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α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン

要約

  • カロテノイド類(以下、カロテノイド)は植物によって合成される黄色、オレンジ、および赤の色素である。北米の食事で最も一般的なカロテノイドは、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、およびリコピンである。
  • α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチンはビタミンA前駆体カロテノイドで、体内でレチノール(ビタミンA)に変換されうる。ルテイン、ゼアキサンチン、およびリコピンはビタミンA活性がない。(詳細はこちら)
  • 現在では、ヒトでのカロテノイドの生物学的効果が、その抗酸化作用またはその他の非抗酸化作用に関連しているのかどうか不明である。(詳細はこちら)
  • カロテノイドの豊富な果物や野菜が多い食事が心血管疾患やある種のがんのリスクの減少と関連しているという疫学的研究の結果があるが、大規模な無作為化対照試験では、心血管疾患やがんのリスクがβ-カロテンの高用量サプリメントによって減ることはなかった (詳細はこちら)
  • 2例の無作為化対照試験で、高用量β-カロテンサプリメントの摂取が多いと、喫煙者およびアスベスト作業経験者の肺がんリスクが増加したことがわかった。(詳細はこちら)
  • トマトやトマト製品からのリコピンの摂取が多かった男性は摂取の少ない男性よりも前立腺がんを発症しにくいという疫学的研究がいくつかあるが、リコピンのサプリメントが前立腺がんの発症や重症度を軽減するのかは不明である。(詳細はこちら)
  • 目の網膜と水晶体にあるカロテノイドは、ルテインとゼアキサンチンだけである。ルテインとゼアキサンチンの豊富な食事が加齢性黄斑変性や白内障の進行を遅らせる可能性があるという疫学的研究があるが、ルテインとゼアキサンチンのサプリメントがこれらの加齢性疾患の進行を遅らせるのかどうかは不明である。(詳細はこちら)
  • カロテノイドは食事に含まれる脂肪といっしょに摂取すると、一番良く吸収される。カロテノイドを含む野菜を刻んだりピューレにしたり油といっしょに加熱したりすると、それらが含むカロテノイドの生物活性が一般的に高まる。(詳細はこちら)

序説

カロテノイドは植物、藻類、および光合成バクテリアによって合成される600種以上の自然界に存在する色素類である。これらの色彩豊かな分子が多くの植物の黄色、オレンジ、そして赤い色の元となっている(1)。ヒトの食事では、カロテノイドの大部分が果物と野菜によるものである。α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、リコピン、およびゼアキサンチンが食事に含まれる最も一般的なカロテノイドである。α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチンはビタミンA前駆体で、体内でレチノールに変換されうる(図1参照)。ルテイン、 リコピン、およびゼアキサンチンはレチノールに変換されないので、ビタミンA活性がない(図2参照)。カロテノイドは、カロテン類(α-カロテン、β-カロテン、およびリコピン)と、キサントフィル類(β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチン)という2つの種類に大きく分けられる。

Carotenoids Figure 1. Vitamin A (Retinol) and Provitamin A Carotenoids

Carotenoids Figure 2. Carotenoids With No Vitamin A Activity

代謝と生物学的利用度

食事からのカロテノイドが小腸で吸収されるには、それらが食品マトリックス(食品組織を構成する細胞間質など)から遊離して混合ミセル(胆汁酸塩と数種類の脂質の混合物)に組み込まれなければならない(2)。したがって、カロテノイドの吸収には食事に脂肪が含まれていることが必要である。食事にわずか3~5gでも脂肪があれば、カロテノイドの吸収を確実にするのに十分である(3,4)。植物食品のマトリックスから遊離される必要がないので、サプリメント中の(油分に含まれた)カロテノイドは、食品のカロテノイドよりも効率的に吸収される(4)。小腸を作りあげている細胞(腸細胞)の中で、カロテノイドは中性脂肪の豊富なカイロミクロンと呼ばれるリポ蛋白質に組み込まれ、血液中に放出される(2)。中性脂肪はリポ蛋白質リパーゼと呼ばれる酵素によって血液中のカイロミクロンから取り除かれ、カイロミクロンレムナントが生成される。カイロミクロンレムナントは肝臓に取り込まれ、そこでカロテノイドはリポ蛋白質に取り込まれて血液中に戻される。腸や肝臓では、ビタミンA前駆体であるカロテノイドは開裂して、ビタミンAの一種であるレチノールを生成するかも知れない。ビタミンA前駆体カロテノイドからビタミンAへの変換は、個人のビタミンAの栄養状態によって影響を受ける(5)。ヒトでの調節機構は未だにはっきりしないが、ビタミンAが豊富に体内に貯蔵されていると、ビタミンA前駆体カロテノイドの開裂が抑制されるようである。

生物活性

ビタミンA活性

ビタミンAは正常な成長や発達、免疫機能、および視覚に欠かせない。現在では、ヒトで認知されているカロテノイドの唯一不可欠の機能は、ビタミンAの供給源となるビタミンA前駆体カロテノイド(α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチン)としての機能である(6)。食品に含まれるβ-カロテンのビタミンAとしての活性はレチノール(既成ビタミンA)の12分の1であり、α-カロテンやβ-クリプトキサンチンのそれはいずれもレチノールの24分の1である(6)

