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ビタミンEは4種(α、β、γ、δ)のトコフェロールと4種のトコトリエノールの合計8種の抗酸化物質で構成されている。人体において積極的に保持されるのはビタミンEの中でもα-トコフェロールのみであるため、血液や組織に最も多く存在するビタミンEはα-トコフェロールである(1)。ビタミンEの中で栄養学的に最も重要な同族体はα-トコフェロールであることから、以下の解説ではα-トコフェロールが話題の中心となる。最新の摂取推奨量(栄養所要量)においても、ビタミンEの1日当たりの推奨摂取量(RDA)はα-トコフェロールの量で表される。

機能

α-トコフェロール

α-トコフェロールはヒトにおいて抗酸化物質として主に機能する。フリーラジカルは正常な代謝の過程で、さらには喫煙や汚染物質のような環境因子にさらされる過程で主に生成する。細胞膜を構成する脂質はフリーラジカルによって酸化されやすい。脂溶性ビタミンであるα-トコフェロールはフリーラジカルの捕捉に適しており、脂質過酸化の連鎖反応を阻止する。生体における細胞膜の機能維持に加えて、α-トコフェロールは低密度リポタンパク質(LDL)中の脂質を酸化から保護する。リポタンパク質は脂質とタンパク質から構成される粒子で、血流を介して脂質を輸送する。LDLは肝臓から体の各組織へコレステロールを特異的に輸送する。酸化LDLは心疾患の進行に関与することがわかっている(疾病予防を参照)。α-トコフェロールがフリーラジカルを中和するとその抗酸化能が失われるが、ビタミンCのような抗酸化物質はα-トコフェロールの抗酸化活性を再生することができる(2, 3)

α-トコフェロールのその他の機能としては、抗酸化以外の働きがあることが示されている。例えば、α-トコフェロールは重要な細胞情報伝達分子であるプロテインキナーゼCの活性を阻害することが知られている。α-トコフェロールは免疫細胞や炎症細胞において分子や酵素の発現・活性にも影響を与えているようである。さらに、α-トコフェロールは血小板凝集を阻害し血管拡張を促進することも示されている(4,5)

食品に含まれるα-トコフェロールの異性体はRRR-α-トコフェロール(天然型またはd-α-トコフェロールとも言われる)である。合成したα-トコフェロールはall-rac-α-トコフェロールまたはdl-α-トコフェロールと表記され、生理活性の強さはRRR-α-トコフェロールの半分しかない(サプリメントを参照)。多くの場合、ビタミンE強化食品には合成したα-トコフェロールが含まれており、その量は一日の摂取量である30 IUの百分率で示される。本文では、α-トコフェロールの量を国際単位(IU)とmgで表記する。

γ-トコフェロール

γ-トコフェロールのヒトでの機能は現在不明である。アメリカ人の食事にはビタミンE異性体の中でγ-トコフェロールが最も多く含まれているが(食料源を参照)、一般的にγ-トコフェロールの血中濃度はα-トコフェロールの10分の1である。この現象には2つの機構が関与すると考えられている。1) α-トコフェロールは肝臓のα-トコフェロール輸送タンパク質(α-TTP)によって生体内に保持される。α-TTPは血中のリポタンパク質にα-トコフェロールを選択的に取り込んで(1)、最終的に各組織へα-トコフェロールを運搬する(6)。α-TTPとビタミンEの充足性についての情報がさらに必要な場合はライナスポーリング研究所のニュースレターを参照すること。2) α-トコフェロール以外のビタミンE同族体は速やかに代謝される(6)。γ-トコフェロールはα-トコフェロールと同様の機構で吸収されるため、微量のγ-トコフェロールが血中や組織から検出される。トコフェロール類の代謝物は尿から検出できる。α-トコフェロールよりもγ-トコフェロールの代謝物が尿に多く排出されることから、生体における必要量はγ-トコフェロールの方が少ないと示唆される(7)。γ-トコフェロールとその代謝物にはフリーラジカルの消去能があると試験管内での実験や動物試験で示されているが(8,9)、ヒトにおける有効性はまだ証明されていない。前向き研究では、血漿のγ-トコフェロール濃度の増加に伴った有意な前立腺癌のリスク低下が認められた。この研究では、血漿α-トコフェロール濃度と足の爪に蓄積したセレニウム濃度が高く、且つγ-トコフェロール濃度が高い場合には前立腺癌の予防につながることが明らかになった(10)。α-トコフェロールの摂取が血中γ-トコフェロール濃度を低下させるという事実に加えて、上記の知見はγ-トコフェロールの健康に対する効果に更なる研究が必要であることを示している(11)。血漿γ-トコフェロール濃度が比較的高いと、野菜や植物油の摂取が多いことを示している可能性があることも重要である。

