人のうち2人で、子宮頸部上皮内腫瘍の4人のうち1人で、 扁平上皮がんの6人のうち2人で、腸上皮化生の6人のうち1人で、組織的な改善が生体組織検査で見られた。しかしながら、口腔白板症の7人のうちの1人と 子宮頸部上皮内腫瘍の4人のうち1人が、試験の終了までにがんを発症した。この研究はクルクミンの経口投与の生物学的利用性と安全性を主に調べるもので、比較のための対照群がないことから、この結果の解釈は限定されたものになる。動物研究での有望な発見の結果、腺腫のような前癌性結直腸病変に対するクルクミンの経口投与の効果を評価することを意図したヒトでの対照臨床試験がいくつか進行中である(59)

疾病の治療

がん

様々ながんの細胞株でアポトーシスを誘発するクルクミンの効力とその低毒性によって、クルクミンを使ったがんの治療や予防の可能性への科学的興味が喚起された(60)。現在までのところ、がんの患者に対するクルクミン補給の対照臨床試験のほとんどは第I相の段階である。第I相試験は、生物学的利用性、安全性、および新しい治療法の効果への初期的なエビデンスの見極めを目的とした少人数のグループでの試験である(61)。進行した結直腸がん患者の第I相臨床試験では、最大で3.6g/日を4ヶ月間投与しても良好な許容性が示されたが、経口投与されたクルクミンの体内での生物学的利用性は低かった(62)。肝臓への転移のある結直腸がんの患者が3.6g/日のクルクミンを7日間経口摂取したら、肝臓組織でクルクミン代謝物が微量に測定されたが、クルクミンそのものは検出されなかった(11)。対照的に、進行した結直腸がんの患者が3.6g/日のクルクミンを7日間経口摂取したところ、クルクミンは正常な結直腸組織でも悪性の結直腸組織でも測定可能であった(10)。これらの発見は、クルクミンは消化管のがんではその他の組織よりも治療薬としてより効果的であろうことを示唆している。第II相の試験は、より大人数に対して新しい治療法の有効性を調べ、また短期間の副作用や安全性をさらに評価するための臨床試験である。結直腸がんの患者へのクルクミンの第II相臨床試験が現在進行中である(59)。進行したすい臓がんの患者によるクルクミンの第II相臨床試験では、クルクミンは21人の患者のうち2人の患者で何らかの抗がん作用を示したことがわかったが、クルクミンの生物学的利用性は極端に悪かった(63)。全身での生物学的利用性が低いこととクルクミンが疎水性であることから、著者たちはリポゾームに封入したクルクミンの静脈内投与を将来の臨床試験で使用することを提案している(63)

炎症性疾患

培養細胞や動物の研究ではクルクミンの抗炎症活性が見られるものの、炎症性の病状の治療でのクルクミンの有効性を調べた対照臨床試験はほとんどない。関節リュウマチの患者18人でクルクミンと非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)を比べる予備的な介入試験で、クルクミン補給(1,200mg/日)を2週間した後の朝硬直、歩行時間、および関節の腫れの改善は、フェニルブタゾン(NSAID)での治療(300mg/日)を2週間行った後の改善に匹敵するものだった(64)。鼠径ヘルニアまたは水瘤の治療手術を受けた40人の男性によるプラセボ対照試験では、5日間のクルクミンの経口投与(1,200mg/日)は、手術後の浮腫、圧痛、および痛みを軽減するのにプラセボよりも効果的で、フェニルブタゾンでの治療(300mg/日)と遜色ないものだった(65)。2つの非対照試験では、クルクミンの経口投与(1,125mg/日)を12週間以上続けると、前部ぶどう膜炎と突発性の炎症性眼窩偽腫瘍という眼の炎症性の2つの症状が改善した(66,67)。しかしながら対照群がないので、これらの病状に対するクルクミンの抗炎症効果に関して結論を出すのは難しい。クルクミンの経口投与が関節リュウマチのような炎症性疾患の治療に有効であるかどうかを決定するより大規模な無作為化対照試験が必要である。

嚢胞性線維症

嚢胞性線維症は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子の突然変異で起こる遺伝性疾患である(62)。CFTRは塩素イオンチャネル(クロライドチャネル)として作用する膜貫通蛋白質で、イオンと体液の輸送に重大な役割を果たす。肺では、CFTRの突然変異は終いに粘液濃度の上昇と粘液のクリアランス(排出)の減少に至り、肺の進行性疾患を引き起こす。嚢胞性線維症の発症に寄与する最も一般的なCFTRの突然変異はDeltaF508変異であり、CFTR蛋白質が細胞膜に到達する前に間違って折りたたまれたり、分解されたりする。しかし、突然変異した蛋白質が細胞膜に入り込めば、塩素イオンチャネルとして機能する能力もいくらか残っている。DeltaF508変異のあるマウスに関する2004年の研究では、クルクミンの経口投与で異常なイオンの輸送が矯正され、これらのマウスの生存が伸びた(68)。しかしながら、ヒトと異なり、DeltaF508変異のあるマウスは肺の合併症を起こさずに、嚢胞性線維症の消化系での合併症だけを発症する。また、マウスモデルでの治療による利点は、ヒトでも常に現れるとは限らない(62)。最近では同じマウスモデルに同じ用量のクルクミンを投与した別のグループの研究では、クルクミンの有益性が再現できなかった(69)。クルクミン補給がヒトの嚢胞性線維症に有効であるかどうかは不明である。嚢胞性線維症財団が資金提供した第I相臨床試験では、欠陥のあるCFTR蛋白質の機能をクルクミンは補正できなかった。より高用量のクルクミンを使用した追跡調査が現在進行中である(70)。嚢胞性線維症の個人に対するクルクミンの安全性と有効性が臨床試験で評価されるまでは、嚢胞性線維症財団は嚢胞性線維症の治療でのクルクミンの使用を推奨しない(71)

アルツハイマー病

アルツハイマー病では、アミロイドβと呼ばれるペプチドが凝集物(オリゴマー)を形成し、脳に集積してアミロイド斑という沈着物を作る(72)。炎症や酸化ダメージもアルツハイマー病の進行に伴っておこる(73)。クルクミンは、ガラス容器内ではアミロイドβオリゴマーの形成を抑制することが知られている(74)。アルツハイマー病の動物モデルでは、クルクミンは末梢に注入されると血液脳関門を通過することがわかっている(74)。アルツハイマー病の動物モデルでは、食事からクルクミンを摂取することで、炎症や酸化ダメージ、脳のアミロイド斑負荷、およびアミロイドβに誘発された記憶欠損に関連するバイオマーカー値が減少した(74-77)。ヒトにおいて、口から摂取されたクルクミンが血液脳関門を通過したりアルツハイマー病の進行を抑制したりするのかどうかは不明である。動物モデルでの有望な発見の結果、初期のアルツハイマー病患者へのクルクミンの経口補給の臨床試験が進行中である(59,78)。アルツハイマー病の27人に対する6ヶ月の試験の結果、最大4g/日のクルクミンの経口補給は安全であるとわかった(4)。アルツハイマー病にクルクミンの経口補給が有効であるかを決定するより大規模な対照臨床試験が必要である。

摂取源

食品の摂取源

ターメリックはウコンの地下茎をすりおろして乾燥させたものである(79)。インド、東南アジア、および中東の料理で香辛料として使用される。クルクミノイドはターメリックの約2~9%を占める(80)。クルクミンはターメリックで最も多いクルクミノイドで、クルクミノイド全体の約75%を占める。一方、デメトキシクルクミンは10~20%で、ビスデメトキシクルクミンは一般に5%未満である。カレー粉はターメリックとその他のスパイスを含むが、カレー粉のクルクミンの量は変異が大きく、比較的少ないことがしばしばである(81)。クルクミンの抽出物も食品着色料として使用される(82)

サプリメント

クルクミン抽出物は、米国では処方箋なしで栄養補助食品として入手可能である。これらの抽出物のラベルの多くには95%クルクミノイドを含むよう規格化されていると記載されているが、そのような主張は米国食品医薬品局(FDA)によって厳密に規制されているわけではない。クルクミン製品の中にはピペリンも含むものがあり、これによってクルクミンの代謝を抑制してクルクミンの生物学的利用性が向上する可能性がある。しかし、ピペリンは薬品の代謝にも影響する可能性がある(「薬物との相互作用」の項参照)。がんの化学予防や治療的使用のための最適なクルクミンの用量はまだ確立されていない。ヒトでは3.6g/日未満の用量が生物学的に活性を持つのかどうか不明である(「代謝と生物学的利用性」の項参照)。

安全性

悪影響

米国では、ターメリックは食品添加物として安全であるとFDAによって一般的に認識(GRASと表記される合格証で認定)されている(82)。クルクミンの高用量摂取によるヒトでの深刻な悪影響の報告はない。24人の成人による用量漸増試験では、1回に最大で12gまでの経口摂取は安全であり、悪影響は用量に関連するものではなかった(5)。台湾での第I相試験では、最大8g/日のクルクミン補給を3ヶ月間しても、前がん病変または非侵襲性がんの患者は良好な耐容性を示した(8)。英国での別の臨床試験では、0.45~3.6g/日のクルクミンを4ヶ月間補給しても進行した結直腸がんの患者は一般に良好な耐容性を示したが、2人の患者が下痢になり、別の1人は吐き気があったと報告された(9)。血清アルカリホスファターゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼ濃度の上昇も何人かの参加者で見られたが、これらの増加がクルクミン補給によるものなのかがんの進行によるものなのか不明である(1)。20~40mgのクルクミン補給は、健康な人では胆のうの収縮を促進することが報告されている(83,84)。胆のう収縮の促進は、胆のうの空化を促すことで胆石の形成リスクを下げるかもしれないが、胆石をすでに患っている患者には症状の発生リスクを上げる可能性がある。

妊娠期および授乳期

ターメリックを香辛料として食事で摂取しても妊娠や授乳に悪影響があるというエビデンスはないが、妊娠期や授乳期におけるクルクミンのサプリメント摂取の安全性は確立していない。

薬物との相互作用

クルクミンはガラス容器内で血小板凝縮を抑制することがわかっている(85,86)ことから、アスピリン、クロピドグレル(プラビックス)、ダルテパリン(フラグミン)、エノキサパリン(ラブノックス)、ヘパリン、チクロピジン(チクリッド)、およびワルファリン(クマジン)などの抗凝固薬や抗血小板作用の薬を飲んでいる患者は、クルクミン補給によって出血のリスクが高くなる可能性がある。培養乳がん細胞では、1~10マイクロモル/リットルの濃度のクルクミンは、化学療法薬、カンプトテシン、メクロレタミン、およびドキソルビシンによって誘発されるアポトーシスを抑制した(38)。乳がんの動物モデルでは、食事からのクルクミンはシクロホスファミドに誘発される腫瘍の退縮を抑制した。クルクミンの経口投与によってヒトのがんの化学療法薬を抑制するほどの高濃度でクルクミンが胸部組織に濃縮されることになるのかどうか不明である(11)が、乳がんでの化学療法を受けている女性はクルクミンのサプリメントは避けたほうがよいかもしれない(38)。クルクミンのサプリメントには、クルクミンの生物学的利用性を高めるためにピペリンを含むものもある。しかしながら、ピペリンはフェニトイン(ディランチン)、プロプラノロール(インデラル)、およびテオフィリンを含むいくつかの薬物の生物学的利用性を高めてその除去を遅らせる可能性がある(87,88)


Authors and Reviewers

Originally written in 2005 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in January 2009 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in January 2009 by:
Chung S. Yang, Ph.D.
Professor II and Chair
Department of Chemical Biology
Ernest Mario School of Pharmacy
Rutgers, The State University of New Jersey

Copyright 2005-2020  Linus Pauling Institute 


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フラボノイド類

English

要約

  • フラボノイド類(以下、単にフラボノイドとする)は植物によって合成される多数のポリフェノール化合物である。(詳細はこちら)
  • 果物や野菜の豊富な食事に関連するフラボノイドの健康への潜在的有益性に関心が持たれている。(詳細はこちら)
  • フラボノイドの生物学的効果の多くは、その抗酸化活性よりも細胞シグナル伝達経路の調整能力に関係しているようである。(詳細はこちら)
  • フラボノイドの豊富な食品の高摂取は心血管疾患のリスク低下と関連があるものの、フラボノイドそのものに心臓保護効果があるのかどうかはわかっていない。(詳細はこちら)
  • 動物研究では有望な結果になっているが、フラボノイドの高摂取がヒトのがん予防に役立つかどうかは不明である。(詳細はこちら)
  • フラボノイドの摂取がヒトの神経変性疾患のリスクにどのように影響するのか不明である。(詳細はこちら)
  • フラボノイドの豊富な食品の高摂取は、いくつかの研究で慢性疾患のリスク減少と関連があるものの、単離されたフラボノイドのサプリメントや抽出物がフラボノイドの豊富な食品と同じ効果をもたらすかどうかはわからない。

序説

フラボノイドは植物によって合成される多数のポリフェノール化合物で、共通の化学構造を持つ(図1)。フラボノイドは複数の下位クラスにさらに分類されることもある(表1)。過去10年で、果物や野菜の豊富な食事に関連する健康効果のいくつかを説明する様々な食事性フラボノイドの可能性への関心が高まった。本項では、食事中のフラボノイドが健康を促進しヒトの病気を予防するという仮説に対する科学的エビデンスについて概説する。エストロゲン様活性のあるフラボノイド類であるイソフラボン類の健康効果に関する詳細は、「大豆イソフラボン類」の項の記事を参照されたい。フラボノイドの豊富な食品の健康効果の詳細は、別項の「果物および野菜」 および「茶飲料」の記載内容を参照されたい。

Flavanoid Figure 1. Basic Chemical Structure of a Flavanoid

 

表1 食事に含まれる一般的なフラボノイド
(化学構造を見るには、ハイライトされた文字をクリックすること)
フラボノイドの下位クラス 食事中のフラボノイド 一般的な食品源
アントシアニジン類 シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン 赤、青、および紫のベリー類、赤および紫のぶどう、赤ワイン

フラバノール類

単量体(カテキン)類:
カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート
二量体および重合体:
テアフラビン類、, テアルビジン類、プロアントシアニジン類

カテキン類: 茶(特に緑茶、白茶)、チョコレート、ぶどう、ベリー類、りんご
テアフラビン類、テアルビジン類: 茶(特に紅茶、ウーロン茶)
プロアントシアニジン類: チョコレート、りんご、ベリー類、赤ぶどう、赤ワイン

フラバノン類 ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類およびそのジュース
フラボノール類 ケルセチン、ケンプフェロール、ミリセチン、イソラムネチン 黄タマネギ、わけぎ、ケール、ブロッコリ、りんご、ベリー類、茶などに広く分布
フラボン類 アピゲニン、ルテオリン パセリ、タイム、セロリ、唐辛子
イソフラボン類 ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン 大豆、大豆食品、豆類

Flavanoid Figure 2. Chemical Structures of Some Anthocyanidins

Flavanoid Figure 3. Chemical Structures of Some Flavanol Monomers

Flavanoid Figure 4. Chemical Structures of Theaflavins

Flavanoid Figure 5. Chemical Structures of Proanthocyanidins

Flavanoid Figure 6. Chemical Structures of Some Flavonones

Flavanoid Figure 7. Chemical Structures of Some Flavanols

Flavanoid Figure 8. Chemical Structures of Some Flavones

Flavanoid Figure 9. Chemical Structures of Some Isoflavones

代謝と生物学的利用能

1つまたはそれ以上の糖分子に結合したフラボノイドはフラボノイド配糖体(グリコシド)として知られ、糖分子に結合していないものはアグリコンと呼ばれる。フラバノール類(カテキン類とプロアントシアニジン類)を除いて、フラボノイドは植物およびほとんどの食品でグリコシドとして存在する(2)。調理の後でも、ほとんどのフラボノイドのグリコシドは小腸にそのまま到達する。フラボノイドアグリコンとフラボノイドグルコシド(グルコースに結合したもの)だけが小腸で吸収され、急速に代謝されてメチル化物、グルクロン酸抱合体、または硫酸化物となる(3)。通常は結腸に住み着いているバクテリアも、フラボノイドの代謝と吸収に重要な役割を果たす。結腸に到達したフラボノイドまたはフラボノイド代謝物は、バクテリアの酵素によってさらに代謝され吸収されることもある。特定のフラボノイド代謝物を生成できる能力は個人によって異なり、結腸の微生物叢環境に依るのかもしれない(4,5)。フラボノイドの吸収が限られることや急速に排出されることから、一般にフラボノイドの生物学的利用能は比較的低い。生物学的利用能は、様々なフラボノイドによって異なる。イソフラボン類は最も生物学的に利用性の高いグループのフラボノイドであるが、フラバノール類(プロアントシアニジン類および茶のカテキン類)とアントシアニン類の吸収は非常に悪い(6)。フラボノイドは急速かつ広範囲に代謝されるので、フラボノイド代謝物の生物学的活性は元の化合物のそれと同じであるとは限らない((7)の文献で概説)。培養細胞におけるフラボノイドの研究からのデータを評価する際には、フラボノイドの濃度と使用されたフラボノイド代謝物が生理学的に妥当かどうかを考慮することが大切である(8)。ヒトでは、大豆イソフラボン類および柑橘類フラバノン類の血漿濃度の最大値は、経口摂取後に10マイクロモル/リットルを超えたことがない。アントシアニン類、フラバノール類、およびフラボノール類(茶由来のものを含む)の摂取後の血漿濃度の最大値は、一般に1マイクロモル/リットル未満である(3)

生物学的活性

直接的抗酸化活性

フラボノイドは、試験管内(インビトロ)ではフリーラジカル(遊離基)を効果的に除去する(9,10)。しかし、フラボノイドを非常にたくさん摂取しても、ヒトの血漿および細胞内フラボノイド濃度は、アスコルビン酸(ビタミンC)、尿酸、またはグルタチオンといったその他の抗酸化物質の100~1000分の1以下であろう。しかもほとんどの血液循環中のフラボノイドは、実際はフラボノイド代謝物であり、そのいくつかはもとのフラボノイドよりも抗酸化活性が低い。これらの理由から、生体内の血漿および組織内での抗酸化機能に食事由来のフラボノイドが果たす相対的な貢献度は、非常に小さいか無視できる程度であろう(7,11,12)

金属キレート化

鉄や銅といった金属のイオンは、フリーラジカルの生成に触媒として機能する。フラボノイドが金属イオンをキレート化する(結合する)性質は、インビトロでの抗酸化活性に寄与しているようである(13,14)。生物体内ではほとんどの鉄および銅はタンパク質と結合し、フリーラジカルを生成する反応への関与は限られている。フラボノイドの金属キレート化活性は、鉄または銅が過剰な病的状態では有益であるかもしれないが、フラボノイドまたはその代謝物が生体内で有効な金属キレート剤として機能するかどうかは不明である(11)

細胞シグナル伝達経路への効果

細胞は特定のタンパク質の利用性を増やしたり減らしたりすることで、様々なストレスやシグナルに対して応答することができる。特定の遺伝子の発現に変化をもたらす複雑な一連の事象は,細胞シグナル伝達経路またはシグナル伝達経路として知られている。これらの経路は、成長、増殖、および死(アポトーシス)を含む多数の細胞プロセスを調整している。フラボノイドの生物学的効果は、その抗酸化活性に関係すると初めは仮定されていた。しかし培養細胞での実験によるエビデンスから、フラボノイドの生物学的効果の多くは、その細胞シグナル伝達経路を調整する能力に関係するということが示唆されている(7)。細胞シグナル伝達経路に影響するのに必要なフラボノイドの細胞内濃度は、細胞の抗酸化能力に影響するのに必要な濃度よりもかなり低い。フラボノイドの代謝物は、その抗酸化活性がなくなっても細胞シグナル伝達タンパク質と反応する性質を保持している可能性がある(15,16)。シグナル伝達が有効に行われるには、特定の部位で標的タンパク質のリン酸化を促すキナーゼというタンパク質が必要である。シグナル伝達タンパク質の特定のリン酸化や脱リン酸化の一連の反応は、DNAの特定の応答エレメントと結びつき様々な遺伝子の転写を促進あるいは抑制するタンパク質である転写因子の活性に最終的に影響する。多数の培養細胞での研究結果から、選択的にキナーゼを抑制することでフラボノイドが慢性疾患に影響を及ぼしている可能性があることが示唆されている(7,17)。細胞の成長や増殖も成長因子によって調整されており、成長因子は細胞膜の特定の受容体と結合することで細胞シグナル伝達反応を起こす。フラボノイドは受容体のリン酸化の抑制、または成長因子と受容体の結合を妨げることで、成長因子のシグナル伝達を変えるのかもしれない(18)

フラボノイドが細胞シグナル伝達経路を調整することで、がん予防に役立つかもしれない。それには以下のような方法がある。

第二相解毒酵素の活性を刺激する(19,20):第二相解毒酵素は、有害な可能性のある化合物または発がん性のある化合物の排泄を促進する反応の触媒作用をする。

正常な細胞周期の調整を保持する(21,22):細胞は一度分裂すると、細胞周期として知られる一連の段階を経てから再び分裂する。DNA損傷の後、細胞周期は損傷チェックポイントにおいて一時的に停止し、DNA修復をしたり、損傷が修復不能な場合の細胞死(アポトーシス)に至る経路を活性化させたりする(23)。細胞周期の調整に不具合があると、がんの発症に寄与する突然変異が伝播してしまう可能性がある。

細胞増殖を抑制しアポトーシスへと導く(24-26):正常な細胞と違って、がん細胞は急速に増殖し、アポトーシスを起こす細胞死のシグナルに応答する能力を失う。

腫瘍浸潤および血管新生の抑制(27,28):がん細胞は、マトリックスメタロプロテアーゼと呼ばれる酵素の助けを借りて、正常な組織に浸潤していく。その急速な成長を促進するため、浸潤する腫瘍は血管新生として知られるプロセスによって新たな血管を作らねばならない。

炎症を減らす(29-31):炎症は炎症性酵素によるフリーラジカルの生成を局所的に増やしたり、細胞増殖や血管新生を促してアポトーシスを抑制する炎症メディエーター(仲介物質)の放出に至ったりする可能性がある(32)

フラボノイドによって細胞シグナル伝達経路を調整することは、以下のように心臓血管疾患の予防に役立つ可能性がある。

炎症の減少(29-31):アテローム性動脈硬化症は、現在では炎症性疾患として認識されており、炎症に関するいくつかの測定値が心筋梗塞(心臓発作)のリスク増加と関連している(33)

血管細胞接着分子の発現の低下(34,35):アテローム性動脈硬化症の発症における初期の事象の一つが、炎症性の白血球が血液から動脈壁に移動することである。この事象は、血管の内壁を形成する血管内皮細胞による接着分子の発現に依存している(36)

内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性の上昇(37):eNOSは、血管内皮細胞による一酸化窒素生成の触媒作用をする酵素である。一酸化窒素は、動脈弛緩(血管拡張)を維持するのに必要である。一酸化窒素による血管拡張が損なわれることは、心臓血管疾患のリスク上昇と関連がある(38)

血小板凝集の減少(39,40):血小板凝集は冠状動脈や大脳動脈を詰まらせることもある血餅の形成における第一段階の一つであり、それぞれ心筋梗塞や脳卒中に至る。血小板凝集の抑制は、心臓血管疾患の一次予防および二次予防における重要な方策であると考えられている(41)

疾病予防

心臓血管疾患

疫学的エビデンス

米国およびヨーロッパで行われたいくつかの前向きコホート研究で、食事からのフラボノイド摂取量の値と冠動脈心疾患(CHD)リスクの関係が調べられた(42-49)。フラボノイドの高摂取がCHDリスクの大きな減少と関連しているとする研究もあった(42-46,50)が、何の関係もないとする研究もあった(47-49,51)。一般にこれらの研究集団でフラボノイド全体の摂取の大部分を占める食品は、紅茶、りんご、およびタマネギであった。オランダのある研究では、ココアも食事由来のフラボノイドの重要な食品源であることがわかった。食事由来ラボノイドの摂取量と脳卒中リスクとの関係を調べた7つの前向きコホート研究のうち、2つだけがフラボノイドの高摂取は脳卒中リスクの有意な減少と関連があるとしている(45,52)が、その他の5つでは何の関係も見い出せなかった(46,49,50,53,54)。前向きコホート研究のデータは、フラボノイドの豊富な食品の高摂取がCHDから体を守るのに役立つかもしれないと示唆しているが、しかしながら、そのような保護性がフラボノイドによるのか、フラボノイドの豊富な食品に含まれるその他の栄養素や植物性化学物質によるものなのか、それとも食品全体によるものなのかは決定できていない(55)

血管内皮機能

血管内皮細胞は、動脈弛緩(血管拡張)を促進する化合物である一酸化窒素を生成することによって、心臓血管の健康を維持するのに重要な役割を果たしている(56)。血管内皮の一酸化窒素生成による動脈の血管拡張は、内皮依存性血管拡張と呼ばれる。フラボノイドの豊富な食品および飲料が内皮依存性血管拡張に及ぼす効果を調べた臨床試験がいくつかある。2つの対照臨床試験では、4~5杯(900~1,250ml)の紅茶を4週間毎日摂取したところ、同量のカフェインのみ、または、お湯の場合と比べて、冠動脈疾患の患者(57)および血清コレステロール濃度がやや高い患者(58)の内皮依存性血管拡張が有意に改善した。その他の小規模臨床試験でも、約3杯(640ml)の紫ぶどうジュース(59)またはフラボノイドが多いビターの板チョコレート(60)を2週間毎日摂取したところ、同様の内皮依存性血管拡張の改善が見られた。もっと最近では、コレステロール濃度の高い32人の閉経後の女性にココアを6週間飲んでもらう介入試験で、ココアを毎日摂取することで内皮機能に有意な向上が見られた(61)。内皮機能の向上は、従来の投薬を受けている2型糖尿病患者がフラバノールの豊富なココアを30日間補給した後でも見られた(62)。フラバノールのエピカテキンが、フラバノールの豊富なココアに含まれる血管拡張効果の元になる化合物の一つであるようだ(63)。興味深いことに、44人の年配の成人による最近の無作為化対照試験では、フラボノイドの豊富なビターチョコレートを少量(6.3g/日を18週間。30カロリーに相当)与えたところ、フラボノイドの入っていないホワイトチョコレートに比べて、一酸化窒素生成の指標である血漿Sニトロソグルタチオン濃度が高くなった(64)