抗酸化活性

植物では、光合成で発生するオキシダント(酸化剤)である一重項酸素を抑える(不活性化する)という重要な抗酸化機能をカロテノイドが担っている(7)。試験管内での研究結果からは、リコピンが最も一重項酸素の抑制作用が高いカロテノイドの一つであることが示されている(8)。植物では重要なことではあるが、一重項酸素の抑制とヒトの健康との関連性は、植物ほど明らかではない。試験管での研究では、カロテノイドがある条件下で脂肪の酸化(脂質過酸化反応)も抑制することが示されているが、ヒトにおけるそれらの作用はもっと複雑なようだ(9)。現在では、ヒトでのカロテノイドの生物学的効果がその抗酸化活性の結果なのかその他の非抗酸化メカニズムによるものなのかはっきりしていない。

光のフィルタリング

すべてのカロテノイドに共通な二重結合と単結合が交互につながった長い構造によって、カロテノイドは可視光を吸収することができる(7)。この特徴は眼にとって特に関係があり、眼ではルテインとゼアキサンチンが青の光を効率よく吸収する。眼の視覚構造に重要な箇所に到達する青い光を減らすことは、光によって引き起こされる酸化ダメージから眼を守っている可能性がある(10)

細胞間情報伝達

カロテノイドはコネキシンという蛋白質の合成を助長して、近接する培養細胞間の情報伝達を促進している(11)。コネキシンは細胞膜の間の細孔(ギャップ結合)を形成し、小分子の交換による細胞間の情報伝達を可能にする。この種の細胞間情報伝達は細胞が分化状態を保つのに重要であり、がんの細胞では失われていることも多い。カロテノイドはコネキシン蛋白質の情報をコード化する遺伝子の発現を促進して、細胞間情報伝達を促す。これは様々なカロテノイドが有しているビタミンA活性や抗酸化活性とは無関係な作用のようである(12)

免疫系の活性

ビタミンAは免疫系の機能の正常な作用に不可欠であるので、ビタミンA前駆体カロテノイドの効能がカロテノイドのビタミンA活性に関連するのか、それともその他の活性に関連するのかを見極めることは困難である。β-カロテンの補給によって免疫の機能を示すいくつかのバイオマーカーの値が向上したという臨床試験もある(13-15)が、ビタミンA活性のないカロテノイドであるリコピンやルテインの摂取を増加させても、ヒトの免疫機能に関するバイオマーカーの値が同様に向上することはなかった(16-18)

欠乏症

ビタミンA前駆体カロテノイド(α-カロテン、β-カロテン、およびβ-クリプトキサンチン)を摂取すれば、ビタミンA欠乏症を防ぐことができる。しかし、適切な量のビタミンAを摂取すれば、カロテノイドの量が少ない食事をしても明白な欠乏症は見られない(6)。2000年に、それまでに発表された科学的研究を再調査した結果、カロテノイド摂取の推奨量(RDA)や目安量(AI)を設定するには現在のエビデンスでは不十分と米国医学研究所の食品栄養委員会は判断した。そこで委員会はビタミンAについての推奨量を設定した。米国国立がん研究所、米国がん協会、および米国心臓協会による多様な果物や野菜の摂取の推奨は、カロテノイドの摂取増加を部分的に意図している。

疾病予防

肺がん

食事からのカロテノイド

β-カロテンは食品やヒトの血液で初めて測定されたカロテノイドである。初期の観察研究の結果から肺がんリスクとβ-カロテン摂取との間に逆相関があることが示唆され、それはβ-カロテンの血中濃度の測定で評価されることが多かった(19,20)。より最近になって食品中のその他のカロテノイドのデータベースが開発されてくると、カロテノイド全体および個々のカロテノイドの食事からの摂取がより正確に推定できるようになった。初期の後ろ向き研究と対照的に、最近の前向きコホート研究では、β-カロテンの摂取と肺がんリスクとの間の一貫した逆相関は見られてはいない。食事からのカロテノイドの摂取と肺がんリスクに関して12万人以上の男女を少なくとも10年間追跡した米国での2つの大規模前向きコホート研究の分析では、食事からのβ-カロテンの摂取と肺がんリスクとの間に有意な相関(関係)は見つからなかった(21)。しかしながら、全カロテノイド、α-カロテン、およびリコピンの摂取が最も多かった男女は、摂取が最少であった男女よりも有意に肺がんリスクが低かった。27,000人以上の男性喫煙者を14年間調べたフィンランドでの研究では、β-カロテンを除いて全カロテノイド、リコピン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンの食事からの摂取が肺がんリスクを有意に減らしていた(22)。一方で、58,000人以上のオランダ人男性を対象にした6年間の研究では、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンの食事からの摂取だけが肺がんリスクと逆相関があった(23)。北米およびヨーロッパにおける6つの前向きコホート研究を統合した結果でも、食事からのβ-カロテン摂取と肺がんリスクとの関連は見られなかったが、β-クリプトキサンチン摂取が最も多い者は摂取が最少である者に比べて24%肺がんリスクが低かった(24)。肺がんには喫煙が最も大きなリスク要因であるが、食事からのカロテノイド摂取を正確に推定する最近の前向き研究の結果は、β-カロテンだけでなく多種のカロテノイドの豊富な食事が肺がんリスクの低減と関連している可能性を示している。しかしながら、最近の前向きコホート研究のシステマティック・レビューでは、肺がんの発症に対する食事からのカロテノイドの予防的効果は小さく、統計的に有意ではないと結論づけられている(25)