欠乏症

ビタミンE欠乏は重篤な低栄養状態、α-トコフェロール輸送タンパク質の遺伝子異常、脂肪吸収不全症の患者に認められている。例えば、嚢胞性線維症や胆汁鬱滞性肝疾患の子供(食事由来の脂質の吸収不良のため脂溶性ビタミンの吸収も阻害される)は、ビタミンE欠乏の症状を示すだろう。深刻なビタミンE欠乏は平衡感覚や協調運動の障害(運動失調)、感覚神経の損傷(末梢神経障害)、筋力低下(筋疾患)、網膜の損傷(網膜色素変性)などの神経症状を呈する。このため、末梢神経障害、運動失調、網膜色素変性の患者にはビタミンE欠乏の検査をすべきである(2)。発達中の神経系はビタミンE欠乏により特に影響を受けやすい。例えば、生まれつき重篤なビタミンE欠乏症の子供はビタミンE投与が行われていない場合には神経症状が急速に進行する。一方、成人期にビタミンEの吸収不全に罹った患者は、10~20年間は神経症状を示さないだろう。ビタミンEの摂取量が少ない健常人がビタミンE欠乏症を呈するという症例は過去に無いことを強調しておく(2,12)

ビタミンE欠乏症は実際には稀であるが、アメリカではビタミンE摂取がほとんど無い状態が日常的に生じている。1988~1994年の国民健康栄養調査III(NHANES III)で、18歳以上の16,295人の成人におけるα-トコフェロールの一日の摂取量と血中濃度を調査した。白人の27%、アフリカ系アメリカ人の41%、メキシコ系アメリカ人の28%、その他の人種の32%が20μM以下の血中α-トコフェロール濃度であることがわかった。心疾患のリスクが20μMの濃度以下の場合に上昇するという報告を基に、この濃度をカットオフ値として選んでいる(13)。より最近の2003~2006年のNHANESのデータによると、2歳以上のアメリカ人における食品(強化食品も含む)から摂取するα-トコフェロールの平均値は一日6.9 mgである(14)。この摂取量は一日の推奨量である15 mgをはるかに下回っている(RDAを参照)。実際にこの摂取量であれば、90%以上のアメリカ人が一日のビタミンE推奨量を満たしていないことになる(14)

推奨摂取量(RDA)

以前、ビタミンEの推奨摂取量(RDA)は女性で一日8 mg、男性で10 mgであった。医学研究所の食品栄養委員会によって2000年に推奨摂取量が改定された(4)。この推奨量は、1950年代に行われたビタミンE欠乏食を摂取した男性の研究成果を基にしている。血液を試験管に取り、過酸化水素を加え、赤血球の崩壊(溶血反応)をビタミンE欠乏の指標とした。重篤なビタミンE欠乏の子供に溶血反応が認められているため、この分析はビタミンEの状態に関する臨床的に意義のある試験と考えられてきている。このことは、最新のビタミンE推奨摂取量においても、これまで通り、欠乏症の発症予防に基づいており、健康の増進や慢性疾患の予防ではないことを強調しておきたい。

表1 α-トコフェロールの推奨摂取量(RDA)
ライフステージ 年齢 男性 女性
mg /日 (IU /日) mg /日 (IU /日)
幼児(目安量) 0-6カ月
4
6
4
6
幼児(目安量) 7-12カ月
5
7.5
5
7.5
小児 1-3歳
6
9
6
9
小児 4-8歳
7
10.5
7.5
10.5 
小児 9-13歳
11
16.5
11
16.5 
青年 14-18歳
15
22.5
15
22.5 
成人 19歳以上
15
22.5
15
22.5
妊婦 全年齢層
-
-
15
22.5
授乳婦 全年齢層
-
-
19
28.5