内皮の一酸化窒素生成は、血餅形成の第一段階の一つである血小板の接着や凝集も抑制する(56)。フラボノイドの高摂取が、体外(ex vivo)での血小板凝集を示す様々な測定値を減少させる可能性については、多数の臨床試験で調べられており、そのような試験ではまちまちの結果が報告されている。一般に、果物および/または野菜の摂取を増やしてフラボノイドの摂取を増やしても、体外での血小板凝集に大きな影響はない(41,65,66)し、紅茶の摂取を増やしても同様である(67,68)。しかしながら、健康な成人によるいくつかの小規模臨床試験では、ぶどうジュース(約500ml/日)を7~14日間摂取後に、血小板凝集の体外での測定値が有意に減少した(69-71)。同様の血小板凝集の抑制が急激または短期間のビターチョコレートの摂取後(72)やフラボノイドの豊富なココア飲料の急激な摂取後(73,74)に報告されている。加えて、32人の健康な成人によるプラセボ対照試験では、ココアからのフラバノールおよびプロシアニジンの4週間にわたる摂取によって、血小板の凝集と機能が抑制されたことがわかった(75)。いくつかの対照臨床試験の結果で、紅茶、紫ぶどうジュース、およびココアを含むフラボノイドの豊富な食品や飲料の比較的高い摂取が、血管内皮機能を向上させる可能性があることが示唆された。しかし、これらの短期間での向上が、心臓血管疾患リスクの長期にわたる減少に至るのか不明である。

がん

肺がん(76)、口腔がん(77)、食道がん(78)、胃がん(79)、結腸がん(80)、皮膚がん(81)、前立腺がん(82,83)、および乳がん(84)の動物モデルで、化学的に誘発されたがんの発症を様々なフラボノイドが抑制することが知られているが、疫学的研究では食事由来のフラボノイドの高摂取がヒトのがんリスクの大幅な減少と関連しているという説得力のあるエビデンスは示されていない。食品の摂取頻度を質問して食事由来のフラボノイドの摂取量を評価するほとんどの前向きコホート研究では、フラボノイドの摂取ががんリスクと逆相関があるとはわかっていない(85)。ヨーロッパでの2つの前向きコホート研究では、フラボン類およびフラボノール類(86,87)、カテキン類(88)、または茶(89)の食事からの摂取と様々ながんのリスクには何の関係もなかった。米国の閉経後の女性群では、果物や野菜からではなく茶からのカテキンの摂取が直腸がんのリスクと逆相関があったが、その他のがんでは関係がなかった(90)。平均的なフラボノイド摂取が比較的低いフィンランドでの2つの前向きコホート研究で、フラボノール類とフラボン類の食事からの摂取が最も多い男性は、摂取が最も少ない男性よりも肺がん発症のリスクが有意に低いことがわかった(44,45)。個々の食事由来フラボノイドについて分析をすると、主にりんごからの食事由来ケルセチンの摂取が肺がんリスクと逆相関があり、ミリセチンの摂取が前立腺がんのリスクと逆相関があった(45)。ある集団では茶はフラボノイド(フラバノール類およびフラボノール類)の重要な摂取源であるが、ほとんどの前向きコホート研究では茶の摂取ががんのリスクと逆相関があるという結果は見つかっていない((91)の文献で概説)。症例対照研究の結果は、食べたものを思い出す際の偏りにより影響を受けやすいが、この結果もまちまちであった。いくつかの研究では、肺がん(92)、胃がん(93,94)、および乳がん(95)と診断された人々にフラボノイド摂取が少なかったが、その他の多くの研究では、がんの患者と対照群の間にフラボノイド摂取の大きな差は見られなかった(96,97)。食品からのフラボノイドの摂取が少ないと特定のがんリスクが上昇するというエビデンスは限定されているが、それがフラボノイド摂取不足に関係するのか、それともフラボノイドの豊富な食品に含まれるその他の栄養素や植物性化学物質に関係するのかは不明である。フラボノイドの豊富な食品とがんとの関係の詳細については、「果物と野菜」、および「茶飲料」の項の記事を参照されたい。特定のフラボノイドががんの予防や治療に有益であるかを決定する臨床試験が必要であるが、いくつかの臨床試験が進行中である。(詳細はhttp://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/clinical-trialsを参照のこと)

神経変性疾患

炎症、酸化ストレス、および遷移金属の蓄積が、パーキンソン病およびアルツハイマー病を含むいくつかの神経変性疾患の病理に関わっているようである(98)。フラボノイドは抗炎症特性、抗酸化特性、および金属キレート化特性があるので、フラボノイドの豊富な食事または個々のフラボノイドが神経を保護する可能性に興味が持たれる。現在のところ、様々な食事に由来するフラボノイドやフラボノイド代謝物のどれがヒトの血液脳関門を超えることができるのかといったところまではわかっていない(99,100)。フラボノイドの豊富な食事やフラボノイドの投与が、いくつかの動物を用いた研究で、老化および炎症に伴う認知障害を予防することはわかっている(101-104)が、前向きコホート研究では、フラボノイドの摂取とヒトの認知症または神経変性疾患のリスクとの間に一貫した逆相関は見出されていない(105-109)。日系アメリカ人男性の集団を25~30年間追跡した結果では、中年の頃に茶からフラボノイド摂取をしても、晩年のアルツハイマー病やその他の認知症リスクとの相関はなかった(105)。驚いたことに、中年の頃にイソフラボンの豊富な豆腐の摂取が多いと、晩年の認知障害や脳萎縮と関連があった(「大豆イソフラボン」の項の記事参照)(106)。オランダの成人による前向き研究では、毎日のフラボノイド摂取が12mg増えるごとにアルツハイマー病のリスクが50%低下した現在喫煙中の者以外は、食事由来の全フラボノイド摂取量はパーキンソン病の発症リスク(107)またはアルツハイマー病の発症リスク(108)と関連がなかった。対照的に、年配のフランス人男性および女性の研究では、フラボノイド摂取が最も少ない者はその後の5年間に認知症を発症するリスクが、最も高摂取な者に比べて50%高いことがわかった(109)。より最近では1,640人の年配の男女の研究で、食事由来フラボノイドの摂取が多い(13.6mg/日より多い)者は、フラボノイド摂取の少ない(0~10.4mg/日)者に比べて、研究開始時の認知行動能力がより高く、10年間にわたって加齢に関連する認知機能低下が有意に少なかった(110)。加えて、202人の閉経後の女性を対象にした無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験では、25.6gの大豆タンパク質(イソフラボンを99mg含有)を1年間毎日補給しても、認知機能の向上は見られなかったと報告された(111)。しかし、77人の閉経後の女性による無作為化二重盲検プラセボ対照交差試験では、60mg/日のイソフラボンを6ヶ月にわたって補給したところ、認知行動能力の測定値がいくつか向上した(112)。加齢化する脳を保護するかもしれないフラボノイドに関心が持たれているが、フラボノイドの摂取がヒトの神経変性疾患リスクにどのように影響するのか不明である。

摂取源

食品源

フラボノイドの食事からの摂取源には、茶、赤ワイン、果物、野菜、および豆類がある。個々のフラボノイドの摂取は、茶、赤ワイン、大豆製品、または果物や野菜が一般的に摂取されているかどうかでかなり異なる可能性がある((3)の文献で概説)。個々のフラボノイドの摂取は異なっても、西洋諸国でのフラボノイド全体の摂取は平均で約150~200mg/日のようである(3,113)。いくつかのフラボノイドが豊富な食品のフラボノイド含有量を表2と3に示す。農業のやり方、環境要因、熟成、処理方法、貯蔵、および調理などの様々な要因が食品のフラボノイド含有量に影響する可能性があるので、これらの値は近似値とみなされるべきである。食品のフラボノイド含有量についての詳細は、特定の食品についてのフラボノイドおよびプロアントシアニジン含有量に関するUSDAのデータベースを参照されたい。大豆食品のイソフラボン含有量に関しては、「大豆イソフラボン」の項の記事を参照するか、特定の食品についてのイソフラボン含有量に関するUSDAのデータベースを参照されたい。

表2:特定の食品のアントシアニン、フラバノール、おおびプロアントシアニジン含有量(mg/100gまたは100ml*)(3,129-135)
アントシアニンが豊富な食品 アントシアニン類 フラバノール類 プロアントシアニジン類
ブラックベリー 89-211 13-19 6-47
ブルーベリー 67-183 1 88-261
赤ぶどう 25-92 2 44-76
赤ラズベリー 10-84 9 5-59
いちご 15-75 - 97-183
赤ワイン 1-35 1-55 24-70
セイヨウスモモ 2-25 1-6 106-334
紫(赤)キャベツ 25 0 -
紫タマネギ 13- 25 - -
果肉の赤いオレンジのジュース 3-10 - -
フラバノールの豊富な食品 アントシアニン類 フラバノール類 プロアントシアニジン類
緑茶 - 24-216 -
紅茶 - 5-158 4
ビターチョコレート - 43-63 90-322
皮付きレッドデリシャスりんご 1-4 2-12 89-148
アンズ - 10-25 8-13
フラボンの豊富な食品 アントシアニン類 フラバノール類 プロアントシアニジン類
生のパセリ - - -
生のタイム - - -
緑色のセロリの芯 - - -
セロリ - - -
生のオレガノ - - -
緑色の唐辛子 - - -
フラバノンの豊富な食品 アントシアニン類 フラバノール類 プロアントシアニジン類
生のレモンジュース - - -
生のグレープフルーツジュース - - -
生のオレンジジュース - - -
生のグレープフルーツ - - -
生のオレンジ - - -
フラボノールの豊富な食品 アントシアニン類 フラバノール類 プロアントシアニジン類
黄タマネギ - 0 -
ケール - - -
ネギ - 0 -
ブロッコリ - 0 -
*生の食品の重さ100gまたは液体100mlについての含有量。100gは約3.5オンス、100mlは約3.5液量オンス。

 

表3 特定の食品のフラボン、フラボノール、およびフラバノン含有量(mg/100gまたは100ml*)(3,129-135)
アントシアニンの豊富な食品 フラボン類 フラボノール類 フラバノン類
ブラックベリー - 0-2 -
ブルーベリー - 2-16 -
赤ぶどう - 3-4 -
赤ラズベリー - 1 -
いちご - 1-4 -
赤ワイン 0 2-30 -
セイヨウスモモ 0 1-2 -
紫(赤)キャベツ 0-1 0-1 -
紫タマネギ 0 4-100 -
果肉の赤いオレンジのジュース - - 10-22
フラバノールの豊富な食品 フラボン類 フラボノール類 フラバノン類
緑茶 0-1 3-9 -
紅茶 0 1-7 -
ビターチョコレート - - -
皮付きレッドデリシャスりんご 0 2-6 -
アンズ 0 2-5 -
フラボンの豊富な食品 フラボン類 フラボノール類 フラバノン類
生のパセリ 24-634 8-10 -
生のタイム 56 0 -
緑色のセロリの芯 23 - -
セロリ 0-15 4 -
生のオレガノ 2-7 0 -
緑色の唐辛子 5 13-21 -
フラバノンの豊富な食品 フラボン類 フラボノール類 フラバノン類
生のレモンジュース 0 0-2 2-175
生のグレープフルーツジュース 0 0 10-104
生のオレンジジュース 0-1 0 5-47
生のグレープフルーツ - 1 55
生のオレンジ - - 42-53
フラボノールの豊富な食品 フラボン類 フラボノール類 フラバノン類
黄タマネギ 0 3-120 -
ケール 0 30-60 -
ネギ 0 3-22 -
ブロッコリ 0 4-13 -
*生の食品の重さ100gまたは液体100mlについての含有量。100gは約3.5オンス、100mlは約3.5液量オンス。

サプリメント

アントシアニン類

アントシアニンの豊富なビルベリー、エルダーベリー、黒すぐり、ブルーベリー、赤ぶどう、およびベリー類の抽出物は、米国では処方箋なしで栄養補助食品として入手可能である。これらの製品のアントシアニンの含有量は、かなり異なる可能性がある。用量ごとのアントシアニンの量のリストを示した規格化された抽出物が入手可能である。

フラバノール類

米国では多数の茶抽出物が栄養補助食品として入手可能で、茶カテキンまたは茶ポリフェノールというラベルが付いていることもある。緑茶の抽出物は最も一般的に市販されているが、紅茶やウーロン茶の抽出物も入手可能である。緑茶抽出物は一般的にカテキン(フラバノール単量体)の量が多く、紅茶抽出物はテアフラビンやテアルビジン(茶に含まれるフラバノール重合体)が豊富である。ウーロン茶の抽出物は、フラバノール含有量では緑茶と紅茶の抽出物の中間にあたる。茶の抽出物にはカフェインを含むものも、カフェイン抜きのものもある。フラバノールとカフェインの含有量は製品によってかなり異なるので、各サプリメントを毎日摂取することによるフラバノールやカフェインの量を決めるには、ラベルをチェックするか、メーカーに問い合わせることが大切である。茶のフラバノールについての詳細は、「茶飲料」の項の記事を参照されたい。

フラバノン類

柑橘類のバイオフラボノイドサプリメントは、ヘスペレチンのグリコシド(ヘスペリジン)、ナリンゲニンのグリコシド(ナリンジン)、およびエリオジクチオールのグリコシド(エリオシトリン)を含む可能性がある。ヘスペリジンはヘスペリジン複合体サプリメントとしても入手可能である(114)

フラボン類

柑橘類の皮は、タンゲレチン、ノビレチン、およびシネンセチンといったポリメトキシフラボンが豊富である(3)。これらの天然起源フラボン類の食事からの摂取は一般に低いものの、柑橘類のバイオフラボノイドサプリメントにはしばしば含まれている。

フラボノール類

フラボノールアグリコンであるケルセチンおよびそのグリコシドであるルチンは、米国では処方箋なしで栄養補助食品として入手可能である。ルチンにはルチノシド、ケルセチン-3-ルチノシド、およびソフォリンなどという名称もある(114)。柑橘類のバイオフラボノイドサプリメントもケルセチンやルチンを含んでいる可能性がある。

安全性

悪影響

植物性食品に由来するフラボノイド類の高摂取に関連する悪影響はない。悪影響がないことは、ほとんどのフラボノイドの生物学的利用能が比較的低いことと、急速に代謝および除去されることで説明ができるかもしれない。

ケルセチン

ケルセチンのサプリメント(1,000mg/日を1ヶ月)を摂取した何人かの男性が、吐き気、頭痛、または四肢の刺痛を報告した(115)。第一相臨床試験でケルセチンを静脈投与された何名かのがん患者が、吐き気、嘔吐、発汗、のぼせ、および呼吸困難を報告した(116)。その試験では、945mg/m、あるいはそれ以上の用量のケルセチンの静脈投与は腎毒性に関連があった。

茶抽出物

茶(学名Camellia sinensis)抽出物のサプリメントを摂取した後の肝毒性の報告がいくつかある(117,118)。カフェイン入りの緑茶抽出物の臨床試験で、6g/日を3~6回に分けて摂取したがん患者は、吐き気、嘔吐、腹痛、および下痢を含む軽度から中度の胃腸の副作用を報告した(119,120)。激越(興奮)、不穏状態、不眠、震え、めまい、および錯乱を含む中枢神経系の症状も報告されている。あるケースでは、入院を必要とするくらい錯乱が重篤であった(119)。これらの副作用は、緑茶抽出物に含まれるカフェインに関連しているようである(120)。健康な個人でカフェイン抜きの緑茶抽出物(800mg/日のEGCG)の安全性を評価する4週間の臨床試験で、参加者の何人かが軽度の吐き気、胃のむかつき、めまい、または筋肉痛を訴えた(121)

妊娠期および授乳期

妊娠期および授乳期におけるフラボノイドサプリメント摂取の安全性は確立されていない(114)

薬物相互作用

グレープフルーツジュースとフラボノイドによるCYP3A4の阻害

たった200ml(7液量オンス)のグレープフルーツジュースでも、腸の薬物代謝酵素であるシトクロムP450(CYP)3A4を不可逆的に阻害することがわかっている(122)。グレープフルーツの最も強力なCYP3A4阻害物質はフラノクマリン類、特にジヒドロキシベルガモチンであると考えられるが、フラボノイドのナリンゲニンとケルセチンも、試験管内でCYP3A4を阻害することがわかっている。腸のCYP3A4を阻害すると、HMG-CoA還元酵素阻害薬(アトルバスタチン、ロバスタチン、およびシンバスタチン)、カルシウムチャネル拮抗薬(フェロジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、およびベラパミル)、抗不整脈薬(アミオダロン)、HIVプロテアーゼ阻害薬(サキナビル)、免疫抑制剤(シクロスポリン)、抗ヒスタミン薬(テルフェナジン)、胃腸刺激薬(シサプリド)、ベンゾジアゼピン(ジアゼパム、ミダゾラム、およびトリアゾラム)、抗けいれん薬(カルバマゼピン)、抗不安薬(ブスピロン)、選択的セロトニン再取込阻害薬(セルトラリン)、および勃起不全治療薬(シルデナフィル)などの多くの薬物の生物学的利用能および毒性のリスクを上げる可能性がある(123)。グレープフルーツジュースは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるロサルタンの治療効果を下げる可能性がある。薬物相互作用の悪影響の可能性があるので、臨床医の中にはCYP3A4による広範な前全身的代謝を受ける薬を服用している患者は、潜在的毒性を避けるためにグレープフルーツジュースをまったく飲まないようにアドバイスする者もいる(122)

グレープフルーツジュースとフラボノイドによるP糖タンパク質の阻害

P糖タンパク質は、多数の薬物の吸収を減らす排出輸送体である。グレープフルーツジュースの摂取がP糖タンパク質の活性を抑制するというエビデンスがある(122)。ケルセチン、ナリンゲニン、および緑茶フラバノールであるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、培養細胞でP糖タンパク質の排出活性を抑制することがわかっている(124)。したがって、これらのフラボノイドを非常に多く摂取したり補給したりするとフラボノイドの生物学的利用性が上昇し、P糖タンパク質の基質である薬物の毒性を高める可能性がある。P糖タンパク質の基質であることがわかっている薬物は、ジゴキシン、抗高血圧症薬、抗不整脈薬、化学療法薬(抗がん剤)、抗真菌薬、HIVプロテアーゼ阻害薬、免疫抑制剤、H2受容体拮抗薬、およびいくつかの抗生物質や、その他などである((125)の文献で概説)。

抗凝固薬および血小板凝集阻害薬

紫ぶどうジュース(500ml/日)やビターチョコレート(235mg/日のフラバノール類)からフラボノイドを高摂取すると、体外での試験では血小板凝集を阻害することがわかっている(69-71,75)。理論的には、ワルファリン(クマジン)などの抗凝固薬、クロピドグレル(プラビックス)、ジピリダモール(ペルサンチン)などの血小板凝集阻害薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、およびアスピリンなどと一緒に摂取すると、(サプリメントなどからの)フラボノイドの高摂取が出血のリスクを高める可能性がある。

他の栄養素との相互作用

非ヘム鉄

フラボノイドは、非ヘム鉄と結びついて腸での鉄の吸収を阻害することがある。非ヘム鉄は、植物性食品、乳製品、および鉄のサプリメントに含まれる鉄の主要な形態である。食事と一緒に1杯の紅茶やココアを摂取すると、食事に含まれる非ヘム鉄の吸収を約70%減らすことがわかっている(126,127)。食事や鉄サプリメントからの鉄の吸収を最大化するには、フラボノイドの豊富な飲料やフラボノイドのサプリメントを同時に摂取するべきではない。

ビタミンC

培養細胞での研究で、多くのフラボノイドが細胞へのビタミンCの輸送を阻害することが示され、ケルセチンとビタミンCを補給したラットは腸でのビタミンCの吸収が減った(128)。これらの発見のヒトにおける重要性を決定するさらなる研究が必要である。


Authors and Reviewers

Originally written in 2005 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in June 2008 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in June 2008 by:
Roderick H. Dashwood, Ph.D.
Director, Cancer Chemoprotection Program, Linus Pauling Institute
Professor of Environmental & Molecular Toxicology
Leader, Environmental Mutagenesis & Carcinogenesis Core, Environmental Health Sciences Center
Oregon State University

Copyright 2005-2020  Linus Pauling Institute 


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レスベラトロール

English

要約

  • レスベラトロールは、ぶどう、赤ワイン、紫色のぶどうジュース、ピーナッツ、およびある種のベリー類に含まれるポリフェノール化合物である。(詳細はこちら)
  • 経口摂取すると、レスベラトロールはヒトでの吸収が良いように見える。しかし急速に代謝され体外に排出されるため、その生物学的利用性は比較的低い。(詳細はこちら)
  • 赤ワインに含まれることが報告され、「フレンチ・パラドックス」を説明しやすいのではないかという憶測から、レスベラトロールの潜在的な健康有益性に関心が持たれた。(詳細はこちら)
  • 適度なアルコール摂取は冠動脈心疾患のリスクを20~30%下げるという一貫した相関があるが、赤ワイン中のレスベラトロールなどのポリフェノールがさらにリスク低減をもたらすか否かは未だに不明である。(詳細はこちら)
  • レスベラトロールはある動物モデルのがん細胞や培養したがん細胞の成長を抑制することができるが、レスベラトロールの大量摂取がヒトのがんを予防できるか否かはわかっていない。(詳細はこちら)
  • 酵母、蠕虫、ショウジョウバエ、魚、および高カロリー食のマウスの寿命がレスベラトロールの投与で延びたものの、ヒトで同様の効果があるかは不明である。(詳細はこちら)
  • 現在では、人体におけるレスベラトロールの効果はよくわかっていない。

序説

レスベラトロール(3,4',5-トリヒドロキシスチルベン)は、スチルベンと呼ばれるポリフェノール化合物の一種である(1)。ある種の植物は、ストレス、傷、真菌感染、または紫外線などに反応して、レスベラトロールやその他のスチルベンを生成する(2)。レスベラトロールは脂溶性化合物で、トランス型とシス型がある(図1参照)。シス型およびトランス型のどちらも、グルコシド(ブドウ糖分子に結合したもの)としても存在する。レスベラトロール-3-O-(β)グルコシドはピセイドと呼ばれる(3)。1992年に赤ワインに含まれることが最初に報告され(4)、「フレンチ・パラドックス」(下の「心血管疾患」の項目参照)を説明しやすくするのではないかという憶測から、レスベラトロールの潜在的な健康有益性に関心が持たれた。最近では、レスベラトロールががんの発生を抑制(5)し、培養した細胞や動物モデルの寿命を延ばす(6)可能性についての報告に関心が集まっている。

Figure 1. Chemical Structures of Resveratrol and Resveratrol Glucoside (Piceid).

代謝と生物学的利用性

トランス型レスベラトロールは、経口摂取するとヒトでの吸収が良いように見える。しかし急速に代謝され体外に排出されるため、その生物学的利用性は比較的低い(7,8)。レスベラトロールの代謝物は、トランス型レスベラトロールを経口摂取した場合に主に検出される。トランス型レスベラトロール25mgを6人の健康な男女が経口摂取したところ、代謝されていないレスベラトロールの痕跡のみが血漿に検出された。レスベラトロールとその代謝物の血漿濃度は、60分ほどして約2マイクロモル/リットル(491マイクログラム/リットル)の最高値になった(7)。12人の健康な男性がトランス型レスベラトロールを体重70kgあたり25mg経口投与された研究では、レスベラトロールとその代謝物の血清濃度は投与後30分で最高値になった。レスベラトロール全体(レスベラトロールとその代謝物)の濃度は416~471マイクログラム/リットルの範囲で、レスベラトロールがワイン、野菜ジュース、またはぶどうジュースのいずれの形態で投与されたかによって違った(9)。レスベラトロールのグルコシド(ピセイド)を主に含むぶどうジュースからのレスベラトロールの生物学的利用性は、トランス型レスベラトロールよりもさらに低い可能性が別の研究結果から示されている(10)。最近の研究では、食事(低脂肪または高脂肪)と一緒にワインを摂取しても空腹で摂取しても、赤ワインのトランス型レスベラトロールの生物学的利用性に違いはないと報告されている(11)

ヒトでのレスベラトロールの生物学的利用性に関する情報は重要である。なぜなら、レスベラトロールに関する基礎的な研究の多くは、経口摂取後のヒトの血漿での最高濃度よりもしばしば10~100倍も高いような代謝されていないレスベラトロールにさらされた培養細胞においてなされてきたからである(12)。消化管の内壁の細胞は代謝されていないレスベラトロールにさらされるが、ヒトでの研究はその他の組織が主にレスベラトロールの代謝物にさらされることを示唆している。レスベラトロール代謝物の生物活性についてはほとんどわかっていないし、レスベラトロール代謝物をレスベラトロールにまた転換できる組織があるのか不明である(7)

生物活性

直接的酸化防止活性

試験管内では、レスベラトロールはフリーラジカル(遊離基)やその他のオキシダント(酸化物質)を効果的に除去(中和)(13)し、低比重リポタンパク質(LDL)の酸化を抑制する(14,15)。しかし、レスベラトロールが生体内で重要な抗酸化物質であるというエビデンス(根拠)はほとんどない(16)。レスベラトロールの経口摂取では、ヒトにおけるレスベラトロールの体内循環中の濃度および細胞内濃度は、ビタミンC、尿酸、ビタミンE、およびグルタチオンといったその他の重要な抗酸化物質よりもずっと低いようである。加えて、体内循環しているレスベラトロールの大部分を占めるレスベラトロール代謝物の抗酸化活性は、レスベラトロールより低いかもしれない。

エストロゲン性および抗エストロゲン性活性

内在性エストロゲンはヒトおよびその他の哺乳類が合成するステロイドホルモンで、細胞内のエストロゲン受容体と結合する。エストロゲンとその受容体の複合体はDNAの非反復配列(エストロゲン応答配列;ERE)と相互作用し、エストロゲン応答性遺伝子の発現を調整する(17)。エストロゲン受容体と結びつき内在性エストロゲンと同様の反応を誘発する化合物は、エストロゲン作動薬とみなされる。一方でエストロゲン受容体と結合はするが内在性エストロゲンによって誘発される反応を防止したり抑制したりする化合物は、エストロゲン拮抗薬とみなされる。レスベラトロールの化学構造は合成エストロゲン作動薬であるジエチルスチルベストロールと非常に似通っており(図2参照)、レスベラトロールがエストロゲン作動薬として機能する可能性を示唆している。しかしながら、培養細胞での実験では、レスベラトロールはある条件下でエストロゲン作動薬として働き、その他の条件下ではエストロゲン拮抗薬として機能する(18,19)。エストロゲン受容体陽性の乳がん細胞では、レスベラトロールは内在性エストロゲンである17β-エストラジオールがない場合にエストロゲン作動薬として機能し、17β-エストラジオールがある場合にはエストロゲン拮抗薬として機能した(20,21)。現時点では、細胞のタイプ、エストロゲン受容体のイソ型(ERαまたはERβ)、および内在性エストロゲンの存在などの要素によって、エストロゲン作動薬または拮抗薬として作用する可能性があるようである(17)

Figure 2. Chemical Structures of trans-Resveratrol, Diethylstilbestrol, and 17-Beta-Estradiol

がん予防に関連する生物活性

生体内変換酵素への効果

ある種の化合物は、体内でチトクロームP450酵素によって代謝されるまで発がん性を持たない(2)。あるチトクロームP450酵素の発現および活動を抑制することで(22,23)、レスベラトロールはこれらの活性化された発がん性物質への接触を減らしてがんを予防することに役立っているのかもしれない。対照的に、第II相生体内変換酵素(第II相代謝酵素)の活動を増進することは、有毒または発がんの可能性のある化学物質の排泄を一般的に促す。レスベラトロールは、培養細胞において第II相代謝酵素であるNAD(P)H、つまりキノンレダクターゼ(キノン還元酵素)の発現と活性を増進することがわかっている(5,24)