β-カロテンのサプリメント

肺がんの発症に対するβ-カロテンの補給の効果は、3つの大規模な無作為化プラセボ対照試験で調べられている。フィンランドでは、α-トコフェロール・β-カロテンがん予防試験(ATBC)で29,000人以上の男性喫煙者に20mg/日のβ-カロテンおよび/または50mg/日のα-トコフェロールを与えた効果を調べた(26)。米国ではβ-カロテンおよびレチノール有効性試験(CARET)で、30mg/日のβ-カロテンと25,000IU/日のレチノール(ビタミンA)の組み合わせを、喫煙者、以前に喫煙していた者、または職業的にアスベストに接していた18,000人以上の男女に与えた効果を調べた(27)。意外なことに、β-カロテンのサプリメントを摂っていたグループの肺がんリスクが、ATBCの参加者で6年後に16%増加し、CARETの参加者でも4年後に28%増加した。米国で22,000人以上の男性医師を対象にした医師健康調査では、がんリスクに対するβ-カロテン補給(50mgを1日おき)の効果を調べたが、喫煙者はそのうちのわずか11%であった(28)。そのようにリスクが低い集団では、12年以上のβ-カロテン補給は肺がんリスクの上昇とは無関連であった。肺がんリスクの増加の理由は明らかでないが、いくつかのメカニズムが提唱されている(29)。多くの専門家は、特に喫煙者やその他のハイリスク集団においては、高用量β-カロテン補給の危険性の方ががん予防効果を凌ぐのではないかと考えている(30,31)。β-カロテンは、単体でサプリメントとして売られているだけでなく、 目の健康を促すとして売られているサプリメントにも含まれている(32)

前立腺がん

食事からのリコピン

いくつかの前向きコホート研究の結果から、リコピンが豊富な食事は、前立腺がん、中でも特に悪性の前立腺がんのリスク低減と関連があることが示唆された(33)。47,000人以上の医療関係者を8年間追跡した前向き研究で、リコピンの摂取が最大の者は最少の者に比べて21%前立腺がんのリスクが低かった(34)。(リコピン摂取全体の82%を占める)トマトやトマト製品の摂取が最大の者は、最少の者に比べて前立腺がんのリスクが35%低く、悪性の前立腺がんのリスクも53%低かった。同様に、セブンスデー・アドベンチスト協会の男性を対象にした前向き研究では、トマトの摂取が最大の者は前立腺がんのリスクが有意に低いことがわかった(35)。また、米国の医師を対象にした前向き研究でも、血漿中のリコピン濃度が最も高い者は、悪性の前立腺がんの発症リスクが有意に低かった(36)。しかしながら、58,000人以上のオランダ人男性を対象にした前向き研究では、食事からのリコピンの摂取は前立腺がんのリスクと関連がなかった(37)。11例の症例対照研究と10例の前向き研究の結果をまとめてメタ解析したところ、食事からのリコピンまたはトマトの摂取が最大の男性は、前立腺がんリスクが11~19%と控えめながら低かった(38)。より最近では、29,361人の男性を4.2年間追跡した前向きコホート研究で、食事からのリコピンの摂取と前立腺がんのリスクには関連が見られなかった(39)。加えて、最近の大規模前向き研究では、血漿中のリコピン濃度または血漿中の全カロテノイド濃度と、前立腺がん全体のリスクとの関連は見られなかった(40)。リコピンが前立腺がんの予防に役立つ可能性への科学的関心は相当あるものの、いくつかの疫学的研究で見られた前立腺がんリスクの低減がリコピン自体に関連するものなのか、トマトに含まれるその他の化合物によるものなのか、リコピンの豊富な食事に関連したその他の要因によるものなのかは不明である。現在までのところ、前立腺がんの患者にリコピンを使った短期食事介入研究の結果は有望である(41)。しかし、前立腺がんの予防や治療のためにリコピンのサプリメントを長期間使用することの安全性や効能は不明である(41)。この問題を扱うには、大規模な対照臨床試験が必要であろう。