疾病予防

心疾患

少なくとも5つの大規模観察研究の成果によって、ビタミンE摂取の増加に伴って心筋梗塞(心臓発作)や心臓病による死亡のリスクが男女ともに低下することが示されている。これらの試験は、健常者のビタミンE摂取量を調べ、心臓病と診断された人数もしくはそれが原因で死亡した人数を長年にわたって追跡調査した前向き研究である。それらのうちの2つの研究で、一日3~5 mg以下のα-トコフェロールを摂取していたヒトと比べて一日7 mg以上のα-トコフェロールを食事から摂取したヒトが心臓病で死亡する率はその35%であることがわかった(15,16)。その他の2つの研究で、毎日100 IU以上のRRR-α-トコフェロール(67 mgに相当)を摂取している男女は心臓病のリスクが有意に低減することが報告された(17,18)。近年、アテローム性頸動脈硬化症とその重症度(超音波検査による検出)が血漿や赤血球のα-トコフェロール濃度と逆相関することが見出されている(19-22)。Women’s Health Studyに参加した女性39,876名の無作為化プラセボ対照介入試験では、10年間にわたって一日おきに600 IUのRRR-α-トコフェロール(400 mgに相当)を摂取しても心疾患(心筋梗塞と脳卒中)の発症率に影響しないが、ビタミンEは心疾患による死亡率を24%低減することがわかった(23)。本研究はビタミンEが静脈血栓塞栓症のリスクを21%低下させることも示している(24)。しかし、健康な中年男性に実施した大規模無作為化臨床試験(試験名称:PHS II)では8年間一日おきに400 IUの合成α-トコフェロールを摂取しても心疾患のリスクに影響ないことがわかった(25)。心疾患の予防に関するビタミンE摂取の有益性については近年の総説で議論されている(26)。心臓病や腎臓病患者の介入試験では、ビタミンE摂取が心臓発作や死亡の予防に効果がないことを示している(疾病の治療を参照)。

白内障

白内障は眼球の水晶体でタンパク質が酸化されることで生じ、その酸化はα-トコフェロールのような抗酸化物質によって抑制される可能性がある。ビタミンE摂取量と白内障の発症率・重症度との関連性を検証した観察研究が行われている。研究成果は相反しており、ビタミンE摂取が白内障の進行を防ぐという報告もあれば、関連性がないという報告もある(27)。500 mgのビタミンC、400 IUの合成ビタミンE(dl-α-トコフェロール酢酸エステル:180 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)15 mgのβ-カロテンを含む抗酸化物質を7年にわたって毎日サプリメントとして摂取しても加齢に伴う白内障の進行に効果がないことが4,629人の男女に対するプラセボ対照介入試験で明らかになった(28)。5年間の介入試験でも同様に、抗酸化物質の摂取(500 mgのビタミンC、400IU [268 mg]のRRR-α-トコフェロール、15 mgのβ-カロテン)は白内障の進行に影響しなかった(29)。4年間の無作為化プラセボ対照試験では、一日あたり500 IUの天然型のビタミンE(335 mgのRRR-α-トコフェロール)を摂取しても高齢者の白内障の発症や進行を低減化しないことが報告された(30)。50 mgの合成α-トコフェロール(25 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)サプリメントを毎日摂っても男性喫煙者の白内障手術の実施率に影響しないことが介入試験により見出された(31)。いくつかの観察研究ではビタミンEによる白内障の進行抑制効果を示唆する結果が得られているものの、臨床試験の結果からは予防効果が認められていない。

免疫機能

α-トコフェロールが加齢に伴って衰える特定の免疫応答を高めることが知られている。例えば、一日200 mgの合成α-トコフェロール(100 mgのRRR-α-トコフェロールまたは150 IUのRRR-α-トコフェロールに相当)を数か月間摂取した高齢者は、B型肝炎{がた かんえん}ワクチンと破傷風ワクチンに応答して抗体産生が増大することがわかった(32)。しかし、α-トコフェロールによる高齢者の免疫機能の賦活はインフルエンザ(インフルエンザウィルス)のような感染症にも抵抗性を示すかどうかはわからない(33)。老人ホームに入居している高齢者に対する無作為化プラセボ対照試験で、200 IUの合成α-トコフェロール(90mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を一年にわたって毎日摂取すると風邪のような上気道感染症の罹患率が有意に低下するが、下気道(肺)の感染症には効果がないと報告された(34)。ビタミンE摂取が高齢者において風邪などの感染症の予防につながるかについてはさらなる研究が必要である。