通常の細胞周期制御の保全

DNA損傷の後、DNA修復またはその損傷が修復不能であるならば細胞死(アポトーシス)に至る経路の活性化へと、細胞周期が過渡的に抑止される(25)。細胞周期制御に欠陥があると、がんの発現に寄与する突然変異の伝播に陥りかねない。レスベラトロールは、培養されたがん細胞に添加されると、細胞周期抑止を誘発することがわかっている(26)

増殖の抑制とアポトーシスの誘発

正常な細胞と異なり、がん細胞は急速に増殖し、アポトーシスを起こす細胞死信号に反応しない。レスベラトロールは多くのがん細胞株で増殖を抑制し、細胞死を誘発することがわかっている(2,27で再調査)。

腫瘍浸潤の抑制と血管新生

がん細胞は、マトリックスメタロプロテアーゼ(マトリックスメタロプロテイナーゼ)という酵素の助成によって、正常な組織を浸潤する。レスベラトロールは、少なくとも1種類のマトリックスメタロプロテアーゼの活動を抑制することがわかっている(28)。急激な増殖を促進するため、浸潤がんは血管新生というプロセスによって新しい血管も作らねばならない。レスベラトロールは、ガラス容器内では血管新生を抑制することがわかっている(29-31)

抗炎症効果

炎症は細胞増殖や血管新生を促し、アポトーシスを抑制する(32)。レスベラトロールは、ガラス容器内でシクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼを含むいくつかの炎症酵素の活動を抑制することがわかっている(33,34)。レスベラトロールはNFkBまたはAP-1といった炎症誘発性転写因子も抑制する可能性がある(35,36)

心血管疾患予防に関連する生物活性

血管細胞癒着分子の発現の抑制

アテローム性動脈硬化は現在では炎症性疾患と認識されており、炎症に関するいくつかの測定値は心筋梗塞のリスク上昇と関連している(37)。アテローム性動脈硬化の発生初期の事象の一つが、炎症を起こす白血球が血液から動脈壁に血管細胞癒着分子によって動員されることである(38)。レスベラトロールは、培養された内皮細胞において癒着分子が発現するのを抑制することがわかっている(39,40)

血管平滑筋細胞増殖の抑制

血管平滑筋細胞の増殖は、動脈硬化の進行に重要な役割を果たす(41)。レスベラトロールは培養された血管平滑筋細胞の増殖を抑制することがわかっている(42,43)

内皮性一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活動の刺激

eNOSは血管内皮細胞による一酸化窒素(NO)生成の触媒作用を起こす酵素である。一酸化窒素は動脈弛緩(血管拡張)の維持に必要であり、一酸化窒素依存性血管拡張がうまくいかないと、心血管疾患のリスクが高くなる(44)。レスベラトロールは、培養された内皮細胞でeNOSの活動を刺激することがわかっている(45,46)

血小板凝縮の抑制

血小板凝縮は、冠状動脈や大脳動脈をつまらせる可能性のある血栓形成の第一段階の一つであり、それぞれ心筋梗塞および脳卒中に至る。レスベラトロールは、ガラス容器内で血小板凝縮を抑制することがわかっている(47,48)

注意:上記の生命活動の多くは、レスベラトロールを経口摂取したヒトの体内よりも高いであろう濃度でレスベラトロールを投与して培養した細胞で見られたものであるということを覚えておくことが大切である(上記の「代謝と生物学的利用性」の項目を参照)。

疾病の予防

心血管疾患

赤ワインのポリフェノール

心血管疾患リスクの大幅な減少は、適度なアルコール飲料の摂取と関連している(49,50)。比較的高レベルの食事性飽和脂肪摂取および喫煙にもかかわらず冠動脈心疾患による死亡率がフランスで比較的低いという「フレンチ・パラドックス」から、定期的に赤ワインを摂取することが心血管疾患への付加的な予防になっているのではないかという考えが導かれた(51,52)。赤ワインはレスベラトロールや、それ以上の濃度のフラボノイドを含む。これらのポリフェノール化合物は、試験管内やアテローム性動脈硬化の動物モデルで、抗酸化効果、抗炎症効果、およびその他の潜在的アテローム産生抑制効果を示す(53)。しかしながら、赤ワインのポリフェノール摂取を増加させると、そのアルコール含有量に関連した以上に付加的な心血管疾患予防効果があるのかどうかは不明である(「アルコール飲料」の記事を参照のこと)。この問題を扱った疫学的研究の結果はまちまちである。いくつかの大規模前向き研究では、ワインを飲む者はビールや蒸留酒を飲む者よりも心血管疾患のリスクが低い(54-56)となっているが、何の差も見られなかった研究もある(57-59)。ワインを好む者とビールや蒸留酒を好む者との社会経済的な差異およびライフスタイルの違いで、いくつかの研究で見られた付加的な効果の一部が説明できるのかもしれない。ワインを好む者は、その他のアルコール飲料を好む者より高収入、高学歴、低喫煙、および果物や野菜の高摂取と飽和脂肪の低摂取の傾向があることがいくつかの研究でわかっている(59-64)。適度なアルコール摂取では一貫して冠動脈心疾患リスクが20~30%低下するが、赤ワインのポリフェノールが付加的なリスク低下をもたらすのかどうかは不明である。興味深いことに、げっ歯類にアルコールを含まない赤ワインを与える研究では、心血管疾患に関連する様々なパラメータの値に向上が見られた(65,66)。さらに、ヒトでのプラセボ対照研究では、赤ぶどうのポリフェノール抽出物を与えられた心臓病患者に内皮機能の急激な改善が見られた(67)。しかしながら、赤ワインを飲むことがそのアルコール含有量に由来する以上に心血管に有益であるのかどうかを決定するには、さらなる研究が必要である。

レスベラトロール

レスベラトロールは、血小板凝縮の抑制(47,48,68)、一酸化窒素の生成を促すことでの血管拡張の促進(46,69)、および炎症を起こす酵素の抑制(34,70,71)など、心臓を保護する可能性のあるいくつかの効果をガラス容器内では発揮することがわかっている。しかしながら、これらの効果を引き起こすのに必要なレスベラトロールの濃度は、レスベラトロールを経口摂取した後のヒトの血漿での濃度よりも高いことが多い(7)。いくつかの動物研究の結果は、レスベラトロールの高用量経口摂取が血栓症(凝血塊の形成)リスクおよびアテローム性動脈硬化症リスクを低減させる可能性を示唆している(72,73)。しかし少なくとも1つの研究では、レスベラトロールを与えられた動物にアテローム性動脈硬化が増えた(74)。赤ワインにレスベラトロールが含まれることは、レスベラトロールが心血管疾患を防ぐ可能性について多大な興味をいだかせるものではある。しかし、レスベラトロールにヒトの心臓保護効果があるという説得力のあるエビデンスはなく、グラスに1~2杯の赤ワインに含まれる量くらいではなおさらである(「摂取源」の項目参照)。

がん

レスベラトロールは、乳がん、前立腺がん、胃がん、大腸がん、すい臓がん、および甲状腺がんなどのヒトの様々ながん細胞株の増殖を抑制することがわかっている(2)。動物モデルでは、発がん性化学物質によって引き起こされた食道がん(75)、腸がん(72)、および乳がん(20,77)の発生が、レスベラトロールの経口投与で抑制された。しかしながら、タバコの煙に含まれる発がん性物質による肺がん発生の抑制には、レスベラトロールの経口投与は効果がなかった(78,79)。遺伝的に大腸がんにかかりやすくしたマウスにレスベラトロールを経口投与した効果はまちまちである(80,81)。また、発がん性物質である1,2ジメチルヒドラジンを投与したラット(ネズミ)の大腸がん発生が、レスベラトロールの経口投与で予防されたとする研究もある(82-84)。レスベラトロールの高摂取がヒトのがん予防に役立つかは不明である。この問題を扱い、レスベラトロールががんの治療にも有益か否かも決定する臨床試験が現在進行中である(85)。ヒトでのレスベラトロールの代謝に関する研究では、レスベラトロールを多量に食事で摂取しても、培養細胞の研究で見られた予防効果を実現する組織濃度まで上がらないのではないかということが示唆されている(7,12)

長寿

カロリー制限は、哺乳類を含む多くの種で寿命を延ばすことが知られている(86)。酵母では、カロリー制限がSir2という酵素の活動を刺激する(87)。カロリー制限なしで酵母にレスベラトロールを供与するとSir2の活動が増え、酵母の複製的寿命が70%延びた(6)。レスベラトロールの供与は、同様のメカニズムで蠕虫(線虫)やショウジョウバエ(キイロショウジョウバエ)の寿命を延ばした(88)。加えて、レスベラトロールは脊椎動物である魚(ノソブランキウス・フルゼリ)の寿命を、投与量に従って延ばした(89)。しかしながら、より高度な動物でレスベラトロールが同様の効果を持っているかは不明である。最近の研究で、標準的な食事を与えられたマウスと同様なくらいに、レスベラトロールが高カロリー食のマウスの寿命を延ばしたと報告されている(90)。レスベラトロールは、ヒトの相同な酵素(Sirt1)の活動を試験管内で増やす(6)が、レスベラトロールがヒトの寿命を延ばすかは不明である。しかも、ヒトでSirt1の活動を増やすためのレスベラトロール濃度は、経口摂取のあとでヒトの血漿で測定される濃度よりもかなり高い。興味深いことに、最近のマウスでの加齢研究で、低用量の食事性レスベラトロールが、カロリー制限によって引き起こされるのと同様に心臓、脳、および骨格筋で遺伝子発現を変化させることがわかった(91)。カロリー制限と同様に、この研究ではレスベラトロールが加齢に関連する心臓機能低下を鈍らせた。これらの発見がヒトにも当てはまるかどうかを決定するには、臨床試験が必要であろう。

摂取源

食物の摂取源

レスベラトロールは、ぶどう、ワイン、ぶどうジュース、ピーナッツ、およびブルーベリー、ビルベリー、クランベリーといったスノキ属のベリー類に含まれる(92-94)。ぶどうでは、レスベラトロールは皮にのみ含まれる(95)。ぶどうの皮のレスベラトロール量は、ぶどうの栽培品種、原産地、および真菌感染の有無などで異なる(96)。ぶどうの皮と接する発酵時間の長さが、ワインのレスベラトロール含有量を決めるのに重要である。したがって、白ワインやロゼワインは、一般的に赤ワインよりもレスベラトロール含有量が少ない(4)。赤色または紫色のぶどうジュースは、レスベラトロールの優良な摂取源となりうる(3)。ぶどうやぶどうジュースでの主要なレスベラトロールの形態は、トランス型レスベラトロールグルコシド(トランスピセイド)である。しかし、ワインは発酵による糖の切断の結果と思われるレスベラトロールアグリコンも多量に含んでいる(92)。多くのワインは、発酵で生成されるかビニフェリン(レスベラトロールの重合体)から発生するであろうシス型のレスベラトロール(図1参照)も多く含む(97)。赤ワインはレスベラトロールを比較的豊富に含む摂取源であるが、レスベラトロール以外のポリフェノールもかなり高濃度に含む(「フラボノイド」の記事を参照)(98)。いくつかの飲料や食物に含まれるレスベラトロールの全含有量を下の表に示す。食物や飲料に含まれるレスベラトロールの含有量はかなり幅があるので、これらの値は近似値と見なされるべきである。

表1 ワインとぶどうジュースに含まれる全レスベラトロール量(3,99,100)
飲料 全レスベラトロール量(mg/リットル) 約140mlのグラス1杯分の全レスベラトロール量(mg)
白ワイン(スペイン産) 0.05-1.80 11.9
ロゼワイン(スペイン産) 0.43-3.52 0.06-0.53
赤ワイン(スペイン産) 1.92-12.59 0.29-1.89
赤ワイン(全体) 1.98-7.13 0.30-1.07
赤ぶどうジュース(スペイン産) 1.14-8.69 0.17-1.30

 

表2 特定の食品の全レスベラトロール量(92,94,101)
食品 分量 全レスベラトロール量(mg)
ピーナッツ(生) 146 g 0.01-0.26
ピーナッツ(ゆでたもの) 180 g 0.32-1.28
ピーナッツバター 258 g 0.04-0.13
赤ぶどう 160 g 0.24-1.25

サプリメント

米国で入手可能なたいていのレスベラトロールのサプリメントは、別名が虎杖根というイタドリの根の抽出物を含む(102)。米国では、レスベラトロールやその他のポリフェノールを含む赤ワインや赤ぶどうの抽出物が、栄養補助食品として入手可能である。レスベラトロールのサプリメントは10~50mgのレスベラトロールを含むであろうが、ヒトの慢性的疾患の予防に有効な用量は不明である。

安全性

悪影響

レスベラトロールのヒトへの有害性や悪影響は知られていないが、今日まで対照臨床試験が少ない。レスベラトロールの経口摂取の安全性を10人の治験者で評価した最近の試験では、1回5グラムまでの服用でも重大な悪影響がなかった(103)。ラットでは、体重1kg換算で300mgまでの用量のトランス型レスベラトロールを毎日4週間経口投与しても、明瞭な悪影響はなかった(104,105)

妊娠期および授乳期

レスベラトロールを含むサプリメントの妊娠期および授乳期での安全性は確立していない(102)。どの妊娠段階でもアルコール摂取の安全な量が確立していないため(106)、妊娠中の女性はレスベラトロールの摂取源としてワインを飲むことは避けるべきである。

エストロゲン感受性のがん

ヒトにおけるレスベラトロールのエストロゲン様作用についてもっと多くのことがわかるまで、乳がん、卵巣がん、および子宮がんといったエストロゲン感受性のがんの病歴のある女性は、レスベラトロールのサプリメントの摂取を避けるべきである(上記の「エストロゲン性および抗エストロゲン性活性」の項目を参照)。

薬物相互作用

抗凝固薬および血小板凝集抑制薬

レスベラトロールは、ガラス容器内でヒトの血小板凝集を抑制することが知られている(48,107)。理論的には、(サプリメントなどからの)レスベラトロールの高摂取は、ワルファリン(クマジン)などの抗凝固薬、クロピドグレル(プラビックス)やジピリダモール(ペルサンチン)などの血小板凝集抑制薬、およびアスピリン、イブプロフェン、およびその他の抗炎症薬(NSAID)と一緒の服用で出血のリスクを高める。

チトクロームP450 3A4によって代謝される薬物

レスベラトロールは、ガラス容器内でチトクローム(シトクローム)P450 3A4(CYP3A4)の活動を抑制することが報告されている(108,109)。この相互作用はヒトでは報告されていないが、(サプリメントなどからの)レスベラトロールの高摂取は、理論的にはCYP3A4による広範な初回通過代謝を受ける薬物の生物学的利用性や有毒性を高める可能性がある。CYP3A4により代謝される薬物は、HMG-CoA還元酵素抑制薬(アトルバスタチン、ロバスタチン、およびシンバスタチン)、カルシウムチャンネル拮抗薬(フェロジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニモジピン、およびベラパミル)、抗不整脈薬(アミオダロン)、HIVプロテアーゼ阻害薬(サキナビル)、免疫抑制剤(シクロスポリンおよびタクロリムス)、抗ヒスタミン薬(テルフェナジン)、ベンゾジアゼピン(ミダゾラムおよびトリアゾラム)、および勃起不全の治療薬(シルデナフィル)などを含むが、これらに限らない。


Authors and Reviewers

Originally written in 2005 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in May 2008 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in May 2008 by:
William P. Steward, M.D., Ph.D.
Professor of Oncology
Co-Director of Cancer Biomarkers and Prevention Group
Department of Oncology
University of Leicester

Copyright 2005-2020  Linus Pauling Institute


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大豆イソフラボン

English

要約

  • イソフラボンは、フィトエストロゲン(エストロゲン活性を有する植物由来の化合物)の一種である。ヒトの食事において、イソフラボンをもっとも豊富に含むものが大豆と大豆製品である。(詳細はこちら)
  • 無作為化(比較)対照試験の結果として、50g/日の動物性タンパク質の摂取を大豆タンパク質に代えることによって、LDLコレステロールが、僅かに約3%弱減少することが示唆されている。精製した大豆イソフラボンを含むサプリメントでは、血清脂質プロファイルに良好な影響を及ぼす傾向はみられていない。(詳細はこちら)
  • 一日あたり90mg未満の大豆イソフラボンの摂取は、骨吸収を妨げ、骨形成を活発化するかもしれない。(詳細はこちら)
  • 概して、多くの観察研究の結果は、成人において大豆イソフラボンの高用量の摂取が乳がんを予防するという見解を支持していない。限られた研究にて、若い頃に大豆食品をより多く摂取することが、成人期における乳がんの危険性を減少させるかもしれないことが示唆されている。(詳細はこちら)
  • 科学者は、大豆イソフラボンが前立腺ガンの進行を防ぐか、もしくは抑制する可能性について興味を抱いているが、観察研究において大豆イソフラボンが前立腺ガンを予防するという証拠は限られており、一貫性がない。(詳細はこちら)
  • 現在までに、更年期症状に対する大豆イソフラボン摂取の影響に関する研究は、さまざまな結果が報告されている。(詳細はこちら)
  • 大豆イソフラボンに関するいくつかの健康効果は、イソフラボンの代謝物質であるエクオールが生産されるかどうかに依存しているかもしれない。(詳細はこちら)
  • 大豆や大豆製品を主とする食事は安全で潜在的に有益に見えるけれども、大豆イソフラボンのサプリメントを高用量、長期に渡って摂取したときの安全性はまだわかっていない。(詳細はこちら)
  • 現在、大豆を主成分とする調製粉乳で育てられた幼児が、牛乳を主成分とする調製粉乳で育てられた幼児よりも、有害な影響を受けるリスクがより大きいという、確定的な証拠は全くない。(詳細はこちら)

序説

イソフラボンは、エストロゲン様の作用を有するポリフェノール化合物である。この理由から、それらはフィトエストロゲン(エストロゲン活性を有する植物由来の化合物)として分類される(1)。ヒトの食事においてイソフラボンをもっとも豊富に含むものが、豆類(特に大豆)である。大豆において、イソフラボンは配糖体(糖が結合した化合物)として存在する。 大豆または大豆製品の発酵や消化の過程において、イソフラボン配糖体から糖分子が遊離し、その結果、そのアグリコンであるイソフラボンが生じる。大豆イソフラボン配糖体は、ゲニスチン、ダイジン、グリシチンと呼ばれ、一方、それらのアグリコンはゲニステイン、ダイドゼイン、グリシテイン(Figure 1.イソフラボンのアグリコン部分の化学構造)と呼ばれる。特に明記しない限り、本稿に記載されている多くのイソフラボンの量は、その配糖体ではなく、アグリコンを指す。

Soy Isoflavones Figure 1. Chemical Structures of Soy Isoflavone Aglycones

代謝と生物学的利用能

大豆イソフラボンの生物学的影響はそれらの代謝に強く影響される。そして、大豆イソフラボンの代謝は、ヒトの腸に生息するバクテリアの活動に依存している(2)。たとえば、大豆イソフラボンのダイドゼインは、腸においてダイドゼインより高いエストロゲン様活性を有する代謝物質であるエクオールや若しくはより低いエストロゲン様活性を持つ他の代謝物質に代謝される可能性がある。大豆を摂取後に尿中に排出されるエクオールを測定する研究では、西洋人の約33%が、ダイドゼインをエクオールに代謝することが示されている(3)。このように、イソフラボンの代謝における個体差が、これらのフィトエストロゲンの生物活性と密接に関連する可能性がある。

生物活性

エストロゲン活性と抗エストロゲン活性

大豆イソフラボンは、エストロゲン様、あるいはホルモン様の弱い活性を有することが知られている。エストロゲンは、細胞内でエストロゲン受容体と結合することによって、効用を発揮するシグナル分子である(Figure 2)。エストロゲン受容体の複合体は、エストロゲン応答性遺伝子の発現を変化させるためにDNAと相互作用する。エストロゲン受容体は、再生に関連する組織以外にも、骨、肝臓、心臓と脳を含む数多くの組織中に存在する(4)。大豆イソフラボンと他のフィトエストロゲンは、エストロゲン受容体と結合することができる。そして、いくつかの組織ではエストロゲン様の効用を示し、また別の組織ではエストロゲンに対してアンタゴニス(阻害剤)として機能する(5)。再生組織中における抗エストロゲン効果が、ホルモン関連の癌(乳がん、子宮癌、前立腺癌)における危険性の低下を助けることが示唆されている。一方、他の組織におけるエストロゲン効果は、骨密度を維持し、血中脂質プロファイル(コレステロール値)の改善に役立つことも示唆されている。このような知見より、科学者は、フィトエストロゲンの組織選択的活性に興味を抱いている。ヒトにおいて、大豆イソフラボンが発揮するエストロゲン効果と抗エストロゲン効果の程度については、現在、かなり多くの科学的研究の焦点となっている。

Soy Isoflavones Figure 2. Chemical Structures of Some Endogenous Estrogens

エストロゲン受容体に依存しない活性

大豆イソフラボンとそれらの代謝物質は、エストロゲン受容体との相互作用と無関係な生物活性も有する(6)。大豆イソフラボンが、エストロゲン代謝に関係する特定の酵素による合成および活性を阻害することによって、内在性エストロゲンとアンドロゲンの生物活性を変えるかもしれない(7-9)。また、大豆イソフラボンは、チロシン・キナーゼ(細胞増殖を促進するシグナル経路で決定的な役割を果たす酵素)を阻害することがわかっている(10)。その上、イソフラボンは、in vitro 実験において抗酸化剤として機能することができる(11)。しかしながら、それらがヒトの抗酸化状態に貢献する程度については、まだ明白でない。一日あたり2mgのイソフラボンを含む大豆タンパク質を摂取させた場合より、一日あたり56mgのイソフラボンを含む大豆タンパク質を摂取させた場合のほうが、2週間後における血漿 F2-イソプロスタン(生体内における過酸化脂質のバイオマーカー)の値がかなり低下した(12)。しかしながら、50-100mgの精製した大豆イソフラボンを含むサプリメントの日々の摂取では、血漿または尿中の F2-イソプロスタンの値に有意な変化は確認されなかった(13,14)

疾患予防

心血管疾患

血清コレステロール

1995年以前に実施された対照臨床試験にて、一日あたりに摂取する25-50gのタンパク質を動物性タンパク質から大豆タンパク質に代えることにより血清LDLコレステロール値がおよそ13%低下すると示唆された(15)。しかしながら、最近のより良い対照試験では、大豆タンパク質のLDLコレステロール低下効果はずっと小さいことが示されている。22例の無作為化対照試験に対する最近のレビューでは、一日あたりに摂取するタンパク質の50gを動物性タンパク質から大豆タンパク質に代えることにより、LDLコレステロールが約3%だけ低下すると結論づけている(16)。イソフラボンを含んでいない大豆タンパク質より、イソフラボンを含んでいる大豆タンパク質のほうがLDLコレステロールの低下により有効であるという証拠は限定的であるが(17,18)、しかし、大豆イソフラボンだけ(サプリメントや抽出物として)の摂取では、血清脂質プロファイルに良い影響を与えているようには見えない(16,19-21)。大豆タンパク質とコレステロールに関するさらなる情報については、「豆類」に関する項目を参照。

動脈の機能に対する影響

心血管疾患予防において、正常な動脈機能を維持することは、重要な役割を担っている。心血管疾患にかかる危険性が高い人々は、血管の内表面に沿って並んでいる内皮細胞から生産される一酸化窒素に応答して拡張する動脈の働き(内皮依存性血管拡張)が損なわれている(22)。現在までに実施された大豆イソフラボンの動脈機能に対する効用についての無作為化対照試験の結果は、まちまちである。しかしながら、閉経後の女性達に一日あたり最高80mgの大豆イソフラボン(23-25)、または最高60gのイソフラボン(26-30)を含む大豆タンパク質を補った、多くのプラセボ対照試験において、内皮依存性血管拡張についての顕著な改善は確認されなかった。動脈の硬さは、動脈機能のもう一つの基準である。動脈の硬さの測定は、動脈の伸展性を評価する。そして、動脈の硬さとアテローム性動脈硬化症の間の強い関係が認められている(31)。プラセボ対照臨床試験にて、3ヶ月間、40g/日の大豆タンパク質(118mg/日の大豆イソフラボンを含む)を摂取した男性および閉経後の女性においてみられた結果と同様に(29)、5週間の80mg/日の大豆イソフラボン抽出物をサプリメントとして摂取した閉経後の女性は、動脈の硬さが有意に低減した(32)。大部分の研究では、大豆タンパク質またはイソフラボンの補足が内皮依存性血管拡張を改善することを示していないが、予備段階の研究では、大豆イソフラボンのサプリメントの摂取が、動脈の硬さを低減させるかもしれないことを示唆している。しかしながら、最近実施された高血圧のヒトを対象とした無作為化対照・交差試験における、6ヶ月間の118mg/日のイソフラボンを含む大豆タンパク質の摂取では、動脈の硬さを含む動脈機能の測定において改善は確認されなかった(33)。大豆イソフラボンによるサプリメントが動脈の機能を向上させるかどうか決定するためには、さらなる研究が必要である。

ホルモンに関連する癌

乳癌

大豆食品から平均25〜50mg/日のイソフラボンを摂取するアジアにおける乳がん発生率は、西欧諸国において平均2mg/日未満のイソフラボンを摂取する非アジア系女性の乳がん発生率に比べて、より低い(34,35,36)。しかしながら、この違いには遺伝的要因や生活様式の違いなどの多くの要因が関与しているかもしれない。食事での大豆の摂取と乳がんに関する疫学的研究論文では、矛盾する結果が報告されている(豆類の項目参照)。2、3の研究では、思春期における、大豆のより高い摂取量が、将来の(37,38)乳がんになる危険性を低減させるかもしれないことが示唆されている(37,38)。現時点では、大豆イソフラボンのサプリメントを摂取ことが、乳がんの危険性を減少させるという証拠はほとんどない。大豆の消費と乳がんの危険性に関する、これ以上の情報については、豆類の項目を参照してください。

子宮内膜癌

子宮内膜(子宮の)癌の発達は、長期にわたるエストロゲン暴露(女性ホルモンの一種、プロゲステロンでバランスが取られていないため、エストロゲンが持続分泌している状態)に関連しているので、抗エストロゲン活性を有するフィトエストロゲンを多く摂取することで、子宮内膜癌を予防することができると提案されている(39)。この考えを支持し、3件の後ろ向き症例対照研究において、子宮内膜癌の女性が、癌でない対照群と比較して食品からの大豆イソフラボン摂取量が低いことが判明している(39-41)。しかしながら、閉経後の女性に対し、6ヶ月間、120mg/日のイソフラボンを含む大豆タンパク質を摂取させたが、外因性エストラジオールの投与によって誘発される子宮内膜増殖症を防ぐことができなかった(42)。症例対照研究において、大豆食品の消費と子宮内膜癌が逆相関することに関するいくつかの証拠が示唆されているが、大豆イソフラボンのサプリメントを摂取することが子宮内膜癌に罹るリスクを低減するという介入試験における証拠はない。

前立腺癌

米国の前立腺癌における死亡率は、日本や中国などのアジア諸国に比べて非常に高い。しかしながら、疫学的研究において大豆食品の高い摂取量が前立腺癌の発症リスクを低減するという確固たる証拠は示されていない。大豆食品と前立腺癌の危険性に関する詳細な情報については、豆類の項目を参照してください。細胞培養実験と動物実験において、大豆イソフラボンが前立腺癌の進行を抑制するという潜在的な効果が示唆されている(44)。前立腺癌を発症していない男性における最高1年間の大豆イソフラボン・サプリメントの摂取では、前立腺特異的抗原(PSA)の血清濃度の有意な低下はみられなかったが(45-47)、前立腺癌患者における2例の小規模な研究においては、大豆イソフラボン・サプリメントの摂取が、前立腺腫瘍の成長と関連する前立腺特異的抗原(PSA)の血清濃度の上昇を緩やかにするようである(48,49)。前立腺癌患者に関する1例の小規模、且つ、短期(<1ヵ月)の研究では、無作為に低フィトエストロゲン食(50)を摂った男性達と比較して、無作為に高フィトエストロゲン食を摂った男性達が、統計的に有意なPSA濃度の改善を示すことが明らかとなった(50)。PSA性再発前立腺癌の男性を対象とした豆乳サプリメント(141mg/日のイソフラボン)の摂取試験の結果、試験以前はPSA値が毎年56%増加していたのと比較して、12ヶ月以上の試験期間中では、平均20%程度の増加に留まっていたことが判明した(51)。2006年に発表されたレビューにおいて、前立腺癌患者に対するイソフラボン・サプリメントの摂取試験8例中4例において、PSA濃度において好ましい影響がみられたことが報告されている(52)。その上、最近の8つの研究のメタ解析において、イソフラボンの摂取が前立腺癌の危険性を低減することと関係していることがわかったが、しかし、その相関は統計的に有意でなかった(53)。このような予備調査結果は有望視されるが、大豆イソフラボン・サプリメントが前立腺癌の予防や治療に効能を有するか否かを決定するためには、現在進行中である、より大規模な無作為化対照試験の結果が必要である(54)

骨粗鬆症

西洋人より、大豆食品を消費しているアジア人の方が、一般的に股関節部骨折率が低いことが知られているが、西洋人における大豆イソフラボンの消費を増やすことが骨粗鬆症を防止するのを助けるかどうかはまだ明らかではない(55)。大豆の摂取量の増加が骨形成と骨吸収の生化学的マーカーに及ぼす影響を評価するための短期臨床試験(6ヵ月以下)の結果は、矛盾している。閉経後の女性を対象としたいくつかの比較対照試験において、大豆食品、大豆タンパク質または大豆イソフラボンの摂取量を増やすことが、骨吸収と骨形成のマーカーを改善するか(56-59)、骨損失を減らすこと(59,60)が示唆されている。しかしながら、別の試験では、大豆の摂取量の増加が有意な利点を示すことはなかった(61-64)。大豆の摂取量の増加が骨密度(BMD)の低下や骨粗鬆症骨折を実際に防ぐことができるかどうかを確定するためには、より長期間の無作為化対照試験が必要である。2件の比較対照臨床試験において、イソフラボンを含んでいる大豆タンパク質のサプリメントを摂取した閉経後の女性が、同量のミルクタンパク質のサプリメントを摂取した場合よりも、6ヵ月にわたるBMD損失がかなり低いと示されている(62,65)。しかしながら、閉経後の女性を対象とした、より長期間の2つの試験では、イソフラボンを含んでいる大豆タンパク質のサプリメントを摂取した場合とミルクタンパク質を摂取した場合との間にBMD損失における有意差はみられなかった(66,67)。2年間の臨床試験の結果、イソフラボンを含有する豆乳を毎日摂取すると、イソフラボンを含まない豆乳を摂取した場合に比べて、腰椎におけるBMD損失をかなり減少させることが示された(68)。しかしながら、別の3つの試験では、イソフラボンを含有している大豆タンパク質のサプリメントを摂取した閉経後の女性と、イソフラボンを含まないか、もしくは極微量しか含まない大豆タンパク質のサプリメントを摂取した閉経後女性の間に、BDM損失における有意差はみられなかった(68-71)。80mg/日の精製した大豆イソフラボンを摂取した台湾の女性は、プラセボ群に比べて、1年間にわたって腰の骨密度の損失がより低かった。しかしながら、その有意差は、更年期から少なくとも4年経過していて、低体重であって、低いカルシウム摂取量の女性に限られていた(72)。台湾の女性におけるもう一つの研究において、1年間、100mg/日の精製した大豆イソフラボンを摂取した場合、対照群と比較して骨損失をより抑えることが示唆された。しかしながら、200mg/日のイソフラボンのサプリメントを摂取した女性では、全く効果がみられなかった(73)。さらに、ヨーロッパの閉経後の女性を対象とした無作為化対照試験において、1年間、イソフラボンを多く含む食物(110mg/日のイソフラボン)のサプリメントを摂取しても、BMDに有意な影響を及ぼさないことが示されている。最近行われた、60才以上の閉経後の女性を対象とした1年間のプラセボ対照試験では、大豆タンパク質(18g/日)、イソフラボン(105mg/日)、それら単独あるいは併用で、BMDに全く影響を及ぼさないことが示されている(75)。現在までの研究結果は矛盾しているが、しかしながら、近年報告された9件の無作為化対照試験(試験期間、1〜12ヵ月)のメタ解析では、<90mg/日の量での大豆イソフラボンの摂取は、骨吸収を妨げて、骨形成を促すと結論している(76)。一部の著者は、大豆イソフラボンが骨の健康に与える効果は、被験者がイソフラボン代謝物質であるエクオール(上記の代謝とバイオアベイラビリティーの項目参照)を生産するかどうかに依存していると、提案している(77-80)。このことにより、臨床試験間における異なる結果を説明することができるかもしれない。このように、イソフラボンの豊富な食事が骨の損失を防ぐ効果を有するという証拠がいくつかあるが、一方、大豆イソフラボンの摂取量を増やすことが、骨粗鬆症や骨粗鬆症骨折の危険性を低減させるかどうかは明瞭ではない。

認知機能低下

大豆イソフラボンの認知機能への影響に関する科学的な研究は十分ではない。大豆の摂取と認知機能の関係について、中年の時期に少なくとも一週間に2回は豆腐を食べていたというハワイの人たちは、週に1回以下しか食べなかったという人よりも、20-25年後の認知機能テストでは悪いスコアを示しているようだということを調べた観察研究がある(81)。また、老齢の男女に関するインドネシアの研究では、豆腐の摂取は記憶力を悪くする方向に働いており、テンペ(tempe)の摂取は記憶力を改善する方向に働いていた(82)。一方、閉経後の女性に対するいくつかの小規模な臨床試験では、大豆イソフラボンの摂取増加はいくつかの認知機能テストにおける成績の緩やかな改善を6か月間にわたり引き起こしていたかも知れないとしている。60 mg/日のイソフラボンを6-12週間投与された閉経後の女性グループは、絵を覚えているかという認知機能テスト(短期間の記憶力)、反転学習則テスト(learning rule reversals、思考力の柔軟性)、仕事を計画的に行う能力において、プラセボを投与された女性グループよりも良い結果を示した(83,84)。もっと長期の試験としては、6カ月間110 mg/日のイソフラボンのサプリメントを与えられた閉経後の女性グループは、プラセボを与えられた女性グループよりも話し方が流暢になった(85)。6カ月間の交叉試験において、60 mg/日のイソフラボンを投与された女性グループは、プラセボを投与された女性グループよりも、認知能力および全体的な雰囲気の面で大きな改善が見られた(86)。しかしながら、より大規模なプラセボ対照試験では、80mg/日のイソフラボンを6カ月間、あるいは99 mg/日のイソフラボンを1年間投与された閉経後の女性グループでは、記憶力、注意力、話し方の流暢性、動きのコントロール、知能障害を含めた一連の認知機能テストの面で効果は見られなかった(67,87)。最近の8例の試験結果(そのうちの7例が閉経後の女性に対する試験であるが)に関するレビューでは、その半数がイソフラボンの処方は認知機能の改善に関連していたと報告している(88)

疾患治療

更年期症状

ほてり(Hot flushes, flashes)というのは、女性が更年期症状に関して医師の診察を受けることになる主たるきっかけである(89)。ホルモン置換療法に対する強い副作用の心配(90,91)が、更年期症状を経験している女性における植物エストロゲンサプリメント利用に対する関心の高まりにつながっている(92)。ほてりの頻度が増えるにつれて大豆イソフラボンの摂取量を増したときの影響が、多くの無作為化対照試験で調べられている(93-95)。これまでに、そのような試験に対するレビューが少なくとも4件報告されている。2002年に発表されたレビューでは、大豆食品に関する8件の無作為化対照試験のうち1件のみで、ほてりの頻度が有意に減少しており、大豆イソフラボン抽出物に関する5件の対照試験のうち3件で、ほてりの頻度の有意な減少が報告されている(96)。一般に、観測された、いずれの減少もプラセボと比較してやや低いという程度の値(10〜20%)であった。2004年に、10例の無作為化対照試験について調べた系統的レビューでは、4例でのみ、ほてりのような更年期症状の治療における大豆イソフラボン抽出物の有効性が報告されていることを明らかにした(95)。さらに最近になって、もう一つの系統的レビューと12例の無作為化対照試験のメタ解析により、大豆イソフラボンの投与がほてりの回数をわずかではあるが減少させることと関連していることが明らかにされた。この分析において、毎日のほてりの回数が多い女性ほどイソフラボン療法により症状が軽減されていることがわかった(94)。様々な試験について、サプリメントに含まれる特異的なイソフラボンにより分析したレビューで、主としてゲニステインを含むサプリメントの使用が、ほてりの症状を軽減させることが明らかになった(97)。興味深いことに、最近の研究では、イソフラボン代謝産物、エクオール(上記の代謝とバイオアベイラビリティを参照)を産生している女性、すなわちイソフラボン代謝産物が尿中に検出された女性のみが、大豆イソフラボンサプリメントを飲んだ後に、ほてりなどの更年期症状の軽減を経験していたことがわかった(98)。特に乳がんからの生存者は、乳がんの再発を予防することを目的とした治療法によって、より頻繁、且つ深刻なほてりを経験しているかも知れない(99)。しかし、乳がん生存者における無作為化対照試験では、いずれも、大豆イソフラボンの投与がプラセボよりも有意に、ほてりの頻度や重症度を軽減するという効果が認められなかった(100-103)。現在まで、更年期症状に対する大豆イソフラボン摂取の効果に関する研究では、いろいろと交錯する結果が報告されている。

供給源

食料源

イソフラボンは多数の豆類、穀物、野菜の中に少量づつ存在するが、大豆は人間の食物の中では最も濃厚なイソフラボン源である(104,105)。最近の調査では、日本、中国および他のアジア諸国における食物からの平均的なイソフラボン摂取量は、25-50 mg /日の範囲であると報告されている(34)。欧米諸国における食物からのイソフラボンの摂取量はかなり低く、平均的なイソフラボン摂取量は2 mg /日と報告されている(35,36)。アジアにおける大豆を原料とする伝統的な食品としては、豆腐、テンペ、味噌、納豆などがある。枝豆は大豆の品種に入り、収穫されたら緑色の段階で食べられている。欧米諸国で人気を集めている大豆製品は、大豆ベースの肉代替品、豆乳、大豆チーズ、大豆ヨーグルトである。大豆タンパク質分離物のイソフラボン含有量は、その分離方法に依存する。一般的に、エタノール洗浄プロセスによって分離された大豆タンパク質では大部分のイソフラボンが除去されているが、水による洗浄プロセスによって分離されたものでは残っている傾向がある(106)。大豆イソフラボンが豊富ないくつかの食品については、イソフラボン含有量とともに表1にリストアップされている(107)。大豆食品のイソフラボン含有量は、ブランド間で、あるいは同じブランドであっても異なるロット間で大幅に異なり得るので、これらの値はあくまで目安として見なければならない(106)。大豆イソフラボンの豊富な食物が健康に役立つ可能性があるのならば、大豆食品中の大豆イソフラボンの含有量の正確、且つ首尾一貫した表示が必要である。食品中のイソフラボン含有量の詳細情報については、米国農務省の栄養データ研究所(USDA nutrient data laboratory)から入手可能である。

表1 いくつかの食品における全イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステインのアグリコン含有量(107)*
食品 サービング(1食分) 全イソフラボン(mg) ダイゼイン(mg) ゲニステイン(mg)
大豆タンパク質濃縮物 3.5オンス 94.6 38.2 52.8
大豆タンパク質濃縮物(アルコール洗浄) 3.5オンス 11.5 5.8 5.3
ミソ ½カップ 57 22.6 32
茹でた大豆 ½カップ 56 26.5 26.9
テンペ 3オンス 51.5 19.3 30.7
大豆(乾燥焼き) 1オンス 41.6 17.4 21.2
豆乳 1カップ 6.2 2.4 3.7
豆腐ヨーグルト ½カップ 21.3 7.5 12.3
豆腐 3オンス 19.2 8.1 10.1
大豆ホットドッグ 1つ 11 3 6
大豆ソーセージ 3本 10.8 3.3 6.9
大豆チーズ、モッツァレッラ 1オンス 1.9 0.5 0.6
*大豆食品のイソフラボン含有量は、銘柄の違いや、同一銘柄であってもロットの違いにより、大豆食品に含まれるイソフラボン量は大きく左右される(106);そのため、これらの値は、ある指標として利用されるべきものである。

サプリメント

大豆イソフラボン抽出物製品やサプリメントは、米国では栄養補助食品として処方箋なしで利用可能である。これらの製品は標準化されておらず、販売されている大豆イソフラボンの量は大幅に異なっている。また、一部の製品では品質管理も問題である(108)。米国で販売されているイソフラボンサプリメント中のイソフラボン含有量について中立の研究所で試験した結果、試験した製品の約50%で製品中のイソフラボン含有量は、ラベルに書かれている量と10%以上異なっていた(109)

乳児用調製粉乳

大豆ベースの乳児用調製粉乳は、大豆タンパク質分離物から作られており、かなりの量の大豆イソフラボンを含んでいる。 1997年、米国で市販されている大豆ベースの乳児用調製粉乳の総イソフラボン含有量は、32-47mg/L(〜34液量オンス)であった(110)

(以下、翻訳者は表の各欄を個別に訳してるので、そのまま記載します。 倉田 )

表2 いくつかの大豆ベースの乳児用調製粉乳における全イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステインのアグリコン含有量
大豆ベースの調製粉乳 サービング(1食分) 全イソフラボン(mg) ダイゼイン(mg) ゲニステイン(mg)
ミード・ジョンソン社製「Prosobee」、すぐにミルクとして利用できます。 8液量オンス 9.4 4.1 5.3
ロス・ラボラトリー社製「Isomil」、すぐにミルクとして利用できます。 8液量オンス 10.2 4.7 5.5
ワイス-エルスト社製「Nursoy」、すぐにミルクとして利用できます。 8液量オンス 6.4 1.8 3.9

安全性

大豆イソフラボンは、人間によって大豆ベースの食べ物の一部として副作用の徴候もなく長い間消費されてきた(105)。いくつかのアジアの諸国では、食餌中にイソフラボンを摂取している人の75パーセントは、65 mg /日以上も摂取していることが報告されている(111)。大豆または大豆含有製品を多く含んでいる食物は、安全で且つ、基本的に有益であると思われるが、大豆イソフラボンを長期的に多量に摂り続けることの安全性はまだ知られていない。ある一つの研究では、高齢の男性と女性が大豆イソフラボンを毎日100mg、6ヶ月間摂取しても、何も問題はなかった(112)。しかし、イソフラボンの安全性を評価するためには、長期間の研究がさらに必要である。

副作用

乳癌生存者のための安全

乳癌生存者に対する大豆イソフラボンや他の植物性エストロゲンの多量摂取に関する安全性は、科学者や臨床医の間でかなりの議論の余地がある領域である(99,113)。乳がんの再発および乳癌患者に対する大豆イソフラボンの多量摂取の効果については、まだ十分に検討されてきていない。細胞培養と動物実験の結果は相反しているが、ある研究者は大豆イソフラボンが、エストロゲン受容体陽性(ER +)の乳癌細胞(114,115)の増殖を促進することを報告している。大豆イソフラボンやゲニステインの多量摂取は、マウスに移植したER +乳癌細胞の増殖を阻害するタモキシフェンの活性を阻害したが(116)、同様の効果がヒトでも見られるかどうかは知られていない。最近の中国における5042人の女性の乳癌生存者に対して、3.9年間(中央値)にわたり追跡した前向き研究では、イソフラボンが豊富な大豆食品の摂取は、死亡リスクの29%の低減、及び、再発リスクの32%の低減と有意に関連していることを示した(117)。その研究では、大豆イソフラボンの摂取は死亡のリスクを有意ではないが21%減少させること、および癌の再発のリスクを有意に23%減少させることと関連していることが示された(117)。非常に限られた臨床試験データではあるが、大豆イソフラボンの多量の摂取(38-45 mg /日)は、人間の乳房組織中でエストロゲン作用を発揮することを示唆している(118,119)。しかし、乳癌の女性における生検で確認された結果では、大豆イソフラボンを取らなかった対照群と比較したところ、200 mg /日の大豆イソフラボンを補給した場合、手術前の2-6週間に亘って腫瘍の成長が見られなかった(120)。これらの与えられた利用可能データからは、一部の専門家は乳癌、特にER +乳癌の既往歴のある女性は、大豆イソフラボンを含む植物エストロゲンの摂取量を増やすべきではない、と思うだろう(99)。しかし別の専門家は、適度に大豆食品を摂取している乳癌生存者にそれをやめさせるだけの十分な証拠はないと言うだろうし(113)、上に述べた最近の研究(117)では、大豆食品の適度な摂取(11 g /日の大豆タンパク質)は乳癌生存者に有益であることさえも示している。このように矛盾する結果が出ていることから、乳癌生存者における多量の大豆イソフラボン摂取の安全性の確認には、さらに多くの研究が必要である。

大豆ベースの乳児用調製粉乳

大豆タンパク分離物から作られた乳児用調製粉乳は、1960年代半ばから市販されている(121)。米国で販売されている乳児用調製粉乳の25%は大豆ベースの調製粉乳である(122)。大豆ベースの調製粉乳を摂った乳幼児は、比較的多量のイソフラボンに曝され、それらを吸収・代謝するので、生殖能力や免疫機能だけでなく成長や発達の過程における潜在的・長期的な影響に対して関心が提起されている(110,123)。大豆ベースの調製粉乳を与えられた乳児と牛乳ベースの調製粉乳を与えられた乳児を比較した少なくとも6件の臨床試験の結果は、大豆ベースの調製粉乳は生後一年目の成長と発達度の面では正常であることを支持している(124)。母乳、牛乳ベースの調製粉乳、大豆ベースの調製粉乳で育てられた子供の将来に亘る成長と発達度を評価するための前向き研究が、アーカンソー州の児童栄養センターで現在進行中である。調査を開始して5年後でも、大豆ベースの調製粉乳の副作用は観察されていないし、また、それぞれのグループ間で成長と発達度についても差は見られていない(125)。さらに、20-34歳の男女811人に対する後ろ向き研究で、乳幼児の時期に大豆ベースの調製粉乳と牛乳ベースの調製粉乳で育てられた人の比較を行ったところ、大豆ベースの調製粉乳で育てられた女性の方が牛乳ベースで育てられた女性よりも有意に多量の喘息やアレルギー薬を利用していることが報告されたものの、身長、体重、思春期(成熟期)、一般的な健康状態、妊娠結果などの間には差が見られなかった(126)。アメリカ小児科学会(The American Academy of Pediatrics)は最近、大豆ベースの調製粉乳の使用のための指示および禁忌事項を説明する報告書を刊行した(122)。現時点では、大豆ベースの調製粉乳で育てられている乳児の方が、牛乳ベースの調製粉乳で育てられている乳児よりも大きな副作用の危険にさらされているという説得力のある証拠はない。しかし、大豆ベースの調製粉乳で育てられた乳児の成長と発達度に関する長期的な研究は現在でも進行中である(127,128)

甲状腺機能

培養細胞および動物を用いた研究において、大豆イソフラボンは甲状腺ホルモンの合成にとって必要な酵素である甲状腺ペルオキシダーゼ活性を阻害することが見出されている(129,130)。しかし、大豆イソフラボンの多量摂取は、食物からのヨウ素の摂取量が十分である限り、甲状腺機能低下症のリスクを増大させるようには見えない(131)。1960年代に大豆ベースの調製粉乳にヨウ素が添加されて以来、大豆ベースの調製粉乳で育てられた乳児における甲状腺機能低下症の症例は全く報告されていない(132)。十分にヨウ素を摂取している閉経前と閉経後の女性を中心とするいくつかの臨床試験では、大豆イソフラボンの摂取量の増加が、体内の甲状腺ホルモンレベルに臨床的に有意な変化をもたらすという結果は得られていない(133-137)

妊娠

現在までに、ヒトにおけるイソフラボンの豊富な食事が、胎児の発育や妊娠の結果に与える影響に関する研究は行われていないし、妊娠中のイソフラボン摂取の安全性についても確立されていない。

薬物との相互作用

大腸の細菌は大豆イソフラボンの代謝に重要な役割を果たすので、抗生物質療法が大腸の細菌の生物学的活性を低下させることもあり得る(138)。動物実験におけるいくつかの根拠から、大豆イソフラボン、特にゲニステインの多量摂取は、タモキシフェン(tamoxifen、Norvadex)の抗腫瘍効果を阻害する可能性があることが示唆されている (116)。人間における潜在的な相互作用について更に知見が得られるまでは、乳がんを治療または予防するためにタモキシフェンや他の選択的エストロゲン受容体モジュレーター類(SERMs)を服用している人達は、大豆タンパク質サプリメントまたはイソフラボン抽出物を摂取することは避けるべきである(「乳癌生存者のための安全」を参照)。大豆タンパク質の多量摂取は、抗凝固薬であるワーファリンの効果を妨げる可能性がある。 4週間にわたり毎日約16オンスの豆乳を飲用することにより、ワーファリンに特有のことであるが治療可能値以下のINR(プロトロンビン時間)になったという症例報告が1件ある(139)。豆乳を中止して二週間後、INR値は治療可能レベルに戻った。大豆ベースの調製粉乳で育てられた先天性甲状腺機能低下症の乳児においては、甲状腺ホルモンの代替物として必要なレボチロキシン(levothyroxine)の適正量が多くなることが分かっている(132,140)。レボチロキシンを服用しながら大豆タンパク質サプリメントを同時にとっている甲状腺機能低下症の成人においても、甲状腺ホルモンの代替物として必要とされるレボチロキシンの適正量が増加した(141)


Authors and Reviewers

Originally written in 2004 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in January 2006 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in December 2009 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in December 2009 by:
Alison M. Duncan, Ph.D., R.D.
Associate Professor
Department of Human Health and Nutritional Sciences
University of Guelph
Guelph, Ontario, Canada

Copyright 2004-2020  Linus Pauling Institute


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植物ステロール

English

概要

  • 植物ステロールとは、コレステロールに構造や機能が似た植物由来の化合物である。(詳細はこちら)
  • 初期の人類の食事は1g/日くらいまで植物ステロールが豊富だったが、今日の西欧風の典型的な食事は、植物ステロールが比較的少ない。(詳細はこちら)
  • 植物ステロールは腸でのコレステロール吸収を抑制する。(詳細はこちら)
  • 多くの臨床試験で、少なくとも0.8gの植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品を毎日摂取すると、血清LDLコレステロールが低下することが実証された。(詳細はこちら)
  • いくつかの疫学研究で植物ステロールを含む植物性の食品を高摂取するとがんのリスクが減少するという関連がわかったが、植物性の食品に含まれる植物ステロールまたはその他の化合物が予防的要因なのかどうかは明らかでない。(詳細はこちら)
  • いくつかの臨床試験の結果で、比較的低用量の植物ステロールの補給が良性前立腺過形成の尿路症状を改善することができると示唆されたが、この発見を確認するさらなる研究が必要である。(詳細はこちら)
  • 植物ステロールを豊富に含む食品は、未精製の植物油、全粒穀物、ナッツ、および豆類などである。(詳細はこちら)
  • 植物性ステロールまたはスタノールを添加された食品や飲料は、今では世界中の多くの国で市販されている。また、多くの国がそのような商品の健康強調表示を認めている。(詳細はこちら)

序説

ヒトの進化の大部分で、大量の植物性食品が消費されたことであろう(1)。食物繊維や植物性タンパク質が豊富なことに加えて、我々の祖先の食事はコレステロールに似た構造と機能を持つ植物由来のステロールである植物ステロールが豊富であった。現代の食事に植物ステロールを含む植物性食品を再導入することで、血清脂質(コレステロール)プロフィールを改善し心血管疾患リスクを減少させることができるというエビデンスがどんどん増えてきている(2)。コレステロールはヒトを含む動物の体内での主要なステロールであるが、植物には様々なステロールが見られる(3)。栄養学者は2つのグループの植物ステロールを把握している。それらは(1)ステロールの環状構造部分に二重結合を持つステロール(図1参照)、および(2)ステロールの環状構造部分に二重結合がないスタノール(図2参照)である。植物やヒトの食事に最も豊富なステロールは、シトステロールとカンペステロールである。スタノールも植物には含まれるが、食事性の植物ステロール全体のわずか10%くらいでしかない。ヒトの血液や組織中のコレステロールは、食事や内因性のコレステロール合成に由来するものである。対照的に、ヒトの血液や組織中のすべての植物ステロールは食事由来である。なぜならばヒトは植物ステロールを合成できないからだ(4)

Figure 1. Chemical Structures of Cholesterol, Sitosterol, and Campesterol.

Figure 2. Chemical Structures of Sitostanol and Campestanol.

定義

植物ステロール:植物由来のステロールやスタノールの総称。

植物性ステロールまたはスタノール:植物由来のステロールまたはスタノールに一般的に使用される用語で、これらの植物性化学物質は食品やサプリメントに添加される。

植物ステロールもしくはスタノール・エステル:脂肪酸とステロールまたはスタノールとの間にエステル結合を作ることによってエステル化した植物性ステロールまたはスタノールのこと。エステル化は腸の細胞内や工業的プロセスで起こる。エステル化は植物性ステロールやスタノールをより脂溶性にするので、マーガリンやサラダドレッシングなどの脂肪を含む食品に溶けやすくなる。本記事では、植物ステロールやスタノール・エステルの重さを、それに相当するエステル化されていないステロールやスタノールの重さで表す。

代謝と生物学的利用性

食事性コレステロールの吸収と代謝

食事性のコレステロールは、腸の内面に並ぶ細胞(腸細胞)によって吸収されるために、混合ミセルに混ざり込まなければならない(5)。混合ミセルは、脂肪を含む食事をした後に小腸で作られる胆汁塩、脂質(脂肪)、およびステロールの混合物である。腸細胞の内部では、コレステロールがエステル化されカイロミクロンとして知られる中性脂肪(トリグリセリド)が豊富なリポタンパク質に取り込まれ、これが体内を循環していく(6)。循環中のカイロミクロンから中性脂肪がなくなるにつれ、それらはカイロミクロンレムナントになり肝臓で吸収される。肝臓ではカイロミクロンレムナント由来のコレステロールが他のリポタンパク質に作り戻されて体内を循環して輸送されたり、小腸へと分泌される胆汁になったりする。

食事性植物ステロールの吸収と代謝

様々な食事には似たような量の植物ステロールとコレステロールが含まれていることが典型的であるが、ヒトでは血清植物ステロール濃度は血清コレステロール濃度よりも数百倍低いことが通常である(7)。食事性植物ステロールの10%未満が体内で吸収されるのに対して、食事性コレステロールは50~60%が吸収される(8)。コレステロールと同様に、植物ステロールも腸細胞で吸収される前に混合ミセルに組み込まれなければならない。いったん腸細胞に入ると、ABCG5とABCG8として知られるATP結合カセット(ABC)タンパク質のペアから成る排出輸送体の活性によって植物ステロールの体内吸収は阻害される(4)。ABCG5とABCG8は互いに輸送体の半分ずつを構成し、輸送体は植物ステロールと非エステル化されたコレステロールを腸細胞から腸管腔へと染み出させる。植物ステロールはABCG5/G8輸送体によってコレステロールよりもずっと多く腸に戻されるので、食事性の植物ステロールはコレステロールよりも腸での吸収がずっと少なくなる。腸細胞の内部では、植物ステロールはコレステロールほどたやすくエステル化されないので、コレステロールよりもずっと低い濃度でカイロミクロンに組み込まれる。カイロミクロンに組み込まれたこれらの植物ステロールは体内循環にのり、肝臓で吸収される。いったん肝臓内に入ってしまうと、植物ステロールは肝臓のABCG5/G8輸送体によって急速に胆汁の中に分泌される。コレステロールも胆汁に分泌されるかもしれないが、植物ステロールが胆汁に分泌される割合のほうがコレステロールの分泌よりもずっと高い(9)。したがって、植物ステロールの血清濃度がコレステロールよりも相対的に低いことは、腸での吸収が減ることと植物ステロールの胆汁への分泌が増えることで説明ができる。

生物学的活性

コレステロール吸収とリポタンパク質代謝への効果

植物性ステロールまたはスタノールを高摂取すると、ヒトの血清総LDLコレステロール濃度を減らせることはよくわかっている(「心血管疾患」の項参照)(10,11)。腸管腔では、植物ステロールは混合ミセルからコレステロールを分離しコレステロールの吸収を抑制する(12)。1.5~1.8g/日の植物性ステロールまたはスタノールの摂取で、ヒトのコレステロール吸収が30~40%減る(13,14)。より高用量(2.2g/日の植物性ステロール)では、コレステロール吸収は60%減った(15)。コレステロール吸収が減ることで、組織でのLDL受容体の発現が増え、その結果として血中のLDLの除去が進む(16)。コレステロールの吸収が減ることは、コレステロールの合成が増えることとも関連している。また、植物ステロール摂取を増加させると、ヒトの内因性コレステロール合成が増えることもわかっている(13)。植物ステロール摂取の増加によってコレステロール合成が増加するにもかかわらず、血清LDLコレステロール濃度が正味では減ることになる。

その他の生物学的活性

培養細胞や動物モデルの実験では、植物ステロールはコレステロール低下とは無関係の生物学的活性があるかもしれないことが示唆される。しかし、ヒトにおけるそれらの重要性は未知である。

細胞膜特性の変化

コレステロールは哺乳類の細胞膜の重要な構造成分である(17)。コレステロールを植物ステロールで置換すると、ガラス容器内(in vitro)では細胞膜の物性が変わることがわかっており、これはシグナル伝達または膜結合酵素の活性に影響する可能性がある「19,20)。出血性脳卒中の動物モデルからの限定的なエビデンスでは、植物性ステロールまたはスタノールを非常に多く摂取すると、赤血球の細胞膜のコレステロールが移動されて血球の変形能が下がり壊れやすくなる可能性が高くなることが示された(21,22)。しかし、植物ステロール(1g/1,000kcal)を4週間毎日補給しても、ヒトの赤血球の壊れやすさは変わらなかった(23)

テストステロン代謝の変化

動物モデルからの限定的なエビデンスで、植物ステロールを非常に多く摂取すると、テストステロンをより強力な代謝物であるジヒドロテストステロンに変換する膜結合酵素である5αレダクターゼ(5α還元酵素、5αリダクターゼ)を抑制することによって、テストステロンの代謝が変わってしまう可能性があると示唆された(24,25)。植物ステロールの摂取がヒトでテストステロンの代謝を変えるのかどうかは不明である。1.6g/日の植物ステロールエステルを1年間摂取した男性の遊離テストステロンまたは血清総テストステロン濃度に大きな変化は見られなかった(26)

がん細胞のアポトーシスの誘発

正常な細胞と異なり、がん細胞はアポトーシス(プログラム化された細胞死)を開始させる細胞死シグナルに反応する能力がない。培養されたヒトの前立腺がん(27)、乳がん(28)、および結腸がん(29)にシトステロールを加えると、アポトーシスを誘発することがわかっている。

抗炎症作用

培養細胞や動物研究からの限定的なデータでは、植物ステロールはマクロファージや好中球といった免疫細胞の炎症活性を減衰させるかもしれないことが示唆されている(30,31)

疾病予防

心血管疾患

植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品

LDLコレステロール:遊離またはエステル化された植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品を毎日摂取することで、血清総コレステロール濃度および血清LDLコレステロール濃度が下がることが多くの臨床試験でわかっている(10,32-35)。18の対照臨床試験の結果をまとめたメタ解析で、平均2g/日の植物性ステロールまたはスタノールを含むスプレッドの摂取によって、血清LDLコレステロール濃度が9~14%下がったことがわかった(36)。23の対照臨床試験の結果をまとめたより最近のメタ解析で、平均3.4g/日の植物性ステロールまたはスタノールを含む植物性食品の摂取で、LDLコレステロール濃度が約11%減ったことがわかった(37)。別のメタ解析では、植物性ステロール強化食品の23の臨床試験および植物性スタノール強化食品の27の臨床試験の結果を別々に調べた(11)。少なくとも2g/日の用量で、植物ステロールおよびスタノールのどちらもLDLコレステロール濃度を約10%減らした。2g/日よりも高用量だと、植物性ステロールまたはスタノールのコレステロール低減効果を大きく向上させることはなかった。直近では、59の無作為化対照試験の結果を分析したメタ解析で、試験開始時のLDLコレステロール濃度が高い者の方がLDLコレステロール濃度が大きく低下したことがわかった(38)。より少ない用量の植物性ステロールまたはスタノールの研究結果では、臨床的に有意義な少なくとも5%のLDLコレステロール低下が、0.8~1.0g/日の用量で起きることが示唆された(39-43)。一般的に、植物性ステロールと植物性スタノールのコレステロール低下の効能を比べた試験では、これらはどちらも同等であるとわかった(44-46)。これらの研究では4週間よりも長く行われたものはほとんどないが、植物性ステロールおよびスタノールのコレステロール低減効果は1年までも続くことが、少なくとも2つの研究でわかった(26,47)。対照臨床試験からのデータに加えて、自由に生活している状態での植物ステロール/スタノールを強化したマーガリンの習慣的摂取について調べた5年間の研究でも、コレステロール濃度に有益な効果が見られた(48)。最近では、長期間のLDLコレステロール低減効果を維持するのに植物性ステロールはスタノールほど効果的でないのではないかという懸念が持ち上がった(49-51)。これらの懸念に対処する植物性ステロールと植物性スタノールの効能を直接比べる長期間の試験が必要である(11)

冠動脈性心疾患のリスク:植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品の長期摂取が冠動脈性心疾患(CHD)のリスクに与える効果は不明である。多くの介入試験の結果は、薬物治療や食事の変更による10%のLDLコレステロール低下はCHDリスクを20%も下げる可能性を示唆している(52)。米国のコレステロール教育プログラムの成人治療委員会IIIは、植物ステロールもしくはスタノール・エステル(2g/日)の摂取をLDLコレステロールが高い者への最大限の食事療法の一部に含めた(53)。飽和脂肪が少なく、果物や野菜、全粒穀物、および食物繊維が豊富な心臓に良い食事に植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品を足すことで、CHDリスクの低減にさらに効果的になる可能性がある。たとえば、飽和脂肪を一価不飽和脂肪や多価不飽和脂肪で置き換えた食事にすると、30日後に血清LDLコレステロールが9%減ったが、同じ食事に1.7g/日の植物性ステロールを追加すると24%の減少となった(54)。より最近の結果では、植物性ステロール(1g/1,000kcal)、大豆タンパク、アーモンド、および粘性食物繊維を含むコレステロール低下食品の組み合わせの食事を1ヶ月続けると血清LDLコレステロール濃度が平均で30%低下し、これはスタチン(HMG-CoA還元酵素を抑制する薬物)によってもたらさらる低減と大きく変わらなかった(55)。しかし、1年間そのようなコレステロール低減食をした個人の解析で、LDLコレステロールの減少は平均で13%でしかなかったものの、ほぼ3分の1の参加者ではLDLコレステロール低下が20%より大きかった(56)。植物性ステロールは、観察されたコレステロール濃度の低減に寄与したこの食事の主要成分であった(57)。米国食品医薬品局(FDA)は、植物ステロールもしくはスタノール・エステルを強化した食品の定期的な摂取は心疾患のリスクを低減させるかもしれないという健康強調表示を食品のラベルに使用することを認めている(58)

食物性植物ステロール

植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品の毎日の摂取がLDLコレステロール濃度を大きく減らす可能性があることを発見した臨床試験は、食事に天然に含まれている植物ステロールを考慮していない(59)。血清LDLコレステロール濃度に対する食物性植物ステロール摂取の影響を考慮した研究は比較的少ない。食物性植物ステロール摂取は、様々な集団で約150~450mg/日にわたると推定されている(60)。限定的なエビデンスでは、食物性植物ステロールはコレステロールの吸収を減らすのに重要な役割を果たしているかもしれないことが示唆されている。英国での横断研究で、食物性植物ステロール摂取は、飽和脂肪や食物繊維摂取についての調整をした後ですら血清総コレステロール濃度および血清LDLコレステロール濃度と逆相関があった(61)。同様に、スウェーデンの集団の解析で、食物性植物ステロール摂取は男女の総コレステロールと女性のLDLコレステロールとの間に逆相関があることがわかった(62)。1回の食事によるテストで、コーンオイルから150mgの植物ステロールを除去すると、コレステロール吸収が38%増え(63)、小麦胚芽から328mgの植物ステロールを除去するとコレステロール吸収が43%増えた(64)。さらなる研究が必要ではあるが、これらの発見は植物性食品由来の食物性植物ステロールの摂取が心血管の健康に重大な影響がある可能性を示唆している。

がん

動物研究からの限定的なデータで、非常に多量の植物ステロール摂取、特にシトステロールの摂取は乳がんや前立腺がんの成長を抑制するかもしれないことが示唆された(65-67)。ヒトの食事性植物ステロール摂取とがんのリスクの関連を調べた疫学研究はわずかである。これは、一般的に食べられている食品の植物ステロール含有量に関するデータベースが最近になってやっと開発されてきたからである。ウルグアイでの一連の症例対照研究で、食事性植物ステロール摂取は、胃がん、肺がん、または乳がんと診断された者の方ががんのない対照群の者よりも低いことがわかった(68-70)。米国での症例対照研究で、乳がんまたは子宮内膜がん(子宮がん)と診断された女性は、がんのない女性よりも食事性植物ステロール摂取が少なかったことがわかった(71,72)。対照的に米国での別の症例対照研究では、前立腺がんと診断された男性はがんのない男性よりも食事性カンペステロール摂取が多かったことがわかったが、植物ステロール全体の摂取は前立腺がんリスクと関連がなかった(73)。植物ステロールを含む植物性食品の高摂取とがんリスクの低下との関連がわかったとする疫学研究もあるものの、その防護的要因が植物性食品の植物ステロールなのかその他の化合物なのかは不明である。

疾病治療

良性前立腺過形成(BPH)

良性前立腺過形成(BPH)は、前立腺の非がん性肥大を表す用語である。肥大化した前立腺は尿道を圧迫する可能性があり、その結果排尿が困難になる。植物ステロールの混合物(βシトステロールとして市販されている)を含む植物抽出物はしばしば、BPHに関連する泌尿器症状のための薬草療法に含まれる。しかし、BPHの症状のある男性に対する植物ステロールサプリメントの効能を調べた対照試験は比較的少ない。BPHの症状のある200人の男性による6ヶ月間の研究で、60mg/日のβシトステロール剤によってプラセボに比べて症状のスコアが改善し、最大尿流が増え、排尿後残尿量が減った(74)。追跡研究で、βシトステロールによる治療を続けた38人の参加者でこれらの改善が18ヶ月まで維持されたと報告された(75)。同様にBPHの症状のある177人の男性による6ヶ月の研究で、130mg/日の別のβシトステロール剤によってプラセボより症状のスコアが改善し、最大尿流が増え、排尿後残尿量が減った(76)。これらとその他の2つの対照臨床試験の結果をまとめたシステマティックレビュー(系統的総括)で、βシトステロール抽出物は最大尿流を平均で3.9ml/秒増やし、排尿後残尿量を平均で29ml減らしたことがわかった(77)。いくつかの臨床試験の結果から、比較的低用量の植物ステロールがBPHに関連する下部尿路の症状を改善する可能性があるということが示唆されるが、これらの結果を確認するさらなる研究が必要である(78)

摂取源

食品

今日のほとんどの先進国での典型的な食事と異なり、我々の祖先の食事は植物ステロールが豊富で、おそらく1,000mg/日も含まれていたであろう(1)。今日の食物性植物ステロール摂取は、集団によって150~450mg/日とばらつくであろうと推定される(3)。菜食主義者、特に完全菜食主義者は一般的に食物性植物ステロール摂取が最も多い(79)。植物ステロールはすべての植物性食品に含まれるが、最も多いのは植物油、ナッツ油、およびオリーブ油などの未精製植物油である(3)。ナッツ、種子、全粒穀物、および豆類も植物ステロールの良好な食品源である(5)。いくつかの食品の植物ステロール含有量を表1に示す。特定の食品についての栄養素含有量については、米国農務省の食品成分データベースを参照のこと。

表1 いくつかの食品の全植物ステロール含有量(80-83)
食品 分量 植物ステロール(mg)
小麦胚芽 約120ml(57g) 197
こめ油(米糠油) 大さじ1(14g) 162
ごま油 大さじ1(14g) 102
コーン油 大さじ1(14g) 117
キャノーラ油 大さじ1(14g) 92
ピーナッツ 約28g 62
小麦ふすま 約120ml(29g) 58
アーモンド 約28g 39
芽キャベツ 約120ml(78g) 34
ライ麦パン 2切れ(64g) 33
マカデミアナッツ 約28g 33
オリーブ油 大さじ1(14g) 22
Take Control(登録商標)スプレッド 大さじ1(14g) 1,650mgの植物ステロールエステル(1,000mgの遊離ステロール)
Benecol(登録商標)スプレッド 大さじ1(14g) 850mgの植物ステロールエステル(500mgの遊離ステロール)

植物性ステロールおよび植物性スタノールを強化した食品

コレステロール低減効果を実証した臨床試験の大部分では、マーガリンやマヨネーズのような脂肪を含む食品に溶かした植物性ステロールもしくはスタノール・エステルが使用された(11)。より最近の研究で、植物性ステロールまたはスタノールを適切に溶かせば低脂肪または無脂肪の食品ですらそれらを効果的に体に届けることができることが示された(10,59)。低脂肪ヨーグルト(43,84-86)、低脂肪乳(87-89)低脂肪チーズ(90)、ビターチョコレート(91)、およびオレンジジュース(92,93)に添加された植物性ステロールまたはスタノールが、対照臨床試験でLDLコレステロールを低下させたことが報告された。マーガリン、マヨネーズ、植物油、サラダドレッシング、ヨーグルト、牛乳、豆乳、オレンジジュース、棒状のスナック菓子、および肉などの植物性ステロールまたはスタノールを添加した様々な食品が、米国、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、およびニュージーランドで市販されている(10)。最近のメタ解析で、スプレッド、マヨネーズ、サラダドレッシング、牛乳、またはヨーグルトに添加された植物性ステロール/スタノールは、チョコレート、オレンジジュース、チーズ、肉、および棒状のシリアル菓子などのその他の製品に加えられる場合よりも、LDLコレステロール濃度を低下させるのにより効果的であったことがわかった(38)。LDLコレステロールを低下させるのに効果的な用量は最大で2g/日(11)、最少で0.8~1.0g/日(10)であることが、今までの研究から示される。コレステロール低減効果を実証した臨床試験の大半では、1日分の用量の植物性ステロールまたはスタノールを2~3回の食事に分けていたが、これはLDLコレステロール低減により効果的かもしれない(38)。しかし、1日分の植物性ステロールまたはスタノールを1回の食事で摂取しても、いくつかの臨床試験ではLDLコレステロールが下がったことがわかった(43,85,86,94,95)

サプリメント

βシトステロールとして市販されている植物ステロールのサプリメントは、米国では処方箋なしで入手可能である。60~130mg/日のβシトステロールが良性前立腺過形成(BPH)の症状を軽減することが、いくつかの臨床試験でわかっている(「良性前立腺過形成」の項参照)。0.5gの植物ステロールを含む噛むソフトカプセル(ゲル)が、2g/日の推奨量でコレステロール低下に効くとして市販されている。植物ステロールのサプリメントは、脂肪を含む食事と一緒に摂取すべきである。

安全性

米国では、様々な食製品に添加された植物性ステロールやスタノールは、FDAによって一般的に安全であると認められている(GRAS認証)(96)。またEUの食品科学委員会は、様々な食製品に添加された植物性ステロールやスタノールはヒトが摂取しても安全であると結論づけた(97)。しかしながら委員会は、食製品からの植物性ステロールやスタノールの摂取は3g/日を超えるべきではないと推奨している。なぜならこれより多く摂取しても健康への有益性のエビデンスがないことと、高摂取による望ましくない効果があるかもしれないからである。

悪影響

植物性ステロールまたはスタノールを1年間まで定期的に摂取しても、それに関連する悪影響はほとんどない。1.6g/日の植物性ステロールを強化したスプレッドを摂取した者は、対照となるスプレッドを1年間まで摂取した者と比べても何の悪影響も報告しなかった(26)。また1.8~2.6g/日の植物スタノールを強化したスプレッドを1年間まで摂取した者も、何の悪影響も報告しなかった(47)。マーガリンに含まれる最大8.6g/日までの植物ステロールを3~4週間摂取しても健康な男女には良好な耐用性があり、腸内細菌や女性ホルモン濃度に悪い影響を及ぼすことはなかった(98)。植物ステロールは通常良好な耐用性が見られるが、吐き気、消化不良、下痢、および便秘が時として報告されることもあった(74,76)

シトステロール血症(フィトステロール血症)

シトステロール血症はフィトステロール血症としても知られ、ABCG5またはABCG8遺伝子のどちらのコピーにも起こる突然変異を受け継ぐことによって起こる非常に稀な遺伝性疾患である(99)。どちらかの輸送タンパク質の突然変異がホモ接合である個人は、腸での植物ステロール吸収が増え胆汁中への排出が減ることで、血清植物ステロール濃度が劇的に高くなる。血清コレステロール濃度が正常またはやや高くても、シトステロール血症の個人は早発性アテローム性動脈硬化のリスクが高い。シトステロール血症の個人は、植物性ステロールが添加された食品またはサプリメントを避けるべきである(10)。より一般的であるシトステロール血症のヘテロ接合保因者における植物性ステロール摂取の効果が、2つの研究で調べられた。2人のヘテロ接合保因者が3g/日の植物性ステロール摂取を4週間(100)しても、12人のヘテロ接合保因者が2.2g/日の植物性ステロールを6~12週間摂取しても、血清植物ステロール濃度が異常に高くなることはなかった(101)

妊娠と授乳

食品やサプリメントに添加された植物性ステロールまたはスタノールは、妊婦や授乳婦への安全性が研究されていないので、妊婦や授乳婦に勧められない(10)。現在、菜食主義者の女性のように天然の植物ステロールを食事で高摂取しても、妊娠や授乳に悪影響があるというエビデンスはない。

薬物相互作用

植物性ステロールまたはスタノールのコレステロール低減効果は、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の効果を補足するかもしれない(102,103)。対照臨床試験の結果では、スタチンを治療に使用している個人が2~3g/日の植物性ステロールまたはスタノールを摂取すると、LDLコレステロールがさらに7~11%減少するかもしれないことが示唆されていて、これはスタチンの用量を2倍にすることに匹敵する(50,104-106)。抗凝固作用のためにワルファリン(クマジンまたはコウマディン)を使用している患者が4.5g/日のスタノールエステルを8週間摂取しても、プロトロンビン時間(INR)に影響はなかった(107)

栄養素との相互作用

脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)

植物性ステロールやスタノールがコレステロールの吸収を減らし血清LDLコレステロール濃度を下げることから、脂溶性ビタミンの状態に対するその効果も臨床試験で研究された。血漿ビタミンA(レチノール)濃度は、植物性ステロールもしくはスタノール・エステルを1年まで摂取しても影響がなかった(11,26)。血漿ビタミンD(25ヒドロキシビタミンD3)濃度には大部分の研究で何の変化もなかったが、1つのプラセボ対照試験で1.6g/日のステロールエステルを1年間摂取した個人に血漿25ヒドロキシビタミンD3濃度に小さい(7%)が統計的に有意義な減少が見られた(26)。ビタミンKの状態に植物性ステロールまたはスタノール摂取が悪影響するというエビデンスはほとんどない。1.6g/日のステロールエステルを6ヶ月間摂取したら血漿ビタミンK濃度が取るに足らない14%の減少になったという関連があったが、ビタミンKの状態の機能的指標であるカルボキシル化されたオステオカルシンには影響がなかった(26)。より短期間のその他の研究では、植物ステロールやスタノール・エステルの摂取は、ビタミンK1(108,109)、またはビタミンK依存性凝固因子(110)の血漿濃度に大きく影響しなかった。植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品の摂取は、多くの研究で血漿ビタミンE(α-トコフェロール)濃度を減少させるとわかっている。しかし、α-トコフェロールの濃度をLDLコレステロール濃度に標準化した場合には、これらの減少は一般的にそれほどでもない。このことは、観察された血漿α-トコフェロール濃度の減少が一部にはその担体リポタンパク質であるLDLコレステロールの減少によるものであるということを示唆している。一般に、1.5g/日以上の植物性ステロールやスタノールを強化した食品の摂取は、栄養状態のよい集団では脂溶性ビタミンの栄養状態に悪影響を及ぼさないことがわかっている。

カロテノイド

食事性のカロテノイドはリポタンパク質で循環する脂溶性植物化学物質である。多くの研究で、植物性ステロールまたはスタノールを強化した食品の短期または長期の摂取後に、10~20%の血漿カロテノイド濃度の減少が観察された(11)。血清総コレステロール濃度またはLDLコレステロール濃度に標準化された場合でも、αカロテン、βカロテン、およびリコピンの減少は持続するかもしれない。このことは、植物ステロールがこれらのカロテノイドの吸収を妨げる可能性があることを示唆している(111)。血漿カロテノイド濃度の減少が健康リスクをもたらすのかどうか不明であるが、いくつかの研究でカロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取を増やすと、植物ステロールによる血漿カロテノイドの減少を防げる可能性があることがわかった(112)。あるケースでは、カロテノイドの豊富な野菜1食分を含む5食分の果物や野菜を毎日摂取するようにすると、2.5g/日の植物ステロールもしくはスタノール・エステルを摂取する者の血漿カロテノイド濃度を維持するのに十分であった(113)


Authors and Reviewers

Originally written in 2005 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in September 2008 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in September 2008 by:
Peter J.H. Jones, Ph.D.
Professor of Nutrition
Director, Mary Emily Clinical Nutrition Research Center
School of Dietetics and Human Nutrition
McGill University

Copyright 2005-2020  Linus Pauling Institute 


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コエンザイムQ10

English

要約

  • コエンザイムQ10は主に体内で合成される脂溶性の化合物で、食事からも摂取される。
  • コエンザイムQ10はミトコンドリアでのATP合成に必要で、細胞膜やリポタンパク質で抗酸化物質として機能する。(詳細はこちら)
  • 健康な個人では欠乏症を予防するのに充分なコエンザイムQ10が体内合成と食事からの摂取で供給されるようであるが、組織でのコエンザイムQ10濃度は加齢とともに減少する。(詳細はこちら)
  • 血漿、リポタンパク質、および血管内のコエンザイムQ10濃度はコエンザイムQ10の経口補給で上昇するが、組織での濃度が上がるのかどうかは不明であり、健康な個人では特にそうである。(詳細はこちら)
  • コエンザイムQ10の補給で、遺伝性のミトコンドリア性障害のある何人かの患者に臨床的および代謝的改善があった。(詳細はこちら)
  • コエンザイムQ10の補給は、うっ血性心不全に対する従来の医学的療法への有益な補足療法であるかもしれないが、さらなる研究が必要である。(詳細はこちら)
  • 心血管疾患、神経変性疾患、がん、および糖尿病にコエンザイムQ10の補給が果たす役割について、さらに研究が必要である。(詳細はこちら)
  • コエンザイムQ10補給は、運動能力を向上させるわけではないようである。(詳細はこちら)
  • コエンザイムQ10のサプリメントは比較的安全であるが、ワルファリンの抗凝固剤としての効能を低減させるかもしれない。(詳細はこちら)
  • HMG-CoA還元酵素阻害剤として知られるコレステロール低下剤(スタチン)の使用は血液循環中のコエンザイムQ10濃度を下げるが、これらの薬物を服用している患者にコエンザイムQ10補給が健康上の利益をもたらすかどうかは不明である。(詳細はこちら)

序説

コエンザイムQ10はユビキノン族の化合物の1つである。ヒトを含むすべての動物は、ユビキノンを合成することができる。したがって、コエンザイムQ10はビタミンとは考えられていない(1)。ユビキノンという名称は、これらの化合物が生物に偏在し(ユビキタス)、その化学構造にベンゾキノンとして知られる官能基を含むことに由来する。ユビキノンは、1~12までのイソプレン(炭素5個)単位を持つ脂溶性分子である。ヒトに見られるユビキノンであるユビデカレノン、別名コエンザイムQ10は、ベンゾキノンの「頭部」に10のイソプレン単位(全部で炭素原子50個)から成る「尾部」が付いている(図1参照)(2)

Coenzyme Q10 Figure 1. Chemical Structure of Coenzyme Q10

生物活性

コエンザイムQ10は脂質(脂肪)に溶け、実質的にすべての細胞膜とリポタンパク質に見られる(2)。コエンザイムQ10のベンゾキノン頭部基が持つ電子を受け入れたり渡したりする性質は、その生化学的機能における重要な特性である。コエンザイムQ10は3つの酸化状態で存在する(上記の図1参照)。それらは(1)完全に還元されたユビキノールの形態(CoQ10H2)、(2)セミキノンラジカル中間体(CoQ10H・)、および(3)完全に酸化されたユビキノンの形態(CoQ10)である。

ミトコンドリアでのATP合成

細胞で使用されるエネルギー形態であるアデノシン三リン酸(ATP)への炭水化物や脂肪からのエネルギー変換では、ミトコンドリア内膜にコエンザイムQが必要である。ミトコンドリアでの電子伝達系の一部として、コエンザイムQは脂肪酸およびブドウ糖の代謝で発生する還元当量の電子を受け取り、それらを電子受容体に渡す。同時にコエンザイムQはミトコンドリア内膜の外にあるプロトン(陽子)を輸送し、膜をはさんでプロトン濃度勾配を発生させる。プロトンがミトコンドリア内部に流れ戻る際に放出されるエネルギーが、ATPを生成するのに使用される(2)

リソソームでの機能

リソソームは、細胞残屑の消化に特化した細胞小器官である。リソソーム内の消化酵素は、酸性のpHで最適に機能する。このことは、酵素がプロトンの供給を永続的に受ける必要があることを意味する。これらの消化酵素と細胞の残りの部分を隔てるリソソーム膜は、コエンザイムQ10濃度が比較的高い。最適なpHを維持するために、コエンザイムQ10がリソソーム膜を挟んでのプロトンの伝達に重要な役割を果たしていることが、研究から示唆される(2,3)

抗酸化機能

還元された形態であるCoQ10H2は、効果的な脂溶性抗酸化物質である。細胞膜にかなりの量のCoQ10H2があって、酸化されたCoQ10をCoQ10H2に還元できる酵素がともにあることから、CoQ10H2が細胞の重要な抗酸化物質であるという考えが裏付けられる(2)。細胞膜と低密度リポタンパク質(LDL)が体外(ex vivo)で酸化条件にさらされると、CoQ10H2は脂質の過酸化を抑制することがわかっている。LDLが体外で酸化されると、CoQ10H2は真っ先に消費される抗酸化物質である。また、CoQ10H2があると、酸化された脂質の生成やαトコフェロール(α-TOH。生物学的に最も活性のあるビタミンEの形態)の消費が抑えられる(4)。独立したミトコンドリアでは、脂質の過酸化に伴う酸化ダメージからコエンザイムQ10が膜のタンパク質とDNAを守ることができる(1)。フリーラジカルを直接中和できることに加えて、CoQ10H2はα-TOHの一電子酸化体であるαトコフェロキシルラジカル(α-TO・)からα-TOHを生成することができる。

栄養素との相互作用

ビタミンE

αトコフェロール(ビタミンE)とコエンザイムQ10は、細胞膜とリポタンパク質における主要な脂溶性抗酸化物質である。α-TOHが脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)などのフリーラジカルを中和する際に、それ自体が酸化されてα-TO・を生成し、これは試験管中では特定の条件下でリポタンパク質の脂質の酸化を促進できる。コエンザイムQ10の還元された形態(CoQ10H2)がα-TO・と反応すると、α-TOHが再生成され、セミキノンラジカル(CoQ10H・)が作られる。CoQ10H・は酸素(O2)と反応してスーパーオキシドアニオンラジカル(O2・-)を生成することができ、これはLOO・よりもずっと酸化力の弱いラジカルである。しかし、CoQ10H・はα-TO・をα-TOHに還元することもでき、その結果完全に酸化されたコエンザイムQ10(CoQ10)が生成され、これは酸素(O2)と反応してO2・-を作ることはない(図2参照)(4,5)

Coenzyme Q10 Figure 2. Potential Interactions Between Coenzyme Q and Alpha-  Tocopherol

欠乏症

コエンザイムQ10欠乏症の症状は一般に報告されていない。したがって健康な個人には充分なコエンザイムQ10が正常な生合成や多様な食事で供給されていると一般的に考えられている(6)。食事からの摂取は血漿のコエンザイムQ10の約25%を占めると推定されるが、コエンザイムQ10の食事からの摂取量の推奨は、米国医学研究所やその他の機関から現在特になされていない(7)。食事からの摂取が組織でのコエンザイムQ10の濃度にどの程度寄与しているかは明らかでない。

原発性(先天性)のコエンザイムQ10欠乏症は、コエンザイムQ10の生合成における遺伝子的欠陥によっておきるまれな常染色体劣性疾患である。結果としてコエンザイムQ10が組織で低濃度になることが、神経および筋肉の機能をひどく損なう。経口でのコエンザイムQ10補給は、原発性コエンザイムQ10欠乏症患者の神経症状および筋肉の症状を改善させることもあることが示されてきた(8)。いくつかの異なる組織で加齢によって次第にコエンザイムQ10の濃度が減ることがわかっているが(1,9)、この加齢に伴う低下が欠乏症をおこすのかどうかは不明である(「疾病予防」の項参照)。血漿でのコエンザイムQ10の濃度低下は、糖尿病、がん、およびうっ血性心不全の者にも見られる(「疾病治療」の項参照)。コレステロールとコエンザイムQ10の生合成にともに重要な酵素であるHMG-CoA還元酵素の活性を抑制する脂質低下剤は血漿でのコエンザイムQ10濃度を低下させる(「薬物相互作用」の項のHMG-CoA還元酵素抑制剤(スタチン)の箇所を参照)が、これが臨床的または症状的な意味があるのかどうかは不明なままである。

疾病予防

老化

老化のミトコンドリア・フリーラジカル説によれば、老化に伴う機能低下に活性酸素種(ROS)による細胞構造への酸化ダメージが重要な役割を果たしている(10)。ROSはミトコンドリアでATP生成の際の副産物として作られる。抗酸化物質で中和されないと、ROSは時間がたつにつれてミトコンドリアを損ない、それらの機能を非効率的にしたり、尽きることのないサイクルでより損傷性の強いROSを生成したりする可能性がある。コエンザイムQ10はミトコンドリアでのATPの合成に重要な役割を果たし、ミトコンドリア膜で抗酸化物質として機能する。さらに、コエンザイムQ10の組織での濃度は老化とともに減少することが報告されている(9)。老化の顕著な特徴の一つは多くの組織でのエネルギー代謝の減少であり、肝臓、心臓、および骨格筋では特にそうである。組織でのコエンザイムQ10濃度が老化で減少することが、この代謝減少に関わっているのではないかと提唱されている(11)。最近の研究では、生涯に渡って食べ物からコエンザイムQ10を補給するとコエンザイムQ10の組織での濃度が増えたが、ネズミの寿命が延びることはなかった(12,13)。しかしながら、ある研究ではコエンザイムQ10補給で加齢によるDNA損傷の増え方がゆるくなった(14)。現在では、コエンザイムQ10補給がヒトの寿命を延ばしたり老化による機能低下を防いだりするという科学的根拠はない。

心血管疾患

動脈壁での低密度リポタンパク質(LDL)の酸化修飾は、アテローム性動脈硬化症の発症に至る初期の事象を表すと考えられている。還元された形態のコエンザイムQ10(CoQ10H2)は、試験管内(in vitro)でLDLの酸化を抑制し、α-TO・をα-TOHに還元してα-TOHとともにLDLの酸化を阻害する。CoQ10H2(またはビタミンC)のような共に働く酸化防止剤がないと、α-TOHは特定の条件下では試験管内でLDLの酸化を促進することがある(4)。コエンザイムQ10を補給すると、ヒトのLDL中でのCoQ10H2の濃度が高まる(15)。アテローム性動脈硬化症の動物モデルであるアポリポタンパク質E欠乏症のマウスの研究で、薬理学的用量を超える量のコエンザイムQ10補給をしたら、アテローム性動脈硬化症の病変の発生が大きく抑制されたことがわかった(16)。興味深いことに、これらのマウスにα-TOHとコエンザイムQ10を同時に補給すると、α-TOHまたはコエンザイムQ10単独での補給よりもアテローム性動脈硬化症の抑制にさらに効果的であった(17)。アテローム性動脈硬化症発症の別の重要なステップは、血管壁に単球という免疫細胞が集まることである。これは細胞接着分子(インテグリン)の単球での発現に一部依存する。10人の健康な男女に200mg/日のコエンザイムQ10を10週間補給したら、インテグリンの単球での発現が大きく減った。このことは、コエンザイムQ10によるアテローム性動脈硬化症の抑制に別のメカニズムがある可能性を示唆する(18)。コエンザイムQ10の補給がLDLの酸化やアテローム性動脈硬化症の抑制剤として有望であるようだが、コエンザイムQ10補給がヒトのアテローム性動脈硬化症の発症や進行を抑制することができるかどうかを決定するさらなる研究が必要である。

疾病治療

ミトコンドリア脳筋症

ミトコンドリア脳筋症は、ミトコンドリアの電子伝達系の機能における多くの遺伝的異常による多様な遺伝性疾患群である。コエンザイムQ10補給は、様々なタイプのミトコンドリア脳筋症の何人かの患者に臨床的および代謝的改善をもたらした(19)。神経筋や広範な組織でのコエンザイムQ10の欠乏症は、ミトコンドリア脳筋症の人々のうちの非常に小さな集団に見られる(20,21)。コエンザイムQ10の生合成に遺伝的欠陥のあるこれらの稀な集団には、コエンザイムQ10の補給によって実質的な改善がもたらされた(22,23)。コエンザイムQ10補給がその他のミトコンドリア疾患のある患者に治療上の有益性があるのかどうかは不明である。この問題を調べる第Ⅲ相の臨床試験が現在進行中である(23)

心血管疾患

うっ血性心不全

体全体の需要に合う十分な血液を送り出す心臓の能力に障害がある状態は、うっ血性心不全として知られる。冠動脈疾患では、冠動脈にアテローム性動脈硬化症のプラークが溜まると、心筋の一部が適切な血液供給を受けることができず、心臓障害や血液供給能力障害となる可能性がある。心筋梗塞(MI)も心筋を痛め、心不全に至るかもしれない。運動をすると弱った心臓に負担がかかるため、心不全の重篤度のモニターに運動負荷試験の測定値が頻繁に用いられる。心臓超音波検査も、心臓のポンプ機能の客観的測定値である左室駆出率を決定するのに用いられる(25)。心筋のコエンザイムQ10濃度は、より重篤な心不全の患者では軽度の患者よりも低いという発見から、心不全患者へのコエンザイムQ10補給の臨床試験がいくつか行われた(26)。従来の医学的治療と同時にサプリメントでのコエンザイムQ10(100~300mg/日を1~3ヶ月)をうっ血性心不全患者に投与する何件かの小規模介入試験では、いくつかの心機能の測定値の改善が実証された(27-29)。しかしながら、従来の医学的治療とともに食事に100~200mg/日のコエンザイムQ10を足しても、心不全患者の左室駆出率または運動負荷試験結果が大きく改善することはなかったとする研究者もいる(30,31)。10の無作為化対照試験の2006年のメタ解析で、心不全患者にコエンザイムQ10補給(99~200mg/日を1~6ヶ月)をしたら、3.7%という大きな左室駆出率の改善があったことがわかった。この効果はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を服用していない患者でより強かった(32)。コエンザイムQ10補給で心拍出量の少々の増加(0.28L/分)も見られたが、この解析には2つの試験(60mg/日を1ヶ月または200mg/日を3ヶ月)しか含まれていない(32)。236人の心不全患者の最近の研究で、血漿のコエンザイムQ10濃度が低いことと死亡率が高くなることとの関連があった(33)。しかし、1,191人の心不全患者によるより大規模な研究で、血漿のコエンザイムQ10濃度は進行した心疾患のバイオマーカーであって、心不全患者の臨床的症状を独立して予見するものではないことがわかった(34)。コエンザイムQ10補給が有益であるかもしれないというエビデンス(科学的根拠)もあるものの、コエンザイムQ10補給がうっ血性心不全の治療において従来からの医学的治療法を補足する価値があるのかどうかを決定するよく考案された大規模介入研究が必要である。そのような研究の一つが現在進行中である。

心筋梗塞と心臓手術

心筋梗塞(MI)の結果として、または心臓手術の間に、心筋が酸素欠乏(局所貧血)になるかもしれない。心筋への酸素供給が回復(再灌流)した際のROSの生成増加が、虚血再灌流の間に起こる心筋障害に大きく寄与していると考えられている。動物をコエンザイムQ10で前処置しておくと、虚血再灌流による心筋障害を減らすことがわかっている(35)。虚血再灌流障害の別の原因となりうるのは、冠動脈バイパス手術(CABG)のようなある種の心臓手術中の大動脈遮断である。4つのプラセボ対照試験のうちの3つで、コエンザイムQ10補給による前処置(100~300mg/日を手術前の7~14日間)をしておくと、CABG手術後の短期的な結果測定にいくらかの利点があった(36,37)。コエンザイムQ10の手術前補給が有益ではなかったとしたプラセボ対照試験では、患者は手術の12時間前に600mgのコエンザイムQ10を与えられていた(38)。このことから、手術前のコエンザイムQ10補給が有益であるためには、CABG手術の少なくとも1週間前からの補給が必要であるかもしれないことが示唆される。結果は有望ではあるが、これらの試験は比較的少人数で行われており、またCABG手術のすぐ後の結果しか調べていない。

狭心症

心筋虚血症は、狭心症として知られる胸の痛みを起こす可能性がある。狭心症の人々はしばしば、たとえば運動中に酸素の需要が心筋に酸素を送る冠動脈循環の能力を超える際に狭心症の症状を起こす。5つの小規模プラセボ対照試験で、慢性安定狭心症の患者に従来の医学的治療法に加えて経口コエンザイムQ10補給(60~600mg/日)をした効果を調べた(28)。研究の大部分で、プラセボに比べてコエンザイムQ10補給は運動負荷試験の結果を向上させ、心筋虚血症による心電図変化が減ったり遅れたりした。しかし、その中の2つの研究のみでコエンザイムQ10補給によって症状の頻度やニトログリセリンの使用がかなり減ったりしただけであった。現在では、コエンザイムQ10補給が従来の狭心症治療に役立つ補足的な治療であると示唆するエビデンスは限られている。

高血圧

ヒトでのいくつかの小規模な非対照試験の結果で、コエンザイムQ10補給が高血圧の治療に有益であるかもしれないということが示唆された(37)。最近では2つの短期間プラセボ対照試験で、コエンザイムQ10補給で高血圧の個人の血圧がやや低下したことがわかった。高血圧と冠動脈疾患のある患者に従来の医学的治療に加えて120mg/日のコエンザイムQ10を8週間補給したら、ビタミンB複合体を含むプラセボに比べて収縮期血圧が平均12mmHg、拡張期血圧が平均6mmHg下がった(39)。孤立性収縮期高血圧症の患者にコエンザイムQ10(120mg/日)とビタミンE(300 IU/日)を一緒に12週間補給したら、300 IU/日のビタミンEのみの場合と比べて収縮期血圧が平均で17mmHg下がった(40)。362人の高血圧患者を含む12の臨床試験の2007年のメタ解析で、コエンザイムQ10補給によって収縮期血圧が11~17mmHg、拡張期血圧が8~10mmHg下がったことがわかった(41)。このメタ解析に含まれた4つの無作為化対照試験では、100~120mg/日の用量のコエンザイムQ10を使用していた。

血管内皮機能(血管の拡張)

血管内皮として知られる血管の内面の正常な機能は、心血管疾患の予防に重要な役割を果たす(42)。アテローム性動脈硬化症は血管内皮機能の障害に関連しており、血管が緩んで正常な血流を通す能力がそれによって危うくなる。血清コレステロール濃度の高い個人や冠動脈疾患や糖尿病の患者においては、内皮依存性血管弛緩(血管拡張)がうまくいかない。あるプラセボ対照試験で、コエンザイムQ10補給(200mg/日)を12週間したら、血清脂質プロフィールに異常のある糖尿病患者の内皮依存性血管拡張が改善したとわかったが、非糖尿病の個人に見られるような程度まで回復したわけではなかった(43)。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤)を服用している23人の2型糖尿病患者による別のプラセボ対照試験で、200mg/日のコエンザイムQ10を12週間服用したら、上腕動脈の血流依存性血管拡張反応が改善したが、硝酸塩による血管拡張反応(ニトログリセリン誘発性血管拡張反応)は改善しなかったことがわかった(44)。しかし、80人の2型糖尿病患者によるプラセボ対照試験で、この補給の手順では内皮機能が向上しなかったことがわかった(45)

血清コレステロール濃度が高く内皮障害があるがそれ以外は健康な12人の研究で、150mg/日のコエンザイムQ10補給は内皮依存性血管拡張に影響がなかった(46)。内皮障害のある25人の男性による前向き無作為化交差試験で、コエンザイムQ10補給(150mg/日)によって脂質低下剤と同じように内皮機能がかなり向上したことがわかった(47)。しかしこの研究はプラセボ対照試験ではなく、大切なことには著者らが被験者の血流依存性血管拡張の調査開始時平均が0未満だったと報告していることに言及しておくことが重要である。冠動脈疾患のある22人の患者による一つの無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、300mg/日のコエンザイムQ10を1ヶ月補給したら、内皮依存性血管拡張反応が改善した(48)。虚血性の左心室収縮機能障害のある56人の患者による別の無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、300mg/日のコエンザイムQ10を8週間補給したら、内皮機能障害の測定値が大きく向上したと報告された(49)。194人の被験者を含む5つの無作為化対照試験の結果を調べた2011年のメタ解析で、コエンザイムQ10補給(150~300mg/日を4~12週間)によって、血流依存性の内皮性血管拡張が臨床的に意義のある1.7%増加になったことがわかった(50)。内皮機能障害におけるコエンザイムQ10の治療的役割をさらに明らかにする大規模研究が必要である。

糖尿病

糖尿病は、酸化ストレスが増えエネルギー代謝に障害がある状態である。血漿コレステロール濃度を正規化した場合に、還元型コエンザイムQ10(CoQ10H2)の血漿濃度が糖尿病患者では健康な対照者よりも低いことがわかっている(51,52)。しかし、100mg/日のコエンザイムQ10を3ヶ月補給しても、プラセボに比べて1型糖尿病(インスリン依存性)患者の血糖コントロールが改善したりインスリン需要が減ったりはしなかった(53)。同様に、200mg/日のコエンザイムQ10を12週間または6ヶ月補給しても、2型(非インスリン依存性)糖尿病患者の血糖コントロールや血清脂質プロフィールは改善しなかった(45,54)。コエンザイムQ10補給はどちらの研究でも血糖コントロールに影響しなかったため、両研究の著者らはコエンザイムQ10補給が糖尿病患者の心血管疾患の補足的療法として安全に使用できると結論づけた。

ミトコンドリア遺伝子変異糖尿病(MIDD)は、母からのみ遺伝するミトコンドリアDNAの突然変異の結果として起こる。ミトコンドリア糖尿病は糖尿病全体の1%未満であるが、長期間のコエンザイムQ10補給(150mg/日)がこれらの患者のインスリン分泌を改善し、聴覚喪失の進行を予防するかもしれないというエビデンスがある(55,56)

神経変性疾患

パーキンソン病

パーキンソン病は体の震え、筋肉のこわばり、および動作緩慢が特徴的な神経変性疾患である。65歳以上のアメリカ人の約1%が罹患していると推定される。パーキンソン病の原因は全部わかっているわけではないが、ミトコンドリアにおける電子伝達系の複合体Iの活性低下と、黒質と呼ばれる脳の一部での酸化ストレス増加が関わっていると考えられている。コエンザイムQ10は複合体Iの電子受容体であり抗酸化物質でもあり、またパーキンソン病の個々人の血小板では、還元型コエンザイムQ10の酸化型に対する比率の低下が見られる(57,58)。ある研究においては、パーキンソン病を治療していない患者の脳脊髄液では、健康な対照者に比べて酸化型コエンザイムQ10濃度が高いこともわかった(59)。さらに、パーキンソン病患者の死後のコエンザイムQ10濃度の研究で、同年の対照者に比べて脳の皮質領域でのコエンザイムQ10全体の濃度が低いことがわかったが、線条体、黒質、および小脳を含むその他の脳領域では差がなかった(60)。ある16ヶ月の無作為化プラセボ対照試験で、初期のパーキンソン病である80人の患者に300、600、または1,200mg/日のコエンザイムQ10補給をした安全性と効能を評価した(61)。コエンザイムQ10補給は全部の用量で忍容性が良好であり、プラセボに比べてパーキンソン病患者の機能低下が遅くなったという関連があった。しかし、その差は1,200mg/日の用量の群でのみ統計的に有意義であった。より小規模なプラセボ対照試験で360mg/日のコエンザイムQ10を4週間経口投与したら、パーキンソン病患者にやや有益であったことが示された(62)。より最近では、中等症のパーキンソン病患者106人による無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、300mg/日のコエンザイムQ10ナノ粒子を3ヶ月補給しても、何の治療効果もなかったことが報告された(63)。別の試験で2,400mg/日のコエンザイムQ10を12ヶ月補給しても、初期のパーキンソン病には有効ではなかったことがわかった(64)。パーキンソン病患者に対するコエンザイムQ10(1,200~2,400mg/日)とビタミンE(1,200 IU/日)補給の第Ⅲ相臨床試験は、そのような治療がパーキンソン病治療に有効ではないであろうということから、最近終了となった(65)

ハンチントン病

ハンチントン病は、線条体の中型有棘ニューロンとして知られる神経細胞が選択的に変性することが特徴的な遺伝性神経変性障害である。運動障害や認知機能低下などの症状は40代で発症することが典型的で、時とともに悪化する。ミトコンドリアの機能障害とグルタミン酸媒介の神経毒性がハンチントン病の病理にかかわっているかもしれないことを、動物モデルが示している。コエンザイムQ10補給は、ハンチントン病の動物モデルで脳の病変範囲を減らし、ハンチントン病患者の脳の乳酸濃度を下げることがわかっている(66,67)。ハンチントン病のタンパク質を発現する遺伝子改変マウス(HD-N171-82Qマウス)にコエンザイムQ10(餌の0.2%)とレマセミド(餌の0.007%)の組み合わせを与えると、運動能力および/または生存率が向上した(68,69)。レマセミドはグルタミン酸塩で活性化される神経受容体の拮抗薬である。

ハンチントン病のR6/2マウスモデルは、ヒトの症状と同じような行動および神経症状の進行的悪化を示す(70)。したがって、R6/2マウスはハンチントン病の治療可能性を探るのに理想的なモデルであるかもしれない。これらのマウスを使って行われた全部ではないがいくつかの研究で、コエンザイムQ10を食事に混ぜて補給(餌の0.2%)すると運動能力と全体の生存率が向上し、体重減少の予防に役立ったことが示された。コエンザイムQ10補給は、脳の萎縮、脳室拡張、および線条体ニューロンの萎縮などのハンチントン病の様々な特徴の低減にも関連していた(68,71)。興味深いことに、コエンザイムQ10をレマセミド、抗生物質のミノサイクリン、またはクレアチンと同時投与すると、測定されたパラメータの大部分でさらに大きく改善が示された(68,71,72)

今日までのところわずか1つだけの臨床試験において、コエンザイムQ10がハンチントン病の患者に効能があるかどうかが調べられた。コエンザイムQ10,レマセミド、またはその両方を347人の初期のハンチントン病患者に投与する30ヶ月の無作為化プラセボ対照試験で、コエンザイムQ10もレマセミドも機能全体の能力低下を大きく変化させることはなかったが、コエンザイムQ10補給(レマセミド有りまたは無しで)では、有意とはいえない13%の低下となった(73)。8人の健康な被験者とハンチントン病の20人の患者でコエンザイムQ10補給の用量を増やす(1,200mg/日、2,400mg/日および3,600mg/日)安全性と忍容性を調べる20週間の最近のパイロット試験で、22人の被験者が試験を終了した(74)。すべての用量は全体的に忍容性がよく、胃腸の症状が最も多く報告された悪影響であった。研究の終了時のコエンザイムQ10の血中濃度は、中用量の摂取結果の濃度より高くはなかった。このことから、2,400mg/日という用量は効果的にコエンザイムQ10の血中濃度を最大化し、それ以上の用量による副作用を避けることができるのではないかということが示唆される(74)。2,400mg/日のコエンザイムQ10またはプラセボを5年間投与する第Ⅲ相の臨床試験は、現在ハンチントン病の参加者を募集中である(75)。今のところ、ハンチントン病の患者にコエンザイムQ10を勧めるエビデンスは不十分である。

フリードライヒ運動失調症

フリードライヒ運動失調症(FRDA)は、主にミトコンドリアにあってその機能が不明なタンパク質であるフラタキシンを符号化する遺伝子の突然変異によっておこる常染色体劣性遺伝子性の神経変性疾患である。フラタキシンの発現が減少するとミトコンドリアに鉄の蓄積がおこり、それによって酸化ストレスが増加し、ミトコンドリアのアコニターゼを含む鉄硫黄含有タンパク質の不均衡がおこり、ミトコンドリアの呼吸鎖の活性が低下する(76)。臨床的には、FRDAは手足の運動失調および感覚神経の変性による中枢神経系の異常が特徴的な進行性疾患である(77,78)。さらに、FRDAの患者は肥大型心筋症や糖尿病の症状になる(79)。10人のFRDA患者にコエンザイムQ10(200mg/日)とビタミンE(2,100 IU/日)を投与したパイロット研究で、心筋および骨格筋のエネルギー代謝がわずか3ヶ月の治療で向上したことがわかった(80)。47ヶ月での追跡評価で、心筋および骨格筋の改善が維持されFRDA患者の心臓機能の測定値である左室内径短縮率が大きく増加したことが示された。また、この治療は神経機能の進行的低下を防ぐのにも有効であった(81)。最近の研究で、FRDA患者にはコエンザイムQ10とビタミンE両方の欠乏症がいたって一般的で、コエンザイムQ10を30mg/日、ビタミンEを4 IU/日といった低用量でこれらの化合物を同時補給しても、この疾患の症状を改善するかもしれないことがわかった(82)。コエンザイムQ10をビタミンEと同時に投与することがFRDAの治療に有益であるかどうかを決定する大規模無作為化臨床試験が必要である。

がん

がんの治療薬としてのコエンザイムQ10の可能性に対する関心は、胚、膵臓、そして特に乳がんの患者は健康な対照者よりも血漿コエンザイムQ10濃度が低くなりがちだという観察研究によって喚起された(83)。いくつかの症例報告や非対照試験で、コエンザイムQ10補給が従来の乳がん治療の補足として有益であるかもしれないことが示唆されている(84)。しかし対照臨床試験が不足しているため、コエンザイムQ10をがん患者に補給することに効果があるのかを決定することは不可能である。

パフォーマンス

運動能力

コエンザイムQ10補給によって運動負荷試験の結果が向上するミトコンドリア脳筋症の個々人もいる(「欠乏症」の項参照)が(19)、それが健康な個人の運動能力を向上させるというエビデンスはほとんどない。少なくとも7つのプラセボ対照試験で、トレーニングをしている男性とそうでない男性に100~150mg/日のコエンザイムQ10補給を3~8週間して、運動能力への効果を調べた。大部分の試験では、最大酸素摂取量(VO2 max)や疲労困憊に至るまでの運動時間などの有酸素運動能力測定値に関して、コエンザイムQ10を摂取した群とプラセボを摂取した群で何の有意義な差も見られなかった(85-89)。ある研究で8週間のコエンザイムQ10補給によって自転車こぎの最大運動量がプラセボに比べてわずかに(4%)増加したことがわかったが、有酸素パワーの測定値は増加しなかった(90)。実は2つの研究では、無酸素(86)および有酸素(85)運動能力の測定でプラセボ補給の方がコエンザイムQ10よりも測定値に有意義な改善があったことがわかった。女性の運動能力に対する補給効果の研究は不足しているが、コエンザイムQ10補給に対する反応に性差があると疑う理由はほとんどない。

摂取源

生合成

コエンザイムQ10はヒトのほとんどの組織で合成される。コエンザイムQ10の生合成には3つの主要ステップがある。(1)チロシンもしくはフェニルアラニンという2つのアミノ酸からベンゾキノン構造を合成する;(2)アセチルコエンザイムA(CoA)からメバロン酸経路でイソプレン側鎖を合成する;そして(3)これらの構造を結合または縮合する。ヒドロキシメチルグルタリル(HMG)CoA還元酵素という酵素が、コエンザイムQ10合成およびコレステロール合成の統制に重大な役割を果たす(1,6)

ベンゾキノンの生合成(チロシンから4ヒドロキシフェニルピルビン酸への変換)の第一ステップでは、ピリドキサール5'リン酸の形態のビタミンB6が必要である。したがってコエンザイムQ10の生合成には、ビタミンB6の栄養状態が適切であることが不可欠である。29人の患者と健康なボランティアによるパイロット研究で、コエンザイムQ10の血中濃度とビタミンB6の栄養状態の測定値の間に有意義な正の相関があったことがわかった(91)。しかしながら、この関連の臨床的重要性を決定するさらなる研究が必要である。

食品の摂取源

食品摂取頻度の研究に基いて、デンマークではコエンザイムQ10の食事からの平均的摂取量が3~5mg/日と推定された(6,7)。大部分の人はおそらく10mg/日未満の食事性コエンザイムQ10を摂取している。食事性コエンザイムQ10の豊富な摂取源は主に、肉、鳥肉、および魚である。コエンザイムQ10が比較的豊富なその他の食品は、大豆油やキャノーラ油、およびナッツ類である。果物、野菜、卵、および乳製品にはコエンザイムQ10が程よく含まれている。野菜や卵を油で炒める際に約14~32%のコエンザイムQ10が失われるが、これらの食品のコエンザイムQ10の含有量は茹でても変わらない。コエンザイムQ10の比較的豊富な食品源とその含有量をミリグラム(mg)単位で表1に示す(92-94)

表1. コエンザイムQ10の食品摂取源
食品 分量 コエンザイムQ10(mg)
炒めた牛肉 約85g* 2.6 
ニシンのマリネ 約85g 2.3 
炒めた鶏肉 約85g 1.4 
大豆油 大さじ1 1.3 
キャノーラ油 大さじ1 1.0 
蒸したニジマス 約85g 0.9 
ローストピーナッツ 約28g 0.8 
いりごま 約28g 0.7 
ローストピスタチオ 約28g 0.6 
茹でたブロッコリー ぶつ切り約120ml 0.5 
茹でたカリフラワー ぶつ切り約120ml 0.4 
オレンジ 中サイズ1個 0.3 
いちご 約240ml 0.1 
ゆで卵 M玉1個 0.1
*約85gの肉や魚は、トランプの1セットくらいの大きさである。

サプリメント

コエンザイムQ10は、米国では処方箋なしで栄養補助食品として市販されている。成人に対する補給用量は30~100mg/日の範囲で、通常の食事性コエンザイムQ10摂取よりもかなり高い。成人に対する治療用の用量は一般的に100~300mg/日であるが、初期のパーキンソン病の治療に医師の監督下で3,000mg/日といった高用量で用いられたことがあった(95)。サプリメントの用量が高くなるにつれてコエンザイムQ10の吸収が減り、ヒトでは腸でのコエンザイムQ10の吸収は10%未満であろう。コエンザイムQ10は脂溶性なので、食事の脂肪と一緒に摂取すると一番吸収がよい。100mg/日より高い用量は、一般的に1日に2~3回に分けられる(7,96)

経口コエンザイムQ10補給で組織での濃度が上がるか?

コエンザイムQ10の経口補給は、ヒトの血中およびリポタンパク質中のコエンザイムQ10濃度を上げることが知られている(2,12,15)。しかしながら、内因性コエンザイムQ10生合成が正常な個人において、経口補給でその他の組織でのコエンザイムQ10濃度が上がるかどうか不明である。若い健康な動物にコエンザイムQ10の経口補給をしても、肝臓、脾臓、および血管以外の組織での濃度は一般的に上昇しない(97,98)。健康な男性に120mg/日を3週間補給しても、骨格筋でのコエンザイムQ10濃度は上昇しなかった(99)。しかし、コエンザイムQ10欠乏になっている組織でのコエンザイムQ10濃度は、補給によって上がるかもしれない。たとえば、年取ったラットの脳のコエンザイムQ10濃度は経口補給で上昇した(100)。また、心臓手術の少なくとも7日前から300mg/日のコエンザイムQ10またはプラセボを補給した24人の年配者の研究では、コエンザイムQ10を摂取した者では心房組織でのコエンザイムQ10濃度が大きく上昇し、特に70歳以上の者ではそうであった(36)。さらに、左心室機能不全の患者の研究で、心臓手術前に150mg/日のコエンザイムQ10を4週間補給したら、心臓でのコエンザイムQ10濃度が上がったが骨格筋ではそうではなかった(101)。これは明らかにさらなる研究を要する分野である。

安全性

毒性

1,200mg/日の用量のコエンザイムQ10を最大16ヶ月まで経口補給しても(61)、600mg/日を最大30ヶ月まで補給しても(73)、大きな副作用の報告はない。実際、1,200mg/日という用量が最近、コエンザイムQ10の実質安全量(OSL)として提唱された(102)。吐き気、下痢、食欲不振、胸焼け、および腹部不快感などの胃腸症状が出る者もいる。これらの悪影響は、1日に100mg超の用量を2~3回に分けて摂取すると最小化されるかもしれない。妊婦や授乳婦への安全性の対照研究がないので、妊婦や授乳婦がコエンザイムQ10のサプリメントを摂取することは避けるべきである(96,103)

薬物相互作用

ワルファリン

ワルファリン(クマジンまたはコーマディン)とコエンザイムQ10サプリメントの併用は、少なくとも4件のケースでワルファリンの抗凝固作用を低減させたことが報告されている(104)。ワルファリンを服用する個人は、抗凝固治療を管理している医療提供者に相談することなしにコエンザイムQ10のサプリメント摂取を始めるべきではない。ワルファリンとコエンザイムQ10を併用することになるならば、凝固時間(プロトロンビン時間:PT-INR)を評価する血液検査が頻繁にチェックされるべきであり、最初の2週間は特にそうである。

HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)

今ではコレステロールやコエンザイムQ10の生合成における他の律速段階もあることが認識されているものの、HMG-CoA還元酵素はコレステロール合成およびコエンザイムQ10合成の統制に重大な役割を果たす酵素である。スタチンとしても知られるHMG-CoA還元酵素阻害剤は広く使用されているコレステロール低下薬であり、コエンザイムQ10の内因性合成も低減するかもしれない。シンバスタチン(ゾコー)、プラバスタチン(プラバコール)、ロバスタチン(メバコール、アルトコール、アルトプレブ)、ロスバスタチン(クレストール)、およびアトルバスタチン(リピトール)などのスタチンを治療目的に使用すると、血漿または血清中のコエンザイムQ10濃度が下がることが示されている(105-114)。しかしながら、血中コエンザイムQ10濃度は全脂質または全コレステロール濃度に対して正規化されたもののみを報告すべきである。なぜならば、コエンザイムQ10はリポタンパク質とともに循環し、コエンザイムQ10濃度は血液循環中の脂質の濃度に高く依存するからである(115,116)。スタチンの脂質低減効果を考えると、これらの薬物が血液循環中の脂質の減少に関係なくコエンザイムQ10濃度を実際に下げるのかどうかは明らかでない。また、標的とする臓器でのコエンザイムQ10濃度を調べた研究はほとんどなく、スタチンの治療が体の組織でのコエンザイムQ10濃度に影響するのかどうか不明である(111,113,117)。今のところ、コエンザイムQ10補給がHMG-CoA還元酵素阻害剤を服用している者に有益であるかどうかを決定するさらなる研究が必要である。


Authors and Reviewers

Originally written in 2003 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in February 2007 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in March 2012 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in March 2012 by:
Roland Stocker, Ph.D.
Centre for Vascular Research
School of Medical Sciences (Pathology) and
Bosch Institute
Sydney Medical School
The University of Sydney
Sydney, New South Wales, Australia

Copyright 2003-2020  Linus Pauling Institute


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リポ酸

English

要約

  • チオクト酸としても知られるリポ酸(しばしばα-リポ酸と呼ばれる)は、ヒトでも合成される天然由来の化学物質である。(詳細はこちら)
  • 内因的に合成されたリポ酸はタンパク質と結合し、ミトコンドリアのいくつかの重要な多酵素複合体に対する補助因子として機能する。(詳細はこちら)
  • リポ酸補給をすると、非結合リポ酸の血漿および細胞での濃度が過渡的に上昇する。(詳細はこちら)
  • リポ酸は直接的な抗酸化物質であるが、生体内におけるラジカル除去活性の上昇は過渡的であろう。リポ酸はまた抗酸化防御を引き起こし、細胞のブドウ糖取り込みを強化し、様々な細胞シグナル分子や転写因子の活性を調整するのかもしれない。(詳細はこちら)
  • 小規模無作為化対照研究からのエビデンスで、高用量のリポ酸は代謝障害のある者のブドウ糖利用の測定値を改善させるかもしれないことが示唆されている。(詳細はこちら)
  • 経静脈または経口でのリポ酸治療は糖尿病性末梢神経障害の症状を軽減することに役立つかもしれないことが、公開されたエビデンスから示唆される。糖尿病性神経障害の治療へのリポ酸の効能をを調べる研究の多くはあるドイツの研究グループによって行われ、ドイツのリポ酸製造業者によって資金提供されていることに留意することが重要である。(詳細はこちら)
  • 多発性硬化症のマウスモデルに投与すると、リポ酸が疾患の進行を遅くすることがわかった。進行性多発性硬化症の患者の運動性喪失や脳体積変化に対するリポ酸の効果を評価するように考案された2年間の臨床試験が進行中である。(詳細はこちら)
  • アルツハイマー病患者にリポ酸補給が有益であるかどうかを示唆するエビデンスは、現在あまりに限定的である。(詳細はこちら)
  • 肥満指数が高い者の体重管理に、リポ酸補給が何らかの有益性を示すかもしれない。(詳細はこちら)
  • リポ酸は天然にはタンパク質と共役結合して食物中に存在するが、サプリメントは非結合の(遊離)リポ酸を含む。サプリメントを使用するなら、ライナス・ポーリング研究所は全般的に健康な者に対して200~400 mg/日という毎日の用量を推奨する。

序説

チオクト酸としても知られるリポ酸(しばしばα-リポ酸と呼ばれる)は、植物やヒトを含む動物によって合成される天然由来の有機硫黄化合物である(1,2)。リポ酸は特定のタンパク質に共役結合しており、それらはミトコンドリアのエネルギーおよびアミノ酸代謝に関わる必須多酵素複合体の一部として機能する(「生物活性」の項参照)。タンパク質に結合したリポ酸の生理学的機能に加えて、薬理学的用量の遊離(非結合性)リポ酸を治療に使用する可能性に科学的および医学的関心が高まっている(3)。リポ酸は2つのチオール(硫黄)基を含み、これらは酸化もしくは還元されうる。ジヒドロリポ酸は、リポ酸の還元型である(図1参照)(4)。リポ酸はまた非対称性の炭素も含み、これはリポ酸が鏡像異性体とも呼ばれる2つの光学異性体のうちの一つとして存在しうることを意味する。これらの鏡像異性体は、R-リポ酸とS-リポ酸という互いを鏡に写した像になっている(図1参照)。R型の鏡像異性体のみが内因的に合成され、タンパク質と共役結合する。R-リポ酸は食物中に天然に存在する(「食物の摂取源」の項参照)。遊離(非結合性)リポ酸のサプリメントはR-リポ酸であるか、もしくはR-リポ酸とS-リポ酸が半々(ラセミ)の混合物であるかもしれない(「サプリメント」の項参照)。

Figure 1. Chemical Structures of Lipoic Acid and Lipoyllysine Residue. Lipoic acid has an asymmetric carbon such that lipoic acid can exist as one of two optical isomers, called enantiomers: R-lipoic acid and S-lipoic acid, which are mirror  images of each other. Lipoic acid is covalently linked to the E2 component of the alpha-ketoacid dehydrogenase complex (and to the H-protein of the glycine cleavage system) via a lysine residue (forming a lipoyllysine moiety). Because lipoic acid can be oxidized and reduced, it serves as an electron carrier and an acyl/methylamide carrier.

(Figure 1 - Click to Enlarge)

代謝と生物学的利用性

内因性生合成

リポ酸の合成は、Saccharomyces cerevisiaeという酵母について特徴が詳細に明らかにされてきたが、この過程に関わる全ての遺伝子がヒトで同定されたわけではない(5)。リポ酸は、脂肪酸の合成過程においてアシルキャリアタンパク質(ACP;「パントテン酸」のタイトルの記事参照)に結合した8炭素(C8:0)脂肪酸であるオクタン酸から、ミトコンドリア内で新規に合成される(図2参照)。リポイルトランスフェラーゼ2(オクタノイルトランスフェラーゼ2)と呼ばれる酵素が、オクタノイル-ACPからグリシン開裂系におけるHタンパク質の保存リシンへのオクタノイル部分の移動を触媒する(「生物活性」の項参照)。次の反応はHタンパク質に結合したオクタノイル部分の6位および8位に2つの硫黄原子を挿入することで、それによってジヒドロリポイル部分が生成される。この段階は、この反応において硫黄供与体として働く鉄-硫黄クラスターを含むリポ酸合成酵素(リポイルシンターゼともいう)によって触媒される(5)。最後に、グリシン開裂系のHタンパク質から多酵素複合体であるα-ケト酸脱水素酵素のE2成分にある保存リシン残基へのジヒドロリポイル部分の移動を、リポイルトランスフェラーゼ1酵素が触媒する(5)。ジヒドロリポイル部分の酸化は、ジヒドロリポアミド脱水素酵素によって触媒される(図2参照)。

Figure 2. Endogenous Synthesis of Lipoic Acid. The de novo synthesis of lipoic acid takes place in the mitochondria and starts with the synthesis of an 8-carbon fatty acid called octanoic acid in the acyl-carrier protein (ACP)-dependent mitochondrial fatty acid synthesis pathway. Lipoyl (octanoyl) transferase 2 catalyzes the transfer of the octanoyl moiety from ACP to a conserved lysine within the H protein of the glycine cleavage complex (see Biological Activities and Figure 3). The sulfuration of the octanoyl moiety at positions 6 and 8 is catalyzed by lipoic acid synthetase and generates a dihydrolipoyl moiety (R enantiomer). This moiety is then transferred to a conserved lysine within the E2 component of the alpha-ketoacid dehydrogenase complexes (see Figure 4). This reaction is catalyzed by the enzyme lipoyl transferase 1. A dihydrolipoamide dehydrogenase activity within the glycine cleavage system (L protein) and within the alpha-ketoacid dehydrogenase complexes (protein E3) can catalyze the conversion of the dihydrolipoyl moiety (reduced form) to the lipoyl moiety (oxidized form). Figure adapted from Mayr et al. J Inherit Metab Dis. 2014;37(4):553-563.

(Figure 2 - Click to Enlarge)

食事性およびサプリメントのリポ酸

食物からリポ酸を摂取することで、ヒトの血漿や細胞で遊離リポ酸が検出可能なまでに増加することになるという発見はまだない(3,6)。対照的に、経口で高用量遊離リポ酸(50 mg以上)を摂取すると、血漿や細胞での遊離リポ酸濃度が過渡的にだが相当に増加する。ヒトでの薬理動態学的研究で、経口用量のR-リポ酸とS-リポ酸のラセミ混合物の約30~40%が吸収されることがわかった(6,7)。経口リポ酸サプリメントは、空腹時の方が食物と一緒に摂るよりもよく吸収された。食物と一緒にリポ酸を摂取すると、(食物なしの場合より)血漿リポ酸のピーク濃度が約30%、全体的な血漿リポ酸濃度が約20%減少した(8)。R-リポ酸の液体製剤はさらに吸収がよく、血漿でより安定であることがわかった。このことから糖尿病性神経障害のような症状の管理には、そちらの方が固体製剤よりも効能があるかもしれないことが示唆される(9,10)

リポ酸の2つの異性体には、生物学的利用性の差もあるかもしれない。RとS-リポ酸(ラセミ混合物)の経口用量1回分の摂取後、R-リポ酸のピーク血漿濃度はS-リポ酸よりも40~50%高かったことがわかり、これはR鏡像異性体の方が選ばれて差異的に吸収されることを示唆している(6,8,11)。しかしながら、経口摂取後はどちらの鏡像異性体も急速に代謝され排泄される。血漿リポ酸濃度は一般的に1時間以内にピークとなり、急速に低下する(6,7,11,12)。細胞ではリポ酸は迅速にジヒドロリポ酸に還元され、in vitro(ガラス容器内)の研究ではジヒドロリポ酸はその後速やかに細胞から排出されることが示されている(3)。さらに、19人の健康な成人による予備研究では、RとS-リポ酸の生物学的利用性とR-リポ酸のそれは、年齢や性別によって異なるかもしれないことが示唆された(13)

最後に、ヒトでは外因性リポ酸がATP(アデノシン三リン酸)やGTP(グアノシン三リン酸)で「活性化」されて、リポイルトランスフェラーゼによってリポ酸依存性酵素に組み込まれるというエビデンスはない(14)。結果として、内因性のリポ酸合成における欠陥(「欠乏症」の項参照)によって起こされるリポ酸依存性酵素活性が喪失しても、リポ酸の外因的供給では治せない(5)

生物活性

タンパク質結合のリポ酸

酵素の補助因子

R-リポ酸は、アミノ酸の異化作用(分解)やエネルギー生産に関係する非常に重要な反応を触媒するいくつかのミトコンドリア多酵素複合体に必須の補助因子である(15)。R-リポ酸は各多酵素複合体の少なくとも1つのタンパク質における特定のリシン残基に共役結合している。そのような非タンパク質補助因子は、「補欠分子族」として知られる。

R-リポ酸は、次の多酵素複合体の生物活性の補欠分子族として機能する。

●グリシンの脱炭酸反応を触媒し、メチレン基(-CH2)のテトラヒドロ葉酸への付加と相まって核酸合成における重要な補助因子である5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸を作るグリシン開裂系(図3参照)。グリシン開裂系内では、R-リポ酸はHタンパク質の保存リシンに共役結合している(図2、3参照)。

●以下の4つのα-ケト酸脱水素酵素複合体(図4参照)

(i)クエン酸回路を経してのエネルギー生産に重要な基質であるアセチル補酵素A(CoA)へとピルビン酸を変換する反応の触媒作用をするピルビン酸脱水素酵素複合体;

(ii)クエン酸回路の別の重要な中間体であるスクシニルCoAへとα-ケトグルタル酸を変換する反応を触媒するα-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体;

(iii)ロイシン、イソロイシン、バリンという分岐鎖アミノ酸の異化経路におけるケト酸の脱炭酸反応に関わる分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体;

(iv)リシン、ヒドロキシリシン、およびトリプトファンの異化経路において2-オキソアジピン酸からグルタリルCoAへの脱炭酸反応を触媒する2-オキソアジピン酸脱水素酵素複合体。

これら4つのα-ケト酸脱水素酵素複合体は、E1、E2、E3という3つの酵素の活性がある。E1は、チアミンピロリン酸(TPP)依存性のα-ケト酸脱水素酵素である。R-リポ酸は、E2のアシルトランスフェラーゼの活性に不可欠な補欠分子族として機能する。E3は、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)依存性ジヒドロリポアミド脱水素酵素である(図4参照)。R-リポ酸はまた、ピルビン酸脱水素酵素複合体のE3結合タンパク質(Xタンパク質成分)にも見られる(5)

Figure 3. The Glycine Cleavage System. The glycine cleavage system is a multienzyme coomplex of four protein components: P, T, L, and H. The P protein catalyzes the decarboxylation of glycine and the transfer of the methylamine reside (CH2-NH2) of glycine to the lipoyl moiety of the H protein. The H protein shuttles the methylamine to the T protein. The latter then catalyzes the transfer of the methylene group (CH2) to tetrahydrofolate. In the process, NH3 is released and the lipoyl group of the H protein is reduced (dihydrolipoyl group). Finally, the L protein catalyzes the re-oxidation of the lipoyl moiety of the H protein in an NAD-dependent reaction. Figure Adapted from Douce et al. Trends Plant Sci. 2001;6(4):167-176.

(Figure 3 - Click to Enlarge)

Figure 4. The Alpha-Ketoacid Dehydrogenase Multienzyme Complexes. The alpha-ketoacid dehydrogenase multienzyme complex family includes (1) the pyruvate dehydrogenase complex; (2) the branched-chain alpha-ketoacid dehydrogenase complex; (3) the alpha-ketoglutarate dehydrogenase complex; and (4) the 2-oxoadipate dehydrogenase complex, which all share the same architecture. Each complex is composed of several copies of three enzymes: E1, E2, and E3. E1 is a TPP-dependent dihydrolipoamide dehydrogenase. The E2 unit binds one or two lipoyl groups via a covalent amide linkage to a lysine group. Each complex catalyzes the conversion of specific alpha-ketoacids into carbon dioxide and acyl-CoA.

(Figure 4 - Click to Enlarge)

非結合のリポ酸

サプリメントの(非結合の)リポ酸の生物活性を考慮する際には、血漿および組織でのリポ酸増加が限定的および過渡的であるという本質を心に留めておくことが重要である(「代謝と生物学的利用性」の項参照(3)

抗酸化作用

活性酸素種および活性窒素種の除去:活性酸素種(ROS)および活性窒素種(RNS)は、DNA、タンパク質、および細胞膜の脂質に損傷を与える可能性のある非常に反応性の高い化合物である。リポ酸もジヒドロリポ酸も、生理学的に関連のあるROSやRNSを試験管内では直接的に除去(中和)できる((3)の文献でレビュー)。しかし直接的な除去反応が、in vivoで(生体内で)起こるのかどうかはわかっていない。経口補給で達成できるであろう遊離リポ酸の組織での最大濃度は、ビタミンCやグルタチオンのようなその他の細胞内抗酸化物質のそれの10分の1未満である。また遊離リポ酸は急速に細胞から取り除かれるため、直接的なラジカル除去作用の増加は持続しないであろう。

その他の抗酸化物質の再生:抗酸化物質がフリーラジカルを除去する際にはそれ自体が酸化され、それが還元されるまではさらにROSやRNSを除去することができない。試験管内では、ジヒドロリポ酸はコエンザイムQ10、ビタミンC、およびグルタチオンを含むいくつかの重要な抗酸化物質の酸化型を還元する能力を持つ強力な還元剤である(図5参照)(16,17)。ジヒドロリポ酸はまた、酸化されたビタミンC(「ビタミンE」のタイトルの記事参照)(18)または酸化されたコエンザイムQ10(「コエンザイムQ10」のタイトルの記事参照)(19)の再生によって、酸化されたα-トコフェロール(ビタミンE)を直接または間接的に還元するのかもしれない。ジヒドロリポ酸が生理学的な状況で効果的に抗酸化物質を再生するのかどうかは不明である(3)

金属のキレート化:遊離鉄や遊離銅のような酸化還元活性のある金属イオンは、非常に反応性の高いフリーラジカルを生成する反応の触媒をすることによって、酸化ダメージを誘発することがある(20)。遊離金属イオンをフリーラジカルの生成を防ぐようなやり方でキレート化する化合物は、金属誘発性の酸化ダメージが病原として関わっているかもしれない神経変性疾患やその他の慢性疾患の治療に有望である(21)。リポ酸もジヒドロリポ酸も、試験管内では銅および鉄を介した酸化ダメージを阻害し、動物モデルでは過剰な鉄および銅の蓄積を阻害することがわかっている(24,25)。リポ酸はまた、重金属毒性に対する補助療法として役立つかもしれない。水銀の毒性に対してリポ酸をキレート剤として使用することを調べた臨床試験はないが、それはいくつかの哺乳動物では有効であると証明されている(26,27)

抗酸化シグナル伝達経路の活性化:グルタチオンも、発がん性や毒素があるかもしれない物質の解毒や除去に関わる重要な細胞内抗酸化物質である。老いた動物における(若い動物に比べての)グルタチオンの合成低下や組織での濃度低下から、酸化ストレスや毒素にさらされた際の反応が低下する可能性が示唆される(28)。培養細胞や、リポ酸を与えられた老齢の動物において、リポ酸はグルタチオン濃度を上昇させることがわかっている(29,30)。リポ酸は、グルタチオン合成の律速酵素であるγグルタミルシステインリガーゼ(γ-GCL)の発現を上方制御すること(31)で、またグルタチオン合成に必要なアミノ酸であるシステインの細胞への取り込みを増やすこと(32)で、老いたラットにおけるグルタチオン合成を増やすことができるかもしれない。核内因子E2関連因子2(Nrf2)依存性経路の活性化を通して、リポ酸はγ-GCLやその他の抗酸化酵素の発現を上方制御することがわかっている(31,33)

手短に言えば、Nrf2はサイトゾル(細胞基質)内のケルヒ様ECH関連タンパク質1(Keap1)に結合した転写因子である。Keap1は、Nrf2を放出することで酸化ストレスシグナルに反応する。放出の際には、抗酸化酵素や捕捉剤を符号化する遺伝子のプロモーター領域にある抗酸化剤応答配列(ARE)と結合可能な核にNrf2が移動する。リポ酸-ただしジヒドロリポ酸ではない-はKeap1の特定のスルフヒドリル残基と反応可能で、Nrf2の放出を起こす(34)。Nrf2/ARE標的遺伝子は、γ-GCL、NAD(P)Hキノン酸化還元酵素1(NQO-1)、ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)、カタラーゼ、およびスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を含むいくつかの抗酸化反応仲介物質を符号化する。たとえば、培養肝細胞や肥満もしくは糖尿病のラットの肝臓では、リポ酸でNrf2経路を上方制御すると、脂質過剰で誘発される脂肪肝や細胞死が防がれた(36)。Nrf2経路やその他の抗炎症性経路の活性化を通して、リポ酸はまたメトトレキサートで治療したラットの酸化ストレス誘発性肝臓障害から肝臓を保護した(37)。治療前および治療後にリポ酸を与えると、Nrf2を介したHO-1の上方制御によって、ラットのリポ多糖(LPS)誘発性病理組織学的肺変質がそれぞれ予防および回復した(38)

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)酸化酵素(NOX)の阻害NOXは酸素とNADPHからのスーパーオキシド生成を触媒する細胞膜結合酵素複合体であり、微生物に対する自然免疫防御に関わる(39)。リポ酸は、インスリン-ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)-プロテインキナーゼB(PKB/Akt)シグナル伝達経路を上方制御することで、脳虚血のラットモデルでNOX誘発性のスーパーオキシド生成を防ぎ、梗塞体積と神経学的欠損を制限した(40)。胃がん細胞をリポ酸で治療すると、NOXで発生するROSの生成と、ヘリコバクター・ピロリ菌(H.pylori)感染に誘発されたがん細胞増殖を低下させた(41)

Figure 5. Antioxidant Activity of Lipoic Acid. The peroxidation of unsaturated lipids leads to the formation of lipid peroxyl radicals that easily diffuse in biological systems. Peroxyl radicals react 1,000-times faster with alpha-tocopherol than with unsaturated lipids. The hydroxyl group in the chromanol head of alpha-tocopherol (reduced form) can donate hydrogen to scavenge lipid peroxyl radicals, which halts their propagation in membranes and circulating lipoproteins. The presence of other antioxidants, such as coenzyme Q10, vitamin C, and glutathione, is required to regenerate the antioxidant capacity of alpha-tocopherol. When the reduced form of coenzyme Q10 or that of vitamin C, or that of glutathione reacts with oxidized alpha-tocopherol, the reduced form of alpha-tocopherol is generated and the oxidized form of coenzyme Q10 (ubisemiquinone) or that of vitamin C (ascorbate), or that of glutathione (GSSG) is formed. Oxidized forms of coenzyme Q10, vitamin C, and glutathione can be reduced by the reduced form of lipoic acid, dihydrolipoic acid.

(Figure 5 - Click to Enlarge)

細胞のブドウ糖取り込みの調整

インスリンがインスリン受容体と結合するとタンパク質のリン酸化カスケードを刺激し、グルコース輸送体(GLUT4)の細胞膜への移動や細胞のブドウ糖取り込みの増加につながる(3,42)。リポ酸は培養細胞でインスリンシグナル伝達カスケードを活性化し(3,42,43)、GLUT4の細胞膜への移動を増やし、培養された動物性脂肪細胞および筋肉細胞でのブドウ糖取り込みを増やす(44,45)ことがわかっている。コンピュータモデルによる研究で、リポ酸はインスリン受容体の細胞内チロシンキナーゼ領域と結合し、この酵素の活性型を安定化させているかもしれないことが示唆された(43)

その他のシグナル伝達経路の調整

Nrf2やインスリンシグナル伝達経路に加えて、リポ酸はその他の細胞シグナル伝達分子を標的にし、それによって代謝、ストレス反応、分裂、および生存といった様々な細胞プロセスに影響することがわかった。たとえば培養された内皮細胞では、酸化還元感受性で炎症促進性の転写因子である核内因子カッパB(NFKB)のサイトゾルから核への移動を促進する酵素であるIKK-βを、リポ酸が阻害することがわかっている(46)。リポ酸はまた、内皮一酸化窒素(NO)合成酵素(eNOS)のPKB/Akt依存性リン酸化とeNOSに触媒されたNO生成を増やすことで、年老いたラットのNO依存性血管拡張を高めることが示されている(47)。さらに、年老いたマウスの骨格筋においてAMPに活性化されたプロテインキナーゼ(AMKP)誘発性の転写因子PGC-1αの活性化を起こすことで、リポ酸はミトコンドリアでの生合成を増やした(48)。様々なモデルや異なる実験条件下でリポ酸の標的の可能性のある経路について、いくつかの文献レビューで述べられている(49~52)

欠乏症

リポ酸欠乏症は、リポ酸生合成経路における遺伝性突然変異の稀な症例として述べられてきた。リポ酸代謝に欠陥のある患者で見つかっている突然変異は、鉄-硫黄クラスターの合成に関わる遺伝子や、リポ酸合成酵素(LIAS)、リポイルトランスフェラーゼ1(LIPT1)、およびジヒドロリポアミド脱水素酵素(DLD;α-ケト酸脱水素酵素複合体のE3成分)を符号化する遺伝子に影響する(5,53,54)

疾病治療

糖尿病

慢性的に高い血中ブドウ糖濃度は、糖尿病の特徴である。1型糖尿病は膵臓のインスリン生成β細胞の自己免疫破壊によって起こり、インスリン生成が不十分になる。正常な血中ブドウ糖濃度(すなわち、空腹時血糖が100 mg/dL未満)を維持するために、インスリンを外部から補給することが必要である。対照的に、インスリンに反応しての組織でのブドウ糖取り込み障害(インスリン抵抗性と呼ばれる現象)が、2型糖尿病の発症に重要な役割をする(55)。2型糖尿病患者は最終的にインスリンが必要になるかもしれないが、インスリン感受性を強める介入が正常な血中ブドウ糖濃度を維持するために行われるかもしれない。「前糖尿病」という用語は、2型糖尿病発症リスクが高くなる初期の代謝異常を表すために時折使われる。留意したいのは、これらの患者は心血管疾患リスクも高いことだ。米国糖尿病学会によると、前糖尿病は空腹時血糖濃度が100 mg/dL~125 mg/dLの間であるということが特徴的な空腹時血糖異常の状態であること、および/または経口ブドウ糖負荷試験の後の2時間血糖濃度が140 mg/dL以上であることが特徴的な耐糖能障害の状態であることとして定義される(56)

ブドウ糖の利用

ブドウ糖の利用に対する高用量リポ酸の効果は、初めに2型糖尿病の者について調べられた。13人の2型糖尿病患者による初期の臨床試験で、1,000 mgのリポ酸の単回静脈内注入によって、インスリン刺激性ブドウ糖処理(すなわちインスリン感受性)がプラセボ注入に比べて50%向上したことがわかった(57)。72人の2型糖尿病患者によるプラセボ対照研究で、600 mg/日、1,200 mg/日、または1,800 mg/日のリポ酸の経口投与で、治療後4週間のインスリン感受性が25%向上したことがわかった(58)。これら3種類のリポ酸用量における有意な差はなく、このことから600 mg/日が最大有効用量であるかもしれないことが示唆される(55)。しかし102人の被験者による最近の無作為化プラセボ対照研究で、16週間毎日600 mgのリポ酸(さらに800 mgのビタミンE(α-トコフェロール)を追加もしくは追加無しで)補給をしても、空腹時血糖、空腹時インスリン、または恒常性モデル評価によるインスリン抵抗性指標(HOMA-IR)と呼ばれるインスリン抵抗性測定値に何の効果もなかった(59)。2018年のシステマティックレビュー(概説)やメタ解析で、代謝障害(2型糖尿病に限らない)のある1,245人の被験者におけるブドウ糖利用のマーカーに対するリポ酸補給の効果を調べた20の無作為化対照試験(2007~2017年に発表)が確認された(60)。他の栄養素と一緒もしくは単独でリポ酸投与(200~1,800 mg/日を2週間~1年)をすると、空腹時血糖およびインスリン濃度、インスリン抵抗性、および過去数ヶ月間の血糖コントロールのマーカーである血中HbA1c濃度が下がったことがわかった(60)

内皮機能

血管内皮として知られる血管の内皮は、心臓や血管の健康維持に重要な役割をする。特に、血管拡張と呼ばれる現象である動脈を含む全てのタイプの血管の弛緩を促進することで、一酸化窒素(NO)は血管の緊張と血流を調整する。NOが仲介する内皮依存性血管拡張の変化は、広汎な血管収縮や凝結異常に至り、アテローム性動脈硬化症発症の初期段階であると考えられている。慢性的な高血糖、インスリン抵抗性、酸化ストレス、および炎症促進性メカニズムの存在が、糖尿病患者の内皮機能障害に寄与する(61)

上腕の血流依存性血管拡張反応(FMD)の測定値は、内皮機能の代替マーカーとしてしばしば使用される。内皮依存性血管拡張を測定するために、2つの技法が使用されている。一つは、アセチルコリンを注入した間の静脈閉塞プレチスモグラフィーによって前腕の血流を測定する。この侵襲性技法の使用によって、リポ酸の動脈内注入で2型糖尿病の39人の被験者で内皮依存性血管拡張が向上したが、11人の健康な対照群ではそうではなかったことがわかった(62)。2型糖尿病の30人の患者による最近の無作為化二重盲検プラセボ対照研究で、内皮依存性血管拡張剤であるアセチルコリンへの反応が600 mgのリポ酸の静脈内注入によって向上したが、内皮非依存性血管拡張剤である三硝酸グリセリンに対する反応は向上しなかったことがわかった(63)。血流仲介性血管拡張を測定する超音波を使用した非侵襲性である別の技法は、Xiang et al.によって行われた2つの追加的研究で使用された(64,65)。これらの無作為化プラセボ対照研究の結果から、静脈内リポ酸注入が空腹時血糖異常(64)や耐糖能異常(65)の患者の内皮機能を向上させるかもしれないことが示された。

ブドウ糖および脂質の代謝異常が特徴的症状であるメタボリック症候群と診断された58人の患者への経口リポ酸補給の効果を評価した一つの無作為化プラセボ対照試験では、300 mg/日のリポ酸を4週間補給したところ、血流仲介性血管拡張が44%向上したことが示された(66)

糖尿病性神経障害

末梢神経障害:糖尿病患者の最大50%がとりわけ下肢の痛み、感覚の喪失、および脱力を起こすかもしれない神経障害の一種である末梢神経障害を発症する(67)。末梢神経障害は、糖尿病患者の下肢切断の主因でもある(68)。慢性的高血糖誘発性神経障害を説明するいくつかのメカニズムが提唱されており、ソルビトールの細胞内蓄積、糖化反応、および酸化ストレスやニトロソ化ストレスなどがある((69)の文献でレビュー)。いくつかの大規模無作為化対照試験の結果から、血糖を正常に近い濃度に維持することが糖尿病性神経障害や下肢切断のリスクを制限する最も重要なステップであることが示された(70~72)。しかし神経障害の予防における糖血症のコントロール強化の効能は、1型糖尿病患者の方が2型糖尿病患者よりも高い(73)。さらに、この血糖コントロール介入は低血糖発作のリスクを上げる(73)

神経障害症状の管理における静脈内または経口での投与によるリポ酸の効能が、糖尿病患者で調べられてきた。無作為化対照試験のメタ解析では、300~600 mg/日のリポ酸注入を2~4週間することで、糖尿病性神経障害の症状が臨床的に有意義な程度まで大きく軽減したことが示唆された(55,74)。経口リポ酸補給の効能について、24人の2型糖尿病患者による初期の短期間研究で、600 mgのリポ酸を1日に3回3週間補給した者は、プラセボを摂取した者に比べて末梢神経障害の症状がよくなったことがわかった(75)。より大規模な臨床試験では、500人超の2型糖尿病患者および症候性末梢神経障害患者に次の治療のうちの一つを無作為にあてがった。それらは(i)600 mg/日のリポ酸静脈注入を3週間やり、1,800 mg/日の経口リポ酸補給を6ヶ月間、(ii)600 mg/日のリポ酸静脈注入を3週間やり、経口プラセボ補給を6ヶ月間、または(iii)プラセボの静脈注入を3週間やり、経口プラセボ補給を6ヶ月間のいずれかである(76)。医師によって評価された感覚および運動面における欠陥の改善エビデンスは3週間のリポ酸静脈注入による治療で観察されたかもしれないが、6ヶ月間の経口リポ酸治療の終わりには見られなかった。しかし糖尿病性神経障害のある181人の患者による別の無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、5週間の600 mg/日、1,200 mg/日、または1,800 mg/日のいずれかの経口リポ酸補給によって、神経障害の症状が大きく改善したことがわかった(77)。この研究では、600 mg/日の用量でもそれより高い用量と同じ効果があった。最後に、遠位対称性感覚運動性多発神経障害のある421人の糖尿病患者による4年間の多機関臨床試験で、下肢および神経伝導の神経性障害を評価する総合点である主要エンドポイントにおいて、600 mg/日の経口リポ酸投与とプラセボとでは何の差も見られなかったことがわかった(78)。しかし、特定の神経性障害の測定値(二次的結果)は、リポ酸補給で改善した(78)。事後解析においては、正常な肥満指数(BMI)と血圧であるが心血管疾患、糖尿病、および神経障害が重い被験者ではとりわけ、経口リポ酸補給で神経障害的症状が軽減するかもしれないことが示唆された(79)

自律神経障害:糖尿病の別の神経性合併症は心臓自律神経障害(CAN)であり、これは25%もの糖尿病患者に発生する(55)。CANは心臓および血管の神経支配をする神経線維の損傷が特徴的であり、心拍変動(心臓鼓動の間隔時間の変動性)の低下や死亡リスク上昇に至る(80)。2型糖尿病および心拍変動低下のある72人の患者による無作為化対照試験で、4ヶ月間800 mg/日の経口リポ酸補給をしたら、プラセボに比べて心拍変動の4つの測定値のうちの2つがかなり改善した(81)

要約:全体的に、静脈注入または経口でのリポ酸による治療は糖尿病性末梢神経障害の症状を軽減するのに役立つかもしれないことが、公表されている研究では示唆されている。糖尿病性神経障害の治療にリポ酸を使用することは、現在ドイツで承認されている(4)。糖尿病性神経障害の治療におけるリポ酸の効能を調べた多くの研究は、主にドイツのある研究グループによって行われ、ドイツのリポ酸製造会社によって資金提供されていることに留意することが重要である(82)

糖尿病性網膜症

慢性的な高血糖は網膜の血管を損ない、糖尿病性網膜症と呼ばれる視覚を脅かす可能性のある状態を起こすことがある(83)。あるプラセボ対照研究で、12人の1型糖尿病の者、48人の2型糖尿病の者、および20人の糖尿病のない者という80人の参加者の視覚能力に対するリポ酸の効果が調べられた。その結果、毎日300 mgのリポ酸の3ヶ月間経口投与によって、プラセボに比べて糖尿病患者のコントラスト感度の悪化が防がれ、健康な者ではそれが向上したことが示された(84)

多発性硬化症

多発性硬化症は病因が未知の自己免疫疾患で、中枢神経系のミエリンと神経線維の進行的破壊が特徴的であり、これを患う者に神経性症状を引き起こす(85)。多発性硬化症には病気の進み方によって定義された4つの主要なタイプがある。それらは(i)臨床的に単独性の症状、(ii)再発寛解型多発性硬化症、(iii)二次性進行型多発性硬化症、および(iv)一次性進行型多発性硬化症である(詳細については米国多発性硬化症協会のウェブサイトを参照のこと)(86)。多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄膜炎(EAE)のマウスに経口(87)で、腹腔内(88)に、または皮下(89)にリポ酸を投与すると、疾患の進行を効果的に遅らせることがわかった。動物およびin vitroの研究では、自然免疫機能の中心的調整物質である環状アデノシン一リン酸(cAMP)の生成を促進するメカニズムを介してリポ酸が免疫調整特性を示し、おそらくは細胞接着分子の内皮での発現を減らしたり、マトリクスメタロプロテアーゼ(細胞外基質分解酵素、MMP)などの酵素の発現を阻害したり、および/または血液脳関門の浸透性を下げたり(87,89,93,94)して、脳や脊髄への免疫細胞の移動を阻害する(92)ことがわかった。

ヒトへのリポ酸補給について調べた研究は少ない。再発型または進行型多発性硬化症の30人の者へのリポ酸投与の安全性を評価するために考案された小規模予備研究で、2週間1,200~2,400 mg/日の経口リポ酸で治療したところ、全般的によい耐容性があったことがわかった(「安全性」の項参照)(95)。この研究では、血清リポ酸濃度が高いことと炎症マーカーであるMMP-9の最低血清濃度との関連があった(95)。別の研究では、多発性硬化症の被験者に1,200 mgの経口用量のリポ酸を投与すると、マウスで治療効果があるとわかっている血清リポ酸濃度と同様の濃度になることに役立つかもしれないことが示唆された(96)。再発寛解型多発性硬化症の52人の被験者(平均年齢30歳)による無作為化プラセボ対照研究で、リポ酸補給(1,200 mg/日を12週間)によって血中の全抗酸化能力が高まったが、特定の抗酸化酵素(スーパーオキシドジスムターゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼ)の活性は高まらなかったことがわかった(97)。リポ酸補給はまた、いくつかのマーカー(IFN-γ、ICAM-1、TGF-γ、IL-4)の血清濃度、サイトカイン、およびその他の炎症を低減させたが、すべてのマーカーがそうだったわけではない(TNF-γ、IL-6、MMP-9)(98)。さらに、リポ酸補給は総合障害度評価尺度(EDSS)スコアで評価された多発性硬化症の症状の重篤度を下げたわけではない(98,99)

進行型多発性硬化症患者の運動性喪失や脳体積変化に対するリポ酸(1,200 mg/日)の効果を評価するように考案された2年間の臨床試験が、現在進行中である(85)

認知機能障害と認知症

加齢および神経変性疾患の動物モデルによる研究で、リポ酸投与によって空間記憶、学習能力、および/または運動機能の測定値が改善するかもしれないことが示された((100)の文献でレビュー)。

経口リポ酸補給によって、ヒトの加齢に関連した認知機能低下または病理的症状を遅くできるのかどうかはわからない。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬も服用しているアルツハイマー病であろう患者および関連する認知症の患者9人による非対照オープンラベル試験で、600 mg/日の経口リポ酸補給で1年間にわたって認知機能が安定化したようだと報告された(101)。43人の患者を最長4年間追跡したその後の研究で、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬とともにリポ酸(600 mg/日)を摂取した軽度認知症または初期の中度認知症の者は、文献で報告されたようなアルツハイマー病患者の典型的な認知機能低下に比べて、認知機能低下がゆっくりだったことがわかった(102)。しかしこれらの発見の重要性を、比較のための対照群なしで評価することは難しい。ある無作為化対照試験で、1,200 mg/日の経口リポ酸補給を10週間しても、HIVに関連した認知機能障害に何の有益性もなかったことがわかった(103)。アルツハイマー病の39人の患者による別の無作為化試験の結果では、魚油濃縮物(オメガ3脂肪酸が豊富)をリポ酸有り(600 mg/日)または無しで1年間補給したら、手段的日常生活動作(IADL)スコアで評価された認知的および機能的障害の進行が、プラセボに比べて遅くなったことが示唆された(104)。興味深いことに、魚油濃縮物をリポ酸と一緒に摂取した患者は、魚油濃縮物のみまたはプラセボを摂取した者に比べて、12ヶ月にわたって全体的認知機能(ミニメンタルステート検査(MMSE)で評価)が何も悪化しなかった(104)。これらの予備的発見を確認し、神経変性疾患の予防および/または管理におけるリポ酸補給の有益性をさらに評価する大規模試験が必要である。

体重管理

無作為化プラセボ対照試験の2018年のメタ解析で、肥満指数(BMI)が高い者へのリポ酸補給によって、カロリー制限なし(1つの研究を除く)であっても体重(9つの研究)およびBMI(11の研究)が穏やかながら有意義に減ったことがわかった(105)。サブグループ(部分集団)解析によって、体重過多の者は肥満の者より、不健康な者は健康な者より体重減少が大きく、さらに毎日の用量が600 mg以上で、また介入期間が10週間より短い場合に体重減少が大きかったことがわかった。リポ酸補給をしても、腹囲の減少はなかった(5つの研究)(105)。体重過多または肥満の被験者へのリポ酸補給で体重やBMIが実質的に減ることは、以前のメタ解析でも報告されていた(106)

摂取源

内因性生合成

R-リポ酸はヒトによって内因的に合成される(「代謝と生物学的利用性」の項参照)。

食物の摂取源

R-リポ酸は、食物中でタンパク質中のリシン(リポイルリシン、図1参照)と共役結合して天然発生する。リポ酸は植物から動物まで幅広い食物源中で見られるが、リポ酸の量に関する情報または食物中のリポイルリシン含有量の情報は限られている。すなわち、公的なデータベースがない。リポイルリシン含有量の多い(約1~3μg/乾燥重量g)動物組織には腎臓、心臓、および肝臓があり、リポイルリシンの豊富な植物にはホウレンソウやブロッコリーがある(107)。それよりやや低いリポイルリシン(約0.5μg/乾燥重量g)は、トマト、豆、および芽キャベツに見られる。

サプリメント

食物中のリポ酸と異なり、サプリメント中のリポ酸はタンパク質と結合していない。さらに、栄養補助食品で摂取可能なリポ酸の量(50~600 mg)は、食事から得られるであろう量の1,000倍にもなるであろう。ドイツではリポ酸は糖尿病性神経障害の治療用に承認され、処方箋で入手可能である(108)。米国では、リポ酸は処方箋なしで栄養補助食品として市販されている。ほとんどのリポ酸サプリメントは、R-リポ酸とS-リポ酸(時としてd,l-リポ酸と注記される)のラセミ混合物を含む。R-リポ酸のみを含むとしているサプリメントは通常はより高価で、その純度についての情報は一般利用ができない(109)。食事と一緒にリポ酸を摂取するとその生物学的利用性が下がるので、リポ酸は一般的に食事の30分前に摂取するよう推奨される(「代謝と生物学的利用性」の項も参照)(8)

ラセミ混合物とR-リポ酸のみの比較

R-リポ酸は植物や動物によって合成される異性体で、タンパク質と結合した形態でミトコンドリア酵素の補助因子として機能する(「生物活性」の項参照)。経口ラセミ混合物とR-リポ酸のサプリメントの生物学的利用性の直接的比較は公表されていない。R、S-リポ酸の摂取後、R-リポ酸のピーク血漿濃度はS-リポ酸のそれより40~50%高いことがわかり、このことからR-リポ酸の方が吸収が良いことが示唆される。そうではあるものの、どちらの異性体も急速に代謝され除去される(6,8,11)。ラットでは、R-リポ酸はS-リポ酸より骨格筋でのインスリン刺激性グルコース輸送と代謝の強化により効果的(110)であり、R-リポ酸は白内障の予防にR、S-リポ酸やS-リポ酸よりも効果的であった(111)。しかし、今まで公表されたヒトによる研究の全てでは、R、S-リポ酸(ラセミ混合物)を使用している。ラセミ混合物に含まれるS-リポ酸がR-リポ酸の重合を制限し、その生物学的利用性を高めているのかもしれないと示唆されている(52)。現在のところ、サプリメントのどの形態が臨床試験での使用に一番良いのかは未知なままである。

安全性

有害作用

一般的に、高用量リポ酸投与は深刻な副作用がほとんどないことがわかっている。糖尿病性末梢神経障害の治療に600 mg/日の用量で3週間(112)静脈投与しても、1,800 mg/日という高用量で6ヶ月間(113)、または1,200 mg/日で2年間(76)経口摂取しても、深刻な有害作用は起こらなかった。糖尿病性神経障害で600 mg/日のリポ酸を4年間摂取した患者とプラセボ群との間に、有害事象や深刻な有害事象の発生の大きな差はなかった(78)。多発性硬化症の参加者を含む予備研究でも、経口で2,400 mg/日を2週間摂取しても安全であったことがわかった(95)。静脈注入によるリポ酸投与後に、2例の軽度アナフィラキシー反応と、咽頭痙攣を含む1例の重篤なアナフィラキシー反応の報告があった(55)。経口リポ酸補給で最もよく報告される副作用は皮膚に影響するアレルギー反応で、発疹、じんましん、および痒みを含む。腹痛、吐き気、嘔吐、およびめまいも報告され、ある試験では吐き気、嘔吐、およびめまいの発生は用量に依存することがわかった(77)。さらに、経口で1,200 mg/日のリポ酸を摂取した者に尿の悪臭があった(95)

妊娠と授乳

ある後ろ向き観察研究で、妊娠10~30週から37週の終わりの期間中に中断なく600 mgのリポ酸(ラセミ混合物)を毎日経口補給しても、母親やその新生児に何の有害作用もなかったことが報告された(114)。さらなるエビデンスがないため、妊娠中のリポ酸補給は厳密な医学的監督の元で考慮されるべきである。授乳中の女性へのリポ酸補給の安全性は確立されておらず、したがって思いとどまるべきである(115)

子供

生後20ヶ月の乳児(体重10.5 kg)が誤って600 mgのリポ酸錠剤を4つ飲み込んでしまった後で、中毒症になった症例が報告された(116)。その乳児は痙攣、アシドーシス(酸性血症)、および意識不明で入院した。症状管理と急速なリポ酸除去で、5日間で後遺症なく完全に回復できた。ある思春期の少女は非常に高用量のリポ酸を非偶発的に摂取したことで多臓器不全になり、その後死亡した(117)

薬物相互作用

理論的にはリポ酸補給はインスリン媒介性のブドウ糖利用を改善するかもしれない(「糖尿病」の項参照)ため、インスリンまたは経口の抗糖尿病薬を使用している糖尿病患者が低血糖になる潜在的リスクがある(118)。したがって、糖尿病の治療計画にリポ酸補給が加えられる場合は、血中ブドウ糖濃度を綿密に監視すべきである。しかし24人の健康なボランティアによる1つの研究で、単回の経口用量リポ酸(600 mg)とグリブリド(グリベンクラミドとも呼ばれる)またはアカルボース(プレコース/Prandase(プランダース)/グルコバイ)という経口抗糖尿病薬を同時に投与しても、何の重要な薬物相互作用も起きなかったことが報告された(119)

栄養素相互作用

ビオチン

ビオチンの化学構造はリポ酸と似ているため、リポ酸が高濃度だと細胞膜を通した輸送でビオチンと競合するかもしれないというエビデンスがある(120,121)。ラットに高用量リポ酸を注射して投与すると、2つのビオチン依存性酵素の活性が30~35%下がった(122)が、経口または静脈でのリポ酸補給がヒトでのビオチン必要量を実際に増やすかどうかはわかっていない(123)


Authors and Reviewers

Originally written in 2002 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in July 2003 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in April 2006 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in January 2012 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in October 2018 by:
Barbara Delage, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in January 2019 by:
Tory M. Hagen, Ph.D.
Principal Investigator, Linus Pauling Institute
Professor, Dept. of Biochemistry and Biophysics
Helen P. Rumbel Professor for Healthy Aging Research
Oregon State University

Copyright 2002-2020  Linus Pauling Institute


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