心血管系疾患

食事からのカロテノイド

脂肪にとても溶けやすいが水には非常に溶けにくいため、カロテノイドはコレステロールやその他の脂肪とともにリポ蛋白質に含まれて血液中を循環する。低密度リポ蛋白質(LDL)の酸化がアテローム性動脈硬化症の発症に関わっているというエビデンスから、心血管疾患の予防におけるカロテノイドなどの抗酸化化合物の役割が調べられた(42)。頸動脈の内層の厚さは、超音波技術を用いて非侵襲的に測定可能である。この頸動脈内中膜複合体厚の測定値は、アテローム性動脈硬化症の信頼し得るマーカーとされている(43)。いくつかの症例対照研究および横断的研究で、血中のカロテノイド濃度の高値と頸動脈内中膜複合体厚の低値との有意な相関がわかった(44-49)。ベースライン時(研究開始時)の血漿カロテノイド濃度が高いと心血管疾患のリスクが有意に低いという前向き研究もある(50-54)が、その関連が見られなかった研究もある(55-58)。数例の前向き研究の結果で、カロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取が多い者は心血管疾患のリスクが低いということが示唆された(58-61)が、この効果がカロテノイドによるものなのか、カロテノイドの豊富な果物や野菜の多い食事に関連するその他の要因によるものなのかは不明である。

β-カロテンのサプリメント

カロテノイドの豊富な果物や野菜を食事から多く摂取すると、心血管疾患のリスクが減る可能性があることを示唆する疫学的研究とは対照的に、4つの無作為化対照試験で20~50mg/日のβ-カロテンのサプリメントを摂取しても心血管疾患の予防に効果があるというエビデンスは見られなかった(26,28,62,63)。これらの無作為化対照試験の結果に基づいて、β-カロテンのサプリメントは中年および老年の成人の心血管疾患の予防に有効ではないとする十分なエビデンスがあると米国予防医学専門委員会は結論づけた(31,64)。したがって、観察研究ではβ-カロテンの豊富な食事が一般的に心血管疾患リスクの低減と関連があるとしているものの、β-カロテンの補給が心血管疾患を減らすというエビデンスはない(65)

加齢黄斑変性

西洋諸国では、目の網膜の中心にある黄斑の変性が年配の成人における失明の主因となっている。異常のある水晶体を入れ替えられる白内障と異なり、加齢黄斑変性には治療法がない。したがって、この病気の予防や進行の遅延が試みられている。

食事からのルテインとゼアキサンチン

網膜に存在するカロテノイドはルテインとゼアキサンチンだけである。ルテインとゼアキサンチンは黄斑に高濃度で存在し、青い光を効率的に吸収する。目から入る青い光がその下にある視覚に関わる構造に大量に到達するのを防ぐことで、加齢黄斑変性を引き起こす原因であると思われる光による酸化ダメージからルテインとゼアキサンチンが目を守っている可能性がある(10)。証明はされていないが、ルテインとゼアキサンチンは網膜でできる酸化剤を直接中和しているということも考えられる。疫学的研究では、ルテインとゼアキサンチンの高摂取と加齢黄斑変性のリスク低下が関連しているというエビデンスもある(66)。しかしながら、この関係は決して明快ではない。横断研究および後ろ向き症例対照研究で、食事中(67-69)、血液中(70,71)、および網膜(72,73)でのルテインとゼアキサンチンの濃度が高いと加齢黄斑変性の発症が少ないという関連があったが、いくつかの前向きコホート研究では、ベースライン時のルテインおよびゼアキサンチンの食事からの摂取または血清濃度と加齢黄斑変性を経年的に発症するリスクとの間に何の関係もなかった(74-77)。ルテインおよびゼアキサンチンの摂取を増やすことで加齢黄斑変性のリスクを減らせる可能性には非常に関心が高いものの、さらなる無作為化対照試験のデータがなければこれらのサプリメントを推奨することは時期尚早である(78)。加齢性眼疾患研究2(AREDS2)という臨床試験では、症状が進んだ加齢黄斑変性の進行に対する、ルテイン(10mg/日)およびゼアキサンチン(2mg/日)に加えてβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅を組み合わせたサプリメント(’AREDS’サプリメント)の補給は、何ら抑制効果を示さなかった(79)。今日までに利用可能な科学的エビデンスから、果物や野菜から少なくとも6mg/日のルテインおよびゼアキサンチンを摂取すると、加齢黄斑変性のリスクを減らせる可能性がある(67-69)

ルテインのサプリメント

萎縮性加齢黄斑変性の患者の無作為化対照試験では、10mg/日のルテインの補給によって1年後に視力がプラセボに比べて少し向上した(80)。しかし、何人かの研究者は萎縮性加齢黄斑変性の患者に対する長期間のルテイン補給の効果を評価するには、さらなる研究が必要であると結論づけている。AREDS2ではルテイン(10mg/日)とゼアキサンチン(2mg/日)に加えてβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅を組み合わせたサプリメント(’AREDS’サプリメント)は重度の加齢黄斑変性への進行を遅らせなかったが、サブグループ分析ではルテインとゼアキサンチンの摂取量が最も低い人々には有益であることが明らかになった(79)