多くの癌はフリーラジカルによるDNAの酸化損傷に起因すると考えられている。癌予防の研究の多くはα-トコフェロールによるフリーラジカルの消去能に焦点を当てている。しかし、α-トコフェロール摂取と肺癌・乳癌の発症率に有意な相関が認められないことがいくつかの大規模前向き研究で明らかになった(4)。77,126人の男女を対象としたコホート研究で、10年間にわたるビタミンEサプリメントの使用は常習喫煙者の肺癌リスクを増大させることが示された(35)。これまでに、ビタミンE摂取が癌のリスクに影響しないことがほとんどの臨床試験で明らかになっている。Women’s Health Studyに参加した女性39,876名の無作為化プラセボ対照試験(RCT)によって、10年間にわたって一日おきに600 IUのRRR-α-トコフェロール(400 mgに相当)を摂取しても癌の発症率と癌による死亡率に影響しないことがわかった(23)。ビタミンE摂取は乳癌、肺癌、大腸癌のような特定組織における癌の発症率にも効果がなかった。さらに、最近の12のRCTをまとめたメタ分析でもビタミンE摂取は癌の発症率、癌による死亡率、総死亡率に影響がないと結論されたことが近年報告された(36)

RCTにおけるα-トコフェロールの前立腺癌に対する効果が注目を集めている。α-トコフェロールの肺癌に与える影響を調べたプラセボ対照介入試験(試験名称:ATBC)で、毎日50 mgの合成α-トコフェロール(25 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を喫煙者が摂取すると前立腺癌の発症率が34%低下することがわかった(37)。この試験と他の3つのRCTを統合したメタ分析によって、ビタミンEサプリメントが前立腺癌のリスクを15%低減させるという結果が得られた(35)。しかし、その後に行われた2つの大規模無作為化プラセボ対照介入試験では、ビタミンEを摂取している健康な男性において前立腺癌に対する有益性も有害性もないことがわかった。Physicians’ Healthy Study II(PHS II)では、8年間一日おきに400 IUの合成ビタミンE(180 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を摂取した50歳以上の14,641人の健康な男性に対して追跡調査をした(38)。これらの男性においてビタミンE摂取は前立腺癌と全ての部位の癌に対して効果がなかった。50歳以上の35,533人の健康な男性に対して前立腺癌の予防効果がないことが実証されたため、α-トコフェロールとセレニウムの同時摂取とそれぞれの単独摂取による大規模無作為化プラセボ対照介入試験(試験名称:SELECT)は近年中止となった(39,40)。この試験の5.5年後の追跡調査では、ビタミンE(一日400 IUのall-rac-α-トコフェロール)を単独摂取した被験者は統計学的に有意ではないが前立腺癌のリスクが上昇した(41)。試験中止後の解析(7年の追跡調査の中央値)によって、ビタミンE摂取群はプラセボ群と比較して前立腺癌のリスクが17%高いことが示された(42)

病気の治療法

心疾患

観察研究によって、α-トコフェロール摂取は心疾患の治療に対して有益であることが示唆されている。例えば、冠動脈バイパス手術を受けた前歴のある男性を対象とした小規模観察研究で、一日100 IU(67 mgに相当)以下のα-トコフェロール摂取群に比べて、それ以上のα-トコフェロールを摂取した群では冠動脈アテローム性動脈硬化の進行が抑えられることが血管造影法でによる判定で判明した(43)。イギリスの無作為化プラセボ対照介入試験(CHAOS試験)では、平均18か月間400 IUまたは800 IUの合成α-トコフェロール(それぞれ180 mgと360 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を摂取した心臓病患者において致命的ではない心臓発作の発生が77%に低減した。しかし、α-トコフェロール摂取による心臓病の死亡率の有意な低下は認められなかった(44)。慢性腎臓透析(人工透析)患者は健常者よりも心臓病で死亡するリスクが極めて高く、酸化ストレスに曝されていることも実証されている。平均1.4年間800 IUの天然型α-トコフェロール(536 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を摂取した人工透析患者はプラセボ群と比較して有意に心臓病のリスクが低下した(45)。一方、その他の3つの介入試験ではα-トコフェロールによるリスク低下は認められなかった。主として癌の予防効果を調べるために実施されたATBC試験では、毎日50 mgの合成α-トコフェロール(25 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)の摂取は過去に心臓発作を経験した患者において致命的でない心臓発作を11%低下させたが、この低下に統計的有意差はなかった(46)。同様に、心臓病患者(過去に心臓発作、脳卒中、血管障害を経験)を対象としたその他の2つの大規模試験では、400 IUの天然型α-トコフェロール(268 mgの RRR-α-トコフェロールに相当)を毎日摂取した場合(試験名称:HOPE)または300 mgの合成α-トコフェロール(150 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を毎日摂取した場合(試験名称:GISSI)のいずれも心臓発作や脳卒中のリスクに有意差はなかった(47,48)。血管障害または糖尿病患者による試験では、平均7年間毎日400 IUの天然型α-トコフェロールを摂取しても心血管系疾患(心筋梗塞や脳卒中)と死亡率に影響がないことが示された。注目すべきは、この試験はビタミンEを摂取する被験者において心不全のリスクをわずかに上昇させることである(49)。したがって、心臓病の治療のためにビタミンEを用いた臨床試験の大部分は有益な効果が得られていない。

臨床試験の計画を特徴づける目的で、心血管系疾患に対して高いリスクを有する患者を対象としてα-トコフェロールの用量反応試験を行った(50)。高コレステロール血症と血漿F2-イソプラスタン濃度が高値(酸化ストレスが誘導されていることを示す)の35人の男女(平均42歳)に、プラセボもしくは100、200、400、800、1,600、3,200 IUの天然型α-トコフェロール(RRR-α-トコフェロール)を16週間毎日投与した。1,600 IU以上の摂取によって有意に血漿F2-イソプラスタン濃度が低減した。被験者の酸化ストレスを軽減した一日1,600 IUの摂取はビタミンEの許容上限量(一日1,500 IU)を上回っていることに注意しなければならない(安全性を参照)。

糖尿病

糖尿病では酸化ストレスが増加しており、心血管系の合併症(心臓発作と脳卒中)が糖尿病の主な死因であるため、糖尿病患者のα‐トコフェロール摂取が提案されている。酸化ストレスのバイオマーカー(F-イソプロスタンの尿中排泄量)が上昇している糖尿病患者に600 mgの合成α-トコフェロール(300mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を14日間投与すると、そのバイオマーカーレベルが減少することが報告された(50)。α-トコフェロールの血中グルコース制御に及ぼす影響の研究結果は相反している。ある研究では、ビタミンEを補給すると2型糖尿病(51)と非糖尿病(52,53)患者においてインスリンの働きと糖代謝を改善することを示しているが、他の研究では2型糖尿病の糖代謝において軽度の改善または全く改善を示さないことが報告されている(54,55)。1型糖尿病(インスリン依存性)で酸化ストレスの増加も報告されている(51)。1型糖尿病患者が一日100 IUの合成型α-トコフェロール(45 mgのRRR-α-トコフェロールに相当)を一ヶ月補給することで糖化ヘモグロビンとトリグリセリドの値が大幅に改善したことが報告されている(56)。また、この研究ではα-トコフェロール摂取によって血糖値の有意な改善は認められなかったとも述べられている(57)。α-トコフェロール摂取は1型糖尿病と2型糖尿病の治療に役立つかもしれないが、十分に管理された臨床試験による証拠が不足しているのが現状である。

認知症(認知機能の障害)

脳は、アルツハイマー病のような神経変性疾患の病態に影響を与える酸化ストレスに特に脆弱である(56)。アルツハイマー患者の脳脊髄液のビタミンEレベルは低いという研究報告がある(58)。大規模プラセボ対照介入試験で、2年間毎日2,000 IUの合成α-トコフェロール(900 mg/日のRRR-α-トコフェロールに相当)を中程度の神経障害患者に投与することでアルツハイマー病による認知症の進行が有意に遅れることを発見した(59)。一方で、軽度認知症患者における3年間のプラセボ対照試験では、同様のビタミンEの投与量ではアルツハイマー病の進行に影響ないことが報告されている(60)。アルツハイマー病後の血管性認知症(脳卒中の結果として生じる認知症)はアメリカにおいて、最も一般的な認知症のタイプである。ある症例対照研究では血管性認知症の危害因子を調査し、日系アメリカ人の高齢者男性において、ビタミンEとビタミンCの摂取は血管性認知症とその他の認知症のリスクを有意に減少させたが、アルツハイマー病とは関連がないことを発見した(61)。認知症でない高齢者男性では、ビタミンEの摂取が認識力テストの高スコアと相関が認められた。これらの知見は有望ではあるが、アルツハイマー病とその他の認知症に対するα-トコフェロール補給の役割を特定するために、さらなる研究が必要である。

癌細胞は急速に増殖し、アポトーシス(プログラムされた細胞死)に耐性を示す。培養細胞を用いた研究で、エステル型のビタミンEであるα-トコフェロールコハク酸エステルは様々な癌細胞に対して増殖阻害とアポトーシス誘導を示す(62,63)α-トコフェロールではなく、エステル型のα-トコフェロールコハク酸エステルが、効率的なガン細胞の増殖阻害と細胞死の誘導に必要とされる(64)。α-トコフェロールコハク酸エステルのガン細胞に及ぼす影響のメカニズムはまだ明らかでないが、エステル型は抗酸化活性を持たないという事実は抗酸化とは異なるメカニズムが寄与していることを示唆している(65)。癌の動物モデルに限ったデータで、α-トコフェロールコハク酸エステルの注射による投与で腫瘍の成長を阻害できることが示されている(66-69)が、α-トコフェロールコハク酸エステルがヒトの癌治療の有用な補助となるかどうかを決めるためには、さらに多くの研究が必要だろう。経口摂取したα-トコフェロールコハク酸エステルは腸管内でα-トコフェロールへと変換されるため、注射による投与が確実に手助けとなるだろう(70)。今のところ、ヒトにおいて経口摂取したα-トコフェロールコハク酸エステルが組織へ運ばれている証拠はない。

供給源

食料源

アメリカの食事では植物油(オリーブ油、ひまわり油、紅花油)、ナッツ類、全粒粉及び緑葉野菜に含まれているα-トコフェロールが主な供給源である。全部で8種類のビタミンE(α、β、γ、δ-トコフェロール及びトコトリエノール)は食品中で天然に存在するが、含量は異なる。食品の栄養分含量の詳細情報は、USDA食品データベースを検索すること。

表2 Some Food Sources of Vitamin E
食品 供給量 α-トコフェロール (mg) γ-トコフェロール (mg)
オリーブオイル 大さじ1杯 1.9 0.1
大豆油 大さじ1杯 1.1 8.7
コーン油 大さじ1杯 1.9 8.2
植物油 大さじ1杯 2.4 3.8
紅花油 大さじ1杯 4.6 0.1
ひまわり油 大さじ1杯 5.6 0.7
アーモンド 1オンス 7.4 0.2
ヘーゼルナッツ 1オンス 4.3 0
ピーナッツ 1オンス 2.4 2.4
ホウレン草 1/2カップ、生 0.3 0
にんじん

1/2カップ、生切ってあるもの

0.4 0
アボカド(カリフォルニア産) 1個 2.7 0.4

サプリメント

α-トコフェロール

アメリカでは、2歳以上の人で食品(濃縮や栄養強化したものを含む)からのα-トコフェロールの平均摂取量は一日6.9 mgである(14)。これはRRR-α-トコフェロールの推奨摂取量である15 mg/日を遥かに下回っている(4)

多くの科学者は、脂肪摂取を増やさずに、食品のみから一日に15 mg以上のα-トコフェロールを推奨量以上摂取するのは難しいと考えている。食品に含まれるすべてのα-トコフェロールはRRR-α-トコフェロール異性体の構造をとっている。ただ、サプリメントが全てそうとは限らない。ビタミンEのサプリメントは一般的に100 IUから1000 IUのα-トコフェロールを含んでいる。天然物から作られるサプリメントはRRR-α-トコフェロール(d-α-トコフェロールとも表記される)のみを含んでいる。RRR-α-トコフェロールは生体内で好んで利用される異性体であり、α-トコフェロールの中で最も生物が利用しやすい構造である。栄養強化食品と栄養補助食品でよく見られる合成α-トコフェロールは、大抵all-rac-α-トコフェロールまたはdl-α-トコフェロールと表記され、それはα-トコフェロールの異性体、全8種の混合物であることを意味している。all-rac-α-トコフェロールに存在するα-トコフェロールの異性体の半分は体では利用できないため、合成型α-トコフェロールは生物学的利用が劣っており、半分の効力しかない。サプリメント中に存在する生物学的に利用可能なα-トコフェロールのmg数を算出するには、次式を使用する。

  • RRR-α-トコフェロール(天然型またはd-α-トコフェロール):
    IU × 0.67 = mg RRR-α-トコフェロール
    例 100 IU = 67mg
    (天然型ビタミンE 100 IUからRRR-α-トコフェロール67 mgが摂れる)
  • all-rac-α-トコフェロール(合成型またはdl-α-トコフェロール):
    IU × 0.45 = mg RRR-α-トコフェロール
    例 100 IU = 45mg
    (合成ビタミンE 100 IUからRRR-α-トコフェロール45 mgが摂れる)
α-トコフェロールコハク酸エステルとα-トコフェロール酢酸エステル(エステル型α-トコフェロール)

α-トコフェロールのサプリメントで利用可能なエステル型はα-トコフェロールコハク酸エステルとα-トコフェロール酢酸エステルである。トコフェロールエステルは保管している間、非エステル型トコフェロールよりも酸化抵抗性がある。経口摂取した時、腸内ではコハク酸または酢酸部分がトコフェロールから外れる。α-トコフェロールコハク酸エステルとα-トコフェロール酢酸エステルから生じるα-トコフェロールの生物学的利用率は遊離型のα-トコフェロールと同等である。エステル型のα-トコフェロールの国際単位(IU)は分子量から算出されるため、α-トコフェロールコハク酸エステルとα-トコフェロール酢酸エステルから生じて、体内に吸収利用されるα-トコフェロール量を換算するための係数はα-トコフェロールの係数と同じである(式を参照)(4)。α-トコフェロールではなく、エステル型のα-トコフェロールコハク酸が培養癌細胞を増殖阻害と細胞死へ効果的に誘導するのに必要とされる(病気の治療:癌を参照)。しかし、現在、ヒトが経口摂取したα-トコフェロールコハク酸エステルがα-トコフェロールコハク酸エステルとして組織に運ばれる証拠はない。

α-トコフェロールリン酸(Ester-E)

α-トコフェロールを含むサプリメントよりも、α-トコフェロールリン酸を含んでいるサプリメントの方がよりヒトにおいて効率よく吸収され、生物学的利用率が優れているという証拠はまだ発表されてない。

γ-トコフェロール

γ-トコフェロールのサプリメントやトコフェロール異性体を混合したサプリメントが市販されている(71)。トコフェロール異性体を混合したサプリメントにおけるα-トコフェロールとγ-トコフェロールの含量はそれぞれ異なるため、サプリメントのラベルを読み、トコフェロールの個々の含量を判断することが大切である。

安全性

毒性

一日2000 mg以下のα-トコフェロール(RRR-またはall-rac-α-トコフェロール)サプリメントを摂っている成人について、ごく僅かな副作用が知られている。しかし、α-トコフェロール摂取による毒性や副作用の研究のほとんどはほんの数週から数ヶ月間にわたるもので、長期的なα-トコフェロール摂取の結果として生じる副作用は十分に研究されていない。最も気になる可能性は血液凝固能の低下で、それにより人によっては出血の可能性が増加する。医学研究所の食品栄養委員会は出血の予防を根拠に、α-トコフェロールサプリメントの許容上限量(UL)を設定した(下記の表を参照)。委員会は、一日1000 mgのα-トコフェロール(1500 IU/日のRRR-α-トコフェロールまたは1100 IU/日のall-rac-α-トコフェロールに相当)は、ほぼすべての成人で出血が起こらない上限量だと考えた(4)。α-トコフェロールのある種の異性体のみが血中を循環するが、全ての異性体は吸収され、肝臓で代謝される。そのため、どのような型のα-トコフェロール(天然型でも合成品)でも吸収され、潜在的に有毒になり得る可能性があるという理論的解釈が、全てのα-トコフェロール異性体に関する許容上限摂取量(UL)策定の根拠になっている。

一部の内科医は出血のリスクを低下させるために待機手術の1ヶ月前に、高用量のビタミンE摂取の中止を勧めている。未熟児はα-トコフェロールの副作用に対して特に弱いと考えられるので、小児科医の管理の下で使用すべきである(71)。一日400 IUのビタミンE補給によって、ビタミンE欠乏症と関わりのない網膜色素変性症が進行することがわかっている(72)

表3 α-トコフェロールの許容上限量(UL)
年齢層 mg/日 IU/日 d-α-トコフェロール
幼児 0~12ヶ月 確立されていない✽
小児 1~3歳 200 300
小児 4~8歳 300 450
小児 9~13歳 600 900
青年 14~18歳 800 1,200
成人 19歳以上 1,000 1,500
✽摂取源は食品または粉ミルクだけ
ビタミンE摂取と死亡率

心臓病、末期腎不全、アルツハイマーを含む様々な病気とビタミンE摂取に関する19の臨床試験の結果をまとめたメタ解析では、成人で一日400 IU又はそれ以上のビタミンEサプリメントを摂取した人はサプリメントを摂らなかった人に比べ、死亡する可能性が6%高いことが報告されている(73)。しかしながら、ビタミンE摂取と他のビタミン・ミネラル摂取の組み合わせによって、更にリスクを分析した結果、統計学的に有意に死のリスクが増加したのは成人のULよりも高い一日2000 IUを摂取した時だけであることが分かった。その上、心血管疾患の予防や治療に対するビタミンE補給の有効性を評価するための無作為化比較試験の結果を統合した他の3例のメタ分析では、一日800 IU以下のビタミンE補給によって心血管疾患の死亡率または全死亡率が有意に増加または減少した証拠は見つかってない(74-76)。その上、最近の57の無作為化比較試験によってビタミンEの摂取量が5500 IU/日以下であれば、総死亡率に影響がないことがわかった(77)。さらに、68の無作為試験のメタ解析で、ビタミンEを単独、または他の抗酸化サプリメントと併用しても死亡のリスクに有意な変化がないことが明らかになった(78)。現時点では一日800 IU以下のビタミンE摂取であれば、心血管疾患などによって死亡する危険性が増加するという確かな証拠はない。

薬物との相互作用

抗凝血剤であるワーファリン(クマジン)、抗血小板薬であるクロピドグレル(プラビックス)やジピリダモール(ペルサチン)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であるアスピリンやイブロフェンなどを摂取している人は、ビタミンEサプリメントを使用すると出血のリスクが増加する可能性がある。また、抗凝血療法(抗凝血剤)を受けている人またはビタミンK欠乏の人は出血のリスクが増加するため、医師の指導なしにはα-トコフェロールサプリメントを摂取してはいけない(4)。コレスチラミン、コレスチポール、イソニアジド、ミネラルオイル、オルリスタット、スクラルファートや合成脂肪であるオレストラなどの薬物はビタミンEの吸収を低下させる可能性がある。フェノバビタール、フェニトイン、またはカルバマゼピンのような抗痙攣薬もビタミンEの血漿濃度を減少させる(4,71)

抗酸化物質とHMG-CoAレダクターゼ阻害(スタチン)

160名の冠動脈心疾患(CHD)と低HDL値患者による3年間の無作為化比較試験によって、シンバスタチン(ゾコール)とナイアシンの組み合わせでHDL2が増加し、冠動脈狭搾症(狭小化)の進行を抑制し、心筋梗塞や脳卒中のような心血管系疾患の頻度が減少することが分かった(79)。驚いたことに、抗酸化物質(毎日1000 mgのビタミンC、800 IUのα-トコフェロール、100 mgのセレンと25 mgのβ-カロテンを摂取)と、シンバスチン-ナイアシンの組み合わせを服用した際に予防効果が減少した。しかし、20,000人以上の冠動脈狭窄症または糖尿病の男女において、シンバスチンと抗酸化物質(毎日600 mgのビタミンE、250 mgのビタミンCと20 mgのβ-カロテンを摂取)を組み合わせた大規模無作為化比較試験において、抗酸化物質の組み合わせはシンバスタチン治療の心臓保護作用に対して5年間悪影響を及ぼすことはなかった(80)。これらの相反する知見は、抗酸化物質とHMG-CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン)のようなコレステロール降下薬間の相互作用の可能性についてさらなる研究が必要であることを示す。

ライナスポーリング研究所の推奨

成人男女におけるビタミンEの推奨摂取量(RDA)は1日15 mg(22.5 IU)である。特に、アメリカにおいて年齢2歳以上の人の90%以上が、食事だけでは一日の必要量のビタミンEを満たしていないが、高用量のビタミンE摂取が慢性疾患のリスクを減少させる決定的な証拠はない。したがって、LPIは一般的に健康な成人(19歳以上)にはマルチビタミン/ミネラルのサプリメント(30 IUの合成型ビタミンEもしくはRDAの90%のビタミンEを含む)を推奨する。 高用量のビタミンE摂取が慢性疾患のリスクを低下させるという確かな証拠はなく、また、一部の人達にはむしろ悪影響を与えるという研究報告も存在している。

高齢者(50歳以上)

ライナスポーリング研究所では、ビタミンEを含むマルチビタミン/ミネラル(MVM)サプリメントを毎日摂取することを高齢者にも推奨する。MVMは30 IUの合成型ビタミンEまたはRDAの90%を含む典型的なものとする。


Authors and Reviewers

Originally written in 2000 by: 
Jane Higdon, Ph.D. 
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in November 2004 by: 
Jane Higdon, Ph.D. 
Linus Pauling Institute 
Oregon State University

Updated in June 2008 by: 
Victoria J. Drake, Ph.D. 
Linus Pauling Institute 
Oregon State University

Reviewed in June 2008 by: 
Maret G. Traber, Ph.D. 
Professor of Nutrition and Exercise Sciences 
Principal Investigator, Linus Pauling Institute 
Oregon State University

Last updated 11/17/11  Copyright 2000-2024  Linus Pauling Institute


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