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要約
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ビタミンDは日光を浴びることによって皮膚で合成可能で、肝臓と腎臓で代謝されて1,25ジヒドロキシビタミンDと呼ばれる代謝的に活性のある形態になる。ビタミンD受容体(VDR)と結合することで、1,25ジヒドロキシビタミンDは骨格やその他の生体機能に関わる数百の遺伝子の発現を調整することができる。(詳細はこちら)
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カルシウムとリンの恒常性の調整による骨の石灰化の維持にビタミンDは不可欠である。ビタミンDは、骨格以外にも特に免疫、内分泌、および心血管系に対して多くの効果を発揮する。(詳細はこちら)
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ビタミンDは、正常な骨の発達と維持に重要である。重篤なビタミンD欠乏症は、子供のくる病や成人の骨軟化症を引き起こす。(詳細はこちら)
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ビタミンDの不足による二次性副甲状腺機能亢進症は、骨の分解を進めて骨粗しょう症を促進する可能性がある。無作為化臨床試験では、ビタミンDの高用量補給によって年配者の転倒や骨折リスクを減らせることが示されている。(詳細はこちら)
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大部分の体細胞にあるビタミンD受容体と結合することによって、ビタミンDは細胞の分化と成長を調整することができる。観察研究では、日光にあたることが少ないことやビタミンDの状態が良くないことと結腸直腸がんや乳がんの発症リスクの増加との間に関連があることが報告されている。がん予防にビタミンD補給が有益であるかを評価する無作為化臨床試験が必要である。(詳細はこちら)
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様々な観察研究で、1型糖尿病、多発性硬化症、関節リウマチ、および全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患のなりやすさや重篤度とビタミンDの状態との関連が報告されている。(詳細はこちら)
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観察研究による現在のエビデンス(科学的根拠)で、血液循環中のビタミンD濃度と2型糖尿病リスクとの逆相関が示唆されている。耐糖能障害の個人のビタミンD欠乏症を治すことで2型糖尿病への進行リスクを減らすことができるかどうかはまだわかっていない。(詳細はこちら)
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神経変性疾患を持つ被験者の認知機能低下や疾患の進行をビタミンD補給によって制限できるかどうかについて、無作為化臨床試験で現在調査中である。(詳細はこちら)
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妊婦のビタミンD不足は、母親と新生児へのいくつかの悪影響と関連している可能性がある。妊娠中のビタミンD補給の安全性と有益性は、臨床試験で評価されねばならない。(詳細はこちら)
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最近の予備調査では、ビタミンD補給がアトピー性皮膚炎(湿疹)やクローン病の治療に有望であるかもしれないことが示されている。(詳細はこちら)
ビタミンDはカルシウムの恒常性を調整し、骨の健康に不可欠な脂溶性ビタミンである(1)。食事やサプリメントでも摂取できるが、日光の紫外線B波(UVB)にさらされると、7デヒドロコレステロールからビタミンD3(コレカルシフェロール)が皮膚内で合成される(「ビタミンDと肌の健康」の題目の記事参照)。ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は、植物、キノコ類、および酵母によって光合成されるビタミンDの類似物である。ビタミンD2はしばしば、食品のビタミンD強化にも使用される(2)。UVBにあたることが不十分で皮膚のビタミンD3が不十分だと、ビタミンD需要を満たすためにビタミンDの経口摂取が必要である。
機能
ビタミンDの代謝
コレカルシフェロールとエルゴカルシフェロールは生物学的に不活性なビタミンD前駆体で、肝臓や腎臓で生物活性のある形態に変換されねばならない。実際、食事から摂取したりUVBにあたって表皮で合成されたりした後では、どちらの形態のビタミンDも血液循環にのってビタミンD結合タンパク質によって(および程度は低いがアルブミンによっても)肝臓まで輸送される。肝実質細胞(肝細胞)では、ビタミンDは25ヒドロキシビタミンD(カルシジオールまたはカルシフェジオール)にヒドロキシル化(水酸化)される。日光を浴びることや食事からビタミンDを摂取することで、25ヒドロキシビタミンDの血清濃度が上がる。25ヒドロキシビタミンDは血液循環中のビタミンDの主要な形態であり、25ヒドロキシビタミンD2と25ヒドロキシビタミンD3の血清濃度の合計は、ビタミンDの栄養状態の指標として使用される(3)。腎臓の25ヒドロキシビタミンD-1αヒドロキシラーゼ酵素(CYP27B1としても知られる酵素)は最終的に、25ヒドロキシビタミンDを1,25ジヒドロキシビタミンD(カルシトリオール)に変換する第二のヒドロキシル化の触媒作用をする。腎臓での1,25ジヒドロキシビタミンDの生成は、血清中のリン、カルシウム、副甲状腺ホルモン(PTH)、線維芽細胞増殖因子23(FGF-23)、および1,25ジヒドロキシビタミンDそのものなどのいくつかの要因によって調整されている。腎臓は1αヒドロキシラーゼ(水酸化酵素)が活動する主要な部位であるが、皮膚、副甲状腺、乳房、結腸、前立腺、および免疫細胞や骨細胞などの様々な組織でも1,25ジヒドロキシビタミンDの腎臓外での生成が行われる(2)。体内でのビタミンDのほとんどの生理的効果は1,25ジヒドロキシビタミンDの活性に関連している(4)。ビタミンDの様々な形態を図1に示す。

作用メカニズム
すべてではないがほとんどのビタミンDの作用は、ビタミンD受容体(VDR)として知られる核転写因子によって媒介される(5)。細胞の核に入ると、1,25ジヒドロキシビタミンDはVDRと結合し、レチノイドX受容体(RXR)という別の核受容体を動員する。1,25ジヒドロキシビタミンDがあると、VDR/RXR複合体はビタミンD応答配列(VDRE)というDNAの小配列と結合し、特定の遺伝子の転写を調整する一連の分子相互作用を開始する。数千のVDREがゲノム中で識別されており、1,25ジヒドロキシビタミンDによるVDRの活性化は、直接および/または間接的に100-1,250の遺伝子を調整すると考えられている(6)。
カルシウムバランス
血清カルシウム濃度を狭い範囲に維持することは、神経系の正常な機能や骨の成長および骨密度の維持に極めて重要である。体がカルシウムを効率的に利用するために、ビタミンDは不可欠である(1)。副甲状腺が血清カルシウム濃度を感知し、それが正常値より少ないと副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌する(図2参照)。PTHの上昇が腎臓での25ヒドロキシビタミンD3-1αヒドロキシラーゼ酵素の活性を刺激し、その結果1,25ジヒドロキシビタミンDの生成が増える。1,25ジヒドロキシビタミンDの濃度が高いとVDRの活性が高まり、(1)食事からのカルシウムの腸における吸収を増やし、(2)腎臓でろ過されたカルシウムの再吸収を増やし、(3)正常な血清カルシウム濃度を維持するのに必要な食事性のカルシウムが不足している場合には骨からカルシウムを移動させて、血清カルシウム濃度を正常化する遺伝子の発現を変化させる(7)。

副甲状腺がカルシウム濃度を感知し、それが低すぎると副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌する。食事からのカルシウム摂取が不適切だと、PTHは腎臓での25ヒドロキシビタミンD-1αヒドロキシラーゼ酵素の活性を刺激して、生物活性のあるビタミンD形態である1,25ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)2D;カルシトリオール)の生成を増やす。1,25ジヒドロキシビタミンDの生成が増えると、3つの異なる方法で正常な血清カルシウム濃度が回復する。(1)小腸でのビタミンD依存性の輸送システムを活性化することで食事性カルシウムの吸収を増やす。(2)骨からのカルシウムの移動を増やして血液循環に乗せる。(3)腎臓でのカルシウムの再吸収を増やす。PTHは骨からのカルシウムの移動や腎臓でのカルシウムの再吸収を増やすのにも必要である。しかしながら、PTHはカルシウムが腸で吸収される際の1,25ジヒドロキシビタミンDの作用には必要ではない。
リンのバランス
カルシウムとリンの恒常性の調整は密接に関連しており、カルシウム調整ホルモンであるPTHと1,25ジヒドロキシビタミンDは、血清リン濃度も調整可能である。特に、1,25ジヒドロキシビタミンDは小腸でのナトリウム・リン酸共輸送体の発現を刺激することで、腸でのリンの吸収を増やす。PTHは腎臓でのリンの再吸収を減らしてリンの排出を増やすが、1,25ジヒドロキシビタミンDが直接的に腎臓でのリンの輸送を調整することができるのかどうかは不明である。リン利尿ホルモンであり、骨芽細胞(骨を造る細胞)で分泌される線維芽細胞増殖因子23(FGF-23)は、25ヒドロキシビタミンD-1αヒドロキシラーゼを抑制することで、1,25ジヒドロキシビタミンDの生成を制限する((8)の文献で総括)。
細胞分化
急速に分裂している細胞は増殖していると言う。分化は、細胞が特定の機能に特化する結果である。一般的に、細胞分化は増殖を減らす。細胞増殖は成長や傷の治癒には不可欠であるが、特定の突然変異のある細胞の制御不能な増殖はがんになる可能性がある。活性のあるビタミンDの形態である1,25ジヒドロキシビタミンDは増殖を抑制し、VDRと結合することで細胞分化を刺激する(1)。
免疫
VDRを介して作用することで、1,25ジヒドロキシビタミンDは免疫系の強力な調整役となる。VDRは、樹状細胞やマクロファージといった制御性T細胞や抗原提示細胞などの免疫系のほとんどの細胞で発現する(9)。特定の状況では、単球、マクロファージ、およびT細胞は25ヒドロキシビタミンD3-1αヒドロキシラーゼ酵素を発現させて1,25ジヒドロキシビタミンDを生成し、局所的に免疫反応の調整作用をする(10,11)。1,25ジヒドロキシビタミンDが免疫系の機能に様々な効果をもたらし、これが生来の免疫を強化したり自己免疫の発生を抑制しているのかもしれないという少なからぬ科学的エビデンスがある(12)。逆に、ビタミンDの欠乏は免疫系の整合性を損なって、不適切な免疫反応を起こすことになるのかもしれない(「自己免疫疾患」の項参照)。
インスリンの分泌
VDRは膵臓のインスリン分泌細胞によって発現し、動物実験の結果では、1,25ジヒドロキシビタミンDはインスリン需要が増えた状況でのインスリンの分泌に関与することが示唆されている(13,14)。横断研究および前向き研究で、ビタミンD濃度が十分に高くないと、インスリンの分泌および2型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病)の耐糖能に悪影響を及ぼすことが示唆されている((15)の文献で総括)。
血圧の調整
レニン・アンジオテンシン系は、血圧の調整に重要な役割を果たす(16)。レニンは肝臓で造られる大きいタンパク質(アンジオテンシノーゲン)から小さいペプチド(アンジオテンシンI)が開裂(分割)される際の触媒作用をする酵素である。アンジオテンシン変換酵素(ACE)は、アンジオテンシンIが開裂してアンジオテンシンIIを生成する際の触媒作用をし、アンジオテンシンIIは小動脈の圧縮を促しナトリウムと水分をより多く保持することで血圧を上昇させることができるペプチドである。アンジオテンシンIIの合成率は、レニンに依存する(17)。VDRをコード化する遺伝子がないマウスの研究では1,25ジヒドロキシビタミンDはレニンをコード化する遺伝子の発現をVDRとの相互作用で減らすことが示されている(18)。レニン・アンジオテンシン系の不適切な活性化は高血圧に寄与する可能性があるので、適切なビタミンD濃度になることが高血圧のリスク減少に重要であるかもしれない(「高血圧」の項参照)。
欠乏症
ビタミンD欠乏症では、体のカルシウム需要を満たすのに十分なまでにカルシウムの吸収を増やすことができない(4)。したがって、副甲状腺によるPTHの生成が増えて、正常な血清カルシウム濃度を維持するのに骨格からカルシウムが移動する。これが二次性副甲状腺機能亢進症である。重篤なビタミンD欠乏症が骨の健康に深刻な結果を起こすことは長らく知られているが、それほど明白でないビタミンD欠乏症状態が一般的で、骨粗しょう症やその他の様々な健康上の問題のリスクを上昇させることが研究から示唆される(「疾病予防」の項参照)。
重篤なビタミンD欠乏症
くる病
幼児や子供では、重篤なビタミンD欠乏症は骨の石灰化不全を起こす。骨芽細胞によるリン酸カルシウム結晶の生成を起こす石灰化のプロセスは、骨の硬さや強さを決定する。ビタミンD欠乏症は、急速に成長する骨に深刻に影響する。骨の成長板は大きくなり続けるが、適切な石灰化ができないと、体重を支える四肢(腕と脚)が曲がる。幼児では、頭蓋骨の泉門(柔らかい部分)の閉鎖が遅れることになるかもしれず、また横隔膜に引っ張られて胸郭が変形する可能性がある。重篤なケースでは、血清カルシウム濃度が低い(低カルシウム血症)ことで痙攣が起きる可能性がある。ビタミンD欠乏症に関しては食品の強化で満足のいく結果になっているが、世界中では栄養不足のくる病はいまだに報告されている(19,20)。
骨軟化症
成人の骨はもはや成長はしないが、常に代謝回転、つまり「再形成」の状態にある。重篤なビタミンD欠乏症の成人では、コラーゲン性骨基質は保持されているものの骨塩の喪失が進行して骨が柔らかくなったり(骨軟化症)、骨の痛みがあったり、骨粗しょう症のリスクが増えたりする(21)。
筋力低下と筋肉痛
ビタミンD欠乏症は、子供や成人に筋力低下や筋肉痛を引き起こす。デンマークに住むアラブ人およびデンマーク人のイスラム教徒女性の研究で、筋肉痛や筋力低下はビタミンD欠乏症の顕著な症状であった(22)。持続する非特異性の筋骨格痛を診てもらうのにミネソタ州の診療所を訪れた150人の連続症例の横断研究では、93%が血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/ml以下で、平均で12.1ng/mlであり、これはビタミンD不足を呈している(23)。筋力がなくなると転倒や骨折のリスクが大幅に高くなり、年配者では特にそうである(24)。加えて、長期にわたるビタミンDの不足は、年配者の骨粗しょう症の要因であるかもしれない(「骨粗しょう症」の項参照)。
ビタミンD欠乏症のリスク要因
環境要因および文化的慣習が、ビタミンDの状態の差異となって現れる。
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環境的条件:緯度や高度などの地理的位置や大気の状態(大気汚染や雲の有無など)が地面に到達するUVBの強度に大きく影響する。季節的な変化もUVBの質や量に影響し、それによる皮膚でのビタミンD生成にも影響する(25,26)。
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肌を隠す服装:宗教的または文化的理由で頭にスカーフをしたり肌を全部隠す中東の女性2,032人の研究で、96%が血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/ml未満で、60%がビタミンD濃度が12ng/mlより低かった(27)。くる病や骨軟化症は、子供や女性が外出する際にいつでも肌の大部分または全部を覆う中東や北アフリカで珍しいことではない(28)。
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日光への安全策:日光浴を限定する、防護的な服や帽子を身に付ける、および日焼け止めを塗るなどの日光への防護対策は肌が日光に当たることを邪魔するので、適切な経口摂取がないとビタミンD3生成が減ったり、血液循環中のビタミンD代謝物が減ったりすることになる。留意したいのは、日焼け防止指数(SPF)が10の日焼け止め(2mg/cm2)を塗ると、UVBが90%減ることである(29)。
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母乳のみで育つ乳児:母乳のみで育ってビタミンDの補給を受けない乳児はビタミンD欠乏症のリスクが高く、特に肌の色が濃いおよび/または日光にほとんど当たらない場合はそうである(19)。母乳は一般に1リットル(l)に10-80 IUのビタミンDを含むが、これは一日の平均母乳摂取を0.75リットルとすると、0.2-1.5μg/日(8-60 IU/日)に相当する(30)。米国小児科学会は、母乳のみおよび一部母乳で育つ乳児は400 IU/日の経口ビタミンD補給を受けるべきであると推奨している(19)。授乳期間中の母親のビタミンD補給も母乳で育つ乳児のビタミンDの状態を改善するのに役立ち、ビタミンD欠乏症の有病率が高い集団では特にそうである(31)。ビタミンDを強化していない代用乳(大豆でできた人工乳など)や離乳食のみで育てられて成長した乳児や幼児は、ビタミンD欠乏症のリスクにさらされている(32)。
ビタミンDの合成、吸収、および代謝の効率も様々な生物学的要因に依存する。
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肌の色:肌の色が暗い人々は、日光に当たってもビタミンDの合成が肌の色が明るい人々よりも少ない(33)。米国での国家的な調査では、血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度は、20-39歳の白人、メキシコ系アメリカ人、およびアフリカ系アメリカ人女性でそれぞれ28ng/ml、20ng/ml、14ng/mlであった(34)。
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遺伝的変異:ビタミンDの生物学的利用能は個人ごとに異なり、血液循環中の25ヒドロキシビタミンDの85-90%と結合する担体タンパク質である血液中のビタミンD結合タンパク質(DBP)の濃度に依存する。血液中の血清25ヒドロキシビタミンDのうちDBPと結合していないものは、すぐに生物学的に利用可能、つまりより素早く標的である組織で活動することができると考えられている。血清中のDBP濃度は、DBPをコード化する遺伝子の配列にある遺伝的変異(多型と呼ばれる)に影響される。したがって、ある25ヒドロキシビタミンD全体の濃度に対して、生物学的に利用可能な25ヒドロキシビタミンDの濃度は、DBPの濃度に大きく依存するであろう。アフリカ系アメリカ人に多く見られる多型は、最近になって低DBP濃度と関連するとされた。このことは、ビタミンDの状態を表すのに25ヒドロキシビタミンD全体の濃度を測定することが、異なる民族集団におけるDBPの多型によって、時として不適切であるかもしれないことを示唆している(35)。
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高齢:年配者はUVBに当っても皮膚でビタミンDを合成する能力が下がっているうえに、屋内にいたり日焼け止めを使ったりしやすく、これはビタミンD合成を妨げる。カナダ、米国、およびヨーロッパでは、ビタミンD欠乏症の罹患率は自活をしている年配者で10-20%である(36)。さらに、施設に入っていてビタミンD補給をされていない成人は、ビタミンD欠乏症のリスクが極端に高い(37,38)。
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慢性腎臓疾患(CKD):腎臓の機能が損なわれた患者のビタミンD欠乏症は、1,25ジヒドロキシビタミンDの合成が減り尿中への25ヒドロキシビタミンDの排出が増えることによるものである(39)。
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脂肪吸収不全症:ビタミンD欠乏症は、嚢胞性線維症や、胆汁うっ滞性および非胆汁うっ滞性の肝臓疾患の患者によく見られる。これは、食事からのビタミンDの吸収が減ったり、ビタミンDから25ヒドロキシビタミンDへの変換が損なわれたりすることによるものである((40)の文献で総括)。
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炎症性腸疾患:クローン病のような炎症性腸疾患のある者はビタミンD欠乏症のリスクが高くなるようであり、小腸を切除した者は特にそうである(41)。
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肥満:肥満(肥満度指数BMIが30kg/m2以上)はビタミンD欠乏症のリスクを高くする(42)。ビタミンDが摂取されたり皮膚で合成されたりすると、体脂肪の中に蓄えられ、体脂肪量の多い者には生物学的に利用しにくくなってしまう。さらに、正常体重(BMIが25kg/m2未満)の参加者と同量の経口用量を服用しても、肥満の者は血清の25ヒドロキシビタミンD濃度がずっと低くなることがビタミンD補給試験で示された(43)。
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マグネシウム欠乏症:最近の発見で、マグネシウムの摂取が多いとビタミンD不足のリスクを減らせるかもしれないことが示唆されている。マグネシウムはビタミンDの代謝に重要な酵素の活性を調整するので、それによってマグネシウム欠乏症がどのようにビタミンDの状態にネガティブに影響するのかを説明できるであろう(44)。
ビタミンDの栄養状態の評価
ビタミンDの不足がくる病や骨軟化症以上の重篤な健康問題を起こすことを広く知らしめるため、ビタミンDの栄養状態を正確に評価する必要性が強調される。現在では、血清25ヒドロキシビタミンDの全体濃度(1ng/mlが2.5nmol/lに相当)の測定が、ビタミンDの状態を示す最善の指標であると合意されている。しかしながら、現在のカットオフ値(しきい値)がビタミンD不足や欠乏症の状態を定義するのに最適であることを確実にする質の高いエビデンスが必要である(36)。ビタミンDの充足濃度を示す試験室での基準値はもともと、健康な者のコホート(同年齢同世代集団)における血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度に基づいている。しかし、二次性副甲状腺機能亢進症や骨量減少を防ぐための健康に基づくカットオフ値は、それよりかなり高くなくてはいけないことが追加的な研究で示唆されている。実際、血清の25ヒドロキシビタミンD濃度が8-10ng/ml(20-25nmol/l)未満だと、くる病や骨軟化症を伴う重篤な欠乏症を示すと考えられているが、いくつかの研究でPTH濃度(45,46)やカルシウム吸収(47)は、血清の25ヒドロキシビタミンD濃度が32ng/ml(80nmol/l)未満では最適化されなかったことが観察された。
今のところ、より最近の研究でもPTHの抑制と最適なカルシウム吸収に関する血清の25ヒドロキシビタミンD濃度のしきい値を見つけることはできなかった。一方で312,962の臨床試料の最近の横断的分析では、血清中のPTHおよび25ヒドロキシビタミンD濃度の測定値のペアが逆相関を示すよく理論に合うグラフにおいて、25ヒドロキシビタミンD濃度が70ng/ml(175nmol/l)超でもPTH抑制のしきい値のエビデンスはわからなかった(48)。これは、40ng/ml(100nmol/l)以上の25ヒドロキシビタミンD濃度に対するPTHの最大抑制値を推測した米国全国健康栄養調査(NHANES2003-2006)の最近の解析と矛盾する(49)。さらに、どちらの研究も血清25ヒドロキシビタミンD濃度が優に20ng/ml(50nmol/l)を超える個人に軽度の副甲状腺機能亢進症(血清PTHが65pg/ml超)のエビデンスを見つけており、血清PTHをビタミンD欠乏症の感度の良い指標として使用することに疑問を呈している(48,49)。一方で、ビタミンD不足(血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/ml未満)の閉経後の女性に400-4,800 IUのビタミンD3を毎日補給した最近の無作為化プラセボ対照試験では、20-66ng/mlという正常な25ヒドロキシビタミンD濃度の範囲にわたって、カルシウムの吸収にわずかな変化(6%)しか見られなかった(50)。
米国医学研究所によって提唱されている現在のカットオフ値は以下のようである:血清25ヒドロキシビタミンD濃度が12ng/ml(30nmol/l)以下で欠乏症、12-19ng/ml(30-49nmol/l)で不足、20-50ng/ml(50-125nmol/l)で充足である(51)。米国医学研究所で設定した食事摂取基準(EAR, RDA)は、骨の健康と最適なカルシウム吸収を維持するのに適切である血液循環中の25ヒドロキシビタミンD濃度を達成することを意図している(52)。しかし、多くの慢性疾患による負荷がある状態での30ng/ml未満の血中濃度がもたらす潜在的役割を考慮(6)して、米国内分泌学会はカットオフ値を以下のように定義することを提案している:血清25ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/ml(50nmol/l)以下で欠乏症、21-29ng/ml(51-74nmol/l)で不足、30-100ng/ml(75-250nmol/l)で充足である(36)。この代替範囲はいくつかの観察研究で支持されているものの、無作為化対照試験によるデータに基づくものではない(43)(「疾病予防」の項参照)。これらの後者のカットオフ値を使用すると、低ビタミンD症が広く蔓延していて、子供もどの年齢の大人も等しく不足症や欠乏症のリスクがあることが世界中の研究から推定される(53)。補給による研究からのデータで、温帯にあたる緯度に住む成人が少なくとも30ng/ml(75nmol/l)の血清25ヒドロキシビタミンD濃度を達成するには、少なくとも800-1,000 IU/日のビタミンD摂取が必要であることが示された(36)。最後に、血清25ヒドロキシビタミンDの全体濃度が必ずしもビタミンDの生物学的利用能を適切に反映するものではなく(35)、異なる民族の集団におけるビタミンDの状態の決定を改善するためにさらなるエビデンスが必要である。
推奨量(RDA)
米国医学研究所の食品栄養委員会(FNB)は、骨の健康に必要なビタミンDの量に基づく推奨量(RDA)を2010年に設定した。RDAは1997年に設定された目安量(AI)よりも増やされたが、一般の人々の副甲状腺機能亢進症を最小限にして骨の健康を最大限にする最適な推奨摂取量や血清25ヒドロキシビタミンD濃度についてはいまだに議論のあるところである(36)。年齢層別および性別ごとのビタミンDのRDAを表1に示す。
表1 ビタミンDの推奨量
年齢層 |
年齢 |
男性 |
女性 |
---|
μg/日 |
IU/日 |
μg/日 |
IU/日 |
---|
乳児(AI) |
0-6ヶ月 |
10
|
400
|
10
|
400
|
乳児(AI) |
6-12ヶ月 |
10
|
400
|
10
|
400
|
幼児 |
1-3歳 |
15
|
600
|
15
|
600
|
子供 |
4-8歳 |
15
|
600
|
15
|
600
|
子供 |
9-13歳 |
15
|
600
|
15
|
600
|
青少年 |
14-18歳 |
15
|
600
|
15
|
600
|
成人 |
19-70歳 |
15
|
600
|
15
|
600
|
成人 |
71歳以上 |
20
|
800
|
20
|
800
|
妊婦 |
全年齢 |
-
|
-
|
15
|
600
|
授乳期 |
全年齢 |
-
|
-
|
15
|
600
|
疾病予防
骨粗しょう症
骨粗しょう症の原因には多くの因子があるが、年配の成人にはビタミンDの不足が重要な病因学的要素となりうる。骨粗しょう症は、60-70歳の女性の3分の1に、80歳以上の女性の3分の2に影響している(54)。骨粗しょう症を持つ2,600人超の閉経後の女性による多国間(北緯64度から南緯38度までの18ヶ国)調査で、64%の被験者の25ヒドロキシビタミンD濃度が30ng/ml(75nmol/l)よりも低かった(55)。さらに、111人の大腿骨頸部骨折患者と73人の対照群(中央値が83歳)を含む最近の症例対照研究で、血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度およびビタミンK濃度がともに低いと、大腿骨頸部骨折のリスクが高まるという関連があった(56)。日光にあたったり食事から摂取したりしてビタミンDを充分にしておかないと、腸でのカルシウムの吸収が大きく減りうる。これが副甲状腺によるPTH分泌を増やし、PTHが高いままだと骨からの再吸収を増やすことになり、結果的に骨粗しょう症による骨折のリスクを増やすことになるかもしれない(57)。
米国で18年にわたって72,000人超の閉経後の女性を追跡した前向きコホート研究で、少なくとも600 IU/日のビタミンDを食事やサプリメントから摂取していた者は、140 IU/日未満のビタミンDしか摂取しなかった女性よりも、骨粗しょう症での大腿骨頸部骨折リスクが37%低かった(58)。しかしながら、36,282人の閉経後の女性による女性の健康イニシアティブ研究では、1,000mgのカルシウムとともに400 IUのビタミンDを毎日補給しても、大腿骨頸部骨折リスクはプラセボに比べて大きく減ることがなく(59)、骨折リスクの減少が見られるのに必要なビタミンD摂取のしきい値があるかもしれないことが示唆される。それでも、アドヒアランスが悪いこと(参加者が忠実でないこと)や結果を交絡させかねない追加のビタミンDやカルシウムのサプリメント摂取が認められていたことなどから、この研究には疑問が呈されてきた。さらに、この集団における主要な交絡要因であるにもかかわらず、閉経後の女性の骨格の健康状態に対するビタミンDやカルシウムの効果の研究におけるホルモン補充療法の適用が考慮されていなかった(52,60)。カルシウムまたはビタミンDの無作為化評価研究(RECORD)という別の研究では、ビタミンD単独(800 IU/日)またはカルシウム(1,000mg/日)との組み合わせでの経口補給は、軽度の骨粗しょう症性骨折の外傷をすでにしたことのある年配の成人における骨粗しょう症性骨折の発生を予防することはできなかった(61)。後者の研究でも、アドヒアランスが悪いことおよび/またはビタミンD補給によって血清25ヒドロキシビタミンD濃度が骨折を防ぐであろうほどには上昇しなかったことなどを含むいくつかの制限が、効果がなかったことの原因であるかもしれない(62)。それでも、米国予防医学専門委員会が52,915人の年配者(そのうち69%は閉経後の女性)を含む11の無作為化プラセボ対照試験をメタ解析し、最大7年間ビタミンD(300-1,000 IU/日)およびカルシウム(500-1,200mg/日)を補給したら、新しく骨折するリスクが12%減ったことを発見した(63)。65歳以上の31,022人(91%が女性)に対するビタミンD補給の効果に関する11の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の別のメタ解析では、ビタミンD摂取が最大(792-2,000 IU/日)の者は大腿骨頸部骨折のリスクが30%、その他の脊髄以外の骨折のリスクが14%低かった(64)。また、ビタミンDとカルシウムの組み合わせが年配の男性や閉経後の女性の骨折を予防する効果を調べた試験の最新のメタ解析でも、大腿骨頚部骨折を含む新たな骨折のリスクは、補給した者のほうが対照群に比べてかなり減ったとの結論になった(65)。興味深いことに、それらの3つのメタ解析では、ビタミンDとカルシウムの補給によって骨折が予防されるのは、施設に入っている年配者に限られた。しかし、地域社会で生活をしている年配者の骨折リスクは大きく下がることはなかった(63-65)。
骨密度(BMD)が進行的に減って骨減少症(骨粗しょう症の前兆)や骨粗しょう症になるのは、年配者、特に老齢者によく見られる。4,000人超(平均年齢59歳)が参加した23の無作為化対照試験を最近メタ解析した結果、腰椎、大腿骨頸部、転子、前腕、および全身といった調査対象の5箇所の骨格部位のどこにおいても、ビタミンDの補給がBMDに及ぼす効果のエビデンスはほとんど見られなかった。BMDがかなり増加したのは、大腿骨頸部のみであった(66)。しかしながら、それはこの年齢層の個人が適切なカルシウム濃度にあり、それによって正常な骨の新陳代謝が行われているため、骨量の増加にビタミンD補給の効果がないことを示唆しているのかもしれない(67)。逆に年配の個人では、ビタミンD補給は適切な血清25ヒドロキシビタミンD濃度を達成したり維持したりして、二次的な副甲状腺機能亢進症や骨密度減少を防ぐのに不可欠である(68)。
全体的に、少なくとも800 IU/日のビタミンD3補給が年配者の骨の減少や骨折率を減らすのに役立つのではないかということが、現在のエビデンスから示唆される。ビタミンD補給が骨の健康を維持するのに有効であるためには、適切な食事からのカルシウム(1,000-1,200mg/日)の摂取をすべきである(「カルシウム」の記事を参照)(69)。
がん
生態学的研究で北緯とビタミンD欠乏症とがんの発生率の関連が最初に示唆された(70)。1980年代からのいくつかの前向きコホート研究で、ビタミンD摂取またはビタミンDの状態と様々な種類のがんとの関連が調べられてきた。137,567人を対象とした16の前向き研究の最近の系統的レビュー(総括)とメタ解析で、血液循環中の25ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/ml(50nmol/l)増加するごとにがん全体の発生率が11%減少し、がんの死亡率も17%減少することが報告された。しかし、8つの研究の性別によるサブグループ(下位群)の解析で、女性では循環中のビタミンD濃度とがんの死亡率には逆相関があったものの、男性ではそれがなかった(71)。さらに、ビタミンD受容体(VDR)をコード化する遺伝子のいくつかの変異が個人のビタミンDの状態に影響し、それによって部位ごとのがんのなりやすさに変化があるかもしれないことがエビデンスによってますます示唆されている(72)。なお、乳がん、肺がん、皮膚がん(メラノーマ)、結腸がん、および骨がんを含む多くの悪性腫瘍がVDRを発現させることがわかっており(73)、これらがビタミンDの効果によって影響されやすいかもしれないことが示唆される。多数の実験的研究で、1,25ジヒドロキシビタミンDやその類似体などの生物学的に活性のある形態のビタミンDがVDRと結合する際に、多くのがん状態の細胞の分裂抑制および/または細胞分化や細胞死(アポトーシス)の誘発によって、細胞の運命を制御することができることが実証された(74)。
結腸がんの死亡率の地理的分布は、かつてのくる病の地理的分布と似ている(75)。このことは、日光にあたることが減りビタミンDの栄養状態が低下することが結腸がんのリスク上昇に関係するのではないかという状況的な証拠を呈している。ビタミンD摂取が多いことと血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度が高いことが結腸直腸がんのリスク減少に関連があることを示唆する前向きコホート研究の強力なエビデンスがある(76-78)。興味深いことに初期の研究では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度は、前がん的であるかもしれない結腸直腸ポリープのリスク(79)および結腸上皮細胞の増殖(80)という結腸がんの2つのバイオマーカーと逆相関があった。4つの前向き研究と5つの症例対照研究のメタ解析で、血液循環中のビタミンDと結腸直腸腺腫(悪性になるかもしれない良性の腫瘍)の発生率との逆相関がさらに実証された。この解析では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度の最上分位は最下分位より27%のリスク減少があることがわかった(81)。しかしながら、女性の健康イニシアティブ研究に参加した36,282人の閉経後の女性による7年間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、ビタミンD(400 IU/日)およびカルシウム(1,000mg/日)を組み合わせた補給は、結腸直腸がんの発生率を減少させなかったことがわかった(82)。毎日400 IUのビタミンDという用量は、がんの発生率に対する効果を検出するには低すぎたのかもしれない(83)。実際、5つの観察研究に基づく用量反応の解析では、33ng/ml以上の血清25ヒドロキシビタミンD濃度だと(12ng/ml以下と比較して)結腸直腸がんリスクが50%低下するという関連があり、このしきい値に達するには一般的に毎日1,000-2,000 IUの経口ビタミンD摂取が必要である(84)。ビタミンD補給が結腸直腸がんの予防に役立つかどうかを評価するさらなる無作為化臨床試験が必要である。また、ビタミンDの状態が適切だと結腸直腸がん患者の生存率がよくなるという関連があるかもしれないと示唆するエビデンスが増えてきている。5つの前向き研究のメタ解析で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が高いがん患者は、結腸直腸がんでの死亡率が35%低いということがわかった。用量反応解析では、25ヒドロキシビタミンD濃度が8ng/ml増えるごとに、結腸直腸がんの死亡率が10%下がるという関連が推定された(85)。
乳がん
緯度が高くなって日光にあたることが減ると乳がんの死亡率が増えるという生態学的エビデンスとともに、最新の観察研究データはビタミンDの栄養状態と乳がんの関連を裏付ける(86)。第一回米国国民健康栄養調査(NHANES I)に参加した女性による初期の前向き研究では、適切な日光浴と食事からのビタミンD摂取をした白人女性は、20年後に乳がんのリスクが大きく減ったことがわかった(87)。88,000人超の女性による16年間の研究では、ビタミンD摂取が多いと閉経前の女性では乳がんリスクが大きく減ったが、閉経後の女性ではそうではなかったことが観察された(88)。より最近では、7,550人の乳がん患者と8,790人の対照群とを含む11の症例対照研究のメタ解析で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が最上五分位(33ng/ml以上)の女性は最下五分位(13.6ng/ml以下)の女性より乳がんリスクが大きく(39%)減ったことがわかった。用量反応の統合解析では、25ヒドロキシビタミンD濃度が44ng/ml(110nmol/l)の女性は、9.7ng/ml(24nmol/l)未満の女性に比べて乳がんの発症リスクが50%低かった(89)。現在の600-800 IU/日というビタミンD推奨量は血清25ヒドロキシビタミンD濃度を4-6ng/mlしか上昇させないかもしれないが、ある研究の著者たちは2,000-4,000 IUのビタミンDが44ng/mlという濃度を達成するのに必要であると推定している(89)。気をつけたいのは、米国医学研究所の食品栄養委員会が設定した成人に対する現在の許容上限摂取量(UL)は4,000 IU/日であることだ(「安全性」の項参照)。14の観察研究(9,110人の症例と16,244人の対照群)のより最近のメタ解析で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が最上分位の者を最下分位の者と比べると、乳がんリスクが全体で16%低かったことが報告された。この逆相関は閉経後の女性では統計的に有意義であったが、閉経前の女性ではそうではなかった(90)。さらに、VDRをコード化する遺伝子の特定の遺伝的変異が乳がんリスクに影響しているかもしれないということを示唆するエビデンスが増えている(91)。82人の閉経後の女性における乳がん試料のVDRの発現は、好ましい臨床予後指標や高い生存率と最近になって相関付けられた(92)。
乳がんの初期段階にある患者に対する研究の最近のメタ解析でも、不適切なビタミンDの状態と再発および死亡リスクの増加との関連がわかった(93)。無作為化対照試験のエビデンスは、ビタミンD補給が乳がんの発生を減らすかどうかを結論づけるには今のところあまりに限定的である((94)の文献で総括)。
その他のがん
ビタミンDの状態とその他のがんとを関連づけるエビデンスは、現在のところ限られている。前立腺がんの発生が日照と逆相関があるように思われるが、前向き研究では血清25ヒドロキシビタミンD濃度とそれによる前立腺がんの発症リスクとの重要な関係は一般的に示されていない(95,96)。しかし、血液循環中のビタミンD濃度が高いと前立腺がんのリスクが高まるということを示唆する研究もある。スカンジナビアの男性によるコホート内症例対照研究(622人の症例と1,451人の対照群)では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度と前立腺がんリスクとの間にU字形の関係があったことがわかった。その研究では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が7.6ng/ml以下か32ng/ml以上だと前立腺がんリスクが高かった(97)。別のコホート内症例対照研究では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が高い前立腺がん患者は、悪性になるリスクが高かった(98)。最後に、現在までに発表されたしばしば異種な内容のいくつかの研究では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度は、非ホジキンリンパ腫(96)、卵巣がん(99)、または皮膚がん(100)と関連づけられなかった。
自己免疫疾患
インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、および全身性エリテマトーデス(SLE)は自己免疫疾患の例である。自己免疫疾患は、体が外来の病原体ではなく自分自身の組織に対して免疫反応を起こして発生する。1型糖尿病では、インスリン生産をする膵臓のβ細胞が不適切な免疫反応の標的になる。MSでは、中枢神経系のミエリン生産細胞が標的であり、RAでは関節のコラーゲン生産細胞が標的である(101)。SLEは複数の組織を損傷する可能性のある広範な自己抗体があることが特徴である(102)。自己免疫反応は、T細胞と呼ばれる免疫細胞によって媒介されている。生物学的に活性のあるビタミンDの形態である1,25ジヒドロキシビタミンDは、自己免疫反応が消えるようにT細胞の反応を調整することがわかっている。自己免疫疾患(特にMS(103))の罹患率は緯度が高くなるに連れて増えることが生態学的研究からわかっており、UVBに当たらないで皮膚でのビタミンD合成が減ると、これらの疾病の病理に影響があるかもしれないことを示唆している。いくつかの前向きコホート研究の結果も、異なる年齢層(胎児、幼児、および青少年期を含む)における適切なビタミンDの状態が自己免疫疾患リスクを減少させるかもしれないことを示唆している。
1型糖尿病
新たに1型糖尿病と診断される患者は、同じ年齢層や性別の糖尿病でない被験者に比べて、血液循環中のビタミンD濃度が低いことが報告されている(104,105)。複数の膵島関連自己抗体(インスリンを分泌する膵臓の細胞に対する自己抗体)を持つ前糖尿病性の子供は、自己抗体を持たない子供に比べてビタミンDの不足や欠乏症が蔓延していることが観察されている。しかし前糖尿病性の子供のコホートを追跡した前向き研究では、不足、欠乏、または充足で定義されるビタミンDの状態は、5または10年間の追跡後に1型糖尿病に進行する率とは関連がなかったことがわかった(106)。1966年にフィンランドに生まれた子供を30年間追跡した初期の前向きコホート研究では、生後1年間ビタミンDを補給された子供は、補給を受けなかった子供に比べて1型糖尿病を発症するリスクが88%低かった。しかも、生後1年間にくる病(重篤なビタミンD欠乏症)の疑いのあった子供は、1型糖尿病の発症率が大きく高かった(107)。したがって、ビタミンD補給は1型糖尿病の発症から体を防護するように思われ、乳幼児期に最適以下のビタミンDの状態だと、その後の人生で免疫反応に長期的影響があるかもしれない。
妊娠中の母親のビタミンD不足が子供の1型糖尿病リスクに影響するかもしれないと示唆する限定的なデータもある。最近の症例対照研究で、母親の妊娠末期の三半期での血清25ヒドロキシビタミンD濃度が21.6ng/ml(54nmol/l)未満だと、濃度が35.6ng/ml(89nmol/l)超の母親から生まれた子供に比べて、子供の1型糖尿病の発症リスクが2倍超高かった(108)。その他の症例対照研究でも、妊娠中のビタミンD補給で子供の糖尿病関連の自己抗体の発生リスクが低いという関連がわかった(109,110)。しかしながら、糖尿病のリスクが遺伝的に高い子供の母親による大規模な研究では、子供の生後1年間の膵島関連自己抗体および/または糖尿病の発症と母親の妊娠中のビタミンD摂取との間に関連はなかったと報告された(111)。別の症例対照研究では、妊娠初期の血清25ヒドロキシビタミンDと子供の1型糖尿病の発症との間に関係が見られなかった(112)。妊娠中の母親のビタミンDの状態が子供の1型糖尿病リスクに影響するのかどうかを確定する大規模前向き研究が必要である。
また、ビタミンD代謝に関係する遺伝子の多型と1型糖尿病との関係が現在研究されている。たとえば、CYP27B1(25ヒドロキシビタミンD3-1αヒドロキシラーゼをコード化する酵素)やVDRの遺伝子における特定の多型がビタミンDの作用に機能的に関係していて、それにより1型糖尿病のなりやすさに影響しているのかもしれないということが提唱されている。1型糖尿病の8,517人の子供および青少年と7,320人の対照群に対する研究では、コレステロールの合成とビタミンDのヒドロキシル化に関わる遺伝子の多型が、血液循環中のビタミンD濃度と糖尿病の状態に関連していた(25)。
多発性硬化症
日光にあたることが少ないことやビタミンDの欠乏症は、多発性硬化症(MS)の発症に関連しているようである。ビタミンDの状態が悪いと、様々な免疫反応の調整に重要な特定の免疫細胞の働きを損ない、MSの自己免疫を引き起こすことに寄与してしまうかもしれない(113)。いくつかの観察研究で、ビタミンDが充分であることがMSのリスク低下に関連していることが示唆された。オーストラリアで行われた紫外線の量とMSの症例の後ろ向き研究で、子供のMSの発生は、妊娠初期の母親が紫外線に当たることと逆相関があったことがわかった(114)。1,660人のMS患者と3,050人の対照群を含む最近の症例対照研究でも、日光にあたることはビタミンD摂取の代替マーカーとして使用された。屋外での活動がたまにしかなく幼児期や青少年期に日焼け止めを使用していると、後にMSを発症するリスクが大きく増加するという関連があることを著者らは発見した(115)。横断研究では、子供の時に日光に当たってタラの肝油(ビタミンDが豊富)を摂取することが、再発性MSのある退役軍人の間で後の症状の発現に関連していた(116)。さらに、MSと診断された257人の症例を含む米国軍人の症例対照研究では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が最上五分位(39.6ng/ml超)の白人被験者は、最下五分位(25.3ng/ml未満)の者に比べてMSの発症リスクが62%低かった(117)。また、187,000人超の米国人女性の2つの大規模コホートを少なくとも10年間追跡したところ、ビタミンDのサプリメント(400 IU/日以上)を使用していると、MSの発症リスクが41%低いという関連があった(118)。
しかしながら最近の2つの臨床試験では、MS患者の再発率や身体障害に関係する症状に関して、ビタミンD補給は単独でもインターフェロンβ治療との組み合わせでも有効性が見られなかった(119,120)。今までのところ、新たに臨床分離症候群(CIS)と診断されインターフェロンβで治療を受けている患者に対して行われた多機関の研究で、ビタミンDの状態がMSの活性度や進行の予兆となることが示された。CISの診断から最初の1年間の血清25ヒドロキシビタミンD濃度が高い(20ng/mlつまり50nmol/l以上)と、その後4年間の追跡でMSと診断されるまでの時間が長くなり、新規の病変の数が減り、病変の変化も少なく脳の体積の変化も少ないことが予見された(121)。
関節リウマチ
エビデンスが主に動物研究によるものであるとはいえ、ビタミンDの欠乏は関節リウマチ(RA)の病因および/または進行にも関係があるかもしれない。ビタミンD受容体(VDR)がない遺伝子組み換えのマウスは、炎症の程度がひどく自己免疫になりやすくなるという関連がある(122)。自然に炎症性の関節炎を起こす遺伝子導入マウスにVDRが欠乏していると、より侵襲性の慢性関節炎を起こす(123)。また、VDR遺伝子が特定の多型だと、ある集団でRAになりやくなるという関連があるが、これらの遺伝子的変異がどのようにビタミンDの機能に作用するのかは充分にわかっていない(124-126)。しかしながら、RAを含む多くの慢性疾患の根本的な炎症プロセスの調整におけるビタミンDの役割が、現在のデータで示されている。中度から重度の炎症のある個人を対象にしたいくつかの横断研究では、血液循環中の25ヒドロキシビタミンD濃度と炎症マーカーとの間には、何の関係もないか逆相関があることが報告された。それでもなお、炎症の程度が重度の被験者の炎症を制限し疾病(RAを含む)のリスクを減らすことがビタミンD補給によってできるかどうかを示す介入試験が不足している(127)。
今のところ、RAの発症にビタミンD欠乏症の有病率が関連しているかどうかは不明のままである。米国での30,000人近い閉経後の女性を対象にした大規模コホート研究では、ビタミンD摂取が最多レベル(467.7 IU/日以上)の被験者は最少レベル(221.4 IU/日未満)の者に比べて、11年間の追跡調査後にRAの発症リスクが33%低かった(128)。しかし、200,000人近くの米国人女性の2つの大規模コホートを数十年間にわたって追跡したより最近の解析では、青少年期や成人期におけるビタミンDの食事からの摂取の報告(食品摂取頻度調査票を使用した)とその後のRAの発症との関連は見られなかった(129,130)。さらに、RA患者の血液循環中のビタミンDと疾患活動性との関係を探ったいくつかの研究で、関連の有無どちらの結果も報告されている((131)の文献で総括)。なお、関節炎の患者の疾患活動性に対するビタミンD補給の効果を探る研究は不足している。22人のRA患者における小規模な無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、カルシウム(1,500mg/日)と高用量ビタミンD2(エルゴカルシフェロール;平均4,500 IU/日超)を1年間補給された被験者は、プラセボと比べても疾患活動性や炎症の程度に改善が見られなかった(132)。サンプル数が少ないことも含めてこの研究にはいくつかの限界があり、追加的な研究がなされるべきである。
全身性エリテマトーデス
非白人(ヒスパニック、アフリカ系、およびアジア系)により多く見られより重症である(133)全身性エリテマトーデス(SLE)は、臨床的に様々な症状を示す自己免疫疾患である。この病気は、皮膚(皮膚発疹や光過敏性)、腎臓(腎炎)および関節(関節炎)を含むたいていの組織や臓器に影響する可能性がある。動物モデルでは、SLEの予防にビタミンDが役立つというエビデンスがある(134)。興味深いことに、11の症例対照研究の最近のメタ解析で、特定のVDRの多型が特にアジア人のSLEに関連しているとわかった(135)。しかし、そのような遺伝子変異の機能的関連性はわかっていない(136)。200,000人近い米国人女性に対する2つの大規模前向きコホート研究の解析では、青少年期や成人期におけるビタミンDの食事からの摂取(食品摂取頻度調査票を使用した)と、その後のSLEの発症との関連は見られなかった(129,130)。今のところ、ビタミンDの状態がSLEの被験者では最適以下のことが一般的で、これは日光に当たることが少ないことによって一部説明可能で、それが疾病の症状を悪化させる傾向がある(137,138)。血清中の25ヒドロキシビタミンD濃度は、378人のSLE患者のコホートで疾患活動性の測定値と逆相関があった(139)。20人のSLEの被験者に高用量ビタミンD3補給(100,000 IU/週を1ヶ月間、その後100,000 IU/月を6ヶ月間)でビタミンD不足を治してもらったら、免疫の不均衡の徴候やSLEで典型的に検出される自己抗体の濃度が下がったという関連があり、疾病の治療におけるビタミンDの効果を示唆している(140)。皮膚エリテマトーデス(皮膚病だけのループス(狼瘡)の一種)でビタミンD欠乏症でもある52人の患者に対する別の前向き研究で、ビタミンD3(初めは1,400 IU/日で、後に800 IU/日)とカルシウムを1年間補給した群は、何もしない群に比べて疾病の重症度が下がったことが報告された(141)。267人のSLE患者に対する無作為化プラセボ対照試験でも、ビタミンD3補給(200 IU/日を1年間)をしたら、炎症サイトカインの濃度を下げることができた(142)。SLE患者へのビタミンDの経口補給の安全性と有効性は、臨床試験で現在調べられている(143)。
したがって、自己免疫疾患の予防や治療にビタミンD補給が有効であると結論づけられないものの、ビタミンD不足を解消し充分な濃度を維持することが疾患のリスクを下げることに役立つ可能性があることを、ヒトでの疫学的研究のエビデンスは示している(144)。
心血管疾患
高血圧
高血圧は心血管疾患(CVD)のリスク要因としてよく知られている(145)。観察研究および臨床研究の結果は、血圧を下げるのにビタミンDが役立つことを示唆しており、これは一部には1,25ジヒドロキシビタミンDがレニンの合成を抑制するということで説明できるかもしれない(「機能」の項参照)。したがって、ビタミンD欠乏症とそれによるレニン・アンジオテンシン系のアップレギュレーション(上向き調節)が高血圧やCVDリスクに寄与するのかもしれない。PTH濃度が高いと、高血圧やCVDのリスクを上げるのではないかとも示唆されてきた(6)。3,002人の個人(開始時に59歳)による最近の前向き研究で、9年間の追跡期間に49%の参加者が患った高血圧の発症は、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/ml未満の者には多くなく、PTH濃度が高いことにわずかに関連があった(146)。それにもかかわらず、全部で48,633人が参加し5,000人近くが高血圧を発症した7つの前向き研究のメタ解析で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が上位三分位の者は、下位三分位の者より30%高血圧リスクが低かった。用量反応解析では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が10ng/ml上がるごとに、高血圧リスクが12%減るという関連が推定された(147)。4つの前向き研究と14の横断研究のメタ解析でも、血液循環中の25ヒドロキシビタミンDと高血圧の逆相関が報告された(148)。
血管内皮障害
血管内皮障害は心血管疾患(CDV)のリスク上昇に寄与し、慢性腎疾患(CKD)の患者に一般的である(149)。CKDの患者では、上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(FMD)という血管の健康を示す代理マーカーの値が低いことが、異常な血管内皮機能と関連している。軽度から中度のCKDの被験者に対する最近の研究で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度はFMDの値と正の相関があり、これはビタミンDの状態が最適より悪いことが血管内皮障害と関連があることを示唆している(150)。ある予備的な介入研究で、ビタミンDが不足または欠乏している26人の中度のCKD患者に300,000 IUのビタミンD3を2回補給(1週目と8週目)し、全体で16週間追跡した。ビタミンD補給によって25ヒドロキシビタミンD濃度がほぼ倍になり、PTH濃度は68.5%減った。改善されたビタミンDの状態が、FMDの数値の上昇と血管内皮障害のマーカーの低下を伴った(151)。
今日までビタミンDとCVDの結果との関係を調べた多くの疫学的研究は、まちまちの結果を生んできた((152)の文献で総括)。腎臓機能が損なわれた人々または一般的な集団での介入試験は、CVDの予防におけるビタミンD治療の有効性を評価するには限定的すぎる。心血管イベント(事象)に関するカルシウムおよび/またはビタミンD補給の効果のデータは11の無作為化対照研究から最近収集され、メタ解析に組み込まれた。心筋梗塞(心臓発作)や脳卒中を含む主な心血管イベントで、ビタミンDの効果は報告されなかった。サブグループの解析で、男性では心血管イベントのリスク上昇とカルシウムおよびまたはビタミンDの補給との関連が示唆されたが、女性ではそうではなかった。しかしながら、結果の解釈には注意が必要である。それというのも、それらの試験はもともとビタミンD(およびカルシウム)が骨にもたらす効果を評価するように考えられたもので、心血管的な結果はプライマリーエンドポイント(主要評価項目)ではなかったからである(153)。ニュージーランドでのViDA(ビタミンD評価)と米国でのVITAL(ビタミンDとオメガ3試験)というCVDリスクに対するビタミンD補給の効果を探る2つの大規模無作為化対照試験が現在進行中である(154)。
2型糖尿病
メタボリック症候群の人々は、2型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病)や心血管疾患(CVD)のリスクが高い。メタボリック症候群とは、脂質異常症、高血圧、インスリン抵抗性、および肥満を含むいくつかの代謝障害をいう。最近の研究で、1,801人のメタボリック症候群の患者において、2型糖尿病は血清25ヒドロキシビタミンD濃度が最適以下である(30ng/ml未満)ことと関連していることがわかった。8年間の追跡期間で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が30ng/ml(75nmol/l)超の個人は、10ng/ml(25nmol/l)未満の者に比べて全死因による死亡リスクが72%低く、CVDによる死亡のリスクも64%低いことが報告された(155)。
健康な者には、ビタミンDの充足はインスリン感受性や膵臓β細胞の適切な機能と正の相関がある。逆に、ビタミンD欠乏症はブドウ糖の恒常性に影響し、耐糖能異常やインスリン抵抗性を引き起こすかもしれない(156)。前糖尿病状態(2型糖尿病の発症リスクが高い状態)にある4,057人を含む12,719人の成人による横断研究で、前糖尿病の罹患率は血清25ヒドロキシビタミンDが低いこと(32.4ng/ml以下)と関連があった。血清25ヒドロキシビタミンD濃度が最も低い(17.7ng/ml以下)被験者は、現在喫煙中で肥満で高血圧であることが多かった(157)。リスクの高い個人のビタミンD不足は、はっきりとした糖尿病への進行を加速させるかもしれない。2,378人の中年男性および女性を8-10年間追跡した前向き研究で、前糖尿病から2型糖尿病への進行リスクは、血液循環中のビタミンD濃度が最も高い(28.4ng/ml超)四分位群では、最も低い(18.5ng/ml未満)四分位群より女性で62%、男性で60%低かった。用量反応解析では、2型糖尿病への進行リスクは、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が4ng/ml(10nmol/l)上がるごとに23%低くなった(158)。210,000人超の参加者を中央値で10年間追跡した18の前向き研究の最近の総括とメタ解析で、ビタミンD濃度(血液循環中の濃度または食事からの摂取による)が上位3分の1の者は、2型糖尿病リスクやメタボリック症候群リスクが下位の3分の1に比べて低かった(それぞれ19%と14%リスク低下)(159)。現在、ビタミンD補給は耐糖能障害やはっきりとした2型糖尿病の個人のインスリン感受性を向上させるかもしれないということが、限定的なエビデンスで示唆されている(160,161)。適切なビタミンD濃度を維持することが健康またはリスクの高い個人の代謝に関する結果が悪くなることを防ぐのかどうかを調べるように良く計画された臨床試験が必要である。
神経変性疾患
認知障害およびアルツハイマー病
アルツハイマー病(AD)は最も一般的な認知症の形態で、脳内に神経外のβアミロイド斑や神経内のTタンパク質凝集物(神経原線維変化として知られる)が存在することが特徴である。動物研究で現在調べられているメカニズムのモデルは、大脳皮質や海馬の領域でのビタミンD欠乏またはビタミンD代謝の異常および/またはビタミンDとVDRの経路の分断が、神経細胞の変性や認知機能の喪失に関わっているかもしれないことを示唆している(162)。中枢神経系のカルシウムチャネルの調整、神経細胞保護、および免疫調整におけるビタミンDの役割を裏付ける実験的エビデンスでも、低ビタミンD状態が加齢に伴う認知機能障害の前兆となったり寄与をしたりすることが暗示されている(163)。
ヒトでは、ビタミンDの食事からの摂取が少ないことや血清25ヒドロキシビタミンD濃度が低いことが、高齢者の認知機能低下や神経変性的な脳疾患と関連づけられてきた。いくつかの観察研究で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が低いことと年配者の軽度の認知障害との関連がわかっている(164-166)。65歳以上の1,604人の男性と6,257人の女性を含む2つの前向き研究の横断的および縦断的解析では、女性の血液循環中の25ヒドロキシビタミンD濃度が低い(10ng/ml未満)と、調査開始時で認知障害の確率が(30ng/mlの場合より)60%高く、4年間の追跡期間では認知機能低下のリスクが58%高くなるという報告があったが、男性ではそうではなかった。閉経後の女性における骨粗しょう症と大腿骨頚部骨折に関するフランスでの大規模コホート研究では、ファイファーの簡易携帯型知的状態質問票(SPMSQ)というテストで評価された全体的な認知能力の損傷は、5,596人の年配の女性(平均年齢80.5歳)で食事からのビタミンD摂取が低い(1,400 IU/週未満)ことと関連があった(165)。498人のサブグループの女性を7年間追跡した研究では、調査開始時に食事性ビタミンD摂取が最上五分位の者は、最下五分位の者に比べて(その他の認知症ではなく)アルツハイマー病のリスクが77%低かった(169)。観察研究の系統的総括やメタ解析は、認知能力やADとビタミンDの状態との関連について、まちまちの結果となっている(170-173)。
そうは言っても、年配の成人の70-90%にビタミンDの不足/欠乏が蔓延しており、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が低い状態を治すことが、認知プロセス、特に実行機能の向上に役立つかもしれない(174)。外来診療所での小規模非無作為化対照試験において、800 IU/日(または100,000 IU/月)のビタミンD補給をした20人の患者と24人の対照群被験者で、調査開始時と16ヶ月後に認知機能全体の評価が行われた。補給されなかった群に比べて、外来患者へのビタミンD補給によってビタミンD濃度が低い状態は改善され(調査開始時と16ヶ月後で血清25ヒドロキシビタミンD濃度の平均が16.8ng/mlから30ng/mlへ上昇)、認知テストの成績が大きく改善した(175)。鼻からのインスリン投与を受けている32人の軽度から中度のAD患者による小規模無作為化プラセボ対照試験では、高用量(最大で36,000 IU/日)のビタミンD2を8週間補給しても、低用量(1,000 IU/日)の場合に比べて大きく認知能力が改善することはなかった(176)。年配者におけるビタミンDの充足と認知能力への長期的な有益性の因果関係を調べるさらなる試験が必要である。また、認知障害の被験者のビタミンD欠乏を解消することが抗認知症治療の影響を強めることができるかどうかを評価することは非常に重要である(171)。
パーキンソン病
パーキンソン病(PD)は、患者の間でビタミンD不足が広く見られるという関連があり、体を動かすことに問題がある者については特にそうである(178)。平均年齢65歳の296人の外来患者による症例対照研究では、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が30ng/ml以下の者はPD被験者の55%にあたり、AD患者や健康な者ではそれぞれ41.2%と36.4%だった(179)。別の研究では、障害のない初期のPD患者の69%までにビタミンD不足(血清25ヒドロキシビタミンD濃度が30ng/ml未満)が見られた(180)。ビタミンDの状態とPD発症リスクの関連は、調査開始時にPDでなかった50-79歳の男女3,173人による前向き研究で評価された。その結果、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が最上四分位にある者は、最下四分位にある者に比べてPDのリスクが67%低かった(181)。ある無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、標準的なPD治療を受けている112人のPD患者(平均年齢72歳)が1,200 IU/日のビタミンDまたはプラセボ補給を12ヶ月受けた。ビタミンD補給によって、補給を受けた被験者の血清25ヒドロキシビタミンD濃度が倍になった(平均22.5ng/mlから41.7ng/mlへ)だけでなく、PDの進行も限定的になった。これは、補給を受けた群の大部分の患者で、症状の悪化(ホーン・ヤールの重症度分類やパーキンソン病統一スケールその2で評価)がプラセボ群に比べてまったくなかったことによって示される(182)。この疾患の病因にビタミンD不足が関わっているかは不明だが、ビタミンDを充足させてやることで、PDの予防および/または治療以上の健康への有益さがあるかもしれない。たとえば、ビタミンD欠乏はPDや多発性硬化症を含む神経障害のある個人の骨粗しょう症や骨折のリスクを悪化させるかもしれない(183-185)。興味深いことに、324人のPDの年配者による前向き研究で、日光に当たることはビタミンDの状態の改善、第二中手骨の骨密度の増加、および大腿骨頚部骨折の発生率の減少と関連があることがわかった(186)。
妊娠結果への悪影響
母親のビタミンDの状態と妊娠の結果に関する31の観察研究の系統的総括とメタ解析で、ビタミンD不足は妊娠中の女性の妊娠糖尿病、妊娠高血圧腎症 (子癇前症)、および細菌性膣炎と関連しているかもしれないことが示された。妊娠中に母親の血清ビタミンD濃度が低いと不当軽量児や低出生体重児のリスクが増加することとも関連しているが、帝王切開とは関連がない(187)。しかし、妊娠中にビタミンD補給をすることが上記のような妊娠結果への悪影響の発生を減らす可能性があるのかについて結論を出すには、介入試験の数が現在ではあまりにも限られすぎている(188,189)。さらに、いくつかの観察研究では妊娠中に母親のビタミンDが充分であることと子供の呼吸に関する症状やアレルギーの発生との間の関係を裏付けるやや弱いエビデンスが提供されている(190,191)。最近の無作為化対照試験で、108人の妊娠中の女性に対して第三三半期(妊娠後期。妊娠27週目から出産まで)に800 IU/日またはボーラス投与(急速大量投与)量である200,000 IUのビタミンD3を補給しても、生まれた子供が3歳の時の喘鳴、アレルギー性鼻炎、食品アレルギーという診断、下気道感染症、および湿疹のリスクがプラセボ(N=50)に比べて減らなかったことがわかった(192)。母親と子供の378ペアのコホートで、妊娠34週目に血清25ヒドロキシビタミンD濃度が高いと、子供が生後2年間に食品アレルギーが増えたという関連があり、妊娠中のビタミンD補給の安全性は慎重に評価されなければならないことが示唆される(193)。
ビタミンD不足は自己免疫と関連付けられてきた(「自己免疫疾患」の項参照)ことから、妊娠中の母親のビタミンDの状態が悪いことは、生まれる子供の自己免疫性糖尿病(インスリン依存性1型糖尿病)のリスクが高くなることに寄与しているかもしれないと提唱されてきた。今のところ、1型糖尿病のリスクが遺伝的に高い3,723人の子供を平均で4.3年間追跡した研究では、妊娠第三三半期において母親のビタミンDの摂取((食事あるいはサプリメントによる摂取。食品摂取頻度調査票で評価)は、進行したβ細胞自己免疫または臨床的な糖尿病とは関連がなかった(111)。あるコホート内症例対照研究では、343人の1型糖尿病の子供の母親と343人の対照群の母親の間で、妊娠の第一三半期における血清25ヒドロキシビタミンD濃度の平均に差はなかった。子供の血清ビタミンD濃度と糖尿病の発症年齢の間にも、何の関連も見られなかった(112)。
妊娠糖尿病
膵臓のβ細胞機能障害による異常な高血糖症は、2型糖尿病でない妊婦における妊娠糖尿病(GDM)の徴候の特徴である。この症状は、妊娠高血圧腎症、帝王切開による分娩のリスク上昇、およびメタボリック症候群や2型糖尿病の生涯を通じてのリスク上昇を含む深刻な妊娠結果への悪影響と関連している。GDMは、生まれた子供の胎児性巨大児(過剰出生体重)、新生児低血糖症、新生児呼吸窮迫症候群、および生涯を通じての肥満、耐糖能異常、2型糖尿病、および心血管疾患のリスク上昇を含むリスクの上昇に寄与しているかもしれない((194)の文献で総括)。655人の妊婦を対照にした最近の前向き研究で、妊娠の第一三半期における血清25ヒドロキシビタミンD濃度の平均は、GDMを発症した54人の女性(23ng/ml)ではその他の女性(25.4ng/ml)に比べてだいぶ低かったことがわかった。ビタミンDの状態とGDMリスク(2型糖尿病やGDMの既往症、および体重過多/肥満を含む)についての紛らわしい要因の多重調整後、妊娠初期の血清25ヒドロキシビタミンD濃度が7.5ng/ml下がるごとにGDM発症リスクが48%上がるという関連があったことがその研究ではわかった(195)。GDMの118人の女性と219人の対照群の被験者によるコホート内症例対照研究でも、妊娠第二三半期の血清25ヒドロキシビタミンD濃度が低い(24.9ng/ml未満)こととGDMの発症に意味深い関連があった(196)。433人がGDMであった2,146人の参加者による初期の観察研究(3つの横断研究、2つの症例対照研究、および2つのコホート内症例対照研究)のメタ解析でも、血清25ヒドロキシビタミンD濃度の測定法が異なることや、異なる三半期で測定されていることや、GDMの評価をするのに基準が異なることなどといった研究どうしのバイアスのエビデンスはあるものの、妊娠期の母親のビタミンD濃度はGDMの発症リスクと逆相関があるということが確認された(197)。
さらに、妊娠中のブドウ糖調整におけるビタミンDの役割のエビデンスが、GDMと診断された54人の妊婦による小規模無作為化二重盲検プラセボ対照試験で最近報告された。6週間に2回(第1日目と第21日目)50,000 IUのビタミンD3を補給したら、プラセボに比べて空腹時血糖および血清インスリン濃度がだいぶ低くなり、インスリン抵抗性が減り、インスリン感受性が改善した(198)。これは、ビタミンD欠乏が妊娠中の耐糖能に悪影響を及ぼし、GMDの発症に寄与するかもしれないことを示唆している。今のところ、耐糖能異常やGDMの予防におけるビタミンD補給の潜在的有益性は評価されていない。注記すべきは、GDMのリスクのある妊婦(妊娠前BMIが29kg/m2以上)の代謝の状態に対して、ビタミンD補給とライフスタイルの介入(健康な食事や運動)の効果を評価する多機関の無作為化対照試験がヨーロッパで進行中であることだ(199)。
急性呼吸器感染症
200超のウィルスが上気道(URT)によくある感染、つまり風邪を引き起こし、鼻づまりや鼻水、咳、喉の痛み、およびくしゃみといった症状になる(200)。第三回米国国民健康栄養調査(NHANES III)への18,883人の参加者(12歳以上)による横断的データの解析で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度と最近の(自己申告による)URT感染(URTI)との間に逆相関が報告された。血液循環中のビタミンD濃度が30ng/ml以上の場合に比べて、10-29ng/mlの個人では24%、10ng/ml未満の個人だと36%URTIのリスクが高かった(201)。サブグループの分析で、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の被験者が低い血清25ヒドロキシビタミンD濃度だと、肺疾患のない者に比べてずっとURTIにかかりやすいと関連付けられた。322人の健康な成人(18歳以上)に対して行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、月々のビタミンD3の服用-初めの2ヶ月は200,000 IUで、その後16ヶ月は100,000 IU-によって、プラセボに比べて介入群では平均の血清25ヒドロキシビタミンD濃度が大きく上昇(29ng/mlから48ng/mlに変化)したが、URTIの発生が減ることはなかった(202)。興味深いことに、これらのデータに10の追加的試験のデータを加えて統合解析したところ、ビタミンDのボーラス投与量は低容量を毎日補給することよりもURTIの予防にはだいぶ非効果的かもしれないことが示唆された(203)。メタ解析では、ビタミンD3の予防効果によって全体でURTIリスクが減少36%したと報告された。
しかしながら、結腸直腸腺腫の病歴のある2,259人の被験者(45-75歳)による最近の多機関4群臨床試験では、調査開始時に血清25ヒドロキシビタミンD濃度が最低レベルの参加者でも、毎日1,000 IUのビタミンD3補給によって冬およびその他の季節のURTIの症例の数や期間が減ることはなかった(204)。さらに、644人(60-84歳)による無作為化プラセボ対照試験のポストホック解析(事後解析)では、最大1年間1ヶ月に30,000または60,000 IUのビタミンD3を補給しても、細菌性気道感染に対する抗生物質の処方の割合は大きくは減らなかった。しかし、月に60,000 IUの用量で、70歳以上の参加者への抗生物質の使用が47%減ったことが層別解析でわかった(205)。また、妊婦にビタミンD3補給(2,000 IU/日)を出産までの3ヶ月とその後に子供への補給(800 IU/日)を生後6ヶ月まで行ったところ、介入期間後に6-18ヶ月の子供の急性呼吸器感染症の数がプラセボに比べて大幅に減った(206)。感染症の予防を(副次的評価として)調べる現在進行中の2つの大規模無作為化臨床試験-ViDA(ビタミンD評価試験)とVITAL(ビタミンDおよびオメガ3試験)-の結果が、気道感染リスクに関するビタミンDの効果のより決定的なエビデンスをもたらすかもしれない(207)。
疾病治療
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎やアトピー性湿疹は先進国で特に広がっており、10-20%の子供および1-3%の成人が罹っている。アトピー性皮膚炎は、罹患すると皮膚が乾いて痒みのあることが特徴的な慢性炎症性皮膚疾患である。局所的な皮膚の炎症や免疫機能不全は、罹患者の表皮バリアを損なって皮膚感染やアトピー性反応を起こしやすくする可能性がある。この疾患はしばしば、食品アレルギー、喘息、およびアレルギー性鼻炎などのその他のアトピー性疾患を伴う(208)。この疾病の病因は充分によくわかっていないが、ビタミンD欠乏がこの疾病の発症および/または重篤度に寄与しているかもしれない(209)。ビタミンDは、局所的な炎症反応を調整し皮膚の抗菌作用を刺激することで、この疾病の治療に有効な付加的手段になるかもしれないことが示唆される。さらに、アトピー性皮膚炎の特定のケースに見られる光療法の有効性にも、ビタミンDの作用が部分的に介在しているかもしれない(208)。アトピー性皮膚炎でビタミンD濃度が低い45人の患者(被験者の70%が血清25ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/ml未満)による小規模無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、600 IUのビタミンEと一緒もしくは単体で1,600 IUのビタミンD3を60日間毎日経口投与したら、SCORAD(アトピー性皮膚炎のスコア)によって評価された湿疹の広がりやひどさが大きく減少した(210)。別の小規模無作為化試験でも、ビタミンD3(1,600 IU/日を60日間)はアトピー性皮膚炎の53人の患者のビタミンDの状態を改善し、疾病の重篤度を下げた(211)。これらの予備的結果を支持し最も適切で効果的な投与計画を決定するための大規模試験が必要である。注記したいのは、ビタミンD類似体による乾癬の局所的治療が米国食品医薬品局(FDA)によって承認され、これはその他の皮膚病の治療でも有効であるかもしれないことだ(212)。
炎症性腸疾患
いくつかの原因不明の環境および遺伝的要素は、潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)を引き起こす腸内細菌叢に対する不適切な免疫反応が起こることに寄与すると考えられている。特定のVDR多型がUCやCDを発症しやすくなることに関連しているかもしれない(213)。一方で、72,719人の女性の大規模コホートでは、ビタミンD摂取が多く血液循環中の濃度が高いと考えられると、UCやCDの発生が減るという関連がわかった(214)。最近の2つの研究で、おそらく腸の炎症を抑えることでビタミンD3がCDの患者に有益となるかどうかを調べた。多機関による1つの二重盲検プラセボ対照研究で、1年間の治療後に寛解状態にあるCD患者の再発率は、毎日1,200 IUのビタミンD3と1,200mgのカルシウムを補給した者の方がカルシウムのみを補給した者に比べて低かった(13%対29%)が、統計的有意性はなかった(p=0.06)(215)。もう一つの予備的研究では、18人のCD患者に1,000から5,000 IUまで用量を増やしながら24週間毎日ビタミンD3を投与して、血液循環中の25ヒドロキシビタミンD濃度が40ng/ml超になるようにした。患者の半分は40ng/mlには至らなかったが、平均25ヒドロキシビタミンD濃度は(調査開始時の16ng/mlから)45ng/mlまで上がり、ビタミンDの状態が全体的に改善したことで、クローン病活動指数(CDAI)のスコアで評価されるこの疾病の重篤度が大きく下がるという関連があった(216)。炎症性腸疾患におけるビタミンDの治療的有効性を確定するさらなる研究が必要である。
心血管疾患
インターマウンテン心臓共同研究における41,504の電子医療記録の前向き解析で、患者の3分の1しか適切な血清25ヒドロキシビタミンD濃度(30ng/ml超)になっていなかったことがわかった。ビタミンD不足(血清25ヒドロキシビタミンD濃度が30ng/ml以下)は、高血圧、冠動脈疾患、心不全、および脳卒中などの多くの心血管的病状の発生や蔓延に関連する(217)。最適以下のビタミンD状態は、動脈壁硬化や血管内皮障害-これらは高血圧の発生や心血管的な有害事象の強力な決定因子である-に関連付けられてきた(217)。
高血圧
いくつかの介入試験で、高血圧に対するビタミンD補給の効果が評価されてきた。オランダに住み軽度の高血圧だが治療を受けていない18名の男女による初期の対照臨床試験で、冬に6週間毎週3回紫外線B波に当たると、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が162%上昇し、PTH濃度が15%下がり、24時間自由行動下の最高および最低血圧が平均で6mm Hg下がったことがわかった(219)。健康または心臓代謝の既往症状(高血圧を含む)のある1,879人の参加者による16の無作為化対照試験の最近のメタ解析で、ビタミンD補給(800-8,571 IU/日を5週間から1年間)をしても最高および最低血圧が大きく下がることはなかった。しかし、6つの試験のサブグループ解析で、既往症状のある個人の最低血圧が有意義に1.31mm Hg下がったことがわかった。ビタミンD不足/欠乏の場合には血圧の改善が期待できても、参加者の最適以下のビタミンD濃度は心臓代謝の症状のある者にのみ観察できるのではないことに、著者らは留意している(220)。
皮膚の色が濃い、温帯気候の緯度に住んでいる、および加齢などの皮膚でのビタミンD合成を減らす条件は高血圧の罹患率の上昇と関連があり(221)、このことはビタミンDが特定の集団の血圧を下げるかもしれないことを示唆している。上記のメタ解析で、ある4群二重盲検プラセボ対照試験が283人のアフリカ系アメリカ人に対しして行われ、彼らは無作為に分けられて日に1,000 IU、2,000 IU、または4,000 IUのビタミンD補給を3ヶ月間受けた。調査開始時に比べて最大血圧は1,000 IU/日、2,000 IU/日、および4,000 IU/日の群でそれぞれ0.66mm Hg、3.4mm Hg、および4mm Hg下がったのに対して、プラセボ群では1.7mm Hg上がった。25ヒドロキシビタミンD濃度が1ng/ml上がるごとに、最大血圧が有意義に0.2mm Hg下がるということがわかった(222)。しかし、150人の年配者(平均年齢77歳)を対象にした別の無作為化プラセボ対照試験では、3ヶ月ごとに100,000 IUのビタミンD補給を1年間しても、プラセボに比べて血圧は大きく下がらなかった(223)。ビタミンD補給が高血圧の予防や管理に役立つのかどうかを決定するさらなる研究が必要である。
うっ血性心不全
うっ血性心不全(心機能不全)は、脈拍が上がりその後に左心室肥大になることが特徴である。心不全は、心エコー検査(心臓超音波検査)で評価される左室駆出率(LVEF)の減少を伴う。心不全の患者には、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(「血圧調整」の項参照)が、第一選択治療薬として現在使用される。興味深いことに、冠動脈造影を受けた健康な患者に対する最近の横断研究で、血清25ヒドロキシビタミンD濃度が不十分(30ng/ml未満)だと、冠血流量率が悪いという関連があった(224)。心不全の者へのビタミンD補給研究の結果は、まだ予備的なものである。12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、慢性うっ血性心不全の子供に毎日1,200 IUのビタミンDを補給したら、ビタミンDの状態が大幅によくなり、心筋の働きも改善(LVEFが高くなる)し、PTHや炎症性サイトカインの濃度も低くなった(225)。心不全の64人の患者による別の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、800mg/日のカルシウムと50,000 IU/週のビタミンDを摂取した参加者は、カルシウムだけ補給した者と比べても、体力成績(有酸素能力や骨格筋強度の評価の代替指標として使用される)が大幅によいということはなかった(226)。
摂取源
日光
日光に含まれる紫外線B波(UVB;波長290-315ナノメートル)は、皮膚の表皮でのビタミンD3の生成を刺激する(227)。日光にあたることで、大部分の人のビタミンD必要量全部がまかなえる。屋外で週に2-3回短時間すごす子供や若い成人は一般的に、ビタミンD欠乏症を防ぐのに必要なすべてのビタミンDを合成することになる。ある研究で、模擬太陽光に最小紅斑量(肌が若干赤くなるのに必要な量)だけ全身を当てた後の血清ビタミンD濃度は、ビタミンDを約10,000-25,000 IU摂取した時と同じであった(228)。肌の色が濃い者は肌の色が明るい者に比べて、日光に当たってもビタミンD合成がきわだって少ない(33)。さらに、年配者は日光に当ってもビタミンDを合成する能力が下がっている上に、皮膚がんや肌の損傷を防ぐために頻繁に日焼け止めを使ったり肌を覆ったりする。SPF値が10の日焼け止めを塗ると、ビタミンD合成が90%も減る(29)。北緯および南緯40度くらい(ボストンは北緯42度)では、11月から3月初旬までビタミンD合成に必要なUVB量が不十分である。さらに10度北または南(たとえばカナダのエドモントン)では、「ビタミンD不足の冬」は10月中旬から3月中旬まで伸びる。緯度が25度(フロリダのマイアミ)では年間を通して、緯度42度(ボストン)では春、夏、および秋に、12時ころに手、腕、および顔に日光を毎日15分まで浴びると、肌の色が明るい個人にビタミンDが1,000 IU供給されるかもしれない(229)。
食品の摂取源
ビタミンDは天然にはいくつかの食品にしか入っておらず、それには油ののった魚(サバ、サケ、イワシ)、肝油、およびビタミンDを餌に混ぜて育てられた鶏の卵などがある。米国では牛乳と粉ミルクがビタミンD強化されており、1リットル弱に400 IU(10μg)入っている。しかし、チーズやヨーグルトなどのその他の乳製品は、常にビタミンD強化されているとは限らない。シリアルやパンもビタミンD強化されたものがある。米国では、ビタミンD強化のジュースも入手可能である。強化食品のビタミンD含有量の変異が大きいので、ビタミンDの食事からの平均摂取量を正確に推定するのは難しい(230)。下の表2に国際単位(IU)とマイクログラム(μg)で示したビタミンD豊富ないくつかの食品のビタミンD含有量を示す。特定の食品の栄養素含有量についての詳細は、USDAの食品成分データベースを検索のこと。
表2 食品からのビタミンD摂取源
食品 |
分量 |
ビタミンD(IU) |
ビタミンD(μg) |
---|
缶詰のカラフトマス(ピンクサーモン) |
85g |
465 |
11.6 |
缶詰のサバ |
85g |
211 |
5.3 |
缶詰のイワシ |
85g |
164 |
4.1 |
クエーカー社の女性用栄養食 即席オートミール |
1箱(45g) |
154 |
3.9 |
低脂肪ビタミンD強化牛乳 |
1カップ強 |
98 |
2.5 |
ビタミンD強化オレンジジュース |
1カップ強 |
100 |
2.5 |
強化シリアル |
1食分(通常1カップ強) |
40-50 |
1.0-1.3 |
卵黄 |
大1 |
37 |
0.9 |
サプリメント
処方箋なしで入手可能な大部分のビタミンDサプリメントは、コレカルシフェロール(ビタミンD3)を含んでいる。マルチビタミンのサプリメントは一般的に、400-1,000 IU(10-25μg)のビタミンD2またはD3を含む。ビタミンD単一成分サプリメントは400-50,000 IUのビタミンD3を含むかもしれないが、400 IUが最も一般的な用量である(54)。ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)のボーラス投与量は血清25ヒドロキシビタミンD濃度を上げるのにビタミンD3ほど常に有効ではないかもしれないが、ビタミンD2またはD3の毎日の補給は同じように有効である(231)。多くのカルシウムのサプリメントもビタミンDを含んでいることがある。
安全性
毒性
ビタミンDの毒性(ビタミンD過剰症)で、日光にあたることによって発生したものは観察されていない。これは、過剰な日光浴が7デヒドロコレステロールやコレカルシフェロールから生物学的に不活性ないくつかの光反応生成物を発生させるからである(3)。ビタミンDの毒性で異常に高い血清カルシウム濃度(高カルシウム血症)になることがあり、これは長期間治療しないでいると骨量減少、腎臓結石、および心臓や腎臓といった臓器の石灰化に至る可能性がある。高カルシウム血症は、日に50,000 IU超のビタミンDを摂取した後に見られる(232)。全体的に、10,000 IU/日未満の摂取量なら、ビタミンDによる毒性は健康な者ではとても少ないことが研究で示唆されている(233-235)。しかし、米国医学研究所の食品栄養委員会は許容上限摂取量(UL)をすべての成人に対して4,000 IU/日(100μg/日)に設定した(表3参照)。原発性副甲状腺機能亢進症、サルコイドーシス、結核、およびリンパ腫などの特定の病状は、ビタミンDに反応して高カルシウム血症のリスクを高めることがある(233)。これらの病状の者はビタミンDのいかなる増加にも反応して高カルシウム血症になるかもしれず、ビタミンD摂取の増加に関して有識の医療提供者に相談すべきである。
表3 ビタミンDの許容上限摂取量(UL)
年齢 |
μg/日 |
IU/日 |
---|
乳児 0-6ヶ月 |
25 |
1,000 |
乳児 6-12ヶ月 |
37.5 |
1,500 |
幼児 1-3歳 |
62.5 |
2,500 |
子供4-8歳 |
75 |
3,000 |
子供9-13歳 |
100 |
4,000 |
青少年 14-18歳 |
100 |
4,000 |
成人 19歳以上 |
100 |
4,000 |
薬物相互作用
以下の薬物はビタミンDの代謝を上げて血清25ヒドロキシビタミンD濃度を減らすかもしれない:フェニトイン(ジランチン)、フォスフェニトイン(セレビクス)、フェノバルビタール(ルミナール)、カルバマゼピン(テグレトール)、およびリファンピン(リマクタン)(6)。以下の薬物はビタミンDの腸での吸収を減らす可能性があるので、ビタミンDと同時に摂取すべきでない:コレスチラミン(クエストラン)、コレスチポール(コレスチド)、オルリスタット(ゼニカル)、および鉱物油(236,237)。経口抗真菌薬のケトコナゾールは25ヒドロキシビタミンD3-1αヒドロキシラーゼ酵素を抑制し、健康な男性の血清25ヒドロキシビタミンD濃度を減らすことがわかっている(238)。米国内分泌学会は、糖質コルチコイドやHIVの治療薬を服用している患者のビタミンD状態を監視することを勧めている。これらの薬物は25ヒドロキシビタミンDの異化を増進させるからである(36)。細胞増殖抑制剤の中には、化学療法中のがん患者の25ヒドロキシビタミンDおよび1,25ジヒドロキシビタミンDの分解を増進するものがある(6)。ビタミンDを有害なレベルまで服用して高カルシウム血症になると、ジキタリス(ジゴキシン)を服用している患者の心不整脈を促進するかもしれない(239,240)。
ライナス・ポーリング研究所の推奨
ライナス・ポーリング研究所は、一般的に健康な成人が毎日2,000 IU(50μg)のビタミンD補給をすることを推奨する。大部分のマルチビタミン剤は400 IUのビタミンDを含んでおり、ビタミンD単一成分のサプリメントも追加的に利用できる。日光浴、食事、肌の色、および肥満度指数(BMI)が、体のビタミンD濃度に変動的かつ実質的に影響する。個人差を調整し適切なビタミンDの状態を確保するために、ライナス・ポーリング研究所は血清25ヒドロキシビタミンD濃度として少なくとも30ng/ml(80nmol/l)を目標にすることを推奨する。血清25ヒドロキシビタミンビタミンD濃度が30ng/ml-60ng/mlだと、がんや自己免疫疾患などの健康への悪影響のリスクが低いという関連が観察研究で示唆されている。
米国内分泌学会の推奨と同様に、乳児は400-1,000 IU(10-25μg)のビタミンDを毎日摂取すべきで、子どもや青少年では600-1,000 IU(15-25μg)である(36)。母乳、粉ミルク、および子供や青少年の食事の平均的ビタミンD含有量であれば、これらの推奨値を達成するのにビタミンD補給が必要かもしれない。米国小児科学会は現在、すべての乳児、子供、および青少年は毎日400 IUのビタミンD補給をすべきであるとしている(19)。
年配者(50歳超)
年配者には毎日2,000 IU(50μg)のビタミンD補給が特に重要で、これは日光に当たっても皮膚でビタミンDを合成する能力が加齢によって下がるという関連があるからである。
Authors and Reviewers
Originally written by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University
Updated in March 2003 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University
Updated in March 2004 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University
Updated in January 2008 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University
Updated in July 2014 by:
Barbara Delage, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University
Reviewed in November 2014 by:
Adrian F. Gombart
Principal Investigator, Linus Pauling Institute
Associate Professor, Department of Biochemistry and Biophysics
Oregon State University
The 2014 update of this article was underwritten, in part, by a grant from Bayer Consumer Care AG, Basel, Switzerland.
Copyright 2000-2021 Linus Pauling Institute
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