β-カロテンのサプリメント

加齢黄斑変性に対するカロテノイド補給の効果を調べる最初の無作為化対照試験(AREDS1)では、β-カロテンをビタミンC、ビタミンE、および亜鉛といっしょに使った。それというのは、試験の始まった当時ではルテインとゼアキサンチンはサプリメントとして市販されていなかったからである(81)。抗酸化物質と亜鉛のこの組み合わせは、少なくとも片方の眼に中度から重篤な黄斑変性の徴候がある個人の黄斑変性が進行するリスクを下げたが、β-カロテンは網膜に存在しないので、この有益性はβ-カロテンに関連していないであろう。フィンランドで男性喫煙者に20mg/日のβ-カロテンを6年間補給しても、プラセボに比べて加齢黄斑変性のリスクが低くなることはなかった(82)。22,071人の健康な米国人男性のコホートにおけるプラセボ対照試験では、β-カロテンを補給(1日おきに50mg)しても加齢黄斑変性の初期段階である加齢黄斑症の発症に効果はなかった(83)。無作為化対照試験に関する最近のシステマティック・レビューでは、β-カロテンの補給が加齢黄斑変性の発症を予防または遅延するというエビデンスはないと結論づけている(84,85)

白内障

紫外線や酸化剤は眼の水晶体の蛋白質を傷つけ、白内障として知られる混濁に至る構造的変化をひきおこすことがある。人々が老いるにつれて、水晶体の蛋白質に積み重なったダメージが視覚に影響するほど大きな白内障になることもしばしばある(7)

食事からのルテインとゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンだけがヒトの水晶体に見られるカロテノイドであるという観察結果から、ルテインとゼアキサンチンの摂取を増やすと白内障の進行の予防や遅延ができるのではないかという関心が高まった(10)。4つの大規模前向き研究で、ルテインやゼアキサンチンが豊富な食品、特にホウレンソウ、ケール、およびブロッコリーの摂取が最も多い男女は、白内障の摘出(86,87)や発症(88-90)の可能性が18~50%低かった。これらの発見がルテインおよびゼアキサンチンの摂取に特異的に関係しているのか、またはカロテノイドの豊富な食事に関連したその他の要素に関係しているのかを見極めるさらなる研究が必要である(66)

β-カロテンの補給

カロテノイドを豊富に食事から摂取したりカロテノイドの血中濃度が高い人々には白内障が少ないという疫学的研究のエビデンスから、抗酸化物質に関するいくつかの大規模な無作為化対照試験にβ-カロテンのサプリメントも含まれることになった。これらの試験の結果はやや不一致が見られる。6年間以上β-カロテンを補給(20mg/日)しても、フィンランドの男性喫煙者では白内障の罹患率や白内障の手術の頻度に影響はなかった(82)。対照的に、米国の医師を対象に12年間調べた研究では、β-カロテンの補給(50mgを1日おき)が喫煙者の白内障リスクを低減したが、非喫煙者ではそうでなかった(91)。ここで、β-カロテンの補給は喫煙者の肺がんリスクを増大させることが示されたことを思い出してもらいたい(「肺がん」の項参照)。β-カロテン、ビタミンC,ビタミンEを含む抗酸化物質の白内障の進行に対する効果が3つの無作為化対照試験で調べられた。2つの試験では5年間(92)または6年以上(93)補給しても何の効果もなかったが、1つの試験では3年間の補給で白内障の進行に少しの減少が見られた(94)。全体的に無作為化対照試験の結果では、加齢による白内障の進行を遅らせるのにβ-カロテンを補給する有益性がそれによるリスクの可能性よりも大きいとは示されていない。

摂取源

食品の摂取源

北米での食事で最もよく見られるカロテノイドはα-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、およびゼアキサンチンである(6)。食品に含まれるカロテノイドは主にオールトランス型(1および図2参照)で、加熱によってその他の異性体もできる可能性がある。ほとんどの食品からのカロテノイドの生物学的利用度がサプリメントに比べて比較的低いのは、それらが植物体マトリックス中の蛋白質に弱く結合しているという事実に一部起因する(2)。刻んだり均質化したり加熱したりすると植物体マトリックスが壊れ、カロテノイドの生物学的利用度が高くなる(4)。トマトからのリコピンの生物学的利用度は、トマトを油中で加熱することで著しく向上する(95,96)

α-カロテンとβ-カロテン

α-カロテンとβ-カロテンはビタミンA前駆体カロテノイドで、体内でビタミンAに変換され得る。食品中のβ-カロテンのビタミンA活性は、レチノール(既成ビタミンA)の12分の1である。したがって、1μg(0.001mg)のレチノールを摂るには、食品からのβ-カロテンは12μg必要である。食品中のα-カロテンのビタミンA活性は、レチノールの24分の1である。したがって、1μg(0.001mg)のレチノールを摂るには、食品からのα-カロテンは24μg必要である。にんじんや冬かぼちゃのようなオレンジや黄色の野菜は、α-カロテンやβ-カロテンの豊富な食品である。ホウレンソウもβ-カロテンの豊富な摂取源であるが、葉に含まれる葉緑素が黄色がかったオレンジ色の色素を隠してしまっている。α-カロテンやβ-カロテンのよい摂取源となる食品のリストを表1と2に示す(97)

表1 食品中のα-カロテン含有量
食品 サービング α-カロテン(mg)
カボチャ(缶詰) 1カップ 11.7
ニンジンジュース(缶詰) 1カップ 10.2
ニンジン(加熱調理) 1カップ 5.9
ニンジン(生) 中1本 2.1
ミックス野菜(加熱・冷凍) 1カップ 1.8
カボチャ(焼いた物) 1カップ 1.4
プランタン〔バナナ〕(生) 中1本 0.8
コラード(加熱・冷凍) 1カップ 0.2
トマト(生) 中1個 0.1
タンジェリン〔みかん〕(生) 中1個 0.09
スナップエンドウ(加熱・冷凍) 1カップ 0.09
表2 食品中のβ-カロテン含有量
食品 サービング β-カロテン(mg)
ニンジンジュース(缶詰) 1カップ 22.0
カボチャ(缶詰) 1カップ 17.0
ホウレンソウ(加熱・冷凍) 1カップ 13.8
サツマイモ(焼いた物) 1中1本 13.1
ニンジン(加熱調理) 11カップ 13.0
コラード(加熱・冷凍) 11カップ 11.6
ケール(加熱・冷凍) 11カップ 11.5
カブ菜(加熱・冷凍) 11カップ 10.6
カボチャのパイ 1切れ 7.4
冬カボチャ(加熱調理) 1カップ 5.7
ニンジン(生) 中1本 5.1
タンポポの若葉(加熱調理) 1カップ 4.1
カンタロープメロン(生) 1カップ 3.2
β-クリプトキサンチン

α-カロテンやβ-カロテンと同様に、β-クリプトキサンチンはビタミンA前駆体カロテノイドである。食品からのβ-クリプトキサンチンのビタミンA活性は、レチノールの24分の1である。したがって、1μg(0.001mg)のレチノールを摂るには、食品からのβ-クリプトキサンチンが24μg必要である。赤いとうがらしやオレンジなどの赤や橙色の野菜や果物は、β-クリプトキサンチンが特に豊富な食品である。β-クリプトキサンチンのよい摂取源となる食品のリストを表3に示す(97)

表3 食品中のβ-クリプトキサンチンの含有量
食品 サービング β-クリプトキサンチン(mg)
カボチャ(加熱) 1カップ 3.6
パパイヤ(生) 1中1個 2.3
トウガラシ(加熱) 1カップ 0.6
トウガラシ(生) 中1個 0.6
オレンジジュース(生) 1カップ 0.4
タンジェリン〔みかん〕(生) 中1個 0.4
ニンジン(加熱・冷凍) 1カップ 0.3
コーン(加熱・冷凍) 1カップ 0.2
スイカ(生) 1切れ(長さ約38cm,直径約19cmのスイカの16分の1) 0.2
パプリカ(乾燥粉末) 小さじ1杯 0.2
オレンジ(生) 中1個 0.2
ネクタリン(生) 中1個 0.1
リコピン

リコピンはトマト、ピンクグレープフルーツ、スイカ、およびグアバの赤い色の元となっている。米国の食事のリコピンの80%は、トマトや、トマトソース、トマトペースト、およびケチャップなどのトマト製品によるものであると推定されている(98)。リコピンはビタミンA前駆体カロテノイドではないので、体内でビタミンAに変わることができない。リコピンの豊富な食品のリストを下の表4に示す(97)

表4 食品中のリコピン含有量
食品 サービング リコピン(mg)
トマトペースト(缶詰) 1カップ 75.4
トマトピューレ(缶詰) 1カップ 54.4
トマトスープ(濃縮・缶詰) 1カップ 26.4
野菜ジュース(缶詰) 1カップ 23.3
トマトジュース(缶詰) 1カップ 22.0
スイカ(生) 1切れ(長さ約38cm,直径約19cmのスイカの16分の1) 13.0
トマト(生) 1カップ 4.6
ケチャップ 大さじ1杯 2.5
ピンクグレープフルーツ(生) 半個 1.7
ベイクドビーンズ(缶詰) 1カップ 1.3
ルテインとゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンは異なる化合物であるが、ともにキサントフィルとして知られるカロテノイドに属する。これらはビタミンA前駆体カロテノイドではない。食品中のルテインとゼアキサンチンの量を測る方法ではこれらを分けないものもあるので、ルテインおよびゼアキサンチン、またはルテイン+ゼアキサンチンと表されることが一般的である。ルテインとゼアキサンチンは、様々な果物や野菜に含まれている。ホウレンソウやケールのような濃い緑色の葉物野菜は、ルテインとゼアキサンチンが特に豊富な食品である。ルテイン強化卵(ルテインの豊富なえさを食べさせた鶏の卵)のルテインの生物学的利用性は、ホウレンソウやルテインのサプリメントよりもはるかに高かったという研究がある(99)。ルテインとゼアキサンチンのよい摂取源となる食品のリストを表5に示す(97)

表5 食品中のルテイン+ゼアキサンチン含有量
食品 サービング ルテイン+ゼアキサンチン(mg)
ホウレンソウ(加熱・冷凍) 1カップ 29.8
ケール(加熱・冷凍) 1カップ 25.6
カブ菜(加熱・冷凍) 1カップ 19.5
コラード(加熱・冷凍) 1カップ 18.5
タンポポの葉(加熱) 1カップ 9.6
カラシナ(加熱) 1カップ 8.3
ペポカボチャ(加熱) 1カップ 4.0
エンドウマメ(加熱・冷凍) 1カップ 3.8
冬カボチャ(焼いた物) 1カップ 2.9
カボチャ(加熱) 1カップ 2.5
芽キャベツ(加熱・冷凍) 1カップ 2.4
ブロッコリー(加熱・冷凍) 1カップ 2.0
スイートコーン〔黄色〕(茹でた) 1カップ 1.5

食品中のカロテノイド含有量についての詳細は、米国農務省の国民栄養データベースを参照のこと。

サプリメント

精製されたカロテノイドやカロテノイドの組み合わせを含む栄養補助食品は、米国では処方箋なしで市販されている。カロテノイドは脂肪を含む食事といっしょに摂取すると、一番よく吸収される。

β-カロテン

ビタミンA活性を持つので、β-カロテンはマルチビタミンサプリメントに含まれるビタミンAの全部または一部として使用されることもある。サプリメントからのβ-カロテンのビタミンA活性は、食事からのそれよりもずっと高い。サプリメントからのわずか2μg(0.002mg)のβ-カロテンが、1μgのレチノール(既に形成されたビタミンA)に相当する。サプリメント中のβ-カロテンの含有量は、マイクログラム(μg)ではなく国際単位(IU)で表記されることも多く、3,000μg(3mg)のβ-カロテンが5,000IUのビタミンAに相当する。市販のサプリメントの大部分は、5,000~25,000IUのβ-カロテンを含む(100)

リコピン

リコピンにはビタミンA活性がない。合成されたリコピンや、トマトを主とする天然食品由来のリコピンは、栄養補助食品として入手可能である。多くの市販のサプリメントは、5~20mgのリコピンを含む(100)

ルテインとゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンはビタミンA活性がない。ルテインとゼアキサンチンのサプリメントは、遊離のカロテノイドまたはそれらのエステル(脂肪酸にエステル結合したもの)として売られている。ある研究ではルテインとルテインのエステルは生物学的利用性が同じであるとしている(99)が、他の研究ではルテインのエステルの方がルテインよりも生物学的利用性が高かった(101)。市販のルテインとゼアキサンチンのサプリメントの多くは、ルテインがゼアキサンチンよりもずっと多く含まれている(102)。そのようなサプリメントは4~20mgのルテインと0.2~1mgのゼアキサンチンを含むことが典型的であるが、その他の含量のものもある(100)。ルテインのみ、またはゼアキサンチンのみを含むサプリメントも売られている。

安全性

毒性

β-カロテン

β-カロテンはビタミンAに変換されうるが、体内にビタミンAが十分に蓄えられている際には、β-カロテンからビタミンAへの変換は少なくなる。これがβ-カロテンを高用量で服用してもビタミンA毒性を引き起こさない理由であるかもしれない(103)。高用量β-カロテン(180mg/日まで)は、光過敏症である骨髄性プロトポルフィリン症の治療に有害な副作用なしで用いられてきた(6)

リコピン、ルテイン、およびゼアキサンチン

有害性の報告はない(104)

悪影響

β-カロテン

肺がんリスクの増加:喫煙者およびアスベスト作業・従事経験者を対象にした2つの無作為化対照試験で、20~30mg/日のβ-カロテンを4~6年間補給すると、プラセボに比べて16~28%という有意な肺がんリスク増加が見られた(「肺がん」の項参照)。この原因は明らかではないが、喫煙者やその他のハイリスク集団では、特に、高用量のβ-カロテンの服用リスクが慢性疾患の予防の可能性よりも大きいと多くの専門家は感じている(30,31)

柑皮症:高用量(30mg/日以上)のβ-カロテンサプリメントやカロテンの豊富な食品の大量摂取は、柑皮症という皮膚の黄変に至る。柑皮症は健康上の問題はなく、β-カロテンのサプリメント摂取をやめたり、食事からのカロテンの摂取を減らしたりすれば問題は無くなる。

リコピン

リコピンによる柑皮症:リコピンの豊富な食品やサプリメントの高摂取は、リコピンによる柑皮症である濃いオレンジ色の皮膚の変色をもたらす。リコピンはカロテンよりももっと色が鮮烈なので、カロテンの柑皮症よりも少ない摂取量でも起こる可能性がある(6)

ルテインおよびゼアキサンチン

ルテインとゼアキサンチンによる悪影響は報告されていない(102)

妊娠期および授乳期の安全性

β-カロテン

ビタミンAとはちがって、妊娠中の女性が高用量のβ-カロテンを服用しても、先天性異常のリスクの増加との関連は無い(6)。しかしながら、妊娠期や授乳期の高用量β-カロテンサプリメントの安全性は、あまりよく研究されて来ていない。食事からのβ-カロテン摂取を制限すべき理由はないが、医師からの処方がないのであれば、妊娠中または授乳中の女性は3mg/日(5,000IU/日)より多くのβ-カロテンをサプリメントから摂取するのは避けるべきである(102,103)

その他のカロテノイド

妊娠期および授乳期におけるβ-カロテン以外のカロテノイドのサプリメントの安全性は確立されていないので、妊娠中および授乳中の女性はサプリメントではなく食品からカロテノイドを摂取すべきである。妊娠中にカロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取を制限する根拠はない(102,105)

薬物との相互作用

コレステロール低下剤であるコレスチラミン(クエストラン)やコレスチポール(コレスチド)は、鉱物油や肥満治療薬のオルリスタット(ゼニカル)と同様に、脂溶性のビタミンやカロテノイドの吸収を低減させる可能性がある(102)。痛風の治療に使われるコルヒチンは腸管吸収障害を起こす可能性がある。しかしながら、1~2mg/日のコルヒチンを長期間服用しても、ある研究では血清β-カロテン濃度に影響はなかった(106)。オメプラゾール(プリロセック、ロセック)、ランソプラゾール(プレバシッド)、ラベプラゾール(パリエット)、およびパントプラゾール(プロトニックス、パントロック)のようなプロトンポンプ阻害薬を使って胃のpHを上げると、β-カロテンサプリメントを単回投与した際に吸収が低下したが、食事からのカロテノイドの吸収が影響を受けるのかどうかは不明である(107)

抗酸化物質のサプリメントとHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)

間違い無く冠動脈性心疾患を有し、且つ、血清高密度リポ蛋白質(HDL)濃度の低い160人の患者を対象にした3年間の無作為化対照試験で、シンバスタチン(ゾコール)とナイアシンの組み合わせは、HDL2濃度を上昇させ、冠動脈狭窄の進行を抑制し、心筋梗塞や脳卒中を含む心血管疾患の頻度を減らした(108)。驚いたことに、抗酸化物質の組み合わせ(毎日1,000mgのビタミンC、800IUのα-トコフェロール、100mcgのセレン、および25mgのβ-カロテン)をシンバスタチンとナイアシンの組み合わせといっしょに摂取すると、これらの保護的効果はなくなった。この治験では抗酸化物質が同時に摂取されているので、β-カロテン単体での役割は決定できない。対照的に、冠動脈疾患や糖尿病の20,000人以上の男女を対象にしたシンバスタチンと抗酸化物質(毎日600mgのビタミンE、250mgのビタミンC、および20mgのβ-カロテン)の組み合わせによるもっと大規模な無作為化対照試験では、抗酸化物質の組み合わせはシンバスタチンによる治療の心臓保護効果を5年間にわたって消滅させることはなかった(109)。このことは、先の試験では抗酸化物質の組み合わせがナイアシンの持つHDL濃度上昇効果を阻害した可能性を示唆している。抗酸化物質のサプリメントと、ナイアシンやHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)といったコレステロール低下剤との相互作用の可能性を解明するには、さらなる研究が必要である。

食品との相互作用

オレストラTM

対照摂食試験で、脂肪代替品のオレストラTM(ショ糖ポリエステル)を18g/日摂取すると、3週間で血清カロテノイド濃度が27%減った(110)。オレストラを含むスナックが市場に出る前と後で人々を調べた研究では、オレストラを少なくとも2g/日摂取していた人々の血清総カロテノイド濃度が15%減った(111)。成人を対象にしたある研究では、オレストラを週に4.4gより多く摂取する人は、オレストラを摂取しない人に比べて血清総カロテノイド濃度が9.7%減った(112)

植物ステロールまたはスタノールを含む食品

植物ステロールを含むスプレッド(パンに塗るもの)を定常的に摂取していると、いくつかのカロテノイド、特にα-カロテン、β-カロテン、およびリコピンの血漿濃度が10~20%程度、控えめに減少したとする研究がいくつかある(「植物ステロール」の項参照)(113,114)。しかし、植物ステロールまたはスタノールを含むマーガリンを食べる者に、カロテノイドの豊富な果物や野菜の摂取量を毎日少し余分に摂るように指導すると、血漿カロテノイド濃度の減少が予防できた(115,116)

アルコール

アルコールの摂取とカロテノイドの代謝の関係はよくわかっていない。定常的にアルコールを摂取していると、β-カロテンからレチノールへの変換が阻害されるというエビデンスがある(117)。2例の無作為化対照試験における高用量のβ-カロテン補給に関連する肺がんリスクの上昇は、アルコールの摂取がより多い者に顕著であった(27,118)

カロテノイド同士の相互作用

高用量のβ-カロテンは、ルテインやリコピンと同時に摂取するとそれらの吸収が競合することが代謝の研究から示唆されている(119-121)。しかし、長期間の臨床試験では、高用量のβ-カロテンサプリメントの摂取は血清カロテノイド濃度に悪影響を及ぼさなかった(122-125)


Authors and Reviewers

Originally written in 2004 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute

Updated in December 2005 by:
Jane Higdon, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in May 2009 by:
Victoria J. Drake, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Updated in July 2016 by:
Barbara Delage, Ph.D.
Linus Pauling Institute
Oregon State University

Reviewed in August 2016 by:
Elizabeth J. Johnson, Ph.D., Research Scientist
Antioxidants Research Laboratory
Jean Mayer USDA Human Nutrition Research Center on Aging
Assistant Professor, Friedman School of Nutrition Science
Tufts University

Copyright 2004-2024  Linus Pauling Institute